緊急情報
ここから本文です。
更新日:2023年3月24日
はままつの文化財
Vol.12 平成21年4月15日
天竜区の二俣の街を見下ろす小高い山の上には、戦国時代に築かれた城や砦の跡が複数残っています。
これらのうち二俣城と鳥羽山城の発掘調査を2月の下旬から3月の上旬にかけて行いました。
二俣城は、徳川氏と武田氏の間で激しい争奪戦が繰り広げられた城として、広く知られています。
鳥羽山城は、二俣城の南側に位置し、徳川氏が武田氏に奪われた二俣城を攻略するための拠点として使われました。
いずれの城も徳川家康が関東に移ったのちは、豊臣秀吉の家臣である堀尾氏の支配下となり、天守台などの石垣をもった城郭として整備されたと考えられています。
旧浜松銀行協会
二俣城の調査では、天守台に登る階段辺りの基礎部を調査し、地下に埋もれていたもう1段分の石垣を確認しました。
また、本丸の入口付近では門跡の礎石を検出しています。
付近からは瓦が出土し、瓦葺きの建物があったことがわかります。
この付近の石垣は、当時の様子をよく留めています。
|
|
(左)二俣城門跡 |
鳥羽山城の調査では、城へ登るための大規模な大手道を確認しました。この大手道は幅が約6mあり、県内最大級の規模です。また、本丸には庭園遺構があり軍事施設とは異な
る性格の城であったと考えられます。
二俣城と鳥羽山城は、堀尾氏在城の時期に一連の城として整備されたと考えられており、今回の調査結果から、二俣城は軍事施設、鳥羽山城は迎賓館的な施設として機能分けされていたことが、より明確になりました。
旧浜松銀行協会
|
|
(左)鳥羽山城大手道石垣 |
2月7日(土曜日)から3月7日(土曜日)まで全4回の日程で「姫街道の歴史と歩き方講座」を開催しました。
この講座には、定員30名のところ約70名を越す応募があり、市民の皆さんの関心の高さが感じられました。
第1回、2回は、三方原公民館を会場に、「中世から近世にかけての姫街道の歴史」(講師:浜松市文化財保護審議会委員の坪井俊三先生)、「姫街道の文化財」(講師:当課職員)を受講していただきました。
第1回講座
第3回は、「姫街道の松並木」周辺の文化財(三方原神社・士族屋敷跡・東大山一里塚・百里園跡など)を見学しました。
最終回となる第4回は、気賀宿(犬くぐり道・西枡形・獄門畷など)、気賀近藤家墓所、修理殿松、山田一里塚、小引佐、岩根薬師堂などを見学するフィールドワークでした。
このフィールドワークでは、姫街道の松並木を考える会、細江町歴史・文学グループの皆さんにご協力いただき、天候の心配された日程でしたが晴天に恵まれ、歴史ある街道の魅力を体験していただくことができました。
第4回フィールドワーク
3月には、こんな調査活動などを行いました。
◆遺跡現地発掘調査
鳥羽山城(天竜区二俣町):2日~6日
◆その他の調査活動等
4日 |
東区有玉西町 |
三方原学園内古墳群工事立会い(静岡県文化課) |
---|---|---|
5日 |
天竜区二俣町 |
鳥羽山城試掘調査成果検討会 |
7日 |
天竜区二俣町 |
鳥羽山城現地説明会(天竜区振興課共催) |
9日 |
中区領家 |
馬領家遺跡試掘調査 |
11・12日 |
滋賀県 |
文化財保護審議会委員視察 |
16日 |
中区和合町 |
馬生遺跡試掘調査 |
23日 |
東区和田町 |
木船廃寺跡試掘調査 |
24日 |
北区引佐町 |
正楽寺遺跡(井伊谷宮)工事立会い |
31日 |
中区元城町 |
浜松城踏査検討会 |
<市指定無形民俗文化財「犬居つなん曳」>
犬居つなん曳
午後6時00分~/天竜区春野町堀之内
<県指定天然記念物「シブカワツツジ群落」>
渋川つつじまつり
北区引佐町渋川(渋川つつじ公園)
◆渋川ツツジが見ごろを迎えます
シブカワツツジは、限られた地域にしか自生しない大変珍しいツツジで、県指定天然記念物となっています。
渋川つつじ公園では、5月中旬から下旬になると、5~6メートルにも達する大きな木々にピンクの花が咲き誇ります。
ぜひハイキング気分でお出かけしてみては?
浜松市には古くから多くの人が暮らしており、約820箇所の遺跡があります。
この冊子は、2003年から2008年にかけて行われた発掘調査について、遺跡の様子や出土した遺物を中心に、カラーで分かりやすく紹介しています。
<販売窓口が増えました>
浜松市生涯学習課(文化財担当):浜松市役所本館6F
浜松市博物館:本館・伊場遺跡資料館・姫街道と銅鐸の歴史民俗資料館
各区振興課(中区を除く):各区役所(※浜北区は「なゆた浜北」3F・天竜区は壬生ホール・南区は総務企画課)
<編集後記>
新年度となり、文化財情報のタイトル画像を一新しました。
今度の画像は「龍潭寺庭園」です。築山の上から池に向かい川が渓谷沿いに流れる風景を石組で表現した池泉式の庭園です。
現在、龍潭寺では本堂の修理を行っていますが、鑑賞(拝観)は可能です。
池の縁までせり出した特別通路から見る庭園は修理期間中限定の絶景ですので、お見逃しなく!
→文化財トップに戻る
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください