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更新日:2013年9月26日

文化財情報vol.68

浜松市文化財情報/Vol.68

浜松市文化財情報

Vol.68平成25年9月15日

第15回全国こども民俗芸能大会に川名ひよんどり保存会が出演しました!

写真:全国こども民俗芸能大会

去る8月17日(土曜日)、日本青年館大ホール(東京都新宿区)で行われた「第15回全国こども民俗芸能大会」に本市から川名ひよんどり保存会が出演しました。

全国こども民俗芸能大会とは?

全国こども民俗芸能大会は、日本全国からこどもたちが集い、それぞれの地域で伝えられている民俗芸能の披露を通じてその楽しさを認識していただき、民俗芸能の保存振興とともに生涯学習活動の普及・啓発を図ることを目的に毎年夏休みの時期に開催されています。本年度は復興支援枠を含めた全国53団体から選考された7団体と海外招聘1団体が上演しました。
また、今回の大会は「東日本大震災~郷土芸能復興支援プロジェクト」の一環として行われ、被災地のこどもたちの芸能も披露されました。地域社会になくてはならないコミュニティの柱である民俗芸能の復興を支援する目的で、復興支援枠として、岩手県釜石市「げんきっこ虎舞」と福島県浪江町「請戸の田植踊」の2演目が特別に上演されました。

川名のこどもたちが熱演!

関東ブロック1都10県を代表して、本市から出演した川名ひよんどり保存会の皆さまは、夏休み期間中の猛暑のなかを連日連夜練習に励み、本番を迎えました。本来は正月4日の厳寒の時期に行われるため、舞の練習もさることながら、衣装あわせの際には、こどもたちだけでなく、着付け係の大人たちも全員汗だくになりながら入念な準備を行いました。前日16日(金曜日)夜も全員で練習をした後、当日は夜も空けきらないうちに浜松を出発し、午前中のうちに会場の日本青年館に到着、休む間もなくオープニングとフィナーレを含む舞台リハーサルを行いました。

写真:練習中風景

猛暑に負けず、熱心に練習しました

写真:楽屋

こどもたちは楽屋で待機している間も、地元静岡のマスコミだけでなく、各団体の同行取材で訪れた全国のマスコミからも取材を受けていました。カメラやマイク向けられた当初は緊張した面持ちでしたが、いつのにか“取材慣れ”しているこどもたちの適応能力の高さに、保存会の大人たちも感心していました。

そしていよいよ本番。オープニングの後、岩手・沖縄・愛知・青森のこどもたちが華やかで愛らしい芸能を披露し、休憩明けのトップバッターとして川名のこどもたちが上演しました。小学4~6年生の男女8人が「順の舞」「片の舞」「片イナムラの舞」を披露しました。こどもたちの舞の厳粛さに加え、どこか郷愁を感じさせる保存会による笛や太鼓の音色が会場全体に響き渡り、千人を越える観客の心は舞台上に釘付けとなり感動のなか終了しました。その後、海外(ラオス)・福島・山口のこどもたちの芸能が披露され、無事フィナーレを迎えました。今回の出演により「川名のひよんどり」の名前が、全国の皆さまの心に強く刻まれたものと確信しております。

写真:取材対応中

マスコミからの取材に緊張!

写真:舞台袖でスタンバイ中

ドキドキしながらスタンバイ・・・

写真:熱演中!

ただ今、熱演中!

親と子のウミガメ教室を開催しました

浜松市南部の遠州灘海岸には、毎年5月から8月にかけてアカウミガメが産卵に訪れます。世界的に絶滅が心配されているアカウミガメについて、浜松市は市指定天然記念物として保護監視・生態調査を行うとともに、親と子のウミガメ教室を開催し、市文化財の保護や環境教育の観点から学ぶ機会を設けています。

写真:親と子のウミガメ教室

ウミガメ教室は全3回のメニューを実施し、約100組の親子が参加しました。教室の1回目は講師よりウミガメの生態等について学び、参加者から多くの質問が出され、理解を深めました。
2回目は7月27日(土曜日)、中田島海岸で、早朝の海岸ウォッチングを行いました。この日は偶然にも産卵のため上陸したウミガメの足跡が確認でき、産卵巣の確認や生まれたばかりの卵に実際に触れるという貴重な体験ができました。
最終回は8月25日(日曜日)、子ガメの放流会を行いました。当日ふ化したばかりの子ガメを1匹ずつ手渡され、力強く波打ち際に向かう姿を親子で見入っていました。
今年上陸したカメは279頭、産卵頭数198頭、保護卵は累計22,362個(平成25年8月20日現在)と、年々増加の傾向にあります。
絶滅危惧種であるアカウミガメが今後もふるさとの浜松の海に戻り、同じ営みがくり返される海岸になるよう、命の尊さや環境保護の大切さを次世代にも繋いでいくことが望まれます。

写真:ウミガメの子

文化財日記抄

8月には、こんな調査活動などを行いました。

1日

(木曜日)

