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更新日:2023年3月28日

市民協働推進条例逐条解説 2

事業者の役割

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、地域社会の一員として市民活動がまちづくりに果たす役割を理解し、及び市民活動に自発的に協力するよう努めるものとする。

趣旨

本条は、市民協働を推進する主体として考える、市民、市民活動団体、事業者及び市のうち、事業者の役割について明らかにしたものです。

解説

事業者は、地域社会において、物やサービスの供給、雇用創出などの経済活動を通して社会的な使命を果たしています。しかし、市民ニーズが多様化し、社会環境が常に変化する現代社会においては、事業者においても、経済活動のみにその行動原理を置くのではなく、社会に対する市民活動の役割を理解し、自発的に市民活動に協力するという社会貢献性が求められています。

市の責務

第7条 市は、基本理念にのっとり、市民協働を推進するための環境の整備に努めるものとする。
2 市は、市民協働を推進するため、必要な情報を積極的に提供し、広く市民の意見を求め、及び市民からの市民協働に関する働きかけに対し適切に対処するよう努めるものとする。
3 市は、市民協働を推進するため、職員に対して、市民協働についての認識を深めるための研修等を行うことにより、職員一人ひとりの意識改革を図るよう努めるものとする。

趣旨

本条は、市民協働を推進する主体として考える、市民、市民活動団体、事業者及び市のうち、市の果たすべき役割をより強く推し進めるため、責務として明らかにしたものです。

解説

1.「市民協働を推進するための環境の整備」とは、この条例の目的やそれぞれの役割などを広く市民に知ってもらい、市民、市民活動団体及び事業者が協働しやすい環境づくりを行うことです。その1つとして第8条第1項第3号に規定した、情報提供や情報交換の推進、活動拠点の確保及び人材開発の環境整備があります。
2.情報の「提供」とは、求められて公開する情報の提供だけではなく、積極的に事業に関連する情報をわかりやすく提供していくことを意味しています。
また、ここで言う「適切に対処する」とは、市民から市民協働に関する様々な提案や相談などの働きかけに対しては、まず、受け止め、よく聴くことを基本と考えるもので、寄せられた提案の検討をしたり、相談に応じたりするなどによって、実現の可能性などを明らかにすることです。こうした取り組みが、市民主体のまちづくりを進めていく上での基本となります。
3.これからのまちづくりは、「公共的サービスの提供はすべて行政が担うもの」という意識で、行政が主導的に行うのではなく、市民、市民活動団体、事業者及び市の役割分担の中で市民協働の考え方に立って進める必要があります。定義や基本理念で定めた市民協働の認識を、研修などを通して、職員一人ひとりに浸透させて、職員の意識改革を行わなくてはなりません。
市民協働を推進するためには、個々の職員が、対等のパートナーとなる市民活動団体等の特性を理解するとともに、協働の前提としての市民参加・参画や情報提供・共有の重要性などについての認識も新たにすることが必要です。

基本施策

第8条 市は、市民協働を推進するため、市民、市民活動団体及び事業者と協力し、次に掲げる施策に取り組むものとする。
(1) 市民、市民活動団体及び事業者が市政に参画することができる機会づくりに関すること。
(2) 市民、市民活動団体及び事業者が互いに支援することができる仕組みづくりに関すること。
(3) 情報提供及び情報交換の推進、活動拠点の確保並びに人材開発の環境整備に関すること。
(4) 前各号に掲げるもののほか、市民協働を推進するために必要があると認める事項
2 市は、前項の施策を実施するため、市の組織内における体制を整備するものとする。

趣旨

本条は、市民協働を推進するに当たり、第7条で規定した市の責務を果たすため、基本となる施策を掲げたものです。また、施策の実施においては、市民活動団体等の自主性、主体性を損ねることが無いように配慮して進めるものとします。

解説

1.(1)市政に参画することができる機会づくり
「市民協働」とは、実際の活動レベルだけではなく、政策策定や企画立案のレベルから行われる必要があり、その意味で、市政への市民参加は協働の前提になります。特に、第3条の解説の2で述べた、「市民活動団体と市が計画段階から連携、協力して事業実施を行う」場合には、行政が開かれていて、市民からの働きかけを受け止めることが大切です。これについては、第9条と第10条に示す取り組みになります。

(2)互いに支援することができる仕組みづくり
市民協働の推進には、市民、市民活動団体及び事業者が、互いに支え合うことが必要であり、相互支援の仕組みづくりを基本施策として規定したものです。寄附による、市民活動団体に対する金銭的支援を促進するための浜松市市民協働推進基金の設置を規定した第11条は、この施策の具体化の一つになります。

(3)

  • 情報提供や情報交換の推進
    社会的課題に対して関心を持ち、これから自分で何かをしたいと考えている人々に対して、市民活動を始めるきっかけとなるような市民活動の情報を提供することが必要となります。市民協働を進める前提として、事業に関連した情報や行政情報を積極的に公開し、市民にわかりやすく伝えることなどが必要と考えたものです。
  • 活動拠点の確保
    活動拠点の確保については、市民活動をしている人や市民活動を始めてみたいと考えている人に対する側面的支援として、交流の場や日常のミーティング場所の提供、印刷機の貸し出しなど、活動の場の確保に努める必要から、浜松市市民協働センターなどの活用を考えたものです。
  • 人材開発の環境整備
    市民活動は、市民が自主的、主体的に行うものであり、人材育成も同様です。しかし、市民協働を進めていくに当たり、その基盤となる市民活動の領域と機会の拡大など市民活動のすそ野を広げるために、講演会や講習会などを通して、間接的な人材開発の機会づくりが必要と考えたものです。

