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更新日:2015年9月16日

浜松市文化財情報vol.92

平成27年9月15日発行

浦川歌舞伎 定期公演が開催されます!

画像 歌舞伎の里 浦川<歌舞伎の里 浦川>

先月までの猛暑も一段落し、朝晩は涼しさを感じる頃となりました。秋の気配が次第に濃くなりはじめると、いよいよ浜松市内では秋~冬の民俗芸能シーズンを迎えます。そこで今回は、9月26日(土曜日)に定期公演が行われる「浦川歌舞伎」の伝承活動を紹介したいと思います。

浦川歌舞伎の由来

長野・愛知・静岡の3県が接する三遠南信地域では、多様な民俗芸能が伝承されており、農村歌舞伎(地芝居)も盛んに行われています。浦川歌舞伎は、他の農村歌舞伎(地芝居)と異なり神事・祭礼から始まったものではなく、当時の江戸の最先端の文化が取り入れられたもので、その発祥の起源は次のように伝えられています。

画像 尾上栄三郎塚<尾上栄三郎塚>

“幕末の安政年間、江戸の歌舞伎役者尾上栄三郎(おのえ えいざぶろう)は地方巡業で飯田に滞在中病になり、蘭学を学んだ名医・三輪見龍のいる浦川へやってきました。見龍の治療と村人たちの献身的な看護により一時は快方に向かいましたが、不治の病であることを悟った栄三郎は、命あるうちに世話になった村人たちへのお礼にと病身のまま旭座の舞台に立ちました。その舞台の途中で栄三郎は倒れ、帰らぬ人となったのです。”

その後、浦川では栄三郎の歌舞伎に魅了された村人により歌舞伎文化が定着しました。最盛期には3軒の歌舞伎小屋が建ち、大歌舞伎役者を呼んでの公演や地域住民による素人歌舞伎が催されるなど、歌舞伎が生活の一部となりました。しかし、高度成長期以降、次第に下火になり素人歌舞伎も行われなくなりました。

浦川歌舞伎保存会の結成

画像 保存会員による舞台づくりの様子<保存会員による舞台づくりの様子>

尾上栄三郎没後130年にあたる平成元年、時代の流れの中で途絶えていた浦川歌舞伎復活への機運が高まり、地域住民の熱心な支援の中、有志による保存会の結成と復活公演を果たしました。以来、地域伝統芸能の育成事業を推進するとともに、商工会や観光協会と連携して「歌舞伎の里づくり」を行うなど、観光誘客や商業振興にも取り組み、地域活性化の一翼を担っています。再興後、今回で27回目の定期公演となります。

定期公演に向けて

画像 稽古の様子(鳴神)<稽古の様子(鳴神)>

9月末の定期公演に向けての本格的な活動は、夏休み前7月の台本合わせから始まっています。8月30日には、舞台設営(花道・大道具設置等)を行い、稽古ができる環境を整えた後、9月1日からはほぼ毎日稽古が行われています。

画像 過去の上演風景(白浪五人男)<過去の上演風景(白浪五人男)>

地元浦川小児童の愛らしくも格調高い「白浪五人男」や、絶世の美女雲の絶間姫が高僧鳴神上人を惑わす色っぽいやりとりの面白さと、だまされたと知り怒りに震える鳴神上人の荒ぶりとの対比が見どころの「鳴神」など、笑いあり、涙ありの様々な演目に取り組んでいます。いずれの演目も江戸歌舞伎の伝統を受け継いだ保存会の皆さまの熱演が披露される予定です。

また、当日は、会場に中茶屋(地元佐久間の物産販売や飲食等)が設けられます。山里の風味豊かな佐久間・浦川の味覚を存分に堪能していただけます。なお、定期公演の入場は無料で事前申込は不要ですが、スリッパ等上履きと座布団等敷物を御用意ください。皆さまお誘い合わせの上ご鑑賞ください。

第27回浦川歌舞伎定期公演

日時:9月26日(土曜日)午前10時30分から午後4時頃まで

会場:旭座(旧浦川中学校体育館/浦川ふれあいセンター前)

その他:入場無料、申し込み不要(当日、会場にお越しください)

<上演演目とスケジュール>

午前10時30分、鳴神不動北山桜鳴神

幕間(昼休憩)

午後1時00分、白浪五人男稲瀬川勢揃いの場

午後2時20分、菅原伝授手習鑑松王下屋敷の場

午後3時00分、菅原伝授手習鑑寺子屋の場

※上演時間は目安です。舞台設営等で遅れる場合がありますのでご了解願います。

『浜松の遺跡3』好評発売中!

