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更新日:2024年1月1日

PTA連絡協議会PTA会長研修会講話(令和5年6月3日)

1.はじめに

こんにちは。令和5年度が始まって2か月が経ち、紫陽花が美しい季節を迎えました。
多くの小学校では、運動会を無事に終えることができました。
中学校では、中体連の夏季大会に向けて、子供たちが熱心に部活動に取り組んでいます。
子供たちの生活と心に大きな影響を与えてきたコロナウイルス感染症が、感染症法上の5類に位置づけられ、生活が少しずつ戻ってまいりました。
本日、皆様に直接お会いして、お話できることを大変嬉しく思います。
この3年間、学校も子供たちも本当によく頑張ったと思います。
そして、学校の教育活動への深い御理解の下、子供たちの心を支え、学校を応援し、様々な形で御協力くださった、会長さん方を中心とするPTAの皆様にも、感謝申し上げます。
本日は、お忙しい中、こうしてPTA会長、市P連の役員の皆様がお集まりの場にお招きいただき、お時間をいただいておりますので、浜松市の教育についてお話しいたします。
その前に一つ、明るい話題を提供いたします。
先月の教育委員会定例会で報告した内容ですが、教員採用試験の志願者数についてです。
全国的に、教員の志願者数が減少し、教員不足が報道されていますが、本市においては、令和元年から毎年増加し、増加傾向であります。
本年度も、志願者数が増加して、元年度に比べ1.25倍に増え、過去最高人数となりました。ちなみに、大学生や新規採用者に、どうして浜松の教員を選んだのかを聞いたところ、「浜松市の教育方針がよかった。とか、浜松の先生方が温かく接してくれた。」等の感想がありました。
このような言葉を励みに、今後も、教職の魅力を伝えていきたいと思います。

2.国の動向

(1)これからの教育の方向性
それでは、本年度の浜松の教育、「はままつ人づくり未来プラン」のリーフレットを配付いたしました。ご覧いただけましたでしょうか。
表紙には、「学校・家庭・地域・行政の連携・協働による、子供たち一人一人のウェルビーイングの実現に向けて」と書いてあります。
ウェルビーイングの実現とは、多様な個人それぞれが幸せや生きがいを感じるとともに、地域や社会が幸せや豊かさを感じられるものとなることであり、国の教育振興基本計画のキーワードの一つです。
現代は、将来の予測が困難な時代であり、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性を特徴とする「VUCA」の時代と言われます。
2040年以降の社会を見据えたとき、現時点で予測される社会の課題や変化に対応して人材を育成するという視点と、予測できない未来に向けて、自らが社会を創り出していくという視点の双方が必要になります。
このような未来にあって、経済的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさや健康までも含めて幸福や生きがいを捉える「ウェルビーイング」の考え方が重要であり、個人と社会の「ウェルビーイング」は、「私たちの望む未来」であり、社会の「ウェルビーイング」は共通の目的地と言えます。
一人一人の豊かで幸せな人生と、社会の持続的な発展を実現するために、教育の果たす役割は、ますます大きくなっていると言えます。
(2)ウェルビーイングの実現を目指す
先月、ミドルリーダーの先生方の研修で、私が願う「浜松の教育」の姿を一言でいうと、「学校・家庭・地域・行政の連携と協働により、一人一人の「ウェルビーイング」の実現を目指す」ということを話しました。
最近、「チャットGTP」というものが話題となっていますが、まるで専門家が考えたようなもっともらしい文章を、瞬時に作成してくれるAIが出現しました。
今の世界は、こうした情報化が急速に進んでいます。
また、コロナウイルスパンデミックに代表されるように、あっという間に世界中に影響を及ぼすというグローバル化も、大変な勢いで進んでいます。
このように、変化が激しくなかなか先の見通しが持てない不安な時代にあって、大切な教育とは、「変化に飲み込まれず、身体的にも精神的にも社会的にも幸福感をもって、自分らしく成長できる力を育てること」、言い換えると、「ウェルビーイング」の実現を目指す教育だと考えます。
学校だけが頑張れば何とかなるということが難しい時代になりました。
学校や家庭や地域や行政が、お互いの役割をしっかりと認識し、連絡を取り合ったり協力しあったりして、子供たちを支えていくことが大切であると考えます。

3.浜松の教育~令和5年度の取組について~

さて、平成27年度からスタートした、第3次浜松市教育総合計画も10年計画の9年目、後期計画の4年目、となりました。
いよいよ、総まとめの時期を迎えます。
それでは、本年度の具体的な教育施策について、お話します。

(1)家庭や地域との連携・協働について
最初に、「家庭や地域との連携・協働について」です。
各学校には、家庭や地域と連携しながら、教育活動全体を通じてキャリア教育を実践していただいています。
「地域とともにある学校づくり」を進めるコミュニティ・スクールの導入校は、設置率97.2%となりました。
調査によると、学校運営協議会での協議等が、学校運営の改善や教育活動の充実につながっていると実感している学校は、8割を超えています。
今年度は、コミュニティ・スクールの更なる質の向上を図るとともに、「キャリア教育」を、コミュニティ・スクールに生かして推進していきます。
PTA会長の皆様の中には、学校運営協議会の委員になっている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ぜひ、PTAと学校運営協議会とのかかわりについても協議していただき、両組織の効果的な取組につながることを期待しています。

