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更新日:2023年3月24日
浜松市文化財情報/Vol.45
Vol.45 平成23年11月15日
絶好のコンディション
11月5日(土曜日)、第18回全国山城サミット連絡協議会浜松大会(全国山城サミット浜松大会)のプレイベント「千頭峯城と三ヶ日の文化財めぐり」を開催いたしました。
天気は曇りでしたが、雨の心配はなく、好条件での実施となりました。
参加者の年齢層は幅広く、市外から参加された方もいらっしゃいました。(横浜市から参加された方も!) また、NPO法人えんしん地域サポートのみなさんが運営のお手伝いをしてくださいました。
コースは、三ヶ日駅(駅舎が国の登録文化財)をスタートして、静岡県指定史跡の千頭峯城、湖北五山のひとつ摩訶耶寺、浜名惣社神明宮、三ヶ日宿をめぐって、三ヶ日駅に戻る内容でした。
険しい山道を登ると・・・
千頭峯城は、北区三ヶ日町摩訶耶の通称センドウ山の山頂一帯に広がる山城です。
浜松から本坂峠を越えて東三河に至る本坂道と、二俣から宇利峠を越えて新城に至る信州街道が交差する交通の要地に築かれ、街道を押さえる役目を担っていたと考えられます。
北区引佐町にある三岳城の支城のひとつとして、南北朝時代に南朝方の拠点として築かれた城です。
古文書などから暦応2年(1339年)、北朝方の攻撃を受け、三岳城とともに落城したと伝えられています。
城は山頂の本曲輪を中心にT字状に伸びる尾根筋を利用して築かれています。
本曲輪下段には二の曲輪、西側には堀切を挟んで土塁を伴う西曲輪が築かれています。
また、東側には三段の階段状曲輪からなる東曲輪、南側には土塁を伴う南曲輪が配置されています。
昭和56年(1981年)に発掘調査が行われ、出土した土器の年代や、曲輪や土塁、堀切など配置の特徴から、戦国時代に城が大幅に改修されたことが明らかになっています。
三河から遠江に侵攻した徳川家康が、浜名湖北岸地域の守りを固めるため、交通の要衝地にあるこの城に注目し、再利用したと考えられます。
大笑い! でも、大真面目な内容
13日(日曜日)は、なゆたホールにおいて、もう一つのプレイベント「春風亭昇太 落語&トーク『山城あるきのススメ』」を開催いたしました。
会場は、始まる前からお客さまの熱気で包まれました。
そして、昇太師匠が登場すると、ボルテージは最高潮に。
第1部は師匠による落語。
「何を話すかは、お客さまの顔を見てから決めます。」と師匠。
笑い・笑い・笑いの連続で、あっという間に第1部は終了してしまいました。
第2部は、ゲストに山城仲間の中井 均さん(滋賀県立大学人間文化学部准教授)と加藤理文さん(織豊期城郭研究会)をお招きしての3人によるトークショー。
出るわ出るわ、山城にまつわる「こぼれ話」の数々。
お客さまは、大笑いしたかと思うと、「なるほど」と感心したりと、第2部もあっという間に時間が過ぎていきました。
最後は、昇太師匠から全国山城サミット浜松大会に向けての熱いメッセージをいただいて、イベントは終了しました。
いよいよ全国山城サミット浜松大会が始まります。「決戦」の日は、11月19日(土曜日)、20日(日曜日)。会場でお会いしましょう!
