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更新日:2015年3月16日

浜松市文化財情報vol.86

平成27年3月15日発行

住吉南古墳が浜松市指定史跡になります!

市街地に残る古墳の中でも最大級 -直径28m 円墳

住吉南古墳は、中区住吉四丁目の浜松市立青少年の家の横にある古墳です。以前は住吉墓苑南古墳と呼ばれ、前方部の削られた前方後円墳と考えられていました。住吉から四ッ池にかけての台地上には、かつて多数の古墳が存在したと伝えられますが、市街地化が進み墳丘を留めているのはごく僅かとなり、住吉南古墳は市街地に残る古墳の中でも最大級の古墳として存在を知られていました。

当初は前方後円墳と考えられていた住吉南古墳ですが、1998年に古墳の範囲確認調査が行われ、墳丘の外周を調査したところ、前方部の痕跡は発見できず、直径28mの円墳であることが明らかになりました。また、2002年に古墳の北側(現在の青少年の家職員駐車場)を発掘調査した結果、幅4m、深さ40cmの周溝がめぐっていることが確認されています。しかしながら、この2回の発掘調査において古墳に伴う遺物は全く出土せず、住吉南古墳の築造時期は明確にはできませんでした。

画像 墳丘図<墳丘図>青色-1998年調査、緑色-2002年調査、赤色-今回調査

2014年 墳丘上の発掘調査を実施

2014年の12月に、古墳の内容解明のため、初めて墳丘上の発掘調査を実施しました。調査は墳丘上に2箇所の試し掘りの溝を設け、古墳表面の構造や遺物の有無について確認をしました。その結果、古墳の表面に葺石は確認できず、過去の調査でも全く見つかっていないことから、当初から存在しなかったと考えられます。また、墳丘の表面から土師器の壺の破片が出土しましたが、埴輪は見つかりませんでした。埴輪についても過去の調査で全く出土していないことから、こちらも存在しなかったと考えられます。

古墳時代中期前半の古墳と推定-市内7番目の規模

古墳時代中期に築かれた首長墓の一つであることや、市街地に姿を留める数少ない古墳であり、墳丘規模などからも古墳を理解するうえで良好な事例であることなど、住吉南古墳の重要性が認められ、今年の2月に開催された浜松市文化財保護審議会において、浜松市の史跡に指定するよう答申がされました。近日中に開催される浜松市教育委員会定例会を経て正式に史跡指定されます。

調査時の試し掘りの溝<調査時の試し掘りの溝>

文化財保護審議会、史跡指定を答申

古墳時代中期に築かれた首長墓の一つであることや、市街地に姿を留める数少ない古墳であり、墳丘規模などからも古墳を理解するうえで良好な事例であることなど、住吉南古墳の重要性が認められ、今年の2月に開催された浜松市文化財保護審議会において、浜松市の史跡に指定するよう答申がされました。近日中に開催される浜松市教育委員会定例会を経て正式に史跡指定されます。

現地説明会も開催

3月7日には、住吉南古墳の歴史的価値の解説と史跡指定への報告をする現地説明会を開催し、177名もの市民の方のご参
加をいただきました。今後は指定史跡として古墳の保全をはかるともに、活用の機会を設けて行きたいと思います。

現地説明会<現地説明会>

文化財防災ボランティア養成講座を実施しました!

文化財課では平成23年度から、文化財防災ボランティア養成講座を開催しています。今年度も3月に全3回の講座を開催予定で、既に2回を終了しました。

地域で予想される災害に際して、文化財が被災する可能性があることを確かめ、防災や減災、さらには救済の必要性について講義や実技を通じて学ぶことができるこの講座。3月1日の回では、市内の災害に関する古い記録を通じて過去の災害の様子を確かめました。また、静岡県文化財保護課より県文化財等救済支援員の内容について案内がありました。

掛け軸の取り扱い<掛け軸の取り扱い>

3月8日の回では、文化財の取り扱いで重要となる材質(和紙)についての講義や、掛け軸の構造についての講話があり、その後、掛け軸の取り扱い実技がありました。また、虫喰い古文書の修復の方法の一つを実際に体験しました。ピンセットを使用して和紙の繊維を引き出したり、手で小さく和紙をちぎったりと、細かい作業の連続でしたが、13名の方々が、集中して熱心に取り組んでいました。

