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更新日:2023年3月24日
浜松市文化財情報/Vol.49
Vol.49 平成24年2月15日
1月21日(土曜日)に西区神原町にある浜松市埋蔵文化財調査事務所にて、第1回「まいぶん祭り」を神久呂公民館祭りと同時開催しました。
この「まいぶん祭り」は、市民の方に浜松市埋蔵文化財調査事務所の存在と、普段行っている業務を知っていただく機会を設けることを目的に、今年度から浜松市埋蔵文化財調査事務所を会場に開催を計画しました。
第1回は、あいにくの雨天にもかかわらず、地元の方をはじめ、市内各地から74名の方にご参加いただきました。
祭り当日は、小中学生と保護者向けの「どきどき体験スタンプラリー」と一般向けの見学講座「プロが語る郷ヶ平古墳群の調査」の2つのイベントを開催しました。
「どきどき体験スタンプラリー」では、小中学生の親子が、スタンプラリーカードを片手に、6つの「どきどき体験」を行いました。
中には、考古学にあまり興味がない子も、体験を1つ2つとこなすうちに、しだいに興味をもち、夢中になって体験に取り組んでいました。
3つ以上の体験をした子には、職員から修了証が渡されました。
◇どきどき火おこし体験◇
昔の人のように火おこしの道具を使って火おこしをする体験
◇どきどき発掘体験◇
実際の発掘現場のように道具を使って本物の土器の発掘を行う体験
◇どきどき土器クイズ◇
本物の土器を見ながら、土器についてのクイズにチャレンジする体験
◇どきどき接合体験◇
本物の土器の破片の形をよく見て、一つの形にしていく体験
◇どきどき拓本体験◇
本物の土器の形や模様を写しとる体験
◇どきどき昔の人体験◇
昔の人の衣装を着て、本物の土器と一緒に記念撮影をする体験
見学講座「プロが語る郷ヶ平古墳群の調査」では、実際に調査を担当した職員が、調査結果の詳細や浜松の古墳について、分かりやすく解説を行いました。
また、講座参加者は、実際に郷ヶ平古墳群から出土した復元途中の馬形埴輪を、目の前で見学しながら話しを聞くことで解説への理解を深めました。
来年度の第2回「まいぶん祭り」もご期待ください!!
本年度の家康公プロモーション事業の一環で、7月から1月にかけて開催した市民歴史講座「徳川塾」は、好評のうち全6回を終了いたしました。
「徳川塾」は単なる徳川家康の事績の話にとどまらず、さまざま資料を用いて、城郭研究・今川氏研究・武田氏研究の専門家から新たな視点でとらえた戦国時代の遠江や徳川家康像をお話しいただく講座となり、家康や歴史に興味のある聴講者の皆様によい刺激を与えるものとなりました。
毎回、定員の約1.5倍から2倍の皆様の応募があり、戦国時代や徳川家康に対する興味をお持ちの方が多いことがわかりました。
聴講者の皆様からお答えいただいたアンケートでも、このような企画を続けて欲しいとの要望も多くありました。
今後も、文化財や歴史に関する講座を企画・開催してまいります。
第1回 |
7月9日 |
中世・徳川家康時代の岡崎城 |
奥田敏春 |
---|---|---|---|
第2回 |
7月30日 |
徳川家康と遠江の城 |
溝口彰啓 |
第3回 |
8月20日 |
浜松在城期の徳川家康 |
久保田昌希 |
第4回 |
12月18日 |
家康の遠江攻略と三河武士 |
堀江登志実 |
第5回 |
12月18日 |
浜松にのこる家康の足跡 |
夏目琢史 |
第6回 |
1月29日 |
武田信玄の遠江侵攻と徳川家康 |
柴裕之 |
1月には、こんな調査活動などを行いました。
3日 |
(火曜日) |
北区・天竜区 |
遠江のひよんどりとおくない伝承状況現地確認(~4日) |
---|---|---|---|
10日 |
(火曜日) |
天竜区春野町 |
旧王子製紙製品倉庫現況調査 |
16日 |
(月曜日) |
南区田尻町 |
田尻遺跡試掘調査 |
17日 |
(火曜日) |
浜北区大平 |
大平城跡現況調査 |
18日 |
(水曜日) |
浜北区宮口 |
野口前遺跡試掘調査 |
19日 |
(木曜日) |
北区細江町・三ヶ日町 |
気賀のウルシ、玉洞寺のサザンカ等現況調査 |
23日 |
(月曜日) |
東区小池町 |
箕輪遺跡試掘調査 |
25日 |
(水曜日) |
北区引佐町・三ヶ日町 |
三岳城跡、愛宕平古墳等現況調査 |
26日 |
(木曜日) |
西区雄踏町・北区引佐町 |
文化財防火デー防火訓練実施状況確認 |
27日 |
(金曜日) |
南区東若林町 |
東若林遺跡工事立会 |
28日 |
(土曜日) |
浜北区上島 |
新田組龍燈保存修理工事完成検査 |
31日 |
(火曜日) |
南区新橋町 |
旧大通院境内遺跡隣接地試掘調査 |
3月4日(日曜日)
「根堅遺跡」「金刀比羅神社巫女神楽」など
遠州山辺の道ウォーク
「金刀比羅神社春まつりとお神楽見学」
午前9時~午後0時30分/浜北区根堅・尾野
※問合せ:浜北区まちづくり推進課 電話586-6201
2月11日(土曜日)に第1回目の文化財ボランティア養成講座が、開かれました(受講者34名)。
講座では、最初に安政地震津波絵図(姫街道と銅鐸の歴史民俗資料館)と「萬日記」(1854)をもとに、北区細江町の津波被害について紹介されました。
安政の津波は、本坂道を一部切断するほど、山際まで押しよせ、浜名湖沿岸の水田を壊滅させたそうです。
「萬日記」にはその時の状況を記しているばかりでなく、今まで注目されていない津波・高潮の記録があります。
現段階では真実か、記述が誤りなのかは、確定できません。
まだ発見されていない古文書の存在も考えられることから、文献の所在調査とその記載内容の調査が必要です。
また、地震に関わる古記録からは、地震の規模や余震の状況、津波との関係、直下型なの
か、長周期振動型なのかといった地震の性格も明らかになります。
古文書や古絵図の他、埋蔵文化財の発掘調査で得られた成果も同様です。
講座の中でも紹介した発掘調査では、大まかな年代ではありますが、地震による地割れ、断層、噴砂、津波堆積層などの存在が判明します。
どのような規模の地震が、その程度の周期で発生しているのか、文化財も防災にも貢献できるとのお話でした。
「変化抄」は入野村の竹村広蔭が著した江戸時代の備忘録には、御前崎以西の遠江の被害の状況が克明に記されています。
受講された方からは、
「思っていた以上に詳細な記録が残っていることに驚いた」
「博物館で行っている古文書講座に参加してみたい」
「1944年の昭和東南海地震について情報収集してみたい」
との意見がありました。
講座は、2回目を2月18日に、東日本の大震災の文化財被害と保護活動の実践例、3回目を同25日に、文化財レスキューについて紹介する予定です。
法隆寺の火事をきっかけとして制定された「文化財防火デー」。
毎年1月26日、全国各地の文化財施設で防火訓練等が行われています。
先日、神戸で、国重要伝統的建造物群保存地区内の異人館の一つが火災で焼失してしまうという、大変残念な事件がありました。
乾燥した日が続く今日この頃、文化財に限りませんが、火事には気をつけたいものです。
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