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更新日:2021年4月15日

第5章 分野別施策 1.理解促進

【基本方針】

関係機関との緊密な連携のもと、障がいの有無にかかわらず、互いの人格と個性を尊重し支え合う、「共生社会」の理念について更なる普及を図ります。

基本施策

施策

(1)障がいに対する理解促進

1)啓発・広報活動の推進
2)人権意識の向上
3)福祉教育の推進

(2)人材育成と活動支援

1)ボランティアの育成と活動支援
2)ピアサポートの推進
3)地域福祉活動との連携
4)市職員の障がいに対する理解促進

【現状と課題】

  • 知的障がい、身体障がい、精神障がい、発達障がい、難病、高次脳機能障がい、盲ろう、重複障がい等、より一層の理解が必要な障がいや、外見からは分かりにくい障がいについて、その特性や必要な配慮等に関する理解の促進が必要です。
  • 教育現場や雇用現場等、様々な生活場面に応じた啓発が必要です。子どもの障がいの特性は多様であり、大人とは異なる支援が必要になります。また、障がいのある人の雇用の拡大のためには、企業の障がいへの正しい理解と労働環境に関する配慮が必要です。
  • 共生社会の実現に向けて、特に小中学生に対する福祉教育の推進が必要です。
  • 行政が主体となって行う啓発・広報活動に加えて、地域で一体となって理解を進めるために、引き続き民生委員・児童委員地区社会福祉協議会、NPO等との連携・協力が必要です。

(1)障がいに対する理解促進

市民に「障がい」に関する理解を深めてもらうため、出前講座の活用や精神障がいに対する理解の周知を図る講演会の開催、12月の障害者週間を中心とした展示やイベントによる啓発・広報活動による取り組みを進めます。

引き続き、「障がい」への理解が深まる取り組みを推進していき、地域住民と障がいのある人の交流事業や特別支援学校と小中学校の交流・共同学習等、共生社会の実現に向けた取り組みを推進します。

写真:スマイルフェスタ・手話体験講座(初心者向け手話講座)

1)啓発・広報活動の推進

<取り組み・内容>

  1. 障害者週間キャンペーンの実施(障害保健福祉課)
    障害者週間(12月3~9日)に市庁舎への懸垂幕の掲出や、障がいのある人による作品展の開催、市内障がい者団体等と連携して啓発イベント等を開催し、広く市民に対して正しい理解や認識を深めることを目的とした啓発を行います。
  2. 自閉症・発達障がいの啓発(子育て支援課)
    世界自閉症啓発デー(4月2日)、発達障害啓発週間(4月2日~8日)にポスターの掲示や発達障がいのある人の作品展示等にて広く市民に対して啓発事業を行います。
  3. 出前講座の開催(障害保健福祉課、精神保健福祉センター、社会福祉協議会)
    障がい福祉の現状や制度を説明する講座や障がいのある人に対する理解を深める体験講座等を開催します。
  4. ふれあい広場等の開催(福祉総務課、社会福祉協議会)
    ふれあい広場等を開催し、障がいのある人に対する理解を深めるとともに、地域の交流を図ります。また、参加団体の拡大と自主運営の更なる充実を目指します。
  5. ふれあい交流事業の実施(社会福祉協議会)
    障がいのある人と地域住民、ボランティア等との食事会や各種交流事業を実施します。
  6. 補助犬ふれあい教室の開催(障害保健福祉課)
    補助犬ふれあい教室を開催し、補助犬ユーザーによるデモンストレーション等を行い、視覚障がいのある人や補助犬に対する理解を深めます。
  7. 心の輪を広げる障害者理解促進事業の実施(障害保健福祉課)
    「障害者週間」の取り組みの一環として、障がいのある人に対する理解の促進を図るため、国との共催により「心の輪を広げる体験作文」及び「障害者週間のポスター」を公募します。
  8. こころの健康づくり講演会の開催(精神保健福祉センター)
    精神疾患、精神障がいに対する理解を深めるため、広く市民への啓発事業を行います。
  9. 市庁舎内での授産製品展示・販売所の設置(障害保健福祉課)
    静岡県作業所連合会・わ浜松地区会による授産製品展示・販売所「チャレンジドショップわ」の市庁舎での販売継続支援や、中央図書館内に開設された販売所での障害者就労施設の出店を支援することで、障がいのある人の就労や自立を支援するとともに、障がいのある人に対する市民の理解を深めます。
  10. 身体障害者用駐車場の適正な利用に向けた啓発(障害保健福祉課)
    市民マナー条例(浜松市快適で良好な生活環境を確保する条例)に基づき、身体障害者用駐車場の適正利用に向け、障害者週間等のイベント開催時に街頭で周知します。
  11. 広報紙等による啓発広報(広聴広報課)
    広報紙への掲載を通じて、障がいのある人に対する情報提供や活動紹介等を行うことで、市民の障がいに対する理解を深めます。
  12. 手話体験講座(初心者向け手話講座・親子体験手話講座)の開催(障害保健福祉課)
    浜松市手話言語の推進に関する条例の施行に伴い、多くの市民に手話への理解の促進、手話の普及を図るための講座を開催します。
  13. はままつ人づくりネットワークセンターによる講座・人材情報の提供(教育総務課)
    行政・企業・大学・NPO等が協働して、子どもたちのための講座や人材を提供する仕組み「はままつ人づくりネットワークセンター」を通じて、障がいに対する理解を深める講座を学校の教育活動等で実施するよう活用促進を図ります。
  14. 企業伴走型障害者雇用推進事業の実施(障害保健福祉課)
    障がいのある人の雇用拡大のため、雇用を実施・検討している企業に継続的な支援や助言を行います。また、研修会等を開催し、障がいのある人の雇用に対する理解促進や企業間ネットワークの構築等を支援します。
  15. スポーツ交流事業の実施(スポーツ振興課)
    年齢、性別、障がいの有無にかかわらず、だれもが楽しめる交流の場としてスポーツイベントを開催することにより、ライフスタイルに応じた生涯スポーツ社会の創出につなげます。
  16. 障がい者差別解消に向けた啓発(障害保健福祉課)
    地域における身近な差別の解消を推進するため、合理的配慮の好事例の紹介や差別解消に関する啓発等を行います。また、ヘルプマークの配布を行うとともに、障がい者団体と協議し、ヘルプカードの導入について検討します。

