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更新日:2023年12月1日

講評・総評

花井教育長 講評

はままつ未来議会に参加をされた中学生の皆さん、大変お疲れさまでした。いつもとは違った雰囲気の中で、さぞ緊張したのかなと思いますが、本当に皆さんが若い感性の中で、素晴らしい質問をたくさんしていただき、ありがとうございます。

それでは、私から少し講評をさせていただきたいと思います。浜松が令和の時代も幸せなまちであり続けるためにはという大きな視点から、6つのグループに分かれ、それぞれの視点から質問をしていただきました。

「地域もりあげ隊」の皆さんは、30年後の浜松の姿に思い巡らせ、高齢化が進む状況の中で、どうあるべきかを考えてくれました。高齢者だけに焦点を当てるのではなく、質問の根底には、全ての世代が豊かで生き生きとした生活を送ることが大切だ、という考えを持っていることが評価できます。

人生100年時代とも言われる現在、これまで歩んできた長い人生の中で培った、いろいろな技術や知識を持った高齢者を人財、人材を「人の宝」とここでは言っているように思いますけれども、人財として捉えていただいています。

そして小中学生への体験指導を行うことが、高齢者の生きがいづくりとなり、子供たちにとっても、学校だけでは学ぶことができない良い経験になる。双方にとって価値があるということを述べています。そのために、人と人とのつながりを深めるための世代を超えた交流のできるまちを整理していく考えは、現在、浜松の教育が理念としています「市民協働による人づくり」にもつながる素晴らしい質問でした。

「Disaster prevention」の皆さんは、平成の時代を振り返ると、大きな自然災害が発生した時代であったことを認識し、自助・共助・公助を意識した質問をしてくれました。自助については、食料や防災備品の備えをしているのが、自分たちのグループ内で9人中4人という現実を見て、市民の防災意識をもっと高める取り組みが必要であることに気付き、質問をしてくれました。

共助については、東日本大震災の発生時に中学生が率先して避難し、周りにも呼びかけたことが、被災者の減少につながったという話から、同じ中学生として、地域の中での自分たちの役割をもっと自覚する必要があることが認識できました。自分たちに何ができるか、何をするべきかという意識を、これからも大きく育ててほしいと願っています。

浜松市は小中学生全員に防災ノートを配布しております。この防災ノートから得た知識は、防災学習センター「はま防~家」を活用することにより、いっそう確かなものになります。ぜひ皆さんが発信者となって、防災学習センターの活用を呼びかけてください。

「浜松マリン部」の皆さんは、市民のどの世代も健康であることが幸せであると考え、そのためには、スポーツを生涯続けていくことができるように環境を整え、施設をつくることが必要であると考え質問をしてくれました。

遠州灘、天竜川、浜名湖を、浜松が誇るべき自然の恵みと捉え、この素晴らしい環境を、ビーチ・マリンスポーツの聖地にしようと考えました。さらに、スポーツをすることだけにとどまらず、観光資源に発展させることを考えたり、浜松のおいしい農産物、水産物のPRもできるのではないかと提言したりしてくれました。

これから浜松市がどのようなビーチ・マリンスポーツの聖地として発展して行くのか、将来に夢を抱かせてくれる質問でした。皆さんもビーチ・マリンスポーツを体験し、振興に関わっていただけたらと思います。

「ザ・ポテンシャル」の皆さんは、浜松の強みを生かしたまちづくりをテーマにして、浜松市が既に持っている強み、高い評価を得ている強みは何かと探り、今回は音楽、浜松城公園、浜松の特産品の3つに絞って提言してくれました。

今回、質問という形に整えていく過程で、浜松の強みとして考えられるものが数多く挙がり、グループの仲間同士で話し合うことによって、あらためて浜松の強みを認識し合い、考えを深める良い機会になったのではないでしょうか。

