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更新日:2015年2月17日

浜松市文化財情報vol.85

平成27年2月15日発行

松の苗木の植樹を行いました 姫松里親プロジェクト始動!

去る2月2日(月曜日)、浜松市立葵西小学校の栽培委員会(5、6年生)のみなさんが「姫まつ里親プロジェクト」の最初の取り組みとして、浜松市指定史跡「姫街道の松並木」の松の遺伝子を引き継ぐ苗木を校内に植え、記念の看板の除幕式も行いました。

画像 家康くんも子供たちの応援にかけつけたよ<家康くんも子供たちの応援にかけつけたよ>

姫まつ里親プロジェクトとは?

「姫街道の松並木」は、三方原追分の交差点より北西に向かい、西区大山町まで約4kmにわたって、樹齢150~200年の古木を含む松並木が残されています。浜松市では姫街道の松並木にかかわる部署が連携をして「姫街道の松並木保存管理庁内連絡会」(以下、連絡会)をつくっています。連絡会では現在、松並木の保存について古木の遺伝子を引き継ぐ苗木を計画的に育て、折れてしまったり枯れてしまったりした場所へ植えていくことを検討しています。

画像 実生の松の苗<実生の松の苗>


江戸時代から続く松並木のある風景は、様々な事情で松の伐採が行われ、昭和47年当時322本だったとされる本数は今や206本(平成27年1月1日現在)となっています。美しい並木景観を保存するために松の代替えや補植が必要であり、そのために苗木を育てていかなければなりません。
このプロジェクトは苗木を育てる過程で地域の住民や市民の方にも一緒に「里親」として栽培していただき、ふれあってもらうことを目的としています。里親に育てられた松は、その後、市で管理し松並木の景観を守るための木として備えていきます。

すくすく、のびのび育ってね!

葵西小学校に植えられた松の苗木は、平成25年7月に連絡会の担当者が姫街道の松並木で発見し拾い上げたものです(文化財情報vol.74参照)。その後、はままつフラワーパークで21本を育ててもらい、5cmほどだった苗木も1年半で20cmほどになりました!

画像 植樹の様子<植樹の様子>

今回は葵西小学校に苗木を贈呈し、プロジェクトの第一歩として、栽培委員のみなさんの手で花壇に3本の松を植えてもらいました。その周囲には、連絡会のメンバーも一緒に、色とりどりのパンジーを植え、栽培委員の女の子たちが描いた記念の看板も置かれました。初めは緊張しながら苗木を植えていた子供たちですが、次第に笑顔がこぼれ、残りの松をもらった子たちは松の葉を触っては「いたい、いたい!」とはしゃいでいました。この松たちには葵西小学校の子供たちのように元気に健やかに大きくなってほしいと願います。

未来へ・・

画像 出来上がった花壇≪出来上がった花壇≫

苗を種から育ててプロジェクトを本格化させることはもう少し先になりそうですが、これを機にもっと姫街道の松並木に興味や愛着をもってもらえるよう期待しています。

防火訓練を実施しました! 重要文化財 中村家住宅

踏町の国指定重要文化財 中村家住宅において防火訓練が実施されました。
昭和24年1月26日に法隆寺金堂壁画が焼損したことから、この日は「文化財防火デー」と定められています。例年、1月26日を中心として、文化財を火災などの災害から守るための訓練や文化財愛護の意識を高める行事が全国で実施されており、浜松市でも文化財を所有する施設や、神社仏閣などで、消防設備の確認や訓練などが行われました。
中村家住宅の訓練では、西消防署や自衛消防隊、地元自治会、近所の方々が参加し、市と県の文化財担当者が訓練に立ち会いました。

画像 放水銃の訓練<放水銃の訓練>
敷地内の土蔵で火災が発生したことを大声で知らせると、避難誘導の係が観覧者役の方々を安全な場所まで誘導、119番通報と同時に放水銃が準備がされます。敷地内複数か所に設置されている放水銃の一つを用い、火元をめがけて勢いよく放水、鎮火にいたると、無事訓練を終了しました。
最後に、所管署である西消防署による講評のほか、静岡県文化財保護課長による講評があり、訓練の重要性を再認識するとともに、今後もそれぞれの立場で中村家住宅を守り、後世に伝えていこうと確認し合いました。