図:ヘルプマーク

<ヘルプマーク>
義足や人工関節を使用している人、内部障がいや難病の人、又は妊娠初期の人等、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている人々が、周囲の人に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成されたマークです。

2)人権意識の向上

<取り組み・内容>

  1. 人権だよりの発行(福祉総務課(人権啓発センター))
    人権に関する広報紙を発行し、全職員の人権意識の啓発・高揚を図ります。また、人権啓発用に関係機関に配布します。
  2. 人権教育の推進(福祉総務課(人権啓発センター))
    幼稚園、小中学校のPTAを対象にした地域ふれあい講座、市職員と教職員を対象にした人権教育指導者研修会を開催し、人権意識の高揚を図ります。
  3. 人権啓発イベントの開催(福祉総務課(人権啓発センター))
    広く一般市民を対象に、人権に対する正しい理解と認識を深めることを目的に、クリエート夏まつりにおける人権啓発イベントを開催します。
  4. 浜松人権啓発活動ネットワーク協議会事業の実施(福祉総務課(人権啓発センター))
    磐田市、湖西市、浜松人権擁護委員協議会、静岡地方法務局浜松支局と連携し、人権の花運動や小学生人権書道・ポスターコンテストの実施、人権週間(12月4日~10日)に人権フェスティバルを開催します。
  5. 小中学校における人権教育の推進(指導課)
    各教科・領域において、人間尊重の教育を基盤において学習指導します。
  6. 人権啓発用絵本の作成(福祉総務課(人権啓発センター))
    幼児期からの人権啓発教育を推進するため、人権とは何かを簡単明瞭に分かりやすく問いかけ、考えさせる内容の絵本を作成し、幼稚園、保育園、小学校等へ配布します。

3)福祉教育の推進

<取り組み・内容>

  1. 共生・共育の推進(指導課(教育総合支援センター))
    特別支援学校に在籍する子どもが居住する地域の小中学校に交流籍を置き、交流及び共同学習を行います。
  2. 福祉体験学習事業の実施(指導課)
    市立小中学校において、主に総合的な学習の時間を活用し、福祉体験学習を積極的に実施します。
  3. 小中学校における人権教育の推進(指導課)再掲
    各教科・領域において、人間尊重の教育を基盤において学習指導します。
  4. 福祉教育体験事業の実施(社会福祉協議会)
    福祉体験講座の実施や福祉教育用に福祉用具の貸し出しを行います。