この度の経験を生かして新たな浜松の魅力を、皆さんの若いみずみずしい感性で発見し、さらに引き出していただきたいと思いました。

「どんなモノでも有効活用!」の皆さんは、資源を有効に活用して、一人一人が浜松に貢献することを念頭に置きながら、太陽光発電によって得られたエネルギーを、蓄電池にためて活用することについて質問をしてくれました。このように、日照時間が全国トップクラスであるという浜松の強みを生かして、課題を解決するための具体策を練ることは、とても大切な思考方法です。

また、紙類を雑紙として分類する習慣を、若いときから身につけるということが必要だという思いが質問を通して、中学生の皆さん自身から聞くことができました。このことは行政の課題解決に向け、市民の皆さんとともに取り組んでいる私たちとって、大変心強く感じられるとともに、若い皆さんから大きな力を得ることができた質問でした。

今後は生活者の1人として日常生活の中で工夫や見直しを図り、「Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)」の3Rサイクルの輪を拡大していく主役の1人として頑張ってください。

「道(ロード)」の皆さんについてです。交通事故を減らす。これは浜松市にとって悲願とも言える課題です。この課題を解決するために、一人一人の意識を高めることや、公共交通を充実させる必要を説き質問にしてくれました。

質問の着眼点となったのは、同じ中学生の仲間の家族や親族が交通事故に遭ったという現実。また、バスの運転手をされている母親からの意見でした。

このような身の回りで起きた事故や当事者の声をすくい上げ、それを質問という形に仕立てたものが評価できます。

中学生の皆さんも数年後には、自動車運転免許証を取得しドライバーとなることが可能になります。自分たちが加害者にも被害者にもならないようにするためにはどうしたらよいのか、主体的に考えるきっかけにしてください。

今後は公共交通機関を含め、自動車の安全技術も飛躍的に進化していくことが考えられます。人類の安全・安心に関わる取り組みに、将来、皆さんがさまざまな形で関わってくれることに期待します。

今回は皆さんがミニ議員さんとなって、質問という形で市に対して投げかけをしてくださいました。この質問に対する市長さんや部長さんの答弁を聞いて、皆さんはどう考えたでしょうか。きっとまた新たに疑問が湧いたり、新しいヒントが得られたりしたことと思います。次の深い学びのステップにつなげていってください。

また、立場を変えて、今度は自分が解決をしていく当事者になったならば、どのように考えて行動しようとしていくのか、自分のこととして考えてほしいと思います。

記念すべき令和元年度第1回目の「はままつ未来議会」に参加をされた皆さんが、今後、浜松市の課題を自分事として捉え、今の学校での学びや人との関わりが、将来の自分の夢や希望の実現につながっていることを意識する貴重な機会とされますことに期待いたしまして、講評といたします。本日はありがとうございました。

鈴木市長 総評

皆さん、お疲れさまでした。

7月26日に事前学習会で集まり、6つのグループに分かれて、今日のテーマについて勉強し、そして整理し、質問を考えたということで、本当に短い間によく現在の浜松の課題や将来の課題を把握して、とてもいい質問や意見をいただいたと思っています。ありがとうございました。

新しい令和の時代がスタートしたわけですが、まさにこの令和の時代は皆さんの時代です。皆さんが中心になってこの時代を引っ張って行く、そういうことを自覚して、これからも浜松市のことや、あるいは国の動向などに敏感になっていただき、どんどん勉強をして吸収していっていただきたいと思います。

この新しい令和の時代に特筆すべき特徴が1つあります。それは人口が減っていくということです。これは避けられないことです。人口というのは出生率が2を切ると減っていきます。正確に言うと2.07というのが1つのボーダーラインになりますが、実は日本では1970年代には、出生率が2を割っていました。以来40年以上にわたって、一度も出生率が2を超えたことはありません。現在、だいたい1.4くらいです。これだと人口は減り続けます。

なぜ人口が減らなかったのかというと、人口が減っている以上に、実は寿命が延びているからです。人口が減少するというのは見えてこなかったのですが、いよいよ人口が減っていくという時代に突入しました。

根本的に国を挙げて出生率を改善していかなければ、国全体の人口がどんどん減っていくので、出生率を2.07に回復しようと。ただ一朝一夕にできるものではありませんので、2035年に、今から15年ぐらい先ですけれども、この時に2.07に回復しようというのが、今、国を挙げての目標になります。

