更新日:2021年4月15日
第5章 分野別施策 7.情報・コミュニケーション
【基本方針】
障がいの特性に配慮した、様々な媒体を活用した情報提供やコミュニケーション保障等により、情報・コミュニケーションのユニバーサルデザイン化を推進します。
基本施策
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施策
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(1)情報提供の充実
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1)情報のユニバーサルデザイン化の推進
2)福祉サービスや生活に関する情報提供の充実
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(2)コミュニケーション保障の推進
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1)コミュニケーション支援の充実
2)障がい特性に配慮した情報保障の推進
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【現状と課題】
- 平成28(2016)年4月に施行された浜松市手話言語の推進に関する条例の認知度が低いため、更なる周知啓発の取り組みが必要です。
- 区役所の窓口において、いつでも手話通訳が利用できるように、手話通訳者の配置を増やすことが必要です。
- 障がいのある人が、自分が利用できるサービスが分かるよう福祉サービスの情報をはじめ、地域での生活に必要な情報の提供を充実させていく必要があります。
(1)情報提供の充実
相談窓口を知らない人、相談へ行けない人等は、暮らしや支援の情報等、必要な情報を得にくい状況となっています。
行政と教育機関、医療機関、障がい者団体等との連携を図り、積極的な情報提供を行うとともに、アクセシビリティに配慮しただれもが使いやすいホームページの作成や障がいの特性に配慮した媒体での情報提供を行います。
1)情報のユニバーサルデザイン化の推進
<取り組み・内容>
- 障がい特性に配慮した広報紙等の作成(広聴広報課、調査法制課)
視覚障がいのある人に配慮した点字版・音声版の「広報はままつ」や「市議会だより」を作成・配布します。
- アクセシビリティに配慮した市ホームページの作成(広聴広報課)
市が定めたサイトポリシーにより、アクセシビリティに配慮した、だれもが使いやすい公式ホームページの作成を推進します。
- わかりやすい印刷物作成の手引き作成(UD・男女共同参画課)
パンフレットやチラシ、ポスター等の印刷物について、だれもが情報を入手しやすいようにカラーユニバーサルデザインや配慮方法等に関する手引きを作成し活用します。
- 障がい福祉に関する冊子等への音声コードの活用(障害保健福祉課)
障がい福祉に関する冊子や資料等に音声コードを付与し、視覚障がいのある人に配慮した情報提供を行います。
- 選挙時の情報提供(音声版・点字版)(選挙管理委員会事務局)
視覚障がいのある選挙人の投票参加を促進するため、音声版・点字版の選挙のお知らせを、希望する視覚障がいのある個人や各団体に提供するとともに、市・区選挙管理委員会事務局及び市施設へ備え置きます。
- 録音図書・点字図書の作成・貸出(中央図書館(城北図書館))
ボランティアと連携し、視覚障がいのある人に対する「声のライブラリー」事業として、録音図書・点字図書の作成・貸し出しを行います。
- ICT(情報通信技術)を活用した遠隔手話通訳サービスの提供(障害保健福祉課)
市役所及び区役所にタブレット型端末を配置し、テレビ電話機能を活用した画面越しの手話通訳を行い、窓口サービス等の利便性の向上を図ります。
- 視覚障がいのある人に対する点字等による情報提供(障害保健福祉課)
公文書の一部点字化をはじめ、視覚障がいのある人へ点字等による情報提供の推進を図ります。
2)福祉サービスや生活に関する情報提供の充実
<取り組み・内容>
- 障害福祉のしおりの作成(障害保健福祉課)
障害福祉サービス等を紹介する冊子を作成するとともにホームページに掲載し、様々なサービスの内容や手続きについて、分かりやすく提供します。
- 地域のUD情報等の発信(UD・男女共同参画課)
だれもが訪れやすく、暮らしやすいまちづくりを進めるため、地域の宿泊施設、文化・観光施設、公共交通、トイレ等のユニバーサルデザイン情報を収集し、様々な媒体を活用してだれにでも分かりやすく提供します。
- 浜松まちなかトイレマップの提供(UD・男女共同参画課)
高齢者や障がいのある人等だれもが安心して暮らすことができるまちづくりの一環として、JR浜松駅を中心として徒歩でおおむね15分程度の範囲において、掲載の協力を得られた施設のトイレ等の情報を「浜松まちなかトイレマップ」として提供します。
- 市ホームページによる消費生活情報等の提供(市民生活課(くらしのセンター))
