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更新日:2022年3月9日

1基本的な事項(4)

(4)地域の持続的発展の基本方針

 本地域は、これまで過疎対策により、産業の振興、交通体系の整備、生活環境の整備などに努めてきた。その結果、道路、水道施設、下水道施設をはじめとした生活基盤の整備はかなり進み、都市部との格差是正が一定程度図られたが、その後も若者を中心とした人口流出により、過疎化、高齢化が進行し、全国的に見ても、少子化・高齢化の著しい地域となっている。
 また、木材価格、お茶などの農産物価格の低迷により、林業、農業に対する生産意欲が低下し、担い手不足、雇用の場の不足などが課題となっている。農林業の不振は、森林の荒廃や耕作放棄地の増加を引き起こし、森林や農地の公益的な機能が低下することが心配される。
 さらに、地理的・地形的条件の特に厳しい一部の地域では、自治会の運営や集落の維持が難しくなり、生活扶助機能が低下している。
 人口減少と高齢化は、引き続き進行しているが、一方で、情報通信基盤整備の進展、都市から地方への移住・交流の可能性の拡大など、過疎地域を取り巻く環境も変化しており、適切な対応が必要である。
 今後は、これまでの生活基盤整備等のハード施策を引き続き実施し、都市部との整備水準の格差是正を図っていくことも必要であるが、同時に地域の特徴ある自然、風土、産品等を生かし、都市部とは異なる自立的(自律的)な発展・活性化を進めることも重要である。
 地域の持続的発展に当たっては、地域住民の主体的な取組みを引き出し、住民が望むきめ細かな生活対策などのソフト事業を中心として、地域と市が一体となって地域を再生するための施策を行うことにより、深刻化する状況を克服し、住民が誇りを持っていきいきと住み続けられる地域の形成を目指すことが必要である。市はそれぞれの地域の主体的な取り組みに、市民協働により協力、支援することにより行政依存から自立した地域となるよう事業を推進する。
 さらに、都市部と過疎地域を併せ持つ自治体として、地域の果たすべき役割や課題を全市民共通の理解とするため、都市部と過疎地域との連携や交流を促進し、共生共助でつくる豊かな地域社会を目指す。
 本計画は「静岡県過疎地域持続的発展方針」との整合性を保ちながら、「浜松市総合計画」を上位計画として、さらには「浜松市中山間地域振興計画」を補完するものである。真に豊かで魅力あるまちづくりと活力ある生き生きとした市民生活を実現していくため、本計画の基本的指針を次のとおり設定する。

ア ひとつの浜松で築く地域の未来

 この基本的指針に基づいて目指す本地域の姿を、「地域の市民がふるさとに愛着と誇りを持ち、今後もいきいきと活躍できる地域」及び「全ての市民が浜松の宝であると思う魅力的な地域」とする。具体的には、地域の市民が「この地域に生まれ、育ち、住んでよかった」「これからも地域を守り育てよう」と実感できる地域とともに、都市部の市民を含めて「ひとつの浜松による一体感のあるまちづくり」を目指し、都市部の市民との相互理解と、交流・居住の拡大による地域の自立活性化を推進する。
 本市の広大な市域の5割を占める過疎地域は、豊かな自然環境と良好な水源の涵養機能を持ち、都市部や下流域の自然災害の防止などの役割を果たすとともに、多様なライフスタイルや癒しと安らぎの場を求める都市住民のニーズに応えるものであり、緑豊かな山並みと清流などの自然資源、史跡、山里や棚田の風景等の文化資源、独自の文化や歴史、生活様式等は、都市部とは異なる価値観を有し、人と人とのつながりを残し、共同体・共同社会を体現する場である。
 過疎地域が健全に維持されることは、過疎地域の生活だけでなく、都市部を含めた市全体の安心・安全な生活に役立つこととなるため、ソフト・ハードの両面から生活に必要な機能の維持などの対策を実施する。
 あわせて、過疎地域が有する魅力や果たしている役割、意義が都市部にも認識されるように努めていく。

人の流れをつくる(市民同士の交流から生まれる地域づくりを推進)

 交流の促進によって、本地域と都市部の市民同士の協働による課題解決の動きを生み、同時に市民の主体的な取り組みを活性化していく。具体的には、交流情報の整理やマッチング体制の強化等により、本地域と都市部のあらゆる年代、あらゆる個人・企業・団体などが交流する機会を広げることで、市民同士の主体的交流が、協働へ発展する流れをつくる。また、地域に豊富に存在する地域資源や人的資源を交流に結びつけるよう、様々な情報技術やメディアを使い、都市部市民や企業などの協力を得て、広く市民に伝えていく。

地域を元気にする(持続可能な地域運営の仕組みをつくる)

 過疎化・高齢化により地域活動の担い手が減り、集落に活気がなくなったり、単一の集落だけでは地域活動を続けていくことが難しくなったりしている。
 このため、集落機能を低下させない、あるいは補完するための対策が必要である。そこで、家族による支援を基本としつつも、現在の互いに助け合う近隣関係を保ちながら、他の地域や都市部との交流、若者の定住促進などを進め、地域の担い手となる人材を受け入れていくなど、地域を運営していくための、新しい仕組みを作っていく。

産業の力で地域を潤す(地域資源の活用により産業を活性化)

 地場産業を活性化させるためには、農林水産物、商品やサービスといった地域資源の強みを見極め、産業の高付加価値化を図っていくことが必要である。農業では、付加価値の高い農産物や小規模農家でも生産可能な少量多品種生産の検討、林業では、森林施業の効率化等による低コスト化、FSC®認証制度(森林認証制度)による高付加価値化など、「育てる林業」から「売る林業」への転換を図っていく。また、地域課題を持続可能なビジネスの手法により解決しようとするコミュニティビジネスの創出を支援し、地域の生活環境の改善と雇用の場の確保を、同時に目指す。さらに、中核商店街を活性化させ、地域住民だけではなく、来訪者にとっても魅力的な商店街とし、にぎわいを取り戻すことが望まれる。

地域をプロモーションする(地域の魅力を生かして賑わいを再生)

 地域には、緑豊かな山並みや清流などの自然資源、史跡、山里や棚田の風景などの文化資源、林業、農業を中心とした経済資源、川釣り、ボート、カヌーやキャンプなどのアウトドアスポーツといった観光資源がある。そのほか、農村歌舞伎や貴重な民俗芸能、祭りや四季折々のイベントなど、魅力が豊富である。
 魅力的な資源を有効に活用するためのテーマ(自然、歴史、文化、健康、祭りなど)を有機的に結びつけ、この地域にしかない魅力を、市内都市部をはじめ全国に売り込み、活性化に結びつけるよう、戦略的プロモーションに取り組む。

カ 暮らしを守る(暮らし続けられる生活環境を確保)

 生活を守るために、引き続き生活基盤を整備していく。本地域は、人口が少なく、山間部の谷あいに集落が点在しているため、路線バスなどの公共交通の運行が難しい地域がある。それに加えて、高齢化で自家用車を運転できない交通弱者が増えており、こうした人たちが、買い物や通院などに困ることがない仕組みが望まれている。あわせて、一般国道、生活道路についても早期の改良が望まれている。
 また、飲料水の確保に苦労している地区、小売店の廃業により日用品の調達が容易でない地区、携帯電話が使用できない地区などがあるため、このような日常生活上の不便さを改善することが必要である。
 さらに、高齢者や子育て世代が地域で安心して暮らすための保健、医療、福祉を確保していく。

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(5)地域の持続的発展のための基本目標へ進む

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浜松市役所市民部市民協働・地域政策課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2094

ファクス番号:053-457-2750

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