浜松としても目標を掲げています。今いろいろな計画をつくっているのですが、仮に2035年に出生率2.07を達成できたとしても、人口は減り続けます。すでに母数として人口が減ってきていますから、2.07に回復しても、いきなり人口が増えてくるわけではありません。一定程度これからは人口が減ってきます。

中長期的には60万人ぐらいに減ります。ただ出生率2.07を達成できれば、だいたい人口60万人ぐらいで人口減少はストップして安定します。つまり、今だいたい80万人ですから、20万人ぐらいこれから人口が減るというのは、もう覚悟しなければいけません。人口が減るということを前提に、いろいろ物事を考えていかなければいけない。これが令和の時代です。

国の目標は、何とか人口1億人を死守しようと、国も浜松もそうですけれども、今の人口の4分の3ぐらいに減ることは仕方がないとして、何とかそれぐらいにとどめていこうというのが、今の国の目標、浜松の目標です。

人口が減っていく時代ですから、いろいろなことを考えていかなければなりません。当然、無駄な部分は削り、あるいは限られた資源は有効に使いたいということで、これからは自治体間の連携が大事になってきます。

すでに浜松は、平成17年に12の市町村が合併をして1つになりましたが、おそらくこれからは市町村という枠組みは、あまり意味がなくなってきます。必要な人と資源、あるいは公共施設、いろいろな資源を共有化していかなければならない。広域でいろいろなことに取り組んでいかなければなりません。市も人口が減っていくことを前提に、いろいろな物事を組み立てていくことがとても大事になっていきます。

ただ、暗い見通しばかりではありません。一方でこの令和の時代は、恐るべき技術革新が起こる時代と言われています。今、第4次産業革命が進んでいますが、今後AIやICTがさらに発達すると、社会に恐るべき大変革が起こると言われています。今の常識では考えられない社会が到来するということです。

冒頭、自動運転が進んでいると言いました。これも1つですが、もし自動運転が普及すれば、今問題になっている運転手さんの不足で、バスや公共交通がなくなっていくという現象が止められます。最後の質問にあった交通事故も、自動運転が普及してくるとおそらく激減します。あまり大きな問題ではなくなってくると思います。

一方で、逆に考えるとドライバーの仕事がこの世から消えます。おそらく自動運転になれば、ドライバーはいらなくなります。AIやICTの進歩によって、今ある職業の半分以上が今後なくなると言われています。大激減です。そういう時代が到来する。皆さんはそういう時代を生きていかなければいけないということです。

ただ、心配ばかりではないです。変化の大きい時代というのは、逆にチャンスも多い時代です。ですからいろいろなことが、これから可能性として出てきます。例えばICTというのは、ここ20年ぐらいで大きく普及しましたが、こんなにICTが、ネットの社会が普及するというのは想像もできなかったです。

笑い話ですが、私は若いころある活動で四国にいて、どうしても次の日に原稿を東京に送らなければならなくなり、郵便ではとても間に合わないというときに、ある家電メーカーの支店に1時間半かけて車で行って、ファクスを使いました。今では、なんだファクスかと思いますが、当時は最新技術でした。どこにもなかったので、その大きな会社の支店から東京まで原稿を送りました。当時はすごい技術だと思いましたが、とんでもない。今はファクスを使う人も少ない時代で、インターネットで全てできます。これぐらい技術の革新が社会を大きく変化させる。これからの未来はこんなものではないです。

そのような中で、例えばICTのベンチャー企業が生まれてきて、若い人たちがどんどん起業して大活躍している。こういった新しいチャンスもどんどん生まれてきます。ですから、ぜひ皆さんもそういう変化の中に生まれてくるチャンスをつかみ取って、頑張っていただきたいと思います。そしてそういったチャンスをものにして、ぜひまた浜松の将来の担い手として、頑張っていただきたいと思っています。

結びに、皆さんのこれからの活躍に大いに期待するとともに、今日ご参加いただきましたことを、あらためて厚く御礼申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。

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