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更新日:2023年3月24日

文化財情報vol.61

浜松市文化財情報/Vol.61

浜松市文化財情報

Vol.61 平成25年2月15日

賀茂真淵記念館 特別展覧・平常展後期のご案内

ふじのくに祝祭年間 賀茂真淵 春 特別展覧 2月20日(水曜日)~28日(木曜日)

富士山といえば、国民に広く親しまれている文部省唱歌厳谷小波作詞「ふじの山」があります。
あたまを雲の上に出し 四方の山を見おろして
かみなりさまを下に聞く 富士は日本一の山

『日本の唱歌』(金田一春彦・安西愛子編)によればこの「ふじの山」は賀茂真淵の和歌“するがなる”にもとづいていると言われます。
夏日望 するがなるふじの高嶺はいかづちの
富士山 音する雲の上にこそ見れ 真淵

『賀茂真淵歌集の研究』(田林義信著)によれば、この歌は「夏日東海道中望富士山作歌一首并短歌」とあるように、長歌に添えた反歌であり、延享3 年(1746)6月、真淵50歳の作です。
どちらの歌も、時をこえて富士山のもつスケールの雄大さ、神々しさが親しみやすく表現されています。

写真:賀茂真淵

賀茂真淵和歌“するがなる”を初展示

今回の特別展覧には、この「賀茂真淵和歌“するがなる”短冊台紙貼り」を初展示します。注目の和歌をぜひご覧ください。また、本館所蔵の名品「縣居翁真蹟 富士の和歌“ふじの山を見て”」「本居宣長大人富士画併賛長歌」なども必見です。さらに『竹取物語』『伊勢物語』に書かれた富士山に関する資料の掲示など見どころ満載です。

記念館で、富士山の魅力再発見を!

富士山は、日本人の心や伝統文化に重ねて、万葉の時代から長く詠い継がれてきました。江戸期文人の目に映った富士の麗姿に、我が国柄の美しさ、気高さを訪ねてみませんか。
“富士山の日”特典!!

  • 期間内入館者に記念館特製ファイルを進呈
  • 2月23日(土曜日)“富士山の日”は入館料無料

賀茂真淵記念館平常展(後期)
賀茂真淵とその門流~近世の歌文を中心として ~5月29日(水曜日)まで

平常展では、国学者賀茂真淵の輝かしい業績を、和歌や和文の面からスポットをあて、真淵の高弟本居宣長をはじめその門流が、どのように継承発展していったかを、掛軸や写本・版本で紹介しています。

真淵の国学は万葉調詠歌の重視から

真淵の国学は、その根本において古語の古意を究明すること、それを深く理解するために万葉調詠歌体験を重視するものでした。この意味で真淵の万葉調作歌は学問的にも重要であり、歌文を中心とする上代人の性情探求を基礎として成立しているのだということができます。
真淵の高弟本居宣長も『うひ山ぶみ』で「学問をするものは…歌をよまでは、古の世のくはしき意、風雅の趣はしりたがたし」と説き、詠歌によって学問の感性的基盤を培い、国学を大成させています。
真淵の門流も国学の研究を進める上で、詠歌に重要な位置を与え、歌を詠むことを通して国学を継承発展させていきました。

写真:賀茂真淵掛け軸
手本”なにはつ”貼り賀茂真淵

心のふるさと 賀茂真淵記念館へ

展示物もこの流れを踏まえて展示されています。「手本“なにはつ” 貼り賀茂真淵画像」をはじめ、真淵自身とその門流の書や著作など学術的価値の高い名品を擁し、皆様のご来館をお待ちしています。

賀茂真淵記念館 浜松市中区東伊場一丁目22番2号

  • 開館時間: 午前9時30分~午後5時
  • 休館日: 月曜日(ただし、祝日の場合は翌火曜日が休館)
  • 観覧料: 大人…300円、高校生…150円、小・中学生…無料
    70歳以上及び障がい者の方…無料
  • アクセス: JR浜松駅下車、遠鉄バス志都呂宇布見線(5番のりば)に乗り、商工会議所下車、北へ徒歩5分

お問合わせ: tel/fax共 053-456-8050

※詳細はwebサイト(www.mabuchi-kinenkan.jp)をご覧ください。

写真:賀茂真淵記念館

第13回地域伝統芸能まつりに遠州大念仏が出演

地域伝統芸能まつりは、平成12年度から地域伝統芸能まつり実行委員会と財団法人地域創造の主催、総務省・文化庁・観光庁・NHKの後援で開催されています。全国を代表する地域の伝統芸能及び古典芸能が一堂に会して芸能を披露する国民的な祭典です。
このたび、市指定無形民俗文化財「遠州大念仏」の保存団体である『遠州大念仏保存会』が、本市の民俗芸能では初めて出演することになりました。
今回ハレの舞台に出演するのは、浜北区於呂で伝承活動に取り組んでいる「芝本下組」の皆さまです。「芝本下組」の特徴は、けんか念仏といわれる軽快なテンポの太鼓切りと出ばやしでの踊りのほか、太鼓と道化のコラボレーションが見せ場となっています。“念仏は郷土の宝”として、後世にしっかり伝承していくことが使命と考え、日々練習に励んでいます。
去る1月19日(土曜日)には、演出家や舞台監督はじめ主催者スタッフが浜北区の練習会場を訪れ、出演される皆さまと詳細な打合せを行いました。盆行事として行う本来の大念仏とは正反対の季節の披露となりますが、今月23日の出演に向け、寒さに負けず地域をあげて練習に取り組んでいます。(出演概要は文化財イベント欄をご覧ください)

