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更新日:2023年3月24日

文化財情報vol.1

はままつの文化財

浜松市文化財情報

Vol.01 平成20年5月15日

文化財建造物保存修理事業のお知らせ

いよいよ着工!宝林寺方丈屋根工事

平成19年度から継続実施している重要文化財宝林寺方丈建造物保存修理事業について、いよいよ茅葺屋根を葺き替える屋根工事に着工することとなりました。
去る5月12日(月曜日)には、報道機関を対象に特別公開し、多くの取材陣が訪れ、翌日の紙面を賑わしました。

宝林寺方丈とは・・・?

今回修理を行っている宝林寺方丈は、棟札から正徳6年(1716)の建立であることが明らかとなっています。
構造は桁行19.2メートル、梁間12.3メートル、一重、寄棟造、茅葺です。
手前には仏殿があります。
黄檗宗の伝来初期の建築であり、同宗特有の様式を示すものとして貴重です。
昭和56年(1981)6月5日に仏殿とともに国の重要文化財に指定されています。

写真:法林寺方情報損修理現場

宝林寺方丈保存修理現場

宝林寺について

事業主体となっている宝林寺(北区細江町中川所在)は「初山」と号し、寛文4年(1664)に当地の領主である近藤登之助が、明僧独湛(どくたん)を招いて開創した黄檗宗の寺院です。
独湛は現在地に至るとすぐに堂舎建立に着手し、翌年には最初の堂舎が開堂しています。
伽藍が整備された最盛期には20棟以上の堂宇が立ち並んでいたとの記録がありますが、明治以降、堂宇の大半が失われ、現在創建当時のものとしては仏殿と方丈など4棟のみが残っています。

宝林寺について

今後、10月末まで工事が行われる予定です。
文化財担当課では、市民の皆様に文化財建造物保護についての理解を深めていただくため、7月下旬に一般公開を行います。
詳細が決まりましたら本紙でもお知らせします。
なお、工事期間中は方丈の拝観ができませんのでご注意ください。

手揉製茶技術の調査を行いました

天竜区春野町に伝承されている浜松市指定無形文化財「手揉製茶技術」の伝承状況確認調査を行いました。

手揉製茶とは・・・?

新茶シーズンを目前に控えた4月20日(日曜日)には周智郡森町の小国神社で、新茶市場が最盛況を迎えた5月3日(土曜日)には天竜区春野町の秋葉山本宮秋葉神社上社で手揉の実演が行われました。
手揉製茶は、製茶準備の蒸しや仕上げの乾燥なども含めると、7時間程度を要するかなりの重労働です。蒸し終わった茶葉を焙炉(ほいろ)の上に乗せ、右上図のような工程で、焙炉1台につき2~3名で仕上げていきます。生茶2.5キログラムに対し、出来上がりはわずか500グラム!このようにして揉まれた茶葉は、針のように細く真っ直ぐに伸びた形状で、障子紙に突き刺さるほどの鋭さが特徴です。

写真:転繰揉み

転繰揉みのようすです

なお、大量生産が困難であるため、市場には出荷されず、現在は献茶式等献納用の生産のみとなっています。

(手揉製茶の工程)

下揉み(葉振い、葉形付け、回転揉み、玉解き)

中上げ(焙炉の清掃)

仕上揉み(揉切り、転繰揉み、こくり)

乾燥

手揉製茶技術にも流派があるんです

手揉製茶技術を伝承している周智茶手揉保存会は天竜区春野町と周智郡森町の茶業関係者で構成されています。毎年4月下旬の小国神社、5月3日の秋葉神社上社での献茶祭をはじめ、地域の産業まつりや地元小学校での手揉体験など、様々な場所で手揉の実演を行っています。
春野地域に継承されている手揉製茶技術は、県内に現存する8つの流派のうち「倉開流(そうかいりゅう)」と呼ばれる製茶法です。倉開流は明治20年(1887)橋山倉吉により創案され、現在は春野・森地域(旧周智郡)のみに伝えられています。昭和42年(1967)以降、県の無形文化財保持者に6名が認定されています。

写真:倉開流による手揉実演風景

倉開流による手揉実演風景

古くから製茶が盛んな天竜区春野町

天竜区春野町は古くから製茶が盛んで、明応年間(1492~1500)に初めて播種したという伝承が伝わっています。かつて春野町内には樹齢300年以上の大茶樹が生育しており、野尻(のじり)の大茶樹(気多)・門島(かどしま)の大茶樹(熊切)は県下唯一の茶樹として県の天然記念物に指定されていました。

残念ながら昭和40年代に枯死してしまったため、現在指定は解除されています。

お茶の写真

倉開流のお茶はこんなに鋭い!

