緊急情報

サイト内を検索
ホーム > 健康・医療・福祉 > 福祉 > 福祉計画 > 第3次浜松市障がい者計画 > 目次 > 第5章 分野別施策 5.療育・教育

ここから本文です。

更新日:2021年4月15日

第5章 分野別施策 5.療育・教育

【基本方針】

子どもが夢や希望を持って暮らせるよう、家庭を含めた支援を充実します。関係機関と連携して各ライフステージを通じて、一貫したきめ細かな支援を実施します。

基本施策

施策

(1)早期発見・早期療育の推進

1)障がいの早期発見と支援への円滑な移行
2)早期療育体制の充実

(2)発達支援教育の推進

1)相談・支援の充実
2)教職員の専門性の向上

(3)放課後等の支援の充実

1)放課後等の支援の充実

(4)卒業後の自立に向けた支援

1)キャリア教育と進路相談の充実
2)進路先の充実

【現状と課題】

  • できるだけ早期に必要な療育を行うことにより、障がいの軽減や基本的な生活能力の向上が期待できることから障がいの早期発見が必要です。それと同時に保護者の不安解消に対する支援も重要となります。
  • 子どもの成長に伴いかかわる関係機関が移行していきます。関係機関が連携した切れ目のない支援、特に障がいの発見や就学、進学、卒業等の節目に重点的な支援が必要です。
  • 教育現場においては、一人ひとりの多様な教育的ニーズに対応するため、発達支援教育コーディネーターを中心とした園内・校内体制の更なる充実や、教職員の障がいに対する理解を深める必要があります。

(1)早期発見・早期療育の推進

だれでも子育てに不安を感じることがあります。特に子どもの発達に課題があった場合には、不安はより大きなものになります。

子どもは、家庭の中で少しずつ生活スキルや社会のルールを覚え、家族に見守られながら成長していきます。そして、子どもが健やかに育つために、家庭への支援を充実します。

発達に課題のある子どもに対しては、できるだけ早期に必要な療育を行うことにより、障がいの軽減や基本的な生活能力の向上を図り、子どもの持てる能力や可能性を伸ばしていくことが大切です。専門的な相談支援と関係機関の相互連携を強化するとともに、早期療育を行う施設の整備や機能の強化を図ります。

また、障がいの有無にかかわらず、子どもたちが生活を通してともに成長できるよう対応することが子どもの発達にとって重要であることから、施設の持つ専門的な技術や機能を活用し、地域の幼稚園や保育所等での受け入れを促進します。

1)障がいの早期発見と支援への円滑な移行

<取り組み・内容>

  1. 乳幼児健康診査の実施(健康増進課)再掲
    各健康診査(4か月・10か月・1歳6か月・3歳)の受診率の向上及び未受診者対策により障がいの早期発見を進めるとともに、健康診査後の要フォロー児に対する保健指導の充実に努めます。
  2. 就学時健診の実施(健康安全課)再掲
    就学予定者に対し、学校生活や日常生活に支障となるような疾病及び異常の疑いについて適切な治療勧告、保健上の助言及び就学指導等を行います。
  3. 母子健康相談の実施(健康増進課)再掲
    発達の遅れや障がいの疑いのある乳幼児の保護者の相談に応じます。また、医療機関・療育機関等の専門機関との連携を緊密にし、保健指導の充実に努めます。
  4. 発達障がい(疑い)のある人の相談の実施(子育て支援課)再掲
    身近な区役所等で、発達障がいについて心配や悩みのある人や家族の相談に応じます。
  5. 発達相談支援センター「ルピロ」の運営(子育て支援課)再掲
    発達相談支援センター「ルピロ」において、発達障がいのある人や家族に対し、相談や情報提供、就労支援を行います。また、市民や関係者への発達障がいの啓発事業や研修会を実施するとともに、地域支援体制の整備を行います。
  6. 「友愛のさと診療所」及び「子どものこころの診療所」の運営(障害保健福祉課)再掲
    「友愛のさと診療所」及び「子どものこころの診療所」において、子どもを対象に発達障がいや知的障がいを診療する専門機関として質の高い医療を提供するとともに、地域の教育機関や医療機関、福祉施設その他の関係機関との連携により適切な支援を行います。
  7. 児童相談の実施(児童相談所)
    心身の発達の遅れが心配な子どもや、肢体不自由のある児童の施設入所等の相談を行います。また、知的障がいのある子どもの療育手帳交付にかかる障がいの程度を判定します。
  8. 発達障害者支援地域協議会の運営(子育て支援課)再掲
    発達障がいのある人の支援に関する関係機関等の連携の緊密化を図るとともに、地域の実情に応じた体制の整備について協議を行います。
  9. 要保護児童対策地域協議会の運営(子育て支援課)再掲
    要保護児童の適切な保護又は要支援児童若しくは特定妊婦への適切な支援を図るために、浜松市要保護児童対策地域協議会を運営し、必要な情報の交換を行うとともに、支援対象児童等に対する支援等の内容に関する協議を行います。

