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更新日:2014年6月13日
平成26年6月15日発行
103周年記念式」第2部記念公演において、市内に伝承されている民俗芸能が上演されます。今回の記念公演では「地域の絆・次世代へツナグ」をテーマに、県指定無形民俗文化財に指定されている3団体が出演し、子どもたち(若い世代)が取り組んでいる演目が披露されます。なお、記念式(記念公演)は、入場無料・事前申込は不要です。多くの皆さまのご来場をお待ちしております。
<花の舞>
天竜区佐久間町川合の八坂神社で毎年10月最終土曜日に夜を徹して行われる湯立神楽で五穀豊穣・無病息災を祈ります。芸能自体が「花の舞」と呼ばれていますが、子どもたちがかわいらしい花笠を被って踊る「花の舞」という演目があることから、この舞が強調され、芸能全体をあらわす名称になったといわれています。今回は、佐久間中生徒による「花の舞(花の四ツ)」、保存会有志による「榊鬼」が披露される予定です。幼いころから芸能にかかわり、祖先から受け継がれた舞い方を確実に伝承しようと取り組む姿をご覧ください。
<滝沢の放歌踊>
北区滝沢町で受け継がれてきた民俗芸能で、先祖の回向(供養)を目的に毎年8月の盆時期に行われています。地域の初盆宅を回り、念仏踊りで先祖供養をします。江戸時代に三河(愛知県東部)から引佐を経て滝沢に伝えられ、現在まで受け継がれています。今回は、保存会の指導を受け活動している都田小放歌踊り倶楽部の児童が出演し、浜松の夏の風物詩である念仏踊りが披露される予定です。地域と学校が協働で伝統文化を守り伝えている姿をご覧ください。
<横尾歌舞伎>
北区引佐町横尾・白岩地区で氏神様の祭礼余興として行われている農村歌舞伎(地芝居)です。現在は、開明座と呼ばれる舞台で毎年10月第2土曜日・日曜日の2日間定期公演が催されます。今回は、文化財少年団として伝承活動に取り組む井伊谷小・引佐南部中の児童・生徒が出演する「三人吉三巴白浪 大川端庚申塚の場」
(さんにんきちさともえのしらなみ おおかわばたこうしんづかのば)が披露される予定です。この演目で使う大道具・小道具・衣裳などは、全て保存会が定期公演で使っているものを持ち込みます。奇しくも、6月現在、東京渋谷・コクーン歌舞伎では中村勘九郎・中村七之助・尾上松也出演で、同じ「三人吉三」が上演されており何かと話題になっています。大歌舞伎顔負けの子ども役者の熱演をご覧ください。
浜松市制103周年記念式(第2部 記念公演)
日時 7月1日(火曜日)、午後4時15分から午後5時45分まで
会場 アクトシティ浜松大ホール
出演 川合花の舞(川合花の舞保存会/佐久間中生徒)
滝沢の放歌踊(都田小放歌踊り倶楽部)
横尾歌舞伎(横尾歌舞伎保存会/井伊谷小児童、引佐南部中生徒)
*入場無料・申込不要(当日直接会場へ)
<摩訶耶寺庭園>
去る平成26年3月、摩訶耶寺(まかやじ、北区三ヶ日町摩訶耶)の庭園が修復されました。
浜名湖湖北五山の一寺である摩訶耶寺は、神亀3年(726年)に行基菩薩により開創されたといわれる古刹であり、木造不動明王立像(国指定重要文化財)・木造千手観音立像(国指定重要文化財)・木造阿弥陀如来坐像(県指定有形文化財)など、数多くの文化財を所有しています。
今回修復された摩訶耶寺庭園(県指定名勝)は、鎌倉時代初期に豪族の邸宅の庭として作られたとされる池泉鑑賞式蓬莱庭園で、京都西方寺の庭園に次ぐ古さといわれる、全国的にも数少ない貴重な古庭園です。このような貴重な庭園が、近年の豪雨の影響などにより荒廃しつつあり、その現状を危惧した地元有志が発起人となり、修復するに至りました。