2.市の組織内における体制の整備
市の組織内における体制の整備については、市民の意見などに適切に対処するための「市民の声システム」の活用や市民協働推進課を設置することで、市民協働を進めることを考えたものです。また、第9条第2号との関連の中で、市民協働センターを市民協働の拠点の施設として位置付けるものです。

市民等の市政への参画機会

第9条 市は、市民協働を推進するため、市民、市民活動団体及び事業者と互いに情報を開示し、及び共有し合うとともに、市民、市民活動団体及び事業者が市政に参画する機会を充実させるため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
(1) 政策を形成する段階から、行政情報をわかりやすく提供し、市民、市民活動団体及び事業者からの意見を受け止めるとともに、市民、市民活動団体及び事業者が市政に多様な形態で参画できるための仕組みを整備すること。
(2) 市民、市民活動団体及び事業者からの市民協働についての提案及び相談のための窓口としての機能を整備すること。

趣旨

本条は、市の責務を果たすため、また、第8条第1項第1号に示した基本施策の、「市政に参画することができる機会づくり」を充実させるための方策として大きく二つに分けて示したものです。

解説

(1) 市は、市政への参画機会の充実を図る前提として、市民、市民活動団体
及び事業者に対して情報を積極的に提供するとともに、市民からの協働に向けての働きかけを受け止めることが求められます。このため、情報発信機能としてのメールマガジンの増刊など、現行の広聴広報制度の充実を図ることはもとより、政策を形成する段階から行政情報を提供し、これに対して意見を求める仕組みとして、パブリックコメント制度の導入など新たな仕組みの導入を考えるものです。
また、市民の意見を市政に反映する場の一つとして、専門家や市民の意見を聞くための附属機関などの役割とその活性化は、市民協働を推進する上においても大変重要となります。これについては、平成20年4月に施行した「附属機関等の設置及び運営に関する基本方針」に基づき、市民委員を登用する場合は全て公募とすることや、会議の公開の推進などによって市民の参画機会の充実を図ろうとするものです。
(2)市民、市民活動団体及び事業者からの市民協働についての提案や相談のための窓口としての機能の整備については、市民協働センターを位置づけるものです。
市民、市民活動団体及び事業者と市とのパイプ役として、情報の集約や発信をするとともに、市民協働を推進するための提案や相談に対して、アドバイスをするなどの対応を行う市民協働の拠点として、気軽に立ち寄れるセンターを目指したものです。
市民協働を進めていく上では、双方向のコミュニケーションが大切です。これまでも、様々な方法で政策を提案する場はありましたが、提案を出した段階で市民の手を離れ、後から行政が回答するといった、どちらかというと、一方向のコミュニケーションであったといえます。そこで、この市民協働センターでは、双方向のコミュニケーションを図ることができる場を目指し、例えば、事業に対する提案の企画段階から相談を受けたり、あるいは、市民の持つ独創的な発想などを大切にして、市民と担当課とが一緒になって協議をしたり、さらには実現に向けた具体的な方策を検討したりする場として活用することなどを考えたものです。

市が行う業務への参入機会

第10条 市は、市民協働の推進に当たり、市民活動団体に対し、市が行う業務のうち市民活動団体の特性を活用することができるものについて、委託その他の方法で実施することにより、市が行う業務への参入の機会を拡大するよう努めるものとする。
2 市は、前項の規定により業務を実施するに当たっては、公募及び公開を原則とするよう努めるものとし、当該業務を実施する市民活動団体と対等な関係を保つものとする。
3 第1項に規定する市民活動団体の特性を活用することができる業務を実施した者は、当該業務に関し、実績を評価し、及び公表することにより、市民、市民活動団体及び事業者に対して、説明責任を果たすものとする。

趣旨

本条は、新たな公共サービスの担い手である市民活動団体の特性を生かすことにより、きめ細かな行政サービスの提供ができるだけでなく、市民活動団体自らが提案した政策を実現するための機会の拡大について具体的に示したものです。なお、この分野においても、事業者が参入してくることを阻むものではありません。

解説

1.「参入の機会を拡大する」とは、市が行うすべての業務を対象とするものではなく、市民活動団体の特性を生かすことが可能な分野における業務への拡大をいいます。「その他の方法」とは、共催事業や実行委員会などを組織して行う事業などが考えられます。
現在、市の業務を委託する場合には、事業者の登録を行っています。しかし、この登録制度は、民間事業者を想定したもので、提出書類も市民活動団体には馴染まないものがあります。このため、契約における透明性の確保を図るとともに、団体情報を把握し庁内各課で情報を共有するため、市民活動団体の登録制度を設けるものです。
なお、当然のことながら、契約行為には、競争の原理が適用されますので、市は、業務の契約において、事業者、市民活動団体いずれにも何ら特別な扱いをするものではありません。
2.「委託その他の方法」で市民活動団体が市の業務に参入する場合には、公正性や透明性を確保するために、公募、公開を原則とします。また、これらの業務を実施する場合、市民活動団体と市とが対等な立場に立って協働していく必要があります。
市における契約の種類としては、業務の仕様が決まっていて、価格の競争だけが対象となる競争入札と、それ以外の随意契約があります。本条では、市民活動団体の特性を生かすことができる分野の業務を対象としているため、その内容をもあわせて競うコンペ方式などによる随意契約が想定されます。
3.この業務を実施した者に対しては、市民活動団体はもとより、事業者であっても、その実績を評価し、公表することによって、その業務がどれだけ成果があがったかなどを市民に説明することを求め、これにより、透明性のの確保を図ることとしたものです。

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