2)早期療育体制の充実

<取り組み・内容>

  1. 発達支援広場の設置(子育て支援課)
    成長がゆっくりであったり、発達に心配があったりする子どもの保護者が安心して育児ができるよう保護者の交流、育児支援の場を整備します。
  2. 児童発達支援の実施(障害保健福祉課)
    障がいのある子どもや発達に課題のある子どもに対して、日常生活における基本的な動作の指導や集団生活への適応訓練等を行います。
  3. 児童発達支援センターの運営(障害保健福祉課)
    児童発達支援センターにおいて、地域の中核的な療育支援施設として専門的な療育を行うとともに、保育所と幼稚園や地域の療育施設への支援、相談支援等を総合的に行います。
  4. 保育所等訪問支援の実施(障害保健福祉課)
    障がいのある子どもが通う幼稚園や保育所等を訪問し、他の子どもとの集団生活への適応のための専門的な支援等を行います。
  5. 保育所等巡回支援の実施(障害保健福祉課)
    幼稚園や保育所等からの申請により、児童発達支援センターが園を訪問し、発達に課題があると思われる子どもへの支援方法について、支援を担当する園職員へ助言等を行います。
  6. 居宅訪問型児童発達支援の実施(障害保健福祉課)
    重度障がい等により外出が困難な障がいのある子どもに対して、居宅を訪問して日常生活における基本的な動作等の指導をして発達支援を行います。
  7. 障がい児保育の推進(幼児教育・保育課)
    私立保育所等に対して、入所児童のうち特別児童扶養手当支給対象児童及び障がいがあると市長が認定した児童の保育に要する経費を補助することにより、保育内容の充実と需要に応じた円滑な受け入れ体制を推進します。
  8. 幼稚園教諭・保育士等の研修(幼児教育・保育課)
    幼稚園教諭や保育士等が、障がい児保育についての研修会に参加することにより、障がいに関する知識を学び、日常生活を支援していきます。
  9. 障がい児入所支援の実施(児童相談所)
    障がいのある子どもで、家庭での療育が困難な子どもに対し、入所施設において保護又は日常生活の指導等を行います。

(2)発達支援教育の推進

障がいの有無にかかわらず、できる限り同じ場でともに学ぶことを目指すとともに、特別な支援を必要とする子どもに対し、教育的ニーズに応じた支援を提供できるよう、教育環境の整備や学習の場を充実するとともに、発達支援教育コーディネーターを中心とした全校体制で支援を行います。

1)相談・支援の充実

<取り組み・内容>

  1. 子育てサポートはますくファイルの活用(子育て支援課)
    子育てサポートはますくファイルの活用により、保護者を含め福祉、保健、医療、教育、労働等の関係機関が子どもの発達にかかわる情報を共有することで、一貫した相談や適切な支援の充実を図ります。また、はますくQ&Aサイトを運営し、発達に課題がある子どもについて、気づきにつながるような情報やその対応方法を掲載し、家族や支援者等へ活用を勧めます。
  2. サポートかけはしシートを活用した連続性のある療育の推進(障害保健福祉課)
    児童発達支援事業等による早期療育の成果を就学後に連続して引き継ぐ体制及び療育の推進について、障がい者自立支援協議会(子ども専門部会)の提案・協議により作成された「サポートかけはしシート」を活用し、就学する子どもの療育の推進を図ります。
  3. 就学相談の実施(指導課(教育総合支援センター))再掲
    特別な支援を必要とする子どもを持つ保護者に対して、就学先の相談に応じます。
  4. 発達支援教育コーディネーターの配置(指導課(教育総合支援センター))
    すべての小中学校に発達支援教育コーディネーターを配置し、発達支援教育コーディネーターを中心とした校内支援体制をつくり、全校体制で特別な支援を必要とする子どもの支援を行います。
  5. 学習の場の充実(指導課(教育総合支援センター))
    特別な支援を必要とする子どものニーズに応じた教育を推進するため、小中学校に発達支援学級や通級指導教室等を設置し、支援体制を整えます。
  6. キッズサポータースクールヘルパーの配置(教職員課、幼児教育・保育課)
    幼稚園では、障がいのある子どもが在籍する学級にキッズサポーターを配置し、小中学校では、発達支援学級や個別支援が必要な子どもが在籍する通常の学級にスクールヘルパーを配置します。
  7. 発達支援教育指導員の配置(教職員課)
    発達支援教室に発達支援教育指導員を配置し、教科学習の充実や学校生活への適応を支援します。
  8. 発達支援教育就学奨励費支給事業の実施(教育総務課)
    小中学校の発達支援学級へ就学又は通級指導教室へ通級する児童生徒の保護者に対し、就学に必要な学用品費等を援助することにより、経済的な負担の軽減を図ります。
  9. 発達支援の部屋の設置(幼児教育・保育課)
    市立幼稚園において、個別の支援を必要とする幼児の成長や発達を促すことを目的に、園内に「発達支援の部屋」を設置し、保護者の理解を得てニーズに応じた支援を行います。
  10. 共生・共育の推進(指導課(教育総合支援センター))再掲
    特別支援学校に在籍する子どもが居住する地域の小中学校に交流籍を置き、交流及び共同学習を行います。