 画像 浜松の遺跡3<浜松の遺跡3>

2014年に行われた数多くの発掘調査の中から、重要な遺構・遺物が発見され、新たな知見が得られた24箇所の遺跡について、写真や図面を豊富に用いながら、最新の調査成果をわかりやすく紹介しています。この書籍が、市民の皆様の遺跡や考古学への興味・関心を抱くきっかけとなれば幸いです。

<所収遺跡>
都田山十六遺跡、高塚遺跡、殿畑遺跡、社口遺跡、舞阪町天白遺跡、将監名遺跡、梶子遺跡、松東遺跡、東原遺跡、住吉南古墳、狐塚古墳、郷ヶ平古墳群、半田山古墳群、鳥居松遺跡、木船廃寺跡、宮竹野際遺跡、楠木遺跡、村上遺跡、上組遺跡、犬居城跡・堀之内城山城跡、二俣城跡、鳥羽山城跡、浜松城跡、万斛西遺跡

『浜松の遺跡3』
仕様:A4版、48頁、オールカラー
販売価格:300円
販売窓口:浜松市文化財課(市役所本館3階)、浜松市博物館、姫街道と銅鐸の歴史民俗資料館、中区を除く各区役所のまちづくり推進課または区民生活課、引佐協働センター、三ヶ日協働センター
*在庫が無くなり次第、販売中止となります。

文化財日記抄 8月

3日(月曜日)、北区細江町三和、石岡遺跡5次本調査~8月5日
6日(木曜日)、中区元城町、出前講座「浜松城」ふるさと歴史同好会参加者22名
9日(日曜日)、中区蜆塚町、発掘調査報告会「遺跡が語る浜松の歴史」参加者33名、いせきのおしごと体験参加者200名
10日(月曜日)、浜北区宮口、大屋敷遺跡予備調査
12日(水曜日)、南区三和町、山寺野遺跡予備調査
12日(水曜日)、東区天龍川町、法橋のマツ調査
12日(水曜日)、天竜区渡ケ島、渡ケ島諏訪神社の社叢調査
18日(火曜日)、南区高塚町、高塚村西遺跡工事立会
19日(水曜日)、北区神宮寺町天、白遺跡工事立会

20日(木曜日)、中区南伊場町、梶子遺跡工事立会
22日(土曜日)、中区元城町、浜松城跡現地説明会 参加者521名
27日(木曜日)、北区引佐町、北区協議会展示室見学
31日(月曜日)、浜北区新原、東原遺跡予備調査

文化財イベント

~実りの秋民俗芸能の秋~

浦川歌舞伎定期公演
9月26日(土曜日)午前10時30分~、旭座(天竜区佐久間町浦川)

横尾歌舞伎定期公演
10月10日(土曜日)・11日(日曜日)午後4時~、開明座(北区引佐町横尾)
県指定無形民俗文化財「横尾歌舞伎」

川合花の舞
10月31日(土曜日)午後3時~翌朝、八坂神社(天竜区佐久間町川合)
県指定無形民俗文化財「川合花の舞」

家康400年忌文化財めぐり 浜松城主徳川家康 武田の遠州攻め2. 犬居城

承久の乱後、山香庄(現在の北遠一帯)の地頭となった天野氏の戦国時代の本拠地が犬居城です。

天野遠景を祖とする天野氏は、室町期以降国人領主となり、犬居城を拠点として勢力を伸ばしていきました。文亀元年(1501)前後に今川氏配下となった後は、北遠江一円を支配していました。

永禄三年(1560)桶狭間に今川義元が倒れ、遠江支配が揺らぎ始めると、武田・松平の両氏が遠江支配を狙い始めます。武田領に接していた天野氏は、一時松平氏(徳川家康)に従属するも、遠江侵略を狙う武田氏になびいていきました。

画像 武田式建築法が見える発掘された横堀<武田式建築法が見える発掘された横堀>

こうして天野氏は武田氏配下となり、元亀三年(1572)に武田信玄が大軍を率いて信遠国境を越え遠江へ侵入した際には、犬居城主・天野藤秀が武田軍を先導しました。天野氏が武田氏配下となったことにより、その居城である犬居城は大幅な改修を受けています。馬出曲輪の前面を取り囲むように設けられた空堀や、二の曲輪の北側を取り巻く横堀に、武田流建築法の特徴を見ることができます。

現在、犬居城跡は静岡県の史跡として指定されています。また代々犬居城主をつとめた天野氏の墓所が瑞雲院境内に移設されており、浜松市指定史跡「瑞雲院境内」の附指定となっています。

編集後記

遺跡発掘の仕事は刷毛を使う繊細な仕事と思われるかもしれませんが、現場での作業はそのほとんどが力仕事です。夏の炎天下、雪の舞う寒い日、時には雨の中ドロドロになりながら、発掘作業をしています。発掘の結果は今後も皆様にお知らせしていきます。現場説明会にもお出かけください。(M)

 

 

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浜松市役所市民部文化財課

〒430-8652 浜松市中区元城町103-2

電話番号:053-457-2466

ファクス番号:053-457-2563

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