緊急情報
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更新日:2016年6月15日
平成28年6月15日発行
5月28日に、静岡県文化財等救済支援員の方々を対象とした現地見学会「天竜川の旧流路と水防の歴史」を開催しました。文化財課では、平成23年度から文化財防災ボランティア養成講座を開催し、地域で予想される災害に際して文化財の被災の可能性と防災あるいは減災、さらに救済の必要性をご案内しており、ご希望の方には、講座受講後に救済支援員に登録していただいています。今回の講座は、支援員に登録された方々を対象に開催したもので、屋外で文化財巡りを楽しみながら防災について学ぶ機会となりました。
<見学会風景(左奥の石柱が牓示杭)>
当日はJR天竜川駅に集合して北へ向かい、日蓮宗妙恩寺を建立した金原法橋邸の庭前にあったといわれる県指定天然記念物「法橋の松」を見学、妙恩寺の屋根と平行に地割りされていた様子が残る道を歩いて妙恩寺へ、東海道の道の両側に建っていた二つの牓示杭(ぼうじくい)、天竜川の旧路、東海道松並木、道幅が狭いまま現在まで残る姫街道への分岐点などをめぐりました。牓示杭は元の場所から少し離れた場所に移されていますが、二つ揃いで遺されている点は大変貴重です。天竜川の旧流路の辺りは今では建造物が建てられています。また、周囲を観察すると、田んぼが広がる土地の高さなどに元の土地の高さが見てとれました。薬師町付近では、『浜松領分絵図』に描かれた東海道松並木の雰囲気が一部残されており、松を眺めながら東へ進み、宿場間にあった大名や旅行者向けの休憩施設である「立場(たてば)」の跡を通りました。最後は、天竜川の治水事業などで知られる金原明善の生家と展示品を見学し、2階で開催中の国土交通省 中部地方整備局浜松河川国道事務所による災害に関する展示を見学しました。生家裏に建つ蔵は、伊豆石の蔵です。
<災害に関する展示(金原明善生家)>
<街かどの秋葉山常夜燈鞘堂>
浜松市では、本年度から、地域の文化遺産を守り活用するための新たな制度がスタートします。これまでの指定・登録制度とは別に、よりゆるやかな保護制度となる「浜松地域遺産」認定制度(通称:認定文化財制度)として、候補の募集を7月から開始します。
<街道沿いのお堂>
制度の骨子団体・地域から推薦された地域の文化遺産を「浜松地域遺産」として認定することで市民の皆さまに周知するともに、関係団体相互の連携・協働により活用を図ることで、後世への継承と地域の活性化を目指します。
認定の基準(抜粋)郷土の歴史や文化を象徴しているものや、地域の特色ある生活文化・伝統行事として親しまれ、今後も地域の活性化のために欠かせないもの等
今後の予定7月1日から10月31日までを募集期間とします。11月以降の審議を経て年度内に第1期の認定証を交付する予定です。
※募集要項は文化財課、区役所等で配布する予定です(6月下旬~)。詳しくは、広報はままつ7月号をご覧ください。
5日(木曜日)、天竜区春野町、犬居つなん曳伝承状況現地確認
6日(金曜日)、南区増楽町、増楽町村中遺跡予備調査
10日(火曜日)、中区東伊場、中村遺跡予備調査
10日(火曜日)、南区新橋町、新橋町村東遺跡本調査-5/12
11日(水曜日)、天竜区役所、無形民俗文化財保護団体連絡会理事会
16日(月曜日)、中区松城町、浜松城跡予備調査-5/17
16日(月曜日)、中区元城町、浜松城跡予備調査
19日(木曜日)、南区高塚町、高塚町村東遺跡予備調査
23日(月曜日)、浜北区於呂、御馬ヶ池古墳群予備調査
28日(土曜日)、東区安間町ほか、現地見学会「天竜川の旧水路と水防の歴史」
市指定無形民俗文化財「遠州大念仏」が実施されます。
7月15日(金曜日) 午後6時30分~
犀ヶ崖資料館前庭
北区引佐町井伊谷に井伊直虎ゆかりの龍潭寺があります。この地を治めていた井伊氏の菩提寺です。戦国時代に桶狭間の戦いで戦死した井伊直盛の戒名(龍潭寺殿天運道鑑大居士)をとり現在の龍潭寺と寺号を変えました。龍潭寺には国や県の指定文化財も多く、本堂や山門他龍潭寺伽藍6棟をはじめ宋版錦繍万花谷(そうはんきんしゅうばんかこく、中国南宋時代の百科事典)・遊楽之図六曲一双の屏風他も伝えられています。
ひとたび参道に足を踏み入れますと、つつじや千両・梅・桜など四季折々の変化に富んだ栽植が美しい姿を見せてくれます。白土塀の奥に仰ぎ見る総門には山号の「萬松山」、本堂には寺号の「龍潭寺」と書かれた扁額が掲げられています。扁額とは建物の内外や門・鳥居などの高い位置に掲げられる額です。龍潭寺の二点は江戸時代の朝鮮通信使「雪峯」によって揮毫とされています。本堂に入ると丈六の仏像や一歩進むごとにきゅっきゅっと鳴る鶯張りの<総門と参道>
【アクセス】
★遠州鉄道バス奥山行き~神宮寺バス停下車、徒歩10分
★新東名いなさI.C.よりR257を南に車で10分
いよいよ緑の映える季節となりました。出土した碗や皿の底に木葉痕と言って葉脈の後があり、葉っぱの上で土器を作った形跡のあるものがあります。葉っぱ一枚でも土器を作る大切なアイテムだったのでしょうか。自然が現代より生活に身近な存在だったのではと、周りの緑にも思いを馳せている此の頃です。(K)
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