文化財日記抄

平成27年1月には、次のような調査活動等を行いました。

1日(木曜日)、北区滝沢町、滝沢のおくない伝承状況現地調査
3日(土曜日)、天竜区懐山、懐山のおくない伝承状況現地調査
3日(土曜日)、北区引佐町、寺野のひよんどり伝承状況現地調査
4日(日曜日)、天竜区神沢、神澤おくない伝承状況現地調査
4日(日曜日)、北区引佐町、川名のひよんどり伝承状況現地調査
8日(木曜日)、中区神田町、鳥居松遺跡本調査~1月22日

8日(木曜日)、天竜区春野町、麻舟山遺跡予備調査
12日(月曜日)、北区細江町、百万遍念仏伝承状況現地調査
13日(火曜日)、浜北区於呂、芝本遺跡予備調査
17日(土曜日)、博物館、引馬城・浜松城跡の最新調査成果説明会(75名)
19日(月曜日)、積志協働センター、出前講座「浜松市の指定文化財」(18名)
20日(火曜日)、中区元城町、浜松城跡予備調査~1月22日
21日(水曜日)、中区元城町、浜松城跡工事立会
22日(木曜日)、西区雄踏町、中村家住宅防災訓練(文化財防火デー関連)
26日(月曜日)、北区細江町、寶林寺防災訓練(文化財防火デー関連)

26日(月曜日)、浜北区宮口、庚申寺防災訓練(文化財防火デー関連)

27日(火曜日)、北区引佐町金指、金指陣屋跡工事立会
28日(水曜日)、中区南伊場町、梶子遺跡工事立会
28日(水曜日)、北区三ヶ日町、浜名惣社神明宮防災訓練(文化財防火デー関連)
29日(木曜日)、クリエート浜松、出前講座「浜松市の指定文化財」(41名)
31日(土曜日)、区引佐町、農村歌舞伎保存会視察(高知県土佐絵金歌舞伎保存会)

文化財イベント

文化財防災ボランティア 養成講座全3回
2月16日から電話で浜松市文化財課へお申込みください、先着順20名受付

第1回 3月1日(日曜日)
・第2回 3月8日(日曜日)
・第3回 3月15日(日曜日)
*各回とも午後2時~4時/博物館講座室

浜松市内の鉄道遺産 国鉄二俣線

~この記事は、浜松市メールマガジンとリンクしています~

今回は前回に引き続き、天竜浜名湖鉄道(通称天浜線)の金指駅~二俣駅までの登録有形文化財を紹介いたします。金指駅を出て、二俣駅に至るまで、都田や宮口、岩水寺、西鹿島と言った駅を通過します。

画像 都田川橋梁<都田川橋梁>

各駅間には、都田川橋梁をはじめ、登録文化財の5つの橋梁があります(金崎駅側より、瀬戸・瀬戸山・都田川・天竜川・二俣川橋梁)。車両が橋梁に差し掛かった際、窓から見える開放的な風景も天浜線の一つの魅力ですが、橋梁自体が当時の技術を結集してつくられた貴重な近代化遺産となっています。

画像 宮口駅プラットホームと待合室<宮口駅プラットホームと待合室>
開業当時より置かれている駅のプラットホームも貴重な文化財であると同時にノスタルジックな気分にさせてくれます。特に宮口駅・岩水寺駅はプラットホーム内の待合所や本屋も有形文化財となっており、昔からの雰囲気を良くのこしています。一方で、プラットホームや木造平屋建ての待合所は不思議と現代の風景にとけ込み、人々の生活風景の一部になっていることが伺えます。
ため池や酒造所、石灰石採掘跡など、宮口から岩水寺西鹿島にかけては多くの産業遺産も見ることが出来ます。浜北区から天竜区に抜け、二俣川橋梁を渡ると、天浜線の中で最も多くの文化財を有している天竜二俣駅に到着します。

編集後記

立春を過ぎましたが全国的にまだまだ寒い日が続いています。浜松市内は大雪もなく、冬季でも文化財探訪が可能です。あらためて温暖な風土に育まれた“浜松文化”の豊かさを感じる今日この頃です。(T)

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浜松市役所市民部文化財課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2466

ファクス番号:053-457-2563

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