(2)いじめへの対応について
次に、「いじめへの対応について」です。
いじめ対応は、令和5年度も引き続き、本市の重要課題です。
本市では、「いじめ見逃し0」のために、「浜松市のいじめ防止基本方針」の改定をはじめ、根本から改善に取り組んでまいりました。
そして、今年度より、「いじめリスクアセスメントアンケート」や「Webを活用した相談」等、新たな取組を行ってまいります。
いじめ防止対策については、「浜松市の全ての子供たちが、安心して学校生活を送ってほしい。」これが、私の願いです。
昨年の3月、私は、教職員の皆さんに、こう呼び掛けました。
「いじめの積極的認知は、子供たちの日常を守ります。」
「組織的な対応で子供たちが救われます。」
「いじめの未然防止で子供たちが幸せになります」と。
この「浜松市いじめ防止基本方針」では、家庭教育の重要性を示しましたので、「学校いじめ防止基本方針」の策定、評価・見直しへの御理解と御協力をお願いします。
いじめ対策については、日本PTA全国協議会が発行している『今すぐ!家庭でできるいじめ対策ハンドブック』に、法の正しい理解や子供の思いについて、保護者の皆さんの心情に寄り添った分かりやすい表現で書かれています。
その中に、「いじめの『責任は誰にあるのか』ではなく、『わたしの責任で何ができるか』、すなわち<自分にできること探しの姿勢>が子供にとっても、大人にとっても重要」という文章が書かれていました。
また、「大人と子供が、建前やきれいごとに陥らずに、人と人が共に生きることの意味を本気で『共に考えるという関わり方』に至るところこそ、いじめ問題の本当の解決の方向性が見えてくるのではないでしょうか。」とも、書かれていました。
いじめは、いじめを受けた子供はもちろんですが、いじめを行った子供や周りにいる子供、その保護者、そして学校の教職員と、子供たちにかかわるすべての人に深い心の傷を残します。
子供たちの教育に責任のある学校、教育委員会は当然ですが、子供たちをいじめから守るために、ぜひ御協力をお願いします。

(3)教育の情報化
最後は、教育の情報化です。
社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速していく中で、本市においても、デジタル・スマート・シティを掲げ、「人が中心、デジタルは手段」「個人情報の保護とプライバシーへの配慮」「変化を先取りし、新たな価値を創出する」等を基本的な考え方として取り組んでいます。
教育の分野においても、ICTを活用することが特別なことではなく、「日常化」していく必要があります。
そこで、「ICTを活用した授業改善」という内容で、昨年度からの有玉小、大平台小に加え、新たに、大瀬小と清竜中の2校を指定教育研究校とし、そこでの成果を市内の学校に広げ、ICTを積極的に活用した授業改善を推進してまいります。
また、本市の小中学校におけるICT教育の推進を図る取組として、昨年度より新たに、「浜松市ICT教育未来プロジェクト賞」を設け、顕著な取り組みをした学校を表彰しました。
これからの社会を生きる子供たちのために、定められたルールのもと、また、情報モラルについて考えさせながら、個別最適な学びの実現を目指し、あるいは、情報活用能力を育成するために、タブレットの有効活用をはじめ、教育の情報化を推進してまいります。

(4)その他
最後に、今年度からの主な新たな取組を、3つ紹介します。
1つ目は、学校教育部の組織改編を行い、新たに、教育支援課を新設しました。教育総合支援と就学支援を連携させ、ワンストップ化による迅速な事務処理と、課題の早期発見・支援を図っていきます。
2つ目は、「スクールロイヤー」を導入し、教職員の危機管理能力や法的思考力の向上を図り、課題の未然防止や早期解決につなげていきます。
3つ目は、「制服の在り方」について検討する委員会を立ち上げてまいります。PTAの代表の方にも、委員としてご参加いただき、御協力をお願いいたします。

4.むすび

ウスビ・サコさんという方を御存知でしょうか。
アフリカのマリ共和国出身で、アフリカ出身者として初めて、日本の大学の学長になった方です。現在は、京都精華大学で学長を務められています。
このサコさんが、あるインタビューの中で、「多様性を受け入れる寛容さこそが、誰一人取り残さない世界を実現する」と話しておられました。
また、「持続可能性を実現するために、本当に必要なことは何か」という問いに対しては、「自分たちの行動を変えることに主眼を置くべき」と述べています。
また、現在の中央教育審議会会長のさんは、「教育という土壌は、新たな試みへの風当たりが強くなりがちだ。生徒がどれだけ輝けるかがポイント。やってみようとする中で自己肯定感が育ち、それによって新しいことに挑戦する意欲が生まれる。」と述べています。
とかく、変えるには、失敗がつきものです。
時に、学校には、安心して失敗できる環境も必要となります。
私たちも、「正解」を押し付けるだけにならないようにしたいものです。
それでは、はままつの子供たちのために、皆様と一緒に、力を尽くしていくことをお誓いするとともに、市P連の益々の発展と皆様の御健康と御多幸を祈念し、充実したPTA活動が展開されることをお願いして、本日のお話を閉じさせていただきます。今年度もよろしくお願いします

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