北区三ヶ日町

村上遺跡、楠木遺跡予備調査

2日

(金曜日)

中区元城町

第1回文化財保護審議会

5日

(月曜日)

浜北区根堅

中屋遺跡予備調査[~9日]

7日

(水曜日)

中区元城町

静岡県建築士会との意見交換」

8日

(木曜日)

天竜区水窪町

西浦の念仏踊伝承状況現地調査

10日

(土曜日)

天竜区水窪町

水窪の念仏踊伝承状況現地調査

12日 (月曜日) 南区若林町 若林町村西遺跡予備調査

13日

(火曜日)

北区滝沢町

滝沢の放歌踊伝承状況現地調査

北区細江町・引佐町

近代和風建築現状調査

15日

(木曜日)

西区庄内町

呉松の大念仏伝承状況現地調査

16日

(金曜日)

天竜区水窪町

西浦の念仏踊伝承状況現地調査

19日

(月曜日)

東区恒武町

社口遺跡工事立会

20日 (火曜日) 東区神立町 将監名遺跡予備調査

22日

(木曜日)

北区・引佐健康文化センターギャラリー

谷下ワニ研究会ギャラリートーク、引佐町出土品展示[~23日](参加92人)

天竜区水窪町

浜松戦国山城まつり実行委員会(第1回)

23日

(金曜日)

西区舞阪町

舞阪町天白遺跡工事立会

北区引佐町

歴史的建造物現状調査

27日

(火曜日)

京都市

重要文化財(美術工芸品)保存修理進捗状況調査

28日 (水曜日) 北区細江町 浜松市無形民俗文化財保護団体連絡会理事会

31日

(土曜日)

中区・賀茂真淵記念館

家康の軌跡講座1「家康時代の浜松城」(参加48人)

浜北区・市民ミュージアム浜北

ワークショップ「はにわゼミナール」(参加40人)

文化財イベント

平成25年10月6日(日曜日)
午前10時~午後3時/つみいしづか広場(浜北区染地台)
古墳まつり

県指定史跡「二本ヶ谷積石塚群」「赤門上古墳」

市指定史跡「稲荷山古墳」

平成25年10月12日(土曜日)・10月13日(日曜日)
午後4時~/開明座(北区引佐町横尾)
横尾歌舞伎定期公演

県指定無形民俗文化財「横尾歌舞伎」

平成25年10月26日(土曜日)
午後3時~翌朝/八坂神社(天竜区佐久間町川合)
川合花の舞

県指定無形民俗文化財「川合花の舞」

浜松の自然災害史(5)絵図に記録された安政東海地震

(この記事は、浜松市メールマガジンとリンクしています)

浜松市内には、地域でおこった災害を記録した絵図や古文書が伝えられており、また、遺跡の発掘調査においても、過去におこった災害の痕跡が見つかっています。今回は、そうした災害の記録のなかでも、絵図(『舞坂宿津波図』)に記録された安政東海地震の状況をご紹介いたします。

まずはじめに、安政東海地震は、嘉永7年(地震発生後の12月に安政に改元、1854年)、11月4日の午前9時前後に発生し、県内では遠江各地、駿河、伊豆等に被害をもたらした地震です。また、この安政東海地震の翌日5日には安政南海地震が発生しています。
『舞坂宿津波図』は、安政東海地震で発生した津波が舞坂宿付近を襲った様子を北側から鳥瞰図の形で描いたもので、大きさは縦40cm、横103cmの絵図です。また、図の下側が北、図の上側が南(遠州灘側)という構図となっています。
この絵図右上には、「大地震嘉永七年寅十一月四日朝五ツ七歩時寺社をさして町屋之内図其内津浪と申船場にて浪高サ三丈はかり相見へ氏神之山宝登山へ宿中登り」と記され、地震が11月4日9時前後に発生し、舞坂宿では各町や東海道の一部が水に浸かり、三丈(約9m)ほどの津波が迫ってきて、人々が氏神社(現在の岐佐神社)と宝燈山に避難したことが分かります。絵には氏神社と宝燈山に人々が寄り集まっている状況が描かれ、右下には、浜松藩の年貢米を積んだ五百石船が津波によって流され、宿の北側にある新田堤の上に漂着した様子も描かれています。

こうした絵図や災害の状況が記録された古文書を読み解くことで、先祖が伝えたかった警鐘を知ることができます。

写真:『舞坂宿津波図』
『舞坂宿津波図』

編集後記

発掘の整理作業の中に「遺物洗い」があります。現場で出土した土器や石器はきれいに傷をつけないように洗われますが、長い年月でこびりついた泥や汚れはしぶといものです。さらに今年の夏は猛暑の中、屋外での遺物洗いは虫が飛び回り、汗が噴き出し、悪戦苦闘の連続でした。秋の気配が少し感じられるようになり、本当にホッとしています。

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浜松市役所市民部文化財課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2466

ファクス番号:053-457-2563

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