今回の修復では、池の水を抜き、底に溜まった汚泥の除去や、芝生の張替え作業などを行いました。地元有志も庭園の草むしりをしたり、池の水を戻すための資材を作ったりと、維持管理や修復にも大きく携わっています。夏も近づき、張替えられた芝生も青々と育ってきました。地域の人たちの手によって美しくよみがえった庭園を是非一度ご覧ください。
5月には、次のような調査活動等を行いました。
2日(金曜日) 北区三ヶ日町、摩訶耶寺彫刻現状確認調査
2日(金曜日) 西区坪井町~篠原町、海岸防災林管理広場駐車場清掃
5日(月曜日) 天竜区春野町、犬居つなん曳伝承状況現地調査
7日(水曜日) 南区飯田町、寺西遺跡予備調査
8日(木曜日) 西区篠原町、篠原町西前遺跡予備調査
9日(金曜日) 中区南伊場町、梶子遺跡異常点工事立会
11日(日曜日) 西区坪井町、ウェルカメクリーン作戦
13日(火曜日) 中区松城町、西区馬郡町浜松城跡予備調査 柳ノ内遺跡工事立会
18日(日曜日) 北区引佐町、横尾歌舞伎後継者育成事業現地調査
19日(月曜日) 浜北区内野、井下石遺跡本発掘調査(26日・27日)
23日(金曜日) 浜北区貴布祢、近代和風建築現状確認調査
24日(土曜日) 中区蜆塚町、家康の軌跡講座「浜松城と曳馬城の構造
25日(日曜日) 中区松城町、見学会「天守門完成記念、浜松城の門をまちなかで探検する」
27日(火曜日) 天竜区、北区細江町、西藤平の本ミカン及び気賀陣屋跡の江戸シイ現状確認調査
27日(火曜日) 天竜区春野町、瑞雲院山門保存修理委員会
30日(金曜日) 東区市野町、市野遺跡予備調査
~この記事は、浜松市メールマガジンとリンクしています~
大正3年(1914)11月、元城~金指間の路線が開通した際、浜松軽便鉄道株式会社は記念絵はがきを発行しました。
浜松市博物館が所蔵している『大正3年11月30日開業鉄道線路開通記念絵端書浜松軽便鉄道株式会社』と印刷された紙のケースには、5枚の絵はがきが入っていました。
その内の一枚「元名残隧道西口」は、現在のホテルコンコルドから西へ500m余り、名残隧道(亀山トンネル)に、三方原から来た列車が入ってゆく光景です。今は遊歩道となった名残トンネル、蒸気機関車が走る姿を想像しながら歩いてみてください。
<記念はがき 元名残隧道西口>
もう一枚「浜松軽便鉄道株式会社線路元城金指間大正3年11月30日開業」には、元城から金指までの路線図が描かれています。さらに金指から気賀へ、金指から奥山へ、金指から伊平へと3本の破線が描かれています。この破線が予定路線を示す線なのか明らかではありません。しかし図の左右に印刷された奥山半僧坊と井伊谷宮の写真には、軽便鉄道に託された地元の思いのようなものを感じます。
<記念はがき 浜松軽便鉄道株式会社線路元城金指間大正3年11月30日開業>
もう一点、軽便鉄道の資料を紹介しましょう。「浜松軽便鉄道平面図」、残念ながら原本ではなく、後の時代のコピーです。しかしこの図には、絵はがきと同様に、金指から井伊谷を経由し奥山へ行く路線、井伊谷から分岐し伊平まで行く路線、金指から井伊谷川を渡り気賀の町中に至る路線が描かれています。大正12年に全線開通し昭和39年まで運行した、金指から気賀口を経由し、龍潭寺の西を走る奥山線とは経路が異なります。大正3年の開通記念絵はがきには、引佐の山間地と浜松を結ぶ大動脈の夢が描かれていたのかもしれません。
近頃、休日に浜松市の文化財を観に様々な場所を訪れています。改めて、浜松市には文化財がたくさんあるのだと実感しています。
皆さんもお散歩がてら、浜松市の文化財巡りをしてみてはいかがでしょうか?お気に入りの文化財が見つかるかもしれません。(つ)
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