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更新日:2024年1月1日

校長会議講話(令和5年4月12日)

1.はじめに

この第1回校長会議では、新たなメンバーも含めた皆さんに、「直接」お話ができることを大変うれしく思っております。
今年度の入学式も終わり、安心して、令和5年度のスタートを切れることに、感謝申し上げます。
皆さんは、先週、校長として、職員や子供たちに御自分の思いを話され、決意を新たにされたことと思います。
新任や昇任の校長先生には、特に長い1週間であり、新年度が無事にスタートして、ほっとされているところかと思います。
本日は、いただいたお時間の中で、皆さんにお願いも含めて、お話させていただきます。

2.令和5年度の取組について

お手元にある、令和5年度版「はままつ人づくり未来プラン」のリーフレットを御覧ください。
表紙に書かれた「学校・家庭・地域・行政の連携・協働による子供たち一人一人のウェルビーイングの実現」。これが、私の目指すところです。
そこで、まず、具体的な教育施策について、お話します。

(1)家庭や地域との連携・協働について
最初に、「家庭や地域との連携・協働について」です。
各学校には、家庭や地域と連携しながら、教育活動全体を通じてキャリア教育を実践していただいています。
また、「地域とともにある学校づくり」を進めるコミュニティ・スクールの導入校は、設置率97.2%となりました。
調査によると、学校運営協議会での協議等が、学校運営の改善や教育活動の充実につながっていると実感している学校は、8割を超えています。
今年度は、コミュニティ・スクールの更なる質の向上を図るとともに、「キャリア教育」を、コミュニティ・スクールに生かして推進していきます。

(2)いじめへの対応について
次に、「いじめへの対応について」です。
令和4年度は、「いじめ対応への臨時校長会議」で始まりました。
そこで私は、「いじめ見逃し0」のために、「いじめの積極的な認知、組織的な対応、未然防止」を校長先生方に呼び掛け、その後、「浜松市のいじめ防止基本方針」を見直すなど、抜本的な改革や取組を進めてきました。
その結果、昨年度末までに、浜松市立のすべての小中学校が、「学校いじめ防止基本方針」を見直し、学校ホームページに公開しました。
校長先生方には、年度初めに、保護者、地域への説明していただくとともに、適切な運用をお願いします。
また、令和5年度の教職員版「はままつの教育」は、「いじめ対応の手引き」です。内容をいじめに特化して発刊しましたので、校内研修等で積極的に活用するとともに、手元に置いて常に確認するよう、校長先生方からも各校の先生方へお伝えください。
いじめ対応は、令和5年度も引き続き、本市の重要課題です。
校長先生方が、常に状況を早く的確に把握し、強いリーダーシップを発揮して組織を動かし、対応してくださることを切に願っています。

(3)コロナウイルス感染症対策について
3点目は、「コロナウイルス感染症対策について」です。
「学校教育活動実施において、児童生徒及び教職員はマスクの着用を求めないことが基本」となります。効果的な換気の実施など、基本的な感染対策を行いながら、学校教育活動を推進していただきたいと思います。

(4)定年延長制と教員の人材確保について
4点目は、「定年延長制と教員の人材確保について」です。
「定年延長制」が制度化され、今年度末には、定年による退職者がいなくなります。
定年前短時間勤務の勤務条件や、延長した定年までの勤務様態等について、職員団体、各方面への説明を経て、全職員に提示していきます。
また、教育現場の実情を踏まえて、教員採用試験の早期化や大学・高校ガイダンス等の実施により、教員の人材確保の施策を推進していく予定です。
教職の魅力を発信することで、優秀な人材を一人でも多く採用できるよう努めていきます。

(5)その他
最後は、教育の情報化です。
事あるごとに言っていますが、「一人一台学習者用タブレット端末等のICTを有効に活用してください。
ICTの活用は、学校間の温度差、教員間の温度差があります。
そこで、指定教育研究校に、昨年度からの有玉小、大平台小に加え、「ICTを活用した授業改善」という内容で、新たに、大瀬小と清竜中の2校にお願いしました。
2校に限らず、校長先生方のリーダーシップにより、ぜひICTを積極的に活用した授業改善を進めていただきたいと思います。
チャットGPTや情報モラル等、心配事は尽きませんが、定められたルールのもと、各学校で、タブレットがあるから使うという姿勢ではなく、個別最適な学びを実現したいから、あるいは、情報活用能力を育成したいから、タブレットを使うようになることを期待します。
次に、今年度からの新たな取組を紹介します。
まず、学校教育部では組織改編を行い、新たに、教育支援課を新設しました。教育総合支援と就学支援を連携させ、ワンストップ化による迅速な事務処理と、課題の早期発見・支援を図っていきます。
また、「スクールロイヤー」を導入し、校長先生はもとより、教職員の危機管理能力や法的思考力の向上を図り、課題の未然防止や早期解決につながっていくことを期待しています。
さらに、「いじめリスクアセスメントアンケート」や「Webを活用した相談」等の新規事業を立ち上げ、「『次世代の校務DX』を目指した取組」を推進していきます。
これらについては、この後の各課からの説明で、確認してください。