古文書修復実技<古文書修復実技>

3回の講座を修了すると、希望の方は、県の文化財防等救済支援員に登録されます。

文化財日記抄

平成27年2月には、次のような調査活動等を行いました。

1日(日曜日)、引佐町開明座、横尾歌舞伎特別公演
1日(日曜日)、引佐町東久留女木、万歳楽取材
2日(月曜日)、葵西小学校姫街道松苗植樹
2日(月曜日)、東区恒武町恒武西浦遺跡予備調査
3日(火曜日)、西区篠原町、篠原西前遺跡予備調査
3日(火曜日)、東区有玉西町、欠下平遺跡工事立会
4日(水曜日)、北区引佐町井伊谷歴博AMSサンプリング
9日(月曜日)、県浜松総合庁舎、都田川水系流域委員会
9日(月曜日)、北区三ヶ日町都築、野地遺跡予備調査
9日(月曜日)、中区南伊場町、梶子遺跡工事立会

12日(木曜日)、南区若林町若林町、村西遺跡予備調査
13日(金曜日)、西区篠原町、中田尻遺跡予備調査
15日(日曜日)、東区積志町、他涅槃図他調査
18日(水曜日)、中区元城町、400年祭記念看板披露式
18日(水曜日)、北区引佐町井伊谷井伊谷、小特別支援学級施設見学(5名)

21日(土曜日)、北区細江町気賀、細江図書館文化財講座(35名)
25日(水曜日)、浜北区於呂、芝本遺跡予備調査
25日(水曜日)、県居協働センター、出前講座「浜松市の指定文化財」(21名)
26日(木曜日)、北区引佐町井伊谷、井伊谷小3年生施設見学
26日(木曜日)、北区細江町、長楽寺木造馬頭観音坐像保存修理帰山
27日(金曜日)、天竜区二俣町、二俣城跡現地踏査

浜松市内の鉄道遺産 天竜浜名湖鉄道の登録有形文化財

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天竜二俣駅プラットホーム<天竜二俣駅プラットホーム>

前回に引き続き、天浜線の登録有形文化財を紹介します。天竜二俣駅は、プラットホーム・機関車転車台・運転区事務室等10件の登録有形文化財が残る、まさに、日本の原風景に出会える文化財ステーションです。なかでも、改札を抜けた先の上屋は、柱や梁の一部に古レールを転用しており、材料の工夫など昭和前期の建築技術を今に伝える貴重な建造物です。文化財登録されている施設の多くは現在も使用されていますので、待合所やプラットホーム以外の部分は通常立入禁止です。しかし、毎日開催されている見学ツアーに参加すると、転車台や扇形車庫内に設けられた鉄道歴史館等駅構内の文化財を解説付きで見ることができます。これからの季節、鳥羽山公園(市指定史跡鳥羽山城跡)等沿線の桜見物とあわせて、天竜二俣駅の文化財探訪はいかがでしょうか。

天竜川橋梁<天竜川橋梁>

全国各地に鉄道遺産と呼ばれるものは多数ありますが、実際に現役で稼働しているものはそれほど多くありません。
鉄道遺構(廃線跡等)として往時の隆盛を偲ぶだけでは単なる廃墟趣味で終わってしまいます。使い続けることで路線として残し、沿線地域が活性化することでその価値を高めること必要です。本連載をご覧いただいた全国の皆さまが天浜線に乗車され沿線地域に足を運んでいただけることを期待します。

さて、一年間にわたりお伝えしてきた浜松市内の鉄道遺産ですが、今回で最終回となります。これまでのご愛読ありがとうございました。

編集後記

気象庁による浜松城公園の桜開花予想日は3月26日。開花情報の基準となる浜松城公園の標準木は、家康像の近くにあるそうです。賑やかにお花見ができるのも平和ゆえのこと。毎年、眼下で繰り広げられる宴を見ながら、家康も微笑んでいるのではないでしょうか。(K)

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浜松市役所市民部文化財課

〒430-8652 浜松市中区元城町103-2

電話番号:053-457-2466

ファクス番号:053-457-2563

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