更新日：2023年4月13日

浜松市財政の概要／4 財政指標による市財政状況の分析 2

浜松市財政の概要

4 財政指標による市財政状況の分析

（2） 市債残高

市債残高の推移

※内訳は資料編8を参照

用語の解説
特定資金公共投資事業債…NTTの株式の売払収入を活用した貸付金。
後年度、国から償還相当額が交付される。

《市債残高の現状》

• 市町村合併により、一般会計市債残高は917億円の増加で、旧浜松市の1.4倍に、また、総市債残高では1,393億円の増加。
• 一般会計市債残高は3,122億円。新市ベースでは残高も38億円の減少。浜松市では、中期財政計画を策定し、一般会計市債残高の管理を行ってきた成果により、平成12年度以降市債残高を減少させてきた。
• 一般会計市債残高のなかで、臨時財政対策債の占める割合が大きくなっている。
• 企業債残高は2,417億円で、横ばいとなっている。一番大きな割合を占めるのが下水道事業であり、積極的に下水道の普及率を上げるために投資を行ってきた結果、市債残高は1,898億円と大きくなっている。しかし、その結果、下水道普及率は旧浜松市で平成16年度には79.5％に達し、新浜松市ベースでも平成17年度に71.4％に達している。政令指定都市の平均94.9％に比べると大きく下回っているが、中山間地域を多く抱える地理的な要因によるものであると考えられる。

下水道事業の状況（普及率と起債残高）

下水道普及率の推移

※下水道普及率＝排水処理区人口／行政区域人口

下水道事業の起債残高（単位：億円）

《市債残高にかかる他都市比較》※資料編P6参照

• 一般会計当初予算額に対する市債残高の割合は、約1.3倍で、静岡市と比べても同程度である。また、政令市平均では約1.7倍であり、政令市と比べればそれほど大きくない。
• 一般、特別、企業の各会計の単純合算額に対する総市債残高の比率は1.13倍であり、静岡市（1.02倍）と比べると高くなっているものの、政令市平均(1.32倍)と比べれば小さな値となっている。

《起債残高にかかる評価と今後の方針》

• 一般会計市債残高及び一般、特別、企業の各会計の合算額である総市債残高のいずれも、他の政令市と比較すると適切な規模であると考えられる。
• しかし、市債については、必要な事業にかかる起債であるかについて予算編成上しっかりと精査し、市債の発行についてはできるだけ抑制基調で行っていくことが必要不可欠である。また、臨時財政対策債の残高が増加していることから、臨時財政対策債も市債であるという認識のもと、臨時財政対策債も含めた市債管理が必要である。
• 企業債についても、下水道事業の今後の進捗と大きく関わるため、必要な下水道事業の範囲、普及率の目標設定等が求められる。
• 新しい中期財政計画（平成18年度に策定）においては、総市債残高にかかる目標設定を行い、市財政全体を管理する形での財政運営が求められる。

用語の解説
財政力指数…基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値の過去3カ年の平均値のこと。財政力指数が1を超える場合、普通交付税の不交付団体となり、1に近い団体ほど留保財源が大きく、財源に余裕があることになる。
基準財政収入額…普通交付税の算定に用いるもので、地方公共団体の財政力を合理的に測定するために、標準的な状態において徴収が見込まれる税収入を一定の方法によって算定した額
基準財政需要額…普通交付税の算定基礎となるもので、地方公共団体が合理的、かつ、妥当な水準における行政を行い、又は、施設を維持するための財政需要を一定の方法によって合理的に算定した額
地方交付税…地方公共団体が等しく事務を遂行することができるように、国税のうち所得税、法人税、酒税、消費税、たばこ税の一定割合を、基準により国が交付する税のこと。地方交付税は普通交付税と特別交付税に分かれています。普通交付税は、各地方公共団体ごとに基準によって算出された、基準財政収入額と基準財政需要額の差額を基礎として交付される。特別交付税は、普通交付税の算定に反映することができなかった特別の事情を考慮して交付される

トップへ戻る