(2)人材育成と活動支援

人材育成の一環として、各種奉仕員養成をはじめとする養成講座やボランティア活動への支援等を実施しています。
また、研修会の開催等によりボランティア活動に関心のある人が参加しやすい環境をつくり、併せて団体活動の支援等を行います。

1)ボランティアの育成と活動支援

<取り組み・内容>

  1. 各種奉仕員養成講座の開催(障害保健福祉課、中央図書館(城北図書館))
    視覚や聴覚に障がいのある人のコミュニケーション支援やボランティアの育成を図るため、各種奉仕員養成講座(手話、要約筆記、点訳、音訳)を開催します。
  2. 精神保健福祉ボランティアの育成と活動支援(精神保健福祉センター)
    精神疾患や精神障がいのある人に対する理解者を増やし、地域で生活する精神障がいのある人への支援協力者となる精神保健福祉ボランティアの育成、コーディネートを行います。
  3. 地域スポーツ指導者の養成(スポーツ振興課)
    障がい者スポーツの指導者を養成し、スポーツを通じて社会参加の促進を図ります。
  4. ボランティアの育成と活動支援(社会福祉協議会)
    ボランティア育成のための研修会を行うとともに、ボランティア活動の利便を図るため、会議室、作業室や印刷機、録音機材等活動機材の提供を行います。
  5. ボランティア活動のコーディネート(社会福祉協議会)
    様々なボランティア活動を紹介し、ボランティア活動をしたい人の相談に応じます。
  6. ボランティア団体の活動支援(福祉総務課、社会福祉協議会)
    だれもが気軽に交流できる、身近なふれあいの集いづくりを進めるボランティア団体の活動を支援します。また、ボランティア団体等に対し、福祉事業への助成金を交付し、活動支援を行います。
  7. ささえあいポイント事業(高齢者福祉課)
    介護サービス事業所・障害者福祉施設等の施設や、地域の高齢者サロン・配食団体でのボランティア活動、また自身の介護予防活動に対して、換金・寄附が可能なポイントを付与します。

2)ピアサポートの推進

<取り組み・内容>

  1. 障がい者団体活動助成事業の実施(障害保健福祉課)
    障がいのある人の自立と社会参加を促進し、障がいのある人の福祉増進を目的とした障がい者団体に対し、団体の活動事業費を補助することで、障がいのある人の社会参加を促進します。
  2. 障がい者相談員の設置と育成(障害保健福祉課)
    障がいのある人やその家族の中から市が委託した相談員が、関係機関等との連携のもと当事者や家族の相談を受ける体制を整えます。また、相談の質の向上を目的に相談員を対象とした研修を実施することで、ピアサポートを推進します。
  3. 精神保健福祉関係家族会等連絡会の開催及び活動支援(精神保健福祉センター)
    市内にある精神保健福祉に関係する家族会等がお互いの活動を知り、連携の強化を図ることができる場として連絡会を開催します。また、家族会等が自主的な活動を行えるように支援を行います。

3)地域福祉活動との連携

<取り組み・内容>

  1. 地区社会福祉協議会の活動支援(福祉総務課、社会福祉協議会)
    地域における生活上の身近な課題の解決に取り組んでいる地区社会福祉協議会に対する支援により、住民主体による地域福祉活動を推進します。また、地区社会福祉協議会を中心とした地域ボランティアグループ相互の連携強化や交流の活性化を目的とした地域ボランティアコーナーの設置を推進します。
  2. ふれあい広場等の開催(福祉総務課、社会福祉協議会)再掲
    ふれあい広場等を開催し、障がいのある人に対する理解を深めるとともに、地域の交流を図ります。また、参加団体の拡大と自主運営の更なる充実を目指します。

4)市職員の障がいに対する理解促進

<取り組み・内容>

  1. 障がいを理解するための職員研修の実施(人事課)
    障がいのある人の人権やユニバーサルデザインの知識の醸成を図るため、新規採用職員に対して人権、ユニバーサルデザインについて学ぶ研修を実施します。
  2. 障がい福祉担当職員研修の実施(障害者更生相談所)
    区役所の障がい福祉担当新規配属職員等に対して、身体障害者手帳療育手帳、補装具等についての研修を行います。
  3. 精神障がいを理解するための研修会の開催(精神保健福祉センター)
    精神障がいのある人に接する機会のある行政職員及び関係施設職員に対し、精神障がいへの理解を深め、質の高いサービスを提供するために研修会を開催します。
  4. ユニバーサルサービス研修の実施(UD・男女共同参画課)
    お客様と接する機会の多い窓口担当職員等を対象に、高齢者や障がいのある人等様々なサポートが必要な人への配慮や、サービス提供の方法を学ぶ研修を行います。
  5. 障がい者差別解消に向けた職員研修の実施(障害保健福祉課)
    障害者差別解消法の趣旨及び障がいに対する理解を深め、障がいを理由とする差別の解消を図るため、職員に対し、必要な研修を行います。

