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更新日:2017年6月6日

浜松市PTA連絡協議会PTA会長研修会(平成29年6月3日)

1 はじめに

 みなさん、こんにちは。浜松市教育委員会教育長の花井でございます。

 本日は6月3日です。今日は初夏の日差しがきらめいていますが、昨年は東海地方の梅雨入りは6月4日だったそうです。まもなく梅雨入りになるのでしょうか。暦の上では、今年は6月11日が入梅にあたります。

 梅雨時はじめじめとして、うっとうしくもありますが、「慈雨(じう)」という言葉がありますように、私たち人間をはじめ、生き物にはなくてはならない、水分を与えてくださる自然に感謝しなければならないのでしょう。

 さて、日頃、浜松市PTA連絡協議会の会員のみなさんにおかれましては、市内小中学校における教育活動に、ご理解とご支援をいただき、また、子供たちが安心して学ぶことのできる環境を作るため、家庭や地域において多大なご尽力をいただいていることに深く感謝申し上げます。

 新年度に入り、早くも2か月が過ぎました。子供たちも新しい環境に慣れ、毎日、充実した学校生活を過ごしているところです。5月には、市内の多くの小学校では運動会が行われました。元気いっぱいで笑顔あふれる中にも、真剣に取り組む子供たちの姿を御覧いただいた方も多いのではないかと思います。

 5月の連休中、浜松市内は「浜松まつり」で盛り上がりました。特に今年は、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で、直虎の幼少期「おとわ」役を演じた新井美羽(みう)さんが参加しましたので、凧揚げ会場は大観衆でにぎわいました。

 さすが子役だけあって、大観衆にも臆せず、笑顔を振りまいていた「おとわちゃん」でした。きっと、大凧の迫力にびっくりしながらも、「浜松まつり」の魅力を肌で感じたことと思います。

 私も同じ場にいたのですが、「おとわちゃん」の笑顔に限らず、初子のお子様の笑顔、それを囲む祭参加者の幸せそうな笑顔をみて、「やらまいか精神」を象徴する勇壮な「浜松まつり」が本市にあることを誇りに思う気持ちがいっそう強くなりました。

 本日はお時間をいただくことができましたので、大きく3つのことをお話ししたいと思います。「新学習指導要領が目指す学びの姿について」、「第3次浜松市教育総合計画推進のための3つの手立てについて」、「本年度の特色ある取組について」の3点です。

2 新学習指導要領が目指す「学びの姿」

 では1つめの柱、「新学習指導要領が目指す学びの姿について」お話しいたします。

 本年3月に新しい学習指導要領が示されたことは、みなさんも報道等を通してご存知かと思います。新聞でも、道徳の教科化や小学校高学年での外国語の実施などが取り上げられていました。「特別の教科 道徳」については来年度30年度から小学校で実施、翌31年度に中学校で実施となります。それ以外のものにつきましては、一部先行実施を行うものもありますが、小学校で平成32年度から、中学校で平成33年度からの完全実施となります。

 本日はせっかくの機会ですので、今回示された新学習指導要領が目指す「学びの姿」につきまして、みなさんにお話ししたいと思います。

(1) 社会に開かれた教育課程

 まず、最初に取り上げたいのが「社会に開かれた教育課程」という言葉です。「教育課程」とは、「学校で行う授業等の教育活動の計画」のことです。

 これまでは「開かれた学校」「地域とともにある学校」という言葉がありましたが、それらは保護者、地域の方々に対して、「どんどん学校に来て下さい」「学校も地域へ出て行きますよ」ということで、学校で行う教育そのものは、学校主体で行われてきていました。これからは、「教育課程」を社会に開くということですから、学校教育で目指すものを社会と共有しながら、社会全体で子供を育てていこうということです。

 なぜ、社会全体で子供を育てていかなくてはならないかと言いますと、これからの変化の激しい時代の中で、日本や世界は、多くの未知の課題に出会うことが容易に想像されます。その時に、課題の解決方法を導き出すためには、社会の総力をあげて創意工夫していかなければならないと思われます。一握りのエリートが課題解決に奮闘するのではなく、社会を構成する一人一人が主体となって課題解決に取り組む、そんな社会を目指す第一歩を踏み出していくのだという決意が、この「社会に開かれた教育課程」という言葉に込められています。

 そんなことから、文部科学省では今回の新学習指導要領を「学びの地図」という言葉で紹介しています。教職員だけでなく、保護者を含む市民が手に取って読むことも想定しているとのことです。文科省では、「子供たちに対して、『何のために』『どんな資質・能力を育てるのか』ということを分かりやすく示した」としています。

 この「学びの地図」という表現に、文部科学省の思いが込められていると思います。

(2) カリキュラムマネジメント

 次に、「カリキュラム・マネジメント」という言葉です。「カリキュラム」の意味は、先ほど説明しました「教育課程」つまり「学校で行う教育活動の計画」ということです。「マネジメント」は「経営、管理」という意味ですから、「カリキュラム・マネジメント」とは「教育活動計画を管理すること」という意味となります。