2)教職員の専門性の向上

<取り組み・内容>

  1. 発達支援教育に関する研修の実施(教育センター)
    初任者研修や中堅教諭等資質向上研修、管理職研修等の機会を捉えて発達支援教育に関する研修を行うとともに、発達支援教育コーディネーター研修、発達支援教育リーダーフォローアップ研修等による専門的な研修を行い、障がいに対する理解を深め、適切な指導力の向上を図ります。

(3)放課後等の支援の充実

将来地域での生活が充実するように、個々の子どもの状況に応じた発達支援を行うことにより、健全な育成を行っていく必要があります。

支援を必要とする障がいのある子どもたちに対して、生活能力の向上のために必要な訓練と、社会との交流の促進を行っていきます。

1)放課後等の支援の充実

<取り組み・内容>

  1. 放課後等デイサービスの実施(障害保健福祉課)
    学校通学中の障がいのある子どもに対して、放課後や夏休み等の長期休暇中において、生活能力向上のための訓練を行います。
  2. 日中一時支援事業の実施(障害保健福祉課)
    特別支援学校や発達支援学級の生徒の放課後や長期休暇における預かり支援を行います。
  3. 放課後児童会への障がいのある子どもの受け入れの推進(教育総務課)
    ユニバーサルデザインに配慮した施設整備を進めるとともに、集団生活が可能な障がいのある子どもの受け入れを行います。

(4)卒業後の自立に向けた支援

障がいの有無にかかわらず、学校を卒業すれば社会生活が始まります。進路先の選択はだれしも不安なものであり、特に障がいのある人の場合は、その特性や心身の状況に応じた支援や配慮が必要です。

社会生活へ向けた進路相談に応じるとともに、将来のステップアップに向けたキャリア教育を推進します。

静岡県の高等部教育において、多様な進路に対応できるよう幅広い学習の展開や一人ひとりの適性に応じた職場開拓、職場実習等、充実した取り組みを実施しています。

本市においても、学校卒業後に福祉サービスの利用を希望する人に対しては、本人の意向や心身の状況に応じて適切なサービスが利用できるよう進路相談に応じるとともに、特別支援学校、福祉サービス事業者、障がい者団体等との連携のもと、福祉施設や福祉サービスについて学ぶ機会を提供し、生徒とその保護者の進路選択に対する不安の軽減を図ります。

1)キャリア教育と進路相談の充実

<取り組み・内容>

  1. キャリア教育の推進(指導課)
    子どもが学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的、職業的自立に向けて必要な力を身につける教育に取り組みます。
  2. 特別支援学校生徒の進路相談の実施(障害保健福祉課)
    卒業後に福祉サービスの利用を希望する生徒に対して、本人の意向や心身の状況に応じた適切なサービスの利用ができるよう進路相談に応じます。
  3. 福祉事業所フェアの開催(障害保健福祉課)
    浜松市を校区とする特別支援学校の教員及び生徒、保護者を対象に障害者就労施設や障害福祉サービス等の説明会を開催します。
  4. 若者相談支援の実施(青少年育成センター)
    若者相談支援窓口「わかば」において、おおむね15歳から39歳までの社会生活を円滑に営むことが困難な若者や、その家族の悩みについて相談を受け、必要に応じて専門的な支援機関を案内します。
  5. ひきこもり相談支援事業の実施(精神保健福祉センター)再掲
    ひきこもりサポートセンターを設置し、必要なケースについて訪問相談を行うとともに、ひきこもり当事者の居場所の運営を行います。
  6. 中学校から高等学校への文書情報の提供(指導課)
    県立高等学校と中学校間で支援に関する情報の共有と連携を進めるため、生徒の特性に合わせ中学校が学習面又は生活面において個別に考慮した事項にかかる記録等について、高等学校が共有を希望する場合には、本人及び保護者の同意を得たうえで提供します。

