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更新日:2024年5月30日
歯と口の健康づくりは、心身の健康の保持増進や生活の質の向上に重要な役割を果たしています。
国では平成24(2012)年「歯科口腔保健の推進に関する法律」に基づく「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」が、静岡県では平成23(2011)年「静岡県民の歯や口の健康づくり条例」に基づく「静岡県歯科保健計画」が策定されました。
本市においても、市民の生涯にわたる歯と口の健康づくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するために、平成26(2014)年に「浜松市歯科口腔保健推進条例」を制定し、この条例第10条に基づき、「浜松市歯科口腔保健推進計画」を策定しました。
また、平成26(2014)年には2025年問題や将来の人口減少社会を見据え、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」が公布・施行されました。この法律により、国民が適切な医療・介護・予防を受けられる支援サービスの提供体制(地域包括ケアシステム)の構築が推進されており、歯科保健医療は在宅療養等を支える一翼を担っています。
日本人の平均寿命は毎年延びている中、できるだけ寝たきりや病気の期間を減らし、健康な状態で自立して暮らせる生存期間(健康寿命)をさらに延伸することが重要です。健康長寿を目指すためには、食べること・運動・社会参加の3つの柱が重要とされており、歯と口の機能の衰えは、身体の虚弱につながるため、歯と口の機能低下を予防することが注目されています。
平成29(2017)年には、国家経営の基本方針となる「骨太の方針2017」の『健康増進・予防の推進』に「口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む」という文言が明記されました。地域包括ケアシステムの構築においても健康寿命の延伸のためにも、歯科保健医療対策がますます重要になっています。
このような流れの中、本計画は4年目を迎え、これまでの取り組みや進捗状況を確認し中間評価を行い、社会情勢に即した内容の見直しを行うこととしました。
「浜松市歯科口腔保健推進計画」は、「浜松市歯科口腔保健推進条例」に基づき、国の定める「歯科口腔保健の推進に関する法律」による「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」及び静岡県の定める「静岡県民の歯や口の健康づくり条例」による「静岡県歯科保健計画」を踏まえて策定したものです。
また「浜松市総合計画」を上位計画として、「健康はままつ21」、「第3次浜松市食育推進計画」をはじめ、その他関連計画との整合性を図りながら策定しています。
「歯科口腔保健推進計画」は、市民一人ひとりが生涯にわたり歯と口の健康を保持増進すること、すなわち「8020
ハチマルニイマル運動」を推進することによって、市民の「健康の保持増進」、「健康寿命の延伸」及び「生活の質の向上」を目指しています。
この目標に向けて、「生涯にわたる歯科口腔保健」と「状況に応じた歯科口腔保健医療」の対策を明示し、具体的な取り組みを進めています。
「1市民の取り組み」「2専門家の取り組み」「3社会の環境整備」の3つの柱で推進します。
計画期間は、平成26(2014)年度~34(2022)年度の9年間とし、目標年度は「健康はままつ21」の計画期間と合わせました。平成34(2022)年度の目標達成に向け取り組みを検討し、後期計画を作成します。
歯と口の健康づくりには、保健、医療、社会福祉、介護、教育、労働衛生関係者等の参画が重要です。
「浜松市歯科口腔保健推進条例」に基づき、「浜松市歯科保健推進会議」を設置し、歯科医療に関わる専門家や、市民の代表である保健・医療・福祉の関係者等と、歯と口の健康づくりの推進を図るための意見を出し合い、本計画の進捗管理をしています。
社会の環境整備のために、歯科口腔保健を推進する専門団体及び広く健康づくりに関わる団体である「健康はままつ21推進協力団体」が「歯科口腔保健推進協力団体(歯科口腔保健の推進に協力する団体)」としての役割を担ってもらうように推進します。
中間評価は、平成26(2014)年の「歯科口腔保健推進計画」策定からの4年間の歯と口の健康づくり活動の状況や数値目標の達成度を把握・評価し、新たな状況や課題を踏まえ、平成34(2022)年度の目標達成に向けた取り組みを検討し、後期計画を作成することを目的としています。
