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更新日:2016年8月22日

浜松市文化財情報vol.103

平成28年8月15日発行

姫街道の歴史や自然に触れる~姫街道を歩く~

 姫街道は浜名湖の北岸を迂回する、東海道の脇往還・付属街道です。江戸時代までは公的には「本坂通」と呼ばれていました。江戸の終わり頃から一部の地域では「姫街道」の名称が使われ始めたようで、明治期にはその呼称が定着していました。
 本坂通には市野宿、気賀宿、三ヶ日宿、嵩山宿が置かれていました。気賀宿の東口には気賀関所が置かれ、新居の関所と同様、主に「入り鉄砲と出女」の取り締まりを厳しく行っていました。沿道には一里塚が配置され、市野宿の西側や三方原台地上には松並木が続いていました。

本坂通の道筋<本坂通(姫街道)の道筋>

 本坂通は古来より往来があり、江戸時代初めに東海道の今切と航路が不安定だった頃は、大御所や将軍が上洛する道筋として多く使われていました。寛永年間に浜名湖の今切渡船路が安定し、東海道の往来が盛んになると、本坂通の利用者は減って行きました。しかし、宝永四年(1707)の東海大地震で今切の地形が大幅に変化し、渡船の危険性が高まった結果、東海道の利用者の多くが再び本坂通を往来するようになりました。
 近代になり、道路の付け替え工事や拡幅工事が進み、本坂通(姫街道)は現在、幹線道路(県道磐田細江線、国道362号線)となっています。一方、宇藤坂や長坂、小引佐から引佐峠にかけては江戸時代の道筋が残り、当時の面影を今に伝えています。
 姫街道を歩くと、一里塚や道標、石仏、松並木、秋葉山常夜燈など、歴史を物語るものに出会います。沿道の寺社でも、貴重な文化財が多く保存されています。普段は車などで通りがかるだけの場所でも、歩いてみることでいつもと違う風景や発見があるのではないでしょうか。
 文化財課では、浜松市内の姫街道および沿道の文化財を紹介した『姫街道を歩く』と言うブックレットを、平成21年に刊行いたしました。こちらは完売いたしましたが、好評を受けて、今回『改訂版 姫街道を歩く』を発売することとなりました。販売窓口等は下記をご覧下さい。浜松市ホームページ内、文化財のページ、「刊行物のご案内」では、郵送での購入方法も記載しております。
 あなたも姫街道を歩き、その歴史や自然に触れてみてはいかがでしょうか。

改訂版 姫街道を歩く(表紙)

規格:A5判・136ページオールカラー
頒価:400円(税込み)
発売日:平成28年8月19日(金曜日)
販売窓口:浜松市文化財課、浜松市博物館、姫街道と銅鐸の歴史民俗博物館、中区を除く各区役所(東・南は区民生活課、西・北・浜北・天竜はまちづくり推進課)、引佐協働センター、三ヶ日協働センター

子供歌舞伎体験教室を開催しました!

 去る8月1日(月曜日)から3日(水曜日)まで、雄踏文化センターにて、雄踏歌舞伎万人講「子供歌舞伎体験教室」が開催されました。3日間で延べ50人(保護者含)が参加して、地域の伝統文化を体験しました。
 初日は、雄踏歌舞伎保存会「万人講」の坂田忠臣副会長が講師を務め、歌舞伎の基礎知識から万人講の歴史の説明、さらに実際の歌舞伎で使用する小道具等を手に取って役者気分を体験しました。2日目と3日目は、市川寿々女師匠、市川美満寿師匠と保存会員が講師となり、いよいよ化粧と着付けの体験を行いました。子供達は化粧した後、鬘や着物を着用して立派な役者姿に変身しました。

白波五人男に変身(子供歌舞伎体験教室)<白波五人男に変身!>
 参加した子供達は、鏡に映るいつもと違う自分の姿に驚きながらも、伝統文化を楽しく体験していました。歌舞伎とは遠い世界の出来事ではなく、自分たちが暮らす身近に存在するものであることを感じ取ったのではないでしょうか。
 なお本年度の雄踏歌舞伎「万人講」定期公演は、平成29年1月15日(日曜日)雄踏文化センター大ホールにて開催されます。地域の伝統文化に取り組む子供達の姿を是非御覧ください。

文化財日記抄 7月

1日 (金曜日) 中区元城町 浜松城立会調査
4日 (月曜日) 浜北区於呂 東原遺跡立会調査
5日 (火曜日) 南区高塚町 可美小学校6年生発掘体験120人参加(高塚遺跡)
7日 (木曜日) 浜北区於呂 芝本遺跡予備調査
11日 (月曜日) 浜北区於呂 東原遺跡調査 ~7月15日
13日 (水曜日) 南区高塚町 高塚町村東遺跡予備調査
19日 (火曜日) 南区新橋町 新橋町村中遺跡予備調査
21日 (木曜日) 浜北区於呂 芝本遺跡予備調査
23日 (土曜日) 南区高塚町 高塚遺跡発掘調査現地説明会140人参加
25日 (月曜日) 東区笠井町 笠井西浦遺跡予備調査/浜北区於呂 芝本遺跡調査
26日 (火曜日) 東区笠井町 笠井上組遺跡予備調査
27日 (水曜日) 東区天王町 村東遺跡立会い調査/浜北区於呂 芝本遺跡調査/中区西伊場町 梶子遺跡立会調査

井伊谷周辺のオススメ文化財スポット 

 日本列島最大の断層・中央構造線沿いの帯状の地層は、南信州からほぼ直線的に本市水窪町を経由して、大きく湾曲し、引佐町内を分断して豊橋市から紀伊半島、四国、九州へとつながっています。この断層の南側には、古生代・中生代には海の底だったことを示す石灰岩が隆起して低い山地を形成しています。
 現在、引佐協働センターの2階ギャラリーに展示しているワニの化石は、引佐町谷下の石灰岩地帯から見つかりました。石灰岩地帯では骨などが溶けずに長く残りやすく、浜北区根堅では旧石器時代の人骨(本州では最古)が、北区三ヶ日町只木では縄文時代早期の人骨も見つかっています。これらは、石灰岩が陸地化してからの化石ですが、石灰岩そのものからも、フズリナやアンモナイトなど、古い時代の化石を産出します。
 北区内では、石灰岩などの造り出した奇岩をあちこちで見ることができます。竜ヶ岩洞はその代表ですが、天白磐座遺跡や三岳山の立須、滝沢町内なども見どころです。

三岳山東麓の石灰岩地形<三岳山東麓の石灰岩地形>

【天白磐座遺跡へのアクセス】
新東名浜松いなさICから車で約15分、遠州鉄道バス「奥山」方面行き「神宮寺」バス停下車、徒歩約15分

編集後記

今年の夏も暑い日々が続き熱中症にかかる方も出ていますが、この時期の遺跡の発掘調査の現場でも他人事ではなく、熱中症対策に水分や塩分の補給が欠かせません。1.5リットルの水筒でも足りなくなるぐらいです。昼食の梅干のおにぎりの味も普段よりおいしく感じます。 (N)

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お問い合わせ

浜松市役所市民部文化財課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2466

ファクス番号:053-457-2563

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