 みなさんよくご存知のように、学校では時間割を定め、学校行事等の計画を立て、教育活動を行っています。それらをつつがなく行うことが「カリキュラム・マネジメント」ではないかと考えると、当たり前のことではないか、とお感じになるのではないでしょうか。実際、私も当初は、「何を今さら」と思っていました。

 「カリキュラム・マネジメント」とは、「作られた計画を管理すること」ではなく、「地域や学校、子供の実態に応じた効果的、効率的な教育活動を編成し、実施する」ということです。そこでは、単に各教科それぞれの1年間の指導計画をつなぎ合わせるといったことではなく、例えば、「国語で育てた力を、数学の学習で発揮させることでより確かなものにする」とか、「社会科で得た知識を、野外活動等の実体験で活用することでよりよく身に付ける」など教科等を越えた横のつながりを図ることが求められます。また、小学校1年生から中学校3年生までの連続する学びの中で、育てたい資質や能力をどのように配置していくのかという縦のつながりを考えていくことも大切です。この横と縦のつながりを有機的に構成し、長期的に学ぶ力の育成を進めるという視点から教育計画を作ることになります。

 さらに、より効果的な教育活動とするために、実施時期や場所、実施に当たる人員や費やす予算などを組み合わせ、適切な配当と重点化を進める視点を持つことが重要です。これが、今、学校に求められている「カリキュラム・マネジメント」です。

(3) 資質と能力の三つの柱

 学習指導要領では、未来を託す子供たちに、幼稚園から小学校、中学校を経て大人になっていく過程を通して、子供たちには「学び続ける力」を身に付けていってほしいというメッセージを送っています。

 その「学び続けていく力」とは3つの資質・能力に支えられているとしています。

 一つ目は、学校の授業で指導する内容の中心と言える「知識・技能」です。「知識・技能」とは、言ってみれば、様々な問題解決の道具として活用されるものです。

 二つ目は、「思考力、判断力、表現力等」です。「知識、技能」を道具として、「どのように使うのか」という段階で発揮される力です。

 三つ目は、「学びに向かう力、人間性等」です。そもそも、私たちは何のために学ぶのか、何のために学んだ力を発揮するのか、という視点からの資質・能力です。

 これら三つの柱を意識しながら、これからの各小中学校では、それぞれの「学び」を構築していきます。そして、その積み重ねによって、生涯にわたって「学び続ける力」を身に付けていくのです。

(4) 主体的・対話的で深い学び

 「アクティブ・ラーニング」という言葉はみなさんも耳にしたことがあると思います。新学習指導要領の内容について審議を進める中で、かなり世の中に広まり、「アクティブ・ラーニング」という言葉を冠した教育書が大量に出版されました。

 しかし、今回示された学習指導要領にはこの「アクティブ・ラーニング」という言葉は出てきません。文部科学省ではあまりにこの言葉が先行してしまったために、「アクティブ・ラーニング」という言葉からの連想で、学校教育が方法論に走り過ぎてしまうのではないかと危惧し、使用を控えたということだそうです。その代わりに示された言葉が「主体的・対話的で深い学び」というものです。

 「主体的な学び」とは、「何のために学ぶのか」ということが、子供本人の腑に落ちていることです。また、学びの振り返りや、これからの学びの見通しを持つことも、学びの主体性にかかわってきます。

 「対話的な学び」とは、自分の思考した過程や結果を、話したり書いたりすることで、他者と交流、共有することです。ここではコミュニケーション能力も求められます。対話を通して、多様な視点があることに気付き、思考の幅を広げることができます。

 「深い学び」とは、繰り返し学びつつ、理解が少しずつ深くなっていく過程を指しています。ここで言う「学びの繰り返し」とは、先ほど「カリキュラム・マネジメント」のところで説明したように、一つの教科に留まらない「横」や「縦」のつながりを意識した継続的な学びをイメージしています。

 以上、4つの観点から新学習指導要領が目指す「学びの姿」をお話してまいりました。各学校では、現在、新学習指導要領実施に備えた準備を進めているところです。ぜひ、社会全体で子供を育てるという視点で、みなさんも関心を持っていただけたらと思います。

3 第3次浜松市教育総合計画推進のための3つの手立て

 次に2つ目の柱、「第3次浜松市教育総合計画推進のための3つの手立て」についての話題に移りたいと思います。

 この「はままつ人づくり未来プラン・リーフレット」の表紙の子供の横顔の写真を御覧ください。

 昨年度、浜松市教育総合計画「はままつ人づくり未来プラン」のキーワードである「未来を創り出せる子供を みんなの力で育てる」という言葉をイメージできる写真を、市内のすべての学校から募集しました。各学校の先生方から「おすすめの1枚」が、大量に集まりました。教育委員会事務局の総力を結集し、選考を重ね、見事表紙の写真に選ばれたのが、このお子さんの横顔を捉えた写真です。

