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更新日:2014年8月14日

浜松市文化財情報vol.79

平成26年8月15日発行

浜松の夏の風物詩遠州大念仏・念仏踊

亡くなられた方に 思いをはせて

皆さまは浜松の夏といえば何を思い浮かべますでしょうか?ほおずき・土用のうなぎ・花火大会(打上花火・手筒花火)等、特徴的なモノや行事が数多くありますが、文化財、特に民俗芸能の視点から浜松の夏を代表する行事といえば「念仏踊」があげられます。7月8月の盆時期に、寺院や新盆の家の庭先に響く念仏のお囃子や詠唱は浜松市民だけでなく全ての人々の心に染み渡ります。

遠州大念仏 中区、東区、北区、浜北区、天竜区

遠州大念仏は市内平野部を中心に伝えられている念仏行事で、各地域の組がそれぞれの流儀で伝承し、新盆を迎えた家々をまわり奉納供養を行っています。遠州大念仏の起源は、元亀3(1573)年武田信玄と徳川家康が戦った三方ヶ原の戦いで戦死した兵士の亡霊が人々を苦しめたことから鎮魂のため家康の命で始まったとされています。その後、江戸時代に最も盛んとなり280の村々で活動していたといわれていますが、現在、市内では約60組が活動しています。

遠州大念仏(芝本下組)道行<遠州大念仏(芝本下組)道行>

大念仏の列は、次のような構成になっています。先頭は三ツ葉葵の紋付羽織を着て組を誘導する「頭先(かしらさき)」、次に賓燈籠(ひんどうろう)一対を持つ「頭」が2人続き、遠州大念仏と標示した組の「幟(のぼり)」1本、2つの鉦の音が共鳴し長い余韻を残す「双盤(そうばん)」、「笛」、「摺鉦(すりがね、小鐘)」、「太鼓」、行進の際に組名入りの提灯を持ち回向の際は斉唱する「供回り」、行進の調整役となる「押し」が続きます。
遠州大念仏(芝本下組)慈眼寺境内<遠州大念仏(芝本下組)慈眼寺境内>

このなかで太鼓は念仏回向中踊りながら打ち、激しい所作を伴うことから太鼓切りと呼称されています。組の中で若年層が担当することが多く、伝承者育成を兼ねて子どもと一緒に行っている組もあります。(写真は、7月13日(日曜日)子どもが太鼓切りとして参加している浜北区於呂の芝本下組しばもとしもぐみ)

水窪の念仏踊 天竜区水窪町/神原(かんばら)の虫送り

天竜区水窪町の念仏踊は8月に行われており、盆期間中に慰霊のために踊られる踊りを念仏踊りと呼んでいます。このうち水窪市街地で行われるものが「虫送り」と呼ばれています。

水窪念仏踊(神原の虫送り)雨対策<水窪の念仏踊(神原の虫送り)雨対策>

去る8月10日(日曜日)、台風11号が四国・本州に上陸した日の夕刻、時折強い風雨が吹きつけるなか、神原地区の虫送りが行われました。

水窪念仏踊(神原の虫送り)神原薬師堂前<窪の念仏踊(神原の虫送り)神原薬師堂前>

薬師堂で念仏踊が行われた後、菩提寺となる永福寺への道行となります。虫送りの列は、2本の弓を十字に組んだ「弓燈籠」、傘に幌がついた「虫送り燈籠(傘鉾)」、「太鼓」、「双盤」、「笛」という構成です。途中、八幡の森地蔵等3ヶ所で念仏踊が行われました。道行のルートにあたる商店街の家々では迎え火が焚かれ、笛・太鼓・双盤の音が響きわたる薄明かりのなかを虫送り念仏衆が進む幻想的な光景が広がりました。神原の虫送りには、精霊・無縁仏・祖霊の供養等、地域の人々の深い信仰心が残されており、あらためて地域の絆の大切さを感じました。

文化財楽習プログラム『シカのはにわがにげだした!』を開催しました

この事業は、子供たちに文化財に親しみを持ってもらおうと、8月2日(土曜日)に市民ミュージアム浜北(浜北文化センター内)で開催したもので、「シカのはにわがケースから逃げ出して、展示室の中を荒らしてしまったので、みんなで元どおりにしよう」というストーリーを立て、鹿形埴輪のオープン展示、ギャラリートーク、土器などにふれるワークショップ、クイズラリー、ペーパークラフト体験等を行いました。

鹿形埴輪のオープン展示<鹿形埴輪のオープン展示>

当日は、家族連れを中心に約100人の参加者があり、興味深く話をきいたり、体験したりと楽しんでいました。私たちも皆さんの楽しそうな姿に、元気をいただいたような気がします。

