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更新日:2023年3月24日

浜松市文化財情報vol.99

平成28年4月15日発行

前嶋家住宅主屋が国の登録有形文化財になります!

北区 前嶋家住宅主屋1棟が新規登録となります

前嶋家住宅主屋(外観)<前嶋家住宅主屋 外観>

先の3月11日に国の文化審議会が開かれ、文化財分科会の審議・議決を経て登録有形文化財(建造物)について、新たに199件を登録するよう文部科学大臣に答申しました。市内建造物では、北区引佐町川名の民家「前嶋家住宅主屋(まえじまけじゅうたくしゅおく)」もこの中に含まれています。
近日中の官報告示を経て正式に登録されますと、浜松市内の国登録有形文化財(建造物)は48件となります。前嶋家は個人所有の民家であるため、常時の一般公開はされていませんが、囲炉裏もあるなど山里の暮らしのかおりを今に伝えているため、今後、活用していく道を探り、公開の機会を設ける計画です。

前嶋家住宅主屋について

前嶋家住宅主屋(内観)<前嶋家住宅主屋 内観>

建築の概要は次のとおりです。
 木造平屋建、瓦葺、建築面積164平方メートル、江戸後期/江戸末期改築
創建当時から何度も改修された痕跡がみられるものの、遠州から東三河地方に分布する、母屋と釜屋が別棟で屋根を接する「分棟型釜屋建」の原形を留めています。小屋組の部分に母屋と釜屋に分けられていた痕跡が残っており、上の写真では左側が母屋、屋根の高さを落とす右側が釜屋にあたります。建てられた時期は、母屋は18世紀初頭、釜屋は18世紀後半と考えられます。今回は「造形の規範となっているもの」という基準により登録されます。

シンポジウム「発掘が語る はままつの古代寺院」を開催しました!

シンポジウム「発掘が語る はままつの古代寺院」の様子<シンポジウムの様子>

近年、木船廃寺跡(東区和田町)や楠木遺跡(北区三ヶ日町)、篠場瓦窯跡群(浜北区根堅)などの発掘調査が行われ、浜松市における古代寺院や、出土する屋根瓦の様相が明らかになってきました。木船廃寺跡からは平城宮や遠江国分寺と共通する文様を持った瓦が出土し、全国的にも注目を集めています。
平成28年3月26日には「発掘が語る はままつの古代寺院」と題した考古学シンポジウムを引佐健康文化センターで開催し、市民を中心に93名の方に参加いただきました。浜松における古代寺院の発掘調査成果を発掘調査に携わった職員が紹介したほか、古代寺院や瓦を専門とする気鋭の研究者である菱田哲郎氏と梶原義実氏を講師に迎え、浜松の古代寺院について講演をいただきました。座談会では、古代寺院の分布や瓦の文様に注目が集まったほか、古代の浜松において仏教が受容される具体的な様相についても触れられました。新来の宗教や技術が受け入れられる過程を通じて、地域の歴史の奥深さを感じ取っていただけたと思います。
文化財課では、今後も市内の様ざまな文化財に注目した企画を実施していきます。皆様にとって、浜松の歴史に興味をもち、見識を深めるきっかけになればと思います。今後も文化財課が発信する情報にご注目ください。

文化財日記抄 3月

1日 (火曜日)  天竜区二俣町二俣 鳥羽山城跡現地踏査、西区佐浜町 助代遺跡予備調査(~3日)、浜北区平口 梔池(くちなしいけ)遺跡予備調査
2日 (水曜日)  東区貴平町 恒武西宮遺跡予備調査
5日 (土曜日)  博物館 文化財防災ボランティア養成講座第5期第3回
7日 (月曜日)  天竜区二俣町二俣 二俣町二俣地区史跡指定市民説明会
10日 (木曜日)  南区三和町 山寺野遺跡予備調査
15日 (火曜日)  北区引佐町 引佐地域石塔調査、井伊谷城跡工事立会、引佐地域史跡等現地見学講師対応、中区南伊場町 梶子遺跡工事立会
17日 (木曜日)  中区松城町 浜松城跡予備調査(~18日)
19日 (土曜日)  北区引佐町 引佐地域史跡等現地見学講師対応
22日 (火曜日)  中区南伊場町 梶子遺跡工事立会(~23日)、北区引佐町 引佐地域歴史資料調査(~24日)
23日 (水曜日)  東区和田町 木船廃寺跡工事立会
24日 (木曜日)  天竜区二俣町二俣 大口町視察対応(二俣城跡)
25日 (金曜日)  北区引佐町井伊谷 井伊谷地区歴史地理調査
26日 (土曜日)  北区引佐町井伊谷 シンポジウム「発掘が語るはままつの古代寺院」開催(参加93名)
28日 (月曜日)  北区引佐町井伊谷 企画展示「発掘が語るはままつの古代寺院」(~28日)
29日 (火曜日)  天竜区春野町 堂平遺跡現地確認
30日 (水曜日)  中区南伊場町 梶子遺跡工事立会

文化財イベント

 ▶ 犬居つなん曳き
 市指定無形民俗文化財「犬居つなん曳き」が行われます。
 5月5日(木曜日) 午後6時頃から午後9時頃まで
 犬居地区の気田川周辺(天竜区春野町堀之内)

井伊谷周辺のオススメ文化財スポット 三岳城 -南北朝時代からの井伊氏ゆかりの山城-

井伊谷航空写真<上空から見た三岳城と引佐町井伊谷地区>

北区引佐町の三岳山の山頂には、国指定史跡の三岳城があります。三岳城は、古記録によると南北朝時代の暦応2年(1339年)、井伊谷の領主であった当時の井伊家当主が南朝方の拠点として、後醍醐天皇の皇子である宗良親王とともに立て篭もった城とされています。
 標高467mの山頂一帯に曲輪や土塁、堀切などの遺構が残っています。現在確認できるこれらの遺構は、戦国時代に徳川方によって大規模な改修を受けたものと考えられ、戦国時代においても三岳城が重要拠点として利用されていたことを物語っています。
 三岳城からは、かつて井伊氏が支配していた井伊谷を一望することが出来ます。来年の大河ドラマの舞台として注目を集める井伊谷地区を、いにしえの時代に思いを馳せ三岳城から眺めてみてはいかがでしょうか?
【アクセス】
東名高速道路浜松西ICから国道257号線経由、又は新東名高速道路浜松いなさICから国道257号線経由で引佐へ向かい、井伊谷の信号を東へ3km、三岳神社駐車場から登山道を約30分。

編集後記

浜松市は、新年度から文化財保護顕彰制度として、「浜松地域遺産」認定制度を開始いたします。従来の国・県・市指定文化財、国登録文化財とは別に、市民のみなさまから「これこそわが町の宝」と思うものを、種別は問わずご推薦していただければ幸いです。(O)

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お問い合わせ

浜松市役所市民部文化財課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2466

ファクス番号:053-457-2563

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