2)進路先の充実

<取り組み・内容>

  1. 障害福祉サービスの提供(障害保健福祉課)再掲
    自宅等で支援を受けるホームヘルプ等、在宅支援の中心となる訪問系サービスや昼間に施設等で利用できる日中活動系サービス、入所施設やグループホーム等で夜間に支援を受ける居住系サービス等の障害福祉サービスを提供します。
  2. グループホームの整備(障害保健福祉課)再掲
    入所施設や病院から地域生活への移行を促進するため、グループホームを計画的に整備します。

コラム5 障がい児と保護者が安心して笑顔で生活できる地域づくり

精神保健福祉審議会
会長 大嶋 正浩

子育ては、親にとって楽しいものであり、いらいらや不安に満ちているものです。昔は、地域のなかで子どもは自由に飛び回り、その地域の人が目の端に入れ、相手をしてくれたものです。しかし、最近では、もっぱら親やその家族のみが養育する風潮になっています。昔は、発達障がい傾向があったり、親が忙しくて子どもと向かい合えなかったりしても、地域のなかで子どもは様々な人に見守られ、地域という共同体に所属するなかで仲間を大勢持ち、子どもが育ちやすい文化がありました。しかし、今は崩壊しかけています。その結果、親は社会の効率追求や成果主義と真逆のことを迫ってくる子どもから絶えず干渉を受ける状況に置かれています。

現代においては、豊かなものに囲まれ、普段の生活のなかでは、周囲の人たちの手助けを意識し必要と感じることが少なく、一見つながりを持たなくても生きていけます。また、人と人とのコミュニケーションの機会を奪うテレビゲームやスマートフォン等の様々な便利なアイテムが日常にあふれ、通常発達をしている児童も、実はかなりむしばまれている状況です。障がい傾向のある場合は、その数倍、いや何十倍も深刻な問題です。このことは、専門家としての目ではなく、孫の相手をして、つくづく思う今日この頃です。

1歳半健診で何らかの支援が必要な子どもは、平成28年度では30.8%、そのうち発達の支援が必要な子どもは16.8%みられます。多いと感じられるかもしれませんが、幼稚園、小学校低学年では正式な数字はありませんが、約2~3割の子どもに何らかの支援が必要となっています。育てにくく、トラウマになりやすい発達障がい傾向を持つ子どもは、支援がないと様々な困難に直面します。親のみでなく、地域全体が子どもの特徴を理解するとともに、子どもに合わせることが肝要です。つまり、周囲の状況を捉えるのが苦手で、集団に入れない子どもは無理に入れず、子どもにとって分かりやすい遊びや、やり取りに誘い、たとえうまくいかなくてもそれを責めないで、かかわり見てもらえているという感じを持ってもらうことが必要です。くれぐれも早期のしつけや、周囲に合わせることを頑張らず、分かりやすくしてあげることが大事です。幼稚園や保育園、小学校をはじめとする地域が、その方向に変わっていくことで、子どもや親に笑顔が戻ってきます。

 

注釈

発達支援教育コーディネーター

園内、校内における発達教育の推進役。個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成等、子どもへの最適な支援の方策を提案したり、幼稚園・学校内外の連絡調整を行ったりする教員。

発達支援教育

特定の子どもだけを対象として支援するのではなく、すべての子ども一人ひとりの発達段階と教育的ニーズに応じて健やかな成長発達を支援するもの。

キッズサポーター

幼稚園の主に障がいがある子どもが在籍する学級において、学級担任の指導補助を行う指導員。

スクールヘルパー

小中学校の発達支援学級や個人的支援が必要な子どもが在籍する通常の学級において、日常生活の指導補助を行う指導員。

発達支援教育指導員

教員免許を持ち、発達支援教室において個別指導が必要な子どもに対して教科学習を中心とした支援を行う指導員。

キャリア教育

一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通してキャリア発達を促す教育。

前頁へ 目次へ 次頁へ

このページのよくある質問

よくある質問の一覧を見る

お問い合わせ

浜松市役所健康福祉部障害保健福祉課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2034

ファクス番号:053-457-2630

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?