写真:芝本下組
今回出演する芝本市下組
写真:主催者との打合せ風景
主催者との打合せ風景

文化財日記抄

1月には、こんな調査活動などを行いました。

3日

(木曜日)

北区引佐町

寺野のひよんどり伝承状況現地調査

4日

(金曜日)

北区滝沢町

滝沢のおくない伝承状況現地調査

天竜区神沢

神澤のおくない伝承状況現地調査

北区引佐町

川名のひよんどり伝承状況現地調査

8日

(火曜日)

西区舞阪町

舞阪町天白遺跡工事立会

9日

(水曜日)

北区三ケ日町

分布調査(岡本・平山・福長・只木地区)

10日

(木曜日)

本庁

アカウミガメ保護打合せ

浜北区於呂

芝本遺跡予備調査

14日

(月曜日)

天竜区春野町

瑞雲院山門保存修理工事現場説明会

北区細江町

百万遍念仏伝承状況現地調査

15日

(火曜日)

東区中郡町

旧鈴木家屋敷予備調査~23日

16日

(水曜日)

天竜区二俣町

文化庁調査官山城調査指導(~17日)

17日

(木曜日)

西区舞阪町

舞阪町天白遺跡工事立会

北区細江町

気賀関所本番所文化財防火デー立入査察

19日

(土曜日)

浜北区於呂

遠州大念仏芝本下組伝承状況現地調査

22日

(土曜日)

西区舞阪町

舞阪町天白遺跡工事立会

23日

(水曜日)

西区坪井町他

海岸防災林管理広場駐車場清掃作業

北区三ケ日町

初生衣神社織殿文化財防火デー立入査察

北区細江町

白栁家住宅文化財防火デー立入査察

24日

(木曜日)

東区大蒲町

大蒲町村東2遺跡予備調査

西区雄踏町

中村家住宅文化財防火デー消防訓練

25日

(金曜日)

北区細江町

長楽寺文化財防火デー消防訓練

28日

(月曜日)

天竜区二俣町

鳥羽山城跡庭園遺構専門家調査

文化財イベント

平成25年2月23日(土曜日)
午後3時~/NHKホール(東京都渋谷区)
第13回地域伝統芸能まつり

市指定無形民俗文化財「遠州大念仏」(芝本下組)

平成24年8月15日(水曜日)
午前11時00分~・午後0時10分~/都田総合公園
北区Deまつり

県指定民俗文化財「滝沢の方歌踊」
市指定無形民俗文化財「勝坂神楽」

浜松武将アラカルト(11)浜松地域の土豪たち

(この記事は、浜松市メールマガジンとリンクしています )

浜松地域には、かつて浜松城主と単独で御目見[おめみえ]ができる「独礼[とくれい]庄屋」がいました。例えば万斛[まんごく]村(現・東区中郡町)の鈴木家や、有玉下村(現・東区有玉南町)の高林家、宇布見村(現・西区雄踏町宇布見)の中村家などです。なかでも高林家や中村家は、江戸時代には庄屋でしたが、元々は今川氏・徳川氏に仕えた土豪の家柄です。
高林家初代は今川氏の家臣でしたが、今川義元没後は家康に仕えました。三代目の時に代官に任命され、以降代官・庄屋を務めました。当家出身の人物では、内山真龍・本居宣長の門人で、水野忠邦の国学の師となった八代目方朗[みちあきら]が特に有名です。
中村家の初代は、源頼朝の弟範頼の庶子とされ、その子孫は応仁の乱以降今川氏によって遠江国へ招かれました。今川氏衰退後、家康の遠江入国時に中村家が浜名湖渡海の協力をしたとされ、家康との親密な関係ができたことから、天正二年(1574)に中村家の屋敷で、家康の次男於義丸[おぎまる](後の福井藩祖結城秀康)が誕生しています。この後家康が関東へ移ると、士分格を捨て庄屋となりました。
中村家は、国重要文化財に指定され、保存公開されています(金・土・日公開)。一般見学も可能ですので、訪れて、その雰囲気を感じてみてはいかがでしょうか?

写真:中村家住宅
中村家住宅(西区雄踏町宇布見)
写真:鈴木家住宅
鈴木家住宅(東区中郡町)※通常非公開

編集後記

2月に入り、寒風の吹く日が続きます。今年度も残すところあとわずかとなりました。現在、浜松市には国指定25件、県指定80件、市指定324件の、合計429件の指定文化財があります。古くからの歴史や自然、芸術、先人の知恵を後世に伝承していくため、文化財に対するご理解とご支援を今後ともよろしくお願いいたします。

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お問い合わせ

浜松市役所市民部文化財課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2466

ファクス番号:053-457-2563

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