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更新日:2023年3月24日
浜松市文化財情報/Vol.32
Vol.32 平成22年11月15日
山城の例(千頭峯城)
浜松は全国有数の「城のまち」なのですが、皆さんご存知でしたか。
その数、100ともそれ以上とも言われています。
そう聞いて意外に思った方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。
城と言っても天守を持つ近世の城(平城)ではなく、そのほとんどが南北朝~戦国期に山を切り開き造ったとされる山城なのです。当時は櫓等の建物が存在していたかもしれませんが、そのほとんどが、存在意義を失った江戸時代には廃城となる等、現在では残っていません。
城と言われても「何もない」と思われる山城ですが、現地に立つと、掘・土塁・曲(くるわ)等、明らかに人の手により造られた構造物やその跡(遺構)が残されており、また、特に浜松の山城は、今川氏、武田氏、徳川氏が争奪を繰り返した城も数多く、歴史上大きな意味を持つ城も少なくありません。
全国にもこのような山城はたくさんありますが、やはり近世の城に比べて一般的に知られていない感があります。
その山城を持つ全国の市町村や関係団体が情報交換等を通じて交流を深め、山城の保存方法や観光資源としての山城を生かした地域の活性化を図り、潤いある豊かなまちづくりを進めることを目的として、平成6年に兵庫県和田山町で「第1回全国山城サミット(戦国山城サミット)」が開催され、翌平成7年には全国山城サミット連絡協議会が設立されました。(サミットは、開催地を変えて毎年開催されています。)
※平成22年現在 加盟自治体数:73市町村(政令指定都市は浜松市のみ)
加盟山城数:102
サミットでは加盟山城の紹介をはじめ、山城の研究成果や山城を活かしたまちづくりの事例発表、講演・シンポジウム、資料展示、現地見学会等が開催され、いずれも一般公開されているため誰でも参加することができます。
加盟自治体の情報交換の場だけではなく、サミット加盟の山城や市町村の魅力を、全国に向けて広く発信できる場や、興味のある一般の方が山城に関する最新情報を収集することができる場となっています。
第17回全国山城サミット(津山大会)のパンフレット
第17回全国山城サミット(津山大会)神楽尾城現地見学会
津山大会で、浜松市のPR中!
浜松市は平成17年の12市町村の合併により、全国に誇る山城を多数持ったことを契機に、平成18年度から協議会に加盟しています。
特に昨年度からは、市制100周年記念事業としてこの山城サミットを浜松市で開催するために、精力的に誘致活動を続けていましたが、その努力が実って、去る10月30日(土曜日)、31日(日曜日)に岡山県津山市において開催された第17回全国山城サミット連絡協議会津山大会において、次期開催地として決定されました。
静岡県としては第2回の三島大会に続いて2回目の開催となりますが、市制100周年記念事業にふさわしい、また、浜松の山城の魅力を存分に体感していただける充実した内容となるよう、関係機関の皆さまのご協力をいただきながら準備を進めて行きます。
また、山城サミット開催を記念した関連事業も計画していますので、お楽しみに!
浜松大会日程:平成23年11月19日(土曜日)・20(日曜日)
高塚遺跡では、高塚駅の北側において10月から12月の予定で、発掘調査が行われています。
この調査で、縄文時代の深鉢型土器、奈良・平安時代の須恵器、土師器、灰釉陶器、水辺の祭りに使われた土馬、中世の高級食器である中国産青磁や鉄を溶かした後に残る鉄滓などが出土しました。
特に縄文土器は、今から約5,000年前の縄文時代中期前葉のもので、しかも浜松市南部海岸平野部で見つかった遺跡の中では、最南端に位置することから注目されます。
また、縄文人が森だけでなく、砂丘地帯でも生活していたことを示す貴重な資料です。
10月には、こんな調査活動などを行いました。
2日 |
(土曜日) |
北区引佐町 |
龍潭寺本堂保存修理現場特別公開(~3日) |
---|---|---|---|
6日 |
(水曜日) |
中区鹿谷町 |
県指定史跡犀ヶ崖古戦場の現地踏査 |
7日 |
(木曜日) |
南区増楽町 |
増楽遺跡試掘 |
12日 |
(火曜日) |
南区高塚町 |
高塚遺跡(駅北)調査開始10~12月 |
14日 |
(木曜日) |
中区東伊場 |
伊場遺跡出土の弥生時代遺物の調査(文化庁調査官) |
15日 |
(金曜日) |
南区高塚町 |
高塚遺跡試掘 |
18日 |
(月曜日) |
北区ほか |
近代化遺産現地調査(~19日)[北区、浜北区、天竜 |
19日 |
(火曜日) |
南区若林町 |
村西遺跡試掘 |
20日 |
(水曜日) |
西区平松町 |
平松遺跡工事立会 |
21日 |
(木曜日) |
北区細江町 |
宝林寺仏殿小修理完成検査立会い |
21日 |
(木曜日) |
東区宮竹町 |
曳馬中学生職場体験受入(宮竹野際遺跡)~22日 |
26日 |
(火曜日) |
中区田町 |
文化的価値ある建築物の保全活用検討会参加 |
11月30日(火曜日)まで開催中
重要文化財「宝林寺仏殿・方丈」ほか
宝林寺指定文化財展
午前10時~午後4時/宝林寺(北区細江町中川)
※拝観料300円が必要です。
11月28日(日曜日)
放鷹文化講演会「家康公と鷹狩り」
12月4日(土曜日)
遠州山辺の道ウォーク
午前9時~午後2時/午前9時に福応寺(浜北区内野)集合
コース:龍泉院⇒不動寺⇒万葉の森公園(昼食)⇒二本ヶ谷積石塚群⇒稲荷山古墳⇒赤門上古墳
※申込み終了(定員に達しました)
今年は、文化財保護法が制定されてから、60周年にあたります。
文化財保護法は、昭和24年の法隆寺金堂壁画の焼失を契機に、翌昭和25年(1950)に、戦前の「国宝保存法」、「重要美術品等ノ保存ニ関スル法律」、「史蹟名勝天然紀念物保存法」などを統合して誕生しました。
その後、無形文化財や民俗文化財の保護など新たな制度を拡充しています。
なお、文化庁が発足したのは昭和43年です。
最近では、伝統的建造物群や文化的景観という新しい考え方が導入されるなど、法律自体も改正を重ねてきました。
静岡県や浜松市の文化財保護も、こうした動向に沿っています。
浜松市内の歴史遺産のうち、国・県指定文化財や市指定文化財は、総数3,000点を超え、全国の市町村の中でも最多級です。
さまざまな分野にわたる指定文化財をご紹介し、文化財の将来を考えます。
文化財愛護シンボルマークは、文化財愛護運動を啓蒙するため、1966年5月に定められました。
このシンボルマークは、ひろげた両手のひらをイメージし、日本の寺社建築などに特徴的な要素である斗きょう(ときょう=組みもの、「きょう」は「木へんに共」)を表し、これを三つ重ねることにより、文化財という民族の遺産を過去から現在、未来にむけて永遠に伝承してゆくという愛護精神を象徴したものです。(文化庁)
<編集後記>
表面記事に記載した通り、視察と次期開催地浜松のPRのため、全国山城サミット津山大会へ参加してきました。
山城見学会に参加したところ、当課職員の姿がかなり大きく現地ローカル新聞の写真に掲載・・・。
来年度はいよいよ浜松市で開催。そろそろ準備も本格始動!
よりたくさんの写真や映像が、新聞紙面やテレビに登場するよう、職員一同がんばります!!
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