これも文化財です!!

このような地域の生活文化史上価値が高い技能も文化財となります。自然の恵み豊かで広大な市域を有する浜松市には、世界に誇れる伝統技術・技能が伝承されています。
文化財担当課ではこのような無形の文化財を周知するため、今後も継続して調査を実施していく予定です。

文化財関係イベント

※平成20年5月15日時点での記事です。終了しているイベントもあります。

5月中旬~

アカウミガメの産卵シーズンはじまる

5月15日(木曜日)~6月1日(日曜日)

浜松市指定史跡「姫街道の松並木」
展示「姫街道の松並木写真展~松並木のいま・むかし~」
まちづくりセンター(中区中央1丁目)

5月16日(金曜日)~17日(土曜日)

静岡県指定無形民俗文化財「横尾歌舞伎」
「全国子供歌舞伎フェスティバルin小松」へ横尾歌舞伎少年団参加

5月17日(土曜日)~6月1日(日曜日)

静岡県指定天然記念物「シブカワツツジ群落」
シブカワツツジまつり(北区引佐町)

募集締切5月31日(土曜日)

浜松市指定天然記念物「浜松海岸のアカウミガメ及びその産卵地」
親と子のウミガメ教室
※詳細は、広報はままつ5月5日号に掲載

6月1日(日曜日)

鳥居松遺跡現地説明会
鳥居松遺跡発掘現場(中区森田町)

文化財日記抄

4月には、こんな調査活動などを行いました。

◆遺跡現地発掘調査:鳥居松遺跡(1~6月)

◆出土品整理作業:恒武西宮遺跡・舞阪天白遺跡

◆その他の調査活動等

1日

東区恒武町

恒武西宮遺跡立会い調査

3日

東区上新屋町

上新屋遺跡立会い調査

7日

東区上新屋町

上新屋遺跡立会い調査

10日

南区増楽町

増楽遺跡立会い調査

11日

北区引佐町

井伊氏館跡踏査

15日

東区上西町

東区上新屋町

東浦遺跡試掘調査

上新屋遺跡立会い調査

16日
17日
20日

北区・天竜区

登録有形文化財申請のための調査

18日

南区・西区

海岸駐車場清掃

20日

森町

無形文化財手揉製茶技術の調査

21日

東区上新屋町

上新屋遺跡試掘調査

23日

西区庄内町

宿蘆寺調査

25日

東区恒武町

恒武西宮遺跡試掘調査

鳥居松遺跡現地説明会を行います

<※終了しました>

中区森田町で実施している鳥居松遺跡の、第2回目の現地説明会を行います。
ぜひこの機会に、貴重な発見が相次ぐ鳥居松遺跡におこしください。

日時:

平成20年6月1日(日曜日)
午前10時・午後1時30分 の2回

※雨天の場合は、出土品の展示のみ行います。

場所:

鳥居松遺跡 発掘調査現場
浜松市中区森田町133(TEL:442-0087)

内容:

発掘調査された弥生時代の集落・水田の見学
家形土器(浜松市指定文化財)の展示

出土した弥生土器などの展示

※調査を担当した職員が説明いたします。

備考:

駐車場が十分にご用意できません。できるだけ公共交通機関をご利用ください。

<編集後記>

市内の文化財に関する最新情報を広くお伝えするため、「浜松市文化財情報」を創刊しました。
毎月15日刊行です。ご期待ください!
さて、6月には鳥居松遺跡現地説明会を行います。
新聞を賑わせたあの遺跡に、あなたも出かけてみませんか?

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お問い合わせ

浜松市役所市民部文化財課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2466

ファクス番号:053-457-2563

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