ペーパークラフトを楽しむ子どもたち<ペーパークラフトを楽しむ子どもたち>

なお、市民ミュージアム浜北では、8月31日(日曜日)まで子供向けの企画展や体験コーナーを開催しています。残り期間はわずかですが、ぜひお立ち寄りください。

文化財日記抄

7月には、次のような調査活動等を行いました。

1日(火曜日)、中区アクト大ホール、市制記念式典第二部「滝沢放歌踊他」(800人)
2日(水曜日)、中区南伊場町、梶子遺跡工事立会い
5日(土曜日)、天竜区二俣町・中区元城町、城跡見学会(20人)
6日(日曜日)、天竜区二俣町、二俣公民館講座(8人)
7日(月曜日)、東区市野町、市野遺跡予備調査
8日(火曜日)、浜北区根堅、中屋遺跡本発掘調査
11日(金曜日)、北区細江町、百万遍念仏観音堂台風8号被害状況確認
13日(日曜日)、浜北区於呂、遠州大念仏伝承状況現地調査
14日(月曜日)、中区 商工会議所、出前講座「闘将・家康プロジェクト公開講演会」(47人)
15日(火曜日)、中区鹿谷町、遠州大念仏犀ヶ崖供養伝承状況現地調査
17日(木曜日)、天竜区春野町、瑞雲院保存修理委員会
20日(日曜日)、北区引佐町、横尾歌舞伎映像記録撮影立会い

22日(火曜日)、浜北区根堅、北谷遺跡予備調査

22日(火曜日)、中区南伊場町、梶子遺跡立会い
23日(水曜日)、浜北区根堅、岩水寺木造地蔵菩薩立像保存修理完成復帰確認
23日(水曜日)、西区西丘町、喜代作山南遺跡工事立会い
28日(月曜日)、東区中郡町、万斛遺跡予備調査
30日(水曜日)、西区馬郡町、殿道東遺跡予備調査

文化財イベント

8月は大念仏、9月はお城!

  • 県指定無形民俗文化財「呉松の大念仏」
    8月15日(金曜日)午後1時頃~/宿蘆寺(西区庄内町)
  • 引馬城(浜松城)発掘調査現地説明会
    8月17日(日曜日)/1回目 午前10時、2回目 午後1時30分/東照宮(中区元城町)
  • 二俣城現地説明会
    9月21日(日曜日)/1回目 午前10時、2回目 午後1時30分/二俣城跡(天竜区二俣町)

浜松市内の鉄道遺産テーマ展「みんなでGO!!はまはく鉄道博」開催中

~この記事は、浜松市メールマガジンとリンクしています~

平成26年(2014年)は、東海道新幹線が開業してから50周年、遠州鉄道奥山線が廃線となってから50年の節目にあたります。現在浜松市博物館では、これら東海道新幹線と奥山線の資料を中心とした展示会を開催しています。

展示の様子<展示の様子>

東海道新幹線関連の資料には、1月45日スケールの0系新幹線の車両模型をはじめ、グリーン車の座席や運転席、指定席・自由席の種別表示、乗務員の制服、乗務員仕業票、食堂車で使用された食器類などを展示しています。中でも、実際車体に取り付けられていたパンタグラフや静電アンテナ、D51の銘板などは、鉄道ファンの方たちにはたまらない資料かもしれません。また、奥山線関連の資料では、なつかしい奥山線の車両などの写真や、車両竣工図、レール、奥山線の車体に取り付けられていた遠州鉄道株式会社の社紋、奥山線の各駅間の通行に必要であったタブレット、乗務員の制服、通票表示板など、現在では貴重な資料を展示しています。

展示の様子(奥山線)<展示の様子 奥山線>

これら以外にも、国鉄時代の浜松駅駅長の制服や、浜松工場で製造されたD51型式蒸気機関車の模型、ED18型式電気機関車の模型、20系ブルートレインの模型など、浜松と近隣地域に関わる歴代の名車両を、HOゲージの模型で展示しています。また、関連イベントとして、8月9日・10日にはドクターイエローなどのミニ鉄道乗車会があり、8月13日から24日までNゲージ鉄道模型のジオラマの展示、8月15日~17日と8月22日~24日には車両模型の走行を行う予定です。ちょうど夏休みの期間でもありますので、是非ご家族でご来館してみてはいかがでしょうか?

編集後記

引馬城跡の発掘調査が始まりました。猛暑のなか、流れる汗とともに調査を進めています。若き日の家康がこの地で暮らしていたかもしれないと思うと、土を掘る手にも自然と力が入ります。調査成果をお楽しみに。いにしえの浜松がみえてくるかも・・・。(く)

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浜松市役所市民部文化財課

〒430-8652 浜松市中区元城町103-2

電話番号:053-457-2466

ファクス番号:053-457-2563

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