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更新日:2023年3月24日

文化財情報vol.6

はままつの文化財

浜松市文化財情報

Vol.06 平成20年10月15日

梶子遺跡の発掘調査をしています

さまざまな遺物が出土しています

梶子遺跡は中区南伊場町のJR東海浜松工場の一帯に広がっている遺跡です。工場の社宅立替に先立ち7月から発掘調査を行っています。
調査は約1,300平方メートルを対象に10月末までの予定で調査を進めています。
現在調査は半ばを過ぎ佳境に向かいつつあります。
これまでに弥生時代から戦国時代にかけての遺構や遺物が数多く見つかっています。
特に古墳時代後期(6~7世紀)から奈良時代(8世紀)にかけてのものが多く、竪穴住居跡や溝などの遺構から大量の土器が出土しています。
土器の中には「墨書土器」と呼ばれる墨で文字が書かれたものがあります。さらに馬や人をかたどった須恵質の人形も出土しています。

大量の土器が見つかりました

墨書土器

出土した人形

戦国時代の堀が見つかりました

戦国時代の館のお堀?

 

土器等の他に、戦国時代(16世紀)の大きな堀が見つかっています。この堀は隣接する城山地区にも延びていることが過去の発掘で確認されており、「城山」の地名から館の外周に掘られた堀の可能性が考えられています。
堀の中からは内耳鍋、かわらけなどの土器とともに、ひしゃくや漆塗りの杯など木製品も出土しています。当時の生活用品を知るうえで重要な資料です。

ひしゃく

漆塗りの杯

文化財シンポジウム「伊場木簡から古代史をさぐる」を開催します

白凰・天平文化が栄えた時代の浜松へ

写真:木簡

「伊場木簡から古代史を探る~いにしえの文字と浜松~」と題した文化財シンポジウムを開催します。
ぜひ、お越しください!

  • 開催日:平成20年10月26日(日曜日)
  • 場所:浜松科学館ホール※科学館には駐車場なし。
  • 参加費:無料
  • 定員:先着250人(申込み不要)
  • プログラム
    • 午前の部(10時20分~)
      「伊場遺跡群の最新情報と古代敷智郡の地名」
      -鈴木敏則(浜松市生涯学習課職員)
      「奈良に都があった頃の遠江と地方の役所」
      -山中敏史さん(奈良文化財研究所)
    • 午後の部(13時00分~)
      「都のまつり・地方のまつり」
      -笹生衛さん(千葉県教育庁文化財課)
      「伊場木簡から日本古代史が見えた」
      -渡辺晃宏さん(奈良文化財研究所)
    • 討論(14時50分~15時40分)

木簡とは・・・?

文字が書かれた木の札のことを木簡と呼びます。
紙が貴重だった古代において、都や地方の役所または寺院で使用されました。
木簡には公文書、戸籍や課税台帳にあたる帳簿、品物につけられる荷札、呪いや祓いなど宗教に係る札、役人が字の練習をしたものなどがあります。
伊場遺跡群は、発見された木簡から、律令制がまだ確立していない飛鳥時代(7世紀)において、全国的にも早くに地方政治の中心地となっていたことが分かりました。
また、文書木簡や帳簿木簡から地方政治や租税の実態が判明しました。さらに呪符木簡からは、当時の宗教観もわかってきました。
木簡は、文献資料の少ない古代の歴史を解明するのには欠かせない史料なのです。

文化財関係イベント

10月25日(土曜日)

県指定無形民俗文化財「川合花の舞」
「川合花の舞」上演

午後3時~翌午前3時頃 天竜区佐久間町川合

10月26日(日曜日)

浜松市指定無形民俗文化財「勝坂神楽」
勝坂地区祭典(勝坂神楽例祭)での勝坂神楽奉納

正午~ 天竜区春野町豊岡

10月26日(日曜日)

国指定重要無形民俗文化財「遠江のひよんどりとおくない」
「川名のひよんどり」ふじのくに伝統文化フェスティバル出演

午後2時~4時頃 袋井市「エコパアリーナ」

10月26日(日曜日)

文化財シンポジウム「伊場遺跡木簡から古代史を探る」

午前10時20分~午後15時40分(受付10時~)
浜松科学館ホール

11月2日(日曜日)

国登録有形文化財「天竜浜名湖鉄道機関車転車台、扇形車庫ほか」
静岡県文化財クローズアップ

午後1時~午後4時30分 天竜壬生ホール

11月2日(日曜日)・3日(月・祝)

国登録有形文化財「天竜浜名湖鉄道機関車転車台、扇形車庫ほか」
天浜線フェスタ(国登録有形文化財公開)

午前10時~午後4時 天竜二俣駅構内

文化財日記抄

9月には、こんな調査活動などを行いました。

◆遺跡現地発掘調査:

梶子遺跡(7~11月)
高塚遺跡(9月1日~12日)
正楽寺遺跡(8月18日~8月29月)

◆その他の調査活動等

11日

東区笠井町

笠井遺跡の試掘調査

13日

南区東若林町

城山遺跡の試掘調査

17日

東区天竜川町

松東遺跡の試掘調査

17日

中区西伊場町

下山田遺跡の立会い調査

18日

北区引佐町

浜松市指定名勝 実相寺庭園の現状確認調査

開講します「北遠の城の歴史と見方・歩き方講座」

北遠に残るお城を、訪れる見学者に案内・解説していただける人材(ボランティア)を育成する講座です。
専門の先生や生涯学習課(文化財担当)の職員が、城の歴史や縄張りなどを解説します。

1

11月8日(土曜日)

北遠の城の歴史、城ガイドの基礎知識

2

11月15日(土曜日)

二俣城・鳥羽山城ほかフィールドワーク

3

11月22日(土曜日)

城ができるまで、縄張りのすべて

4

11月29日(土曜日)

文献から見た北遠の戦国史

5

1月31日(土曜日)

高根城・若子城ほかフィールドワーク

  • 場所:1・3・4回目は天竜壬生ホール/2・5回目は現地学習
  • 時間:午前10時~12時(2・5回目は別途連絡)
  • 参加費:無料
  • 定員:30人(応募多数の場合抽選)
  • 申込み:往復はがきに「住所・氏名・年齢・電話番号」と返信用に宛先を書き、生涯学習課文化財担当(〒430-8652 中区元城町103-2)へ。
  • 締切:10月28日(火曜日)消印有効

<編集後記>

本紙の1ページ目左下に鎮座する梶子遺跡出土の人形、なんともユーモラスな姿で、一部の職員にも人気なのですが、実は疫病神かもしれません。
古墳時代~平安時代には、こうした人形に病気を移し川に流したり捨てたりするという風習があったようです。
墨書土器の文字も、呪術的な目的で書かれた文字ではないか、との説があります。

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お問い合わせ

浜松市役所市民部文化財課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2466

ファクス番号:053-457-2563

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