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更新日:2023年3月24日

文化財情報vol.10

はままつの文化財

Vol.10 平成21年2月15日

笠井遺跡を発掘しています

笠井遺跡とは?

笠井町の地下には天竜川の支流の跡が無数にあり、また各地に自然堤防が形成されています。
笠井町遺跡は、そんな自然堤防の一つに営まれた古墳時代から鎌倉時代までのムラの跡です。

30年前頃、笠井公民館の東側付近で土器が発見されたことにより、広く知られるようになりました。
今回の調査は、宅地造成工事に先立ち、1月5日から開始されました。

発掘区内の北側と南側に自然堤防があり、その間を流れていた小川の跡が発見されました。
右の作業写真は、小川の南縁を発掘している様子です。

小川の南淵での調査風景
小川の南淵での調査風景

笠井遺跡から出土したもの

小川の中からは、南側のムラから捨てられた土器が見つかりました。
古墳時代の須恵器・土師器、奈良時代の須恵器(坏身・坏蓋・脚坏盤・壺・甕・陶臼)、土師器(坏身・坏蓋・把手付鉢・甕)、陶馬(すえうま)、平安時代の灰釉陶器と土師器の甕、鎌倉時代の山茶碗と青磁の碗などです。

小川の南淵
小川の南淵

鎌倉時代の山茶碗
鎌倉時代の山茶碗

陶馬(すえうま)が全身そろって出土しました!

今回の調査で注目される出土品は、雨乞いなどの祭祀に使われた陶馬(すえうま)です。
陶馬は、須恵器と同じように焼き上げた10cmほどの大きさの馬形土製品です。
鞍や轡(くつわ)などの表現が見られないことから、裸馬を表したと考えられます。
陶馬は破片で発見されることが多く、このように全身がそろうのは大変珍しいことです。
二つに割れて埋まっていたため、頭と尻尾では色が変わっています。

発見された陶馬
発見された陶馬

「実相寺庭園」が、新たに県指定名勝に!

去る11月11日、北区引佐町金指の実相寺庭園が新たに県指定名勝となりました。

実相寺庭園は平成6(1994)年に枯山水庭園の石組が発見され、その後の調査により奥浜名湖の地域性を代表する秀逸した庭園文化遺産としての価値が認められました。
庭園構成の特徴としては、領主であった金指近藤家との関係があげられ、初祖近藤季用(すえもち)夫妻の廟所を遥拝し、菩提を弔うための装置としての庭園であったと考えられます。

実相寺庭園全景
実相寺庭園全景

 

また、奥浜名湖のランドマークである三岳山が遠望され、庭園・廟所・三岳山という一連の借景が展開する独自の構成がなされています。作庭年代は明らかではありませんが、本堂が延宝6(1678)年、観音堂が元禄15(1702)年に建立されていることから、伽藍整備と同時期の17世紀末頃と推測されています。

春には築山背後に植栽されたミツバツツジが色をつけ、鮮やかに彩られた姿の庭園を見ることができます。ぜひ、天竜浜名湖鉄道金指駅からウォーキングでお出かけください。

本堂と観音堂の間から望む
本堂と観音堂の間から望む

文化財日記抄

1月には、こんな調査活動などを行いました。

◆遺跡現地発掘調査:

笠井遺跡(東区笠井町) 1月~2月

◆その他の調査活動等

3~5日

北区引佐町渋川ほか

国指定重要無形民俗文化財「遠江のひよんどりとおくない」伝承状況確認調査

8日

南区飯田町

飯田遺跡群試掘調査

9日

北区三ヶ日町

本坂関所跡工事立会い

天竜区二俣町

鳥羽山城踏査

浜北区上島

市指定有形文化財「上島新田組秋葉山常夜燈鞘堂」調査

13日

東区和田町

宮竹野際遺跡工事立会い

20日

中区(中央図書館)

国登録有形文化財「浜松銀行協会」資料調査

21日

東区大蒲町

大蒲町村東2遺跡試掘調査

22日

西区呉松町

亀塚古墳踏査

23日

南区・西区

市指定天然記念物「アカウミガメの産卵地」現状確認調査

29日

北区三ヶ日町

釣北山1号墳踏査

31日

天竜区(内山真龍資料館)

市指定有形民俗文化財「横山八幡神社伝来田楽面及び祭具」調査

文化財関係イベント

3月1日(日曜日)

重要文化財「中村家住宅」「鈴木家住宅」ほか
文化財建造物講演会

午後1時30分~3時/引佐健康文化センター

3月15日(日曜日)

国指定重要無形民俗文化財「寺野のひよんどり」
県指定無形民俗文化財「滝沢の放歌踊」
北区De まつり出演

午前9時~午後3時30分/都田総合公園

◆乎那の峰のマンサクが見ごろをむかえます

マンサク

北区三ヶ日町の乎那の峰(おなのお)のマンサクが、2月中旬頃、見ごろをむかえます。
このマンサクは、日本で自生する中でも最も南限にあたることから、「鵺代(ぬえしろ)のマンサク群落」として、県指定天然記念物に指定されているものです。
マンサクは、まだ寒い中いち早く黄色い花をつけることから、「まず咲く」→「まんずさく」→「マンサク」・・・と名づけられたとも言われています。
2月15日(日曜日)には、「まんさくまつり」も行われます。
あなたも、早春の訪れを感じに行きませんか?

※なお、北区細江町の「西気賀のマンサク群落」も、浜松市指定天然記念物です。

<編集後記>

まだまだ寒い日が続きますが、屋外で発掘調査をしていると春の息吹が感じられます。
春を呼ぶ「マンサク」の黄色の花も見ごろを迎えていますし、梅も咲き始めているようです。
もう少し先になりますが、二俣城の桜や渋川ツツジなどの開花も、今から待ち遠しいですね。
休日の過ごし方として、「春の花と文化財めぐり」なんていうのは、いかがでしょう?

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浜松市役所市民部文化財課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2466

ファクス番号:053-457-2563

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