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更新日:2024年1月1日
板地著色二十四孝図(二十四孝図絵馬)
いたじちゃくしょくにじゅうしこうず (浜松市浜名区宮口 庚申寺)
昭和57年5月22日 市指定有形文化財(絵画)
この絵馬は、上部がゆるい入山型に作られています。高さ154.5cm、幅179.1cmあります。絵画面は薄く胡粉を引いた上に、二十四孝の図柄を細部まで丁寧に描写しています。胡粉と墨で調子をまとめ、各々のモチーフに彩色を施しています。その描写力や顔料の使い方から、奈良絵の技巧が使われています。構図は、御伽草子の挿絵の構図が参考にされており、描かれている順番も大舜に始まり、陸績に終わるという、御伽草子に書かれている順番と同じです。二十四孝図絵馬は、寄進文をみると、元禄6年(1693)に遠州豊田之郡赤佐庄尾野村の人々が、雨乞いのために奉納したものいうことが分かります。元禄6年は、現在、残っている各村々の江戸時代の年貢免状をみると、米の収穫量が少ない凶作の年であったようです。これは、降雨が少なく旱魃状態であったためと考えられ、雨乞いのため、庚申寺へ奉納されたと思われます。庚申寺には、今も請雨閣の額があり、かつて雨乞いが行われていたことが分かります。本絵馬の題材となっている二十四孝図とは、中国の孝行者の話であり、南北朝時代に日本に伝えられ、室町時代に御伽草子の「二十四孝」として刊行され、全国に流布しました。
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