現状値を把握するため、平成28(2016)年度に健康増進計画等の評価における健康調査(市民アンケート)を実施し、各種健康診査等の関連データと合わせ、中間評価を実施しました。
指標について、現状値(平成28年度:2016年度)と中間目標値(平成29年度:2017年度)を比較し、達成状況について、3段階で評価しました。
項目 | 内容 |
---|---|
調査地域 | 浜松市全域 |
調査対象 | 一般市民5,000人 |
抽出方法 | 住民基本台帳から無作為抽出 |
調査方法 | 郵送調査法 |
調査期間 | 平成28年8月1日~8月26日 |
区分 | 年齢 | 発送数(件) | 有効回答数(件) | 有効回答率(%) |
---|---|---|---|---|
乳幼児・学童期 | 1~12歳 | 1,000 | 489 | 48.9 |
思春期 | 13~19歳 | 1,000 | 346 | 34.6 |
青年期・壮年期 | 20~44歳 | 1,000 | 294 | 29.4 |
中年期 | 45~64歳 | 1,000 | 372 | 37.2 |
高齢期 | 65歳以上 | 1,000 | 570 | 57 |
計 | 5,000 | 2,071 | 41.4 |
乳幼児・学童期は保護者が回答
評価 | 基準 |
---|---|
◎達成 | 目標を達成した |
〇改善 | 目標は達成していないが改善した |
▲悪化 | 悪化している |
指標23項目のうち、数値が改善した項目は17項目でした。(◎と〇の合計)
内訳は、目標を達成した項目(◎)は11項目、目標は達成していないものの、数値に改善がみられる項目(〇)は6項目、悪化した項目(▲)は6項目でした。
区分 | 年齢 | 指標数 | ◎達成 | 〇改善 | ▲悪化 |
---|---|---|---|---|---|
(1)妊娠期・乳幼児期 | 0~6歳 | 5 | 4 | 1 | 0 |
(2)学齢期 | 7~19歳 | 5 | 4 | 1 | 0 |
(3)成人期 | 20~64歳 | 8 | 2 | 2 | 4 |
(4)高齢期 | 65歳以上 | 4 | 1 | 1 | 2 |
(5)障がい者の歯科 | 全年齢 | 1 | 0 | 1 | 0 |
計 | 23 | 11 | 6 | 6 |
本計画では市民アンケートの「青年期・壮年期」と「中年期」の区分を「成人期」にまとめています。
本計画の基本方針、基本戦略、区分と方向性、推進体制については、原則現計画を継承します。
見直しにあたっては、健康調査・各種関連データを基に、健康づくりをとりまく環境の現状把握および分析をするとともに、国計画、県計画、上位計画である浜松市総合計画及び関係計画等との整合性を図りつつ、4年間の取り組みや課題を踏まえた具体的な後期計画を作成します。
指標については、基本的に継続しますが、最終目標値に達したものについては数値の改善を図ります。また「歯科口腔保健の推進に関する法律」に基づく「歯科口腔保健に関する基本的事項」等を踏まえ、新たな指標の追加や目標値の再設定をします。
今後の取り組みでは、中間評価の結果、重点的に対策が必要と思われる項目を定め、計画を推進していきます。
中間評価の結果、妊娠期・乳幼児期及び学齢期においては、歯科口腔保健対策の推進により、目標値はほぼ達成あるいは改善されていました。一方、成人期及び及び高齢期においては、目標値の半数は達成及び改善されていましたが、悪化している指標があり、今後対策を強化していく必要があります。
そこで、後期計画においては、1.口腔機能に着目した口腔成育の推進、2.健康づくりに関心の低い働きざかり世代に対する歯周病予防対策の推進、3.健康寿命の延伸に向けた歯と口の機能低下を予防する対策の推進の3点を重点施策として挙げ、各区分の課題と連動させながら、計画的に推進します。
また、後期計画を推進するために口腔保健医療センターの機能強化として、障がい者や要介護者等への歯科保健医療サービス提供の推進、歯科医療技術者の養成等に取り組むとともに、庁内の口腔保健関連部署との調整を図り、「健康の保持増進」、「健康寿命の延伸」及び「生活の質の向上」につなげていきます。
なお、各区分の課題と今後の方向性は、重点施策をふまえ、新しい取り組み内容や強化する内容について、第2章のそれぞれの区分に記載しました。
【後期計画:3つの重点施策】
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