10月には、こんな調査活動などを行いました。
1日 |
(土曜日) |
北区引佐町 |
農村舞台現況調査(8日・16日) |
---|---|---|---|
2日 |
(日曜日) |
北区都田町 |
郷ケ平古墳群現地説明会(235名) |
3日 |
(月曜日) |
西区深萩町 |
後之遺跡踏査 |
5日 |
(水曜日) |
天竜区/浜北区 |
天浜線台風被害状況現地調査 |
6日 |
(木曜日) |
天竜区春野町 |
台風15号被害状況現地調査(秋葉神社) |
7日 |
(金曜日) |
北区細江町 |
台風15号被害状況現地調査(気賀のウルシほか) |
8日 |
(土曜日) |
北区引佐町 |
横尾歌舞伎伝承状況現地確認 |
11日 |
(火曜日) |
中区本庁 |
付属中総合学習対応 |
17日 |
(月曜日) |
北区滝沢町 |
滝沢おくない保存会との意見交換 |
18日 |
(火曜日) |
天竜区春野町 |
旧勝坂小学校建造物調査 |
20日 |
(木曜日) |
北区引佐町 |
方広寺木造釈迦如来及両脇侍像搬出立会い |
23日 |
(日曜日) |
浜北区上島 |
新田組龍燈保存修理現地説明会(33名) |
24日 |
(月曜日) |
浜北区於呂 |
芝本遺跡試掘調査 |
25日 |
(火曜日) |
西区神原町 |
埋蔵文化財調査事務所神久呂小学校3年生見学(32名) |
26日 |
(木曜日) |
中区本庁 |
第18回全国山城サミット連絡協議会浜松大会実行委員会(第2回) |
26日 |
(水曜日) |
北区細江町 |
県文化財保護審議会立会い |
27日 |
(木曜日) |
北区引佐町 |
背山薬師堂建造物調査 |
29日 |
(土曜日) |
天竜区佐久間町 |
川合花の舞伝承状況現地確認 |
戦に明け暮れた若き日の徳川家康がその後の体制の礎を築いた浜松という土地は、2代将軍・秀忠の出生の地でもあり、徳川将軍家とは深い関わりがあります。
本展では、浜松在城時の若き日の家康、浜松生まれの二代将軍・秀忠を中心に、家康・秀忠・家光をめぐる浜松ゆかりの人々を取り上げ、国宝2点、重要文化財14点、市町村指定文化財4点を含む約140点の美術工芸品により展観いたします。
期間 |
平成23年12月3日(土曜日)~平成24年1月9日(月・祝) |
---|---|
会場 |
浜松市美術館 |
料金 |
大人・・・1,200円(750円) [前売券取扱所] 浜松市美術館、秋野不矩美術館、市内画廊・画材店、チケットぴあ(P [前期・後期共通リピーター券]会期中、2回観覧される方向け 大人・・・1,600円、大・高・専門生・・・1,000円、小・中学生・・・600円 |
基調講演「戦国の覇者徳川家康と浜松展開催によせて」
講師:德川恒孝氏(徳川宗家18代当主、公益財団法人德川記念財団理事長)
日時:12月11日(日曜日)午後3時30分~5時
場所:ホテルコンコルド浜松 2F雲の間(浜松市中区元城町109-18)
聴講料:800円(展覧会の観覧チケット代金含む)
定員:300名(応募多数の場合は抽選)
申込み:往復はがきにて希望者全員の住所、氏名、年齢、電話番号をご記入のうえ美術館(〒430-0947 浜松市中区松城町100-1)へ【11月26日(土曜日)必着】
博物館では、11月19日から翌1月9日まで、今年浜松市行われる全国山城サミット連絡協議会と連携して、「城絵図」展を開催します。
遠州地方は、戦国時代を通して多くの城が築かれた地域で、特に街道筋や北遠に多くの城が点在していました。
それらの城は、天野氏の犬居城のように地元国人領主たちの地域支配の拠点となった城のほか、今川氏や武田氏が遠州進出の拠点とするために築かれた城でした。
また、今川義元が桶狭間で討たれた後、三河から徳川家康が、甲斐からは武田信玄が、それぞれ今川領であった遠江と駿河に進出しましたが、勢力で圧倒していた武田氏が遠江へも侵攻してきました。
これにより、遠州地方では武田氏と徳川氏による、激しい城の争奪戦が行われることになりました。
今回は、そのような戦国大名同士の激しい攻防のあった遠州を中心に、三河・遠江・駿河の三国に築かれた城の絵図をご紹介していきます。
昨年の津山大会での正式決定から早一年。第18回全国山城サミット連絡協議会浜松大会がいよいよ11月19~20日に開催されます。
当日が近づくにつれて、問い合わせが日に日に増え(しかも全国から!)、緊張感は日に日に高まり・・・
準備やプレイベントを通じて改めて感じたのは、「山城って『スゴイ』」。何がスゴイのかは、会場で感じてください!
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