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ホーム > 健康・医療・福祉 > 福祉 > 福祉計画 > 第3次浜松市障がい者計画 > 目次 > 第5章 分野別施策 6.雇用・就労

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更新日:2021年4月15日

第5章 分野別施策 6.雇用・就労

【基本方針】

一人ひとりが働く能力や個性を活かし、生きがいと働きがいのある生活の実現を目指します。

基本施策

施策

(1)就労支援と雇用促進

1)就労支援の充実
2)雇用促進

(2)福祉就労に対する支援

1)福祉就労に対する支援

【現状と課題】

  • 障がいのある人一人ひとりの適性を踏まえた職業・雇用のマッチング、また対人関係を円滑にする訓練を行う体制の充実が必要です。
  • 障害者雇用促進法の一部改正に伴い、法定雇用率の算定基礎に精神障がいのある人が含まれるため、雇用の拡大に向け、企業の障がいに対する理解を深めることが必要です。
  • 地域での自立した生活には収入の基盤づくりが重要であることから、就労継続支援事業所等における福祉就労について、適切な工賃の確保が必要です。また、障害者優先調達を市が率先して進めることで、工賃水準の向上に結びつける必要があります。

(1)就労支援と雇用促進

自立支援の観点からも、就労は地域での生活を支える大きな柱となります。

障がいのある人の就労意欲が高まっている中で、障がいの特性やニーズに応じた適切な就労支援を実施するとともに、障がいのある人の就労に対する理解促進を図り、働くことができる職域や職場を広げていけるよう雇用促進の働きかけを行います。

障がいのある人の就労支援と雇用促進の両面から取り組むために、関係機関との連携を図ります。

1)就労支援の充実

<取り組み・内容>

  1. 就労相談の実施(障害保健福祉課)再掲
    就労に関する相談窓口を設置し、来所のほか、電話等により相談に応じます。
  2. 障害者就労支援事業の実施(産業総務課)
    障がいの程度や適性に応じた就労に関する総合的な相談・定着支援事業を実施します。
  3. ジョブサポートセンター事業の実施(産業総務課)
    市が実施する障がいのある人への生活支援とハローワークが実施する職業相談、職業紹介を一体的に実施し、一人ひとりの状況に応じた就労支援を行います。
  4. 企業伴走型障害者雇用推進事業の実施(障害保健福祉課)再掲
    障がいのある人の雇用拡大のため、雇用を実施・検討している企業に継続的な支援や助言を行います。また、研修会等を開催し、障がいのある人の雇用に対する理解促進や企業間ネットワークの構築等を支援します。
  5. 障がい者職場見学会の開催(障害保健福祉課)
    一般企業、障害者就労施設支援員や利用者を対象に障がい者職業訓練委託先や障がいのある人を雇用する企業等の現場見学会を開催します。
  6. 障がいのある人の就労に関するパンフレットの作成(障害保健福祉課)
    障がいのある人とその家族向け及び企業向けのパンフレットを作成し、障がいのある人へ就労に関する情報を提供するとともに、企業の障がいのある人の就労に対する理解を深めます。
  7. 就労定着支援の実施(障害保健福祉課)
    一般就労へ移行した障がいのある人について、就労に伴う生活面の課題に対し、就労の継続を図るために企業・自宅等への訪問や障がいのある人の来所により、必要な連絡調整や指導・助言等を行います。

2)雇用促進

<取り組み・内容>

  1. 障害者雇用支援セミナーの開催(障害保健福祉課)
    地域全体で障がいのある人の雇用促進を図るため、ハローワーク浜松と共催で障害者雇用支援セミナーを開催します。
  2. ユニバーサル農業の推進(農業水産課)
    農業者、福祉・雇用の有識者、行政の関係部署が連携し、障がいのある人の農業参画機会の創出、支援体制の構築を図ります。
  3. 障がいのある人の市職員・市教員への採用(人事課、教職員課)
    障がいのある人の雇用促進を図るため、障がいのある人を対象とした職員採用試験、職員選考、教員採用選考試験を実施します。
  4. 入札参加資格審査における障がい者雇用への配慮(調達課)
    浜松市内に本店を置く業者で、建設工事に登録を希望する場合は、入札参加格付の決定において障がいのある人の雇用(法定雇用率)の達成状況を加味します。