市ホームページ内に「はままつeライフ」を掲載し、消費生活に関する情報を分かりやすく提供します。
(2)コミュニケーション保障の推進
障がいの特性に配慮した方法による情報提供や、手話や要約筆記等による意思疎通の支援により、コミュニケーション手段を確保し、コミュニケーション保障を推進します。
1)コミュニケーション支援の充実
<取り組み・内容>
- コミュニケーション支援事業の実施(障害保健福祉課)再掲
聴覚及び言語機能、音声機能等の障がいのため意思の伝達に支援が必要な人の社会参加を支援するため、手話通訳者や要約筆記者を派遣します。
- 区役所窓口への手話通訳の配置(人事課)
区役所に手話通訳のできる職員を配置し、聴覚に障がいのある人に対して必要に応じて通訳を行い、手続きや相談等を円滑に行います。
- 各種奉仕員養成講座の開催(障害保健福祉課、中央図書館(城北図書館))再掲
視覚や聴覚に障がいのある人のコミュニケーション支援やボランティアの育成を図るため、各種奉仕員養成講座(手話、要約筆記、点訳、音訳)を開催します。
2)障がい特性に配慮した情報保障の推進
<取り組み・内容>
- 障がい特性に配慮した広報紙等の作成(広聴広報課、調査法制課)再掲
視覚障がいのある人に配慮した点字版・音声版の「広報はままつ」や「市議会だより」を作成・配布します。
- 障がい福祉に関する冊子等への音声コードの活用(障害保健福祉課)再掲
障がい福祉に関する冊子や資料等に音声コードを付与し、視覚障がいのある人に配慮した情報提供を行います。
- 選挙時の情報提供(音声版・点字版)(選挙管理委員会事務局)再掲
視覚障がいのある選挙人の投票参加を促進するため、音声版・点字版の選挙のお知らせを、希望する視覚障がいのある個人や各団体に提供するとともに、市・区選挙管理委員会事務局及び市施設へ備え置きます。
- 録音図書・点字図書の作成・貸出(中央図書館(城北図書館))再掲
ボランティアと連携し、視覚障がいのある人に対する「声のライブラリー」事業として、録音図書・点字図書の作成・貸し出しを行います。
- メール119システムの運用(情報指令課)再掲
聴覚や言語機能に障がいのある人等、電話による119番通報が困難な人からのメールを活用した緊急通報に対応します。
- 緊急通報ファクシミリ事業の実施(障害保健福祉課)再掲
聴覚や言語機能に障がいのある人の緊急時の迅速で適切な対応を図るため、緊急通報ファクシミリ事業(Fネット事業)を実施します。
コラム7 支えあい・支援の輪
浜松市視覚障害者福祉協会
会長 市川 健悟
私が所属する浜松市視覚障害者福祉協会(通称:浜視協)の活動は、1976年にスタートしました。生活や福祉の向上、そして会員の親睦や他団体との交流を目的に活動している団体です。これまで、点字ブロックの敷設、音響装置付信号機の設置や公共施設のバリアフリー化、日常生活用具の拡充や同行援護をはじめとする福祉サービスの拡充等、様々な角度から関係機関に対して私たちの声を届けてきました。
現在、浜松市障害保健福祉課と連携をとるなかで、公的な通知文書の点字・拡大文字化、音訳化の推進に取り組んでいます。健常な人であれば、だれでも見ることのできる個人情報を含んだ公的文書、私たちも個人的に届いた文書をだれにも頼らずに読みたいと思っています。他人を気にせず、自分宛ての文書を開きその内容を知りたいということが私たちの強い願いです。
今のところ、点字・拡大文字化が先行し、音声による提供は次点対応になっています。どのような情報が書かれ、どこに連絡すればその内容を教えてもらえるのかは、点字・拡大文書による通知をいただけるようになりましたが、健常な人のように具体的な内容を自らダイレクトに知ることはできません。税金、健康保険料や上下水道料、市から助成を受ける医療費等、知りたい情報は多岐にわたります。また、障害者差別解消法の施行とともに、見えないがための障壁が解消するよう関係機関に対する働きかけを展開しており、この問題もやがては実りを迎えることと期待を膨らませています。
浜松市には、視覚に障がいがあることで、身体障害者手帳の交付を受けている人は、平成29年4月時点1,581人おられます。特に中途で視力を失ってしまった中高年の人は、行動の自由を奪われた結果、絶望と生きがいを見失って、家に引きこもる人が多いと聞きます。そんな時、当事者同士の語らいや交流を行うことで、新たな局面を迎えられると思います。当協会として、視覚障がいにより生活に不安を抱える人たちとの仲間づくりや悩みや楽しみも共有していきたいと考えていますが、どこに向かって情報を発信していけばいいのか苦慮しているのが現状です。より多くの皆さんとの出会いができるようになることが私たちのもう一つの願いです。
どこの組織もそうでしょうが、浜視協も高齢化が進んでいます。いろいろな希望や願いがより多くの皆さんのお力で推進していくことを望んでいます。
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