3.校長として

(1)教育論を考える
さて、日本の教育の在り方を示すものとして、教育基本法や学校教育法等があります。
そして、教育の目標・内容を示した学習指導要領があります。
こうした学校での教育の基準となるものは、妥当性を持ち、どの子供にも等しく大事なことを教育していくものであり、言ってみれば、3人称的な性格をもちます。
しかし、一人一人の子供の学びや育ちの姿には違いがあるから、個々の子供に対して教育する場合には、無理が生じるおそれがあります。
したがって、個性に合致するような形での対応、いわゆる個別最適な学びを考えることが必要となります。
そこで、以前、梶田叡一氏が書かれていました「3人称、2人称、1人称の教育的取組」に絡めて、「個別最適な学び」を考えてみます。
まず、個別最適な学びの前提として、3人称的で、どの子供にも妥当する教育課題に対して、十分に理解する必要があります。
その理解の上に、一人一人に対応した2人称の教育、1人称の教育を考え、実践していかなければなりません。
2人称の教育とは、「皆さんは」ではなく、「あなたは」という対応の仕方です。それは、子供の個性を踏まえ、その子供に合った形で、その子供が個性的に伸びていけるように関わっていきます。
相手に即した人間理解を深め、一人一人の子供の学びの特質、意欲の持ち方、認識や思考のタイプ、指導の受け止め方、学習成果の活用の仕方等を十分に理解し、それに即した形で指導していくことを考えていく教育です。
学校では、一人一人に対する2人称的対応ができているのか、一人一人の個性を大切にし、その子供の個性的な成長を図っているか、点検し、反省しながら教育活動を進めてください。
リーフレットに戻りますが、本市の目指す子供の姿の第一は、「自分らしさを大切にする子供」です。
7つの政策の第4は、「一人一人の可能性を引き出し伸ばします」です。
これらはまさに、2人称の教育です。
また、リーフレット右ページの方針2に示した「一人一人の子供に寄り添い、可能性を引き出し伸ばす支援の充実」や「教育的ニーズに応じた多様で柔軟な教育の充実」について振り返ることが、点検・反省になります。
そして、最終的には、1人称の教育を考えなくてはなりません。
子供自身が自覚をもち、自分で、自分を支え、励まし、自分なりに行動する。
変化が激しく、不確実で、複雑で、曖昧なブーカの時代が到来している今だからこそ、子供たちが夢と希望に向かって、主体的に課題を捉え、解決し、キャリア形成と自己実現を図りながら、未来を切り開いていく能力の育成が必要となります。
教育は、自己教育力の育成であり、親や教師が関わらなくとも、自分で自分を十分に理解し、自分を十分に生かしながら、自分を伸ばしていく。まさに、1人称の教育です。
「現代社会を生き抜くための教育」を進めるとともに、「その人なりの人間としての成長のための教育」、「その人が自分なりの幸せを実現して生きていくための教育」、すなわち、個別最適な学びにより、一人一人のウェルビーイングにつながる教育を実践していただきたいと思います。

(2)学校を管理する
令和4年度は、臨時校長会を3回実施しました。
校長先生方には、リーダーシップを発揮し、令和5年度も引き続き、各校での綱紀の粛正と職員の意識の向上を図っていただきたいと思います。
また、コロナウイルス感染症対応により生じた、学校運営上の3年間の変革についての適否を確認し、よりよい学校経営につなげてください。
実施に当たっては、ビフォーコロナの学校、コロナ禍の学校を知らない職員もいますので、校内で、確実に意思疎通を図り、コロナ禍をマイナスとせず、効果的なことは継続し、働き方改革に活かし、子供たちと向き合う時間や、自分を振り返る時間が少しでも増えるよう、校長先生方から、先生方への働きかけをお願いします。

4.むすび~WBCから考える~

むすびになりますが、3月、私たちはWBCでの日本チームの優勝に、心躍らせました。
そのチームを指揮した栗山監督がインタビューの中で、「選手を成長させ、輝かせるのが監督の一番の仕事」と述べていました。
さながら学校では、「職員を成長させ、輝かせるのが校長の仕事」と言い換えることができるのではないでしょうか。
続けて彼は、中国の皇帝、太宗(たいそう)の城の門には、石段が二段しかなく、その理由として、「本当に愛情をもって、民に尽くしている王であれば、民が守ってくれるから、大丈夫だと考えていたこと」を挙げ、「物事を成すには、上に立つ者が人々に尽くさなければならないことを歴史は証明している」と述べています。
栗山采配が注目されましたが、その根底には、選手を輝かせることを第一に考え、愛情をもって選手に尽くした監督としての姿勢があったことに、リーダーのあるべき姿を考えさせられました。
学校教育の未来を信じ、学校教育のもつ影響力の大きさを噛みしめながら、私自身も校長先生方を輝かせるべく、職務・職責を全うしようという決意でおります。
はままつの子供たちの幸せのために、皆さんと一緒に、力を尽くしていくことをお誓いするとともに、校長先生方の御健康と御活躍を祈念し、講話といたします。

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