写真:ユニバーサル農業

(2)福祉就労に対する支援

障がい福祉施設では、それぞれの地域性や事業所の特色を活かしながら、様々な自主製品の製造や企業の下請け作業を通じ、福祉就労の場を提供していきます。

障がいのある人が、地域で自立した生活を送るうえでは、収入の基盤づくりが重要であることから、工賃向上に向けた取り組みを推進します。

写真:チャレンジドショップわ

1)福祉就労に対する支援

<取り組み・内容>

  1. 官公需の発注促進(障害保健福祉課)
    障害者就労施設等へ受注機会を増やすため、市の発注する物品や役務の調達に関する調達方針(障害者優先調達方針)を定めるとともに、実績を公表します。
  2. 市庁舎内での授産製品展示・販売所の設置(障害保健福祉課)再掲
    静岡県作業所連合会・わ浜松地区会による授産製品展示・販売所「チャレンジドショップわ」の市庁舎での販売継続支援や、中央図書館内に開設された販売所での障害者就労施設の出店を支援することで、障がいのある人の就労や自立を支援するとともに、障がいのある人に対する市民の理解を深めます。
  3. 作業所名鑑の作成(障害保健福祉課)
    障害者就労施設を紹介する冊子を作成し、物品の発注や役務の提供等、工賃の向上を図ります。

コラム6 働きの場=活躍の場

京丸園株式会社
代表取締役 鈴木 厚志

京丸園は、浜松市南区に拠点を構え、みつば、ねぎ、ちんげん菜等の葉物野菜を1年通して生産している会社です。

当社は現在、約100人が働いており、最高齢は81歳、最年少は15歳、また、平均年齢は45歳、男女割合はおおむね半々です。なお、就労している人のなかには35人の障がいのある人が活躍しています。(障がいのある人の割合35%)

「給料は、いらないから働かせて欲しい」、これは母親が障がいのある息子さんを連れ、面接に訪れた時の言葉です。

当時、私は30歳。給料を稼ぐために働くと思っていた私は、母親の言葉の意味が分かりませんでした。働くとはどんな意味なのか。考えさせられた瞬間でもありました。

母親は、障がいあってもこの世に授かった命、「無駄な人は一人もいない」という思いから、この子の力を必要とする職場、役に立てる職場はきっとあると、断られても断られても企業の面接に応募し続けていました。

その母親の言動から、働くとは人の役に立つこと、喜ばれること、その対価として賃金が伴ってくるのだと教わり、自分の働き方を見直すチャンスともなりました。

その出会いから22年が経過し、今では障がいがありながらも35人が活躍しています。

15年前、特別支援学校を卒業し、当社に入社したKさんをご紹介します。

Kさんは、入社当時は体力があまりなく、半日働くのが精一杯でした。掃除以外に任せられる仕事はなく、労働基準監督署に最低賃金除外の申請を行い、時給400円(3万円/月)のスタートでした。

Kさんは、ハウス内の草取りと掃除を丁寧に続けてくれました。

およそ半年たったころ、丁寧な掃除のお陰でハウス内の草はきれいになくなり、そのおかげで、害虫の増殖が抑制され、農薬の散布回数が減少しました。これを機に「農薬で野菜を害虫から守る」のではなく、掃除を徹底するという視点に方針を変更し、その後、害虫を捕獲する掃除機の開発を始め、現在では、開発した掃除機により害虫を捕獲・駆除しています。また、Kさんの活躍により、「農薬削減」という付加価値が生み出されました。

京丸園で働くみなさん

Kさんは、日々の掃除が影響して体力が身につき、1日働けるようになりました。(当時、入社7年目・賃金月額約8万円)さらに、草を見つけ取り除くという作業のおかげで観察力が向上し、ちんげん菜の商品検品作業ができるまでになり、入社10年目にして、ついに最低賃金除外申請の必要がなくなりました。

Kさんは現在、1日2万本の最終検品箱詰め作業を担当し、1日7時間就労、月額12万円を就労の対価として得ています。

コツコツと誠実に自分の役割を果たすことに集中しているKさん。

「働く」とは、こういうことだと、私や後輩たちにその雄姿を見せています。

多様な人達が活躍できる職場が広がることを心から願っています。

 

注釈

ユニバーサル農業

園芸作業を行うことによる生きがいづくりや高齢者・障がいのある人の社会参加などの効用を、農作業の改善や農業の多様な担い手の育成などに活かしていこうという取り組み。

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浜松市役所健康福祉部障害保健福祉課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2034

ファクス番号:053-457-2630

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