コラム1 障がい福祉従事者の育成/学生とのふれあいを通して

聖隷クリストファー大学
福田 俊子

「メンバーの皆さんにたくさん助けてもらいました」と涙ぐむ学生たち。

これは、知的障がいのある人が通う就労支援事業所における実習をすべて終了した後に、学内で行われた授業の一コマです。社会福祉の実習では、教員が実習先に常駐しないので、学生たちは全く見知らぬ世界に放り出されるところから、一人ひとりの実習が始まります。実習生として、何をどのように行動したらよいかが分からずに困惑している学生たちに、メンバーの皆さんはやさしく声をかけ、丁寧に作業内容を教えてくださいます。

自分が支援するはずだったのに支援されている。こうした出来事との出会いが、利用者に「受け入れられた」「迎え入れられた」という実感になり、実習終了時における学生の涙へとつながっていくのです。

そして、学生はメンバーの皆さんと一緒に作業するなかで、集中力を切らさずに作業を「続けること」の難しさを知ります。単純作業なら自分にだってできるはず。当初、学生はそう思って取り組み始めるのですが、1時間もしないうちに、作業に飽きて集中できなくなってしまいます。これに対し、メンバーは新しいことを覚えるのに時間がかかることも多いけれど、いったん身体で覚えた作業には、驚くような集中力を持って取り組み続けます。

学生は仕事の内容にかかわらず、目の前にある仕事に対して真摯に取り組もうとするメンバーの姿勢に触発され、単純作業がだれにでもできることではないことを理解し、さらに、同じことの繰り返しにみえる作業に「取り組み続けること」の意味を考え始めます。もしかしたら、作業が「単純」であると決めつけているのは、自分たちの捉え方であって、メンバーは違うのかもしれない。メンバーは、作業一つひとつに興味を持ちながら取り組んでいるから、集中することができているのではないか。そんな話し合いが、授業で展開されていきます。

学生たちが、社会福祉現場に身をおき、利用者や職員の皆さんとのかかわりを持たせていただくなかで得ている様々な貴重な体験を「自分にとってよかった体験」という、いわば「点」の学習で終わらせるのではなく、「利用者の理解を深める体験」という「線」の学習へとつなげること。こうした地道な取り組みが、障がいの理解促進に結びついていくのではないでしょうか。以上のような実習教育を通して、教員もまた、利用者や学生から教えられ続けています。

 

注釈

民生委員・児童委員

民生委員は民生委員法に基づき厚生労働大臣から無報酬で委嘱された非常勤の特別職の公務員で、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い社会福祉の増進に努める人々。また、児童福祉法に基づき児童委員を兼ねるとされ、地域の子ども及び妊産婦の福祉の増進にも努める。

地区社会福祉協議会

地域における生活上の身近な課題について協議し、地域内の各種団体、組織と協力しながら住民主体の地域福祉活動を推進する自主的な住民組織。

障害者週間

12月3日から9日まで。障害者基本法において、国民の間に広く障がいのある人の福祉について理解を深めるとともに、障がいのある人が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めるために定められる。

ヘルプマーク

外見からは分からない内部障がいの人等、周囲の人に配慮や援助を必要としていることを知らせるために作成されたマーク。

ヘルプカード

ヘルプマークが標示され、緊急連絡先や必要な支援内容等が記載されたカード。

人権の花運動

ひまわりの花の栽培を通じてやさしさと思いやりの心をはぐくむ人権啓発運動。

ピアサポート

同じような立場の人によるサポート(ピア=仲間、同僚)。

身体障害者手帳

身体障がいのある人が各種サービスを利用するために必要となるもので、一定の障がいと認められると交付される。

療育手帳

知的障がいのある人が各種サービスを利用するために必要となるもので、一定の障がいと認められると交付される。

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浜松市役所健康福祉部障害保健福祉課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2034

ファクス番号:053-457-2630

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