 輝くまなざしで何を見つめているのでしょうか。表情全体の印象はとても柔らかいので、信頼できる周囲の友達や大人に囲まれて 安心しきって活動しているように思います。

 子供たちは日々、もっというと一日の中でも、時々で様々な表情を見せます。浜松市内の小中学校では、子供たち一人一人を大切にした教育を今年度も進めていきたいと考えています。浜松市教育総合計画「はままつ人づくり未来プラン」も3年目を迎えました。計画をよりよく進めていくための三つの手立てについてお話しいたします。

(1) キャリア教育

 まず、一つ目の手立てとして、「キャリア教育」を推進していきます。

 みなさんは「キャリア教育」という言葉に、どんなイメージを持っていますか?

 ・職業体験

 ・仕事について学ぶこと

 ・進路指導

などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

 私たちが考える「キャリア教育」は、そうした狭い意味のものではありません。

 「なぜ学ぶのか」「なぜ働くのか」を考えることを通して、子供たち一人一人が社会の中で自分らしい生き方を確立していくことを目指す手立てとして、キャリア教育の充実を考えています。

 キャリア教育を推進していく上で、大切にすべき視点として、次の3点を掲げます。

 1つ目の視点は「子供たち一人一人を大切にすること」です。

 一人一人の子供を大切にし、見つめ、応じることで、その子の「成長したい」という思いを受け止め、支援していくことがキャリア教育推進のベースです。

 2つ目の視点は「子供たちと社会とのつながりを大切にすること」です。

 私たちは、未来を担う子供たちが、将来、「社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の作り手となる」ことを願っています。このことから、様々な教育活動において、「子供たちが社会とのつながりを実感できる」ことを重視していきたいと考えています。

 3つ目の視点は、「『自分らしさ』を大切にした教育活動を推進すること」です。

 先に述べたように、キャリア教育とは、子供たちが大人になっていく過程で、学習や体験を通して自分らしい生き方を確立していくための手立てであるとらえています。つまり、「キャリア教育の推進」とは、「自分らしさを大切にした教育の推進」であります。

 日々の教育活動を、「子供の思いにそうこと」「社会とのつながりを意識すること」「自分らしさを発揮させること」を視点として、見直し、価値づけ、関係づけていくことで、浜松市の目指すキャリア教育を推進していきたいと考えています。

(2) 市民協働

 このように「キャリア教育」を推進していく上でも、また、新学習指導要領で掲げる「社会に開かれた教育課程」を進めていく上でも、「市民協働」、つまり「市民総がかりで健やかな子供の育成を図る」ことは、ますます重要になってきます。

 「はままつ人づくり未来プラン・リーフレット」裏表紙を御覧ください。

 昨年、「はままつ人づくりネットワークセンター」を立ち上げました。浜松市には魅力的な人材や素材が数多くあります。これらを「はままつの宝」と捉え、その宝を「人づくり」のために最大限に生かす仕組みとして、このネットワークセンターの活用を進めていきたいと思います。

 「私も、ぜひかかわりたい」「子供たちと一緒にこんなことができたら…」など、そうした思いを抱く市民の方たちも数多くいらっしゃると思います。みなさんの登録をお待ちしていますので、興味のある方は、ぜひ「はままつ人づくりネットワークセンター」のホームページをご覧ください。

(3) 教育の情報化

 浜松市教育総合計画「はままつ人づくり未来プラン」推進のためには、「教育の情報化」を進めていくことも大切だと考えています。

 みなさんも「ICT」という言葉を耳にすることが多いと思います。「ICT」とは、コンピュータやインターネットなど「情報通信技術」のことです。国では、学校のICT環境整備を進める計画を作っており、例えば「教育用コンピュータ1台あたりの児童生徒数が3.6人」などの目標を定めています。ICTを効果的に活用することで学習効果がより高まりますので、浜松市でも計画的に「教育の情報化」を進めていきたいと考えています。

4 本年度の特色ある取組について

 最後に、3つ目の柱、「本年度の特色ある取組について」、3点御紹介いたします。

(1) 総合的な子供支援の充実

 この4月から、学校生活や子育てなど、お子様に関するお悩みに対する相談窓口を一元化した「教育総合支援センター」を設立しました。本日、お配りしました資料の中にリーフレットが入っておりますので、お手に取って御覧ください。

 お困りのことがある場合、まずは「教育総合支援センター」にお電話ください。電話での相談や、来所していただいての相談、専門家によるカウンセリングなどの対応ができます。安心して御相談下さい。

(2) コミュニティスクールの推進

 先ほども触れた「市民協働」、「市民総がかりで健やかな子供の育成を図る」ことに関連して、浜松市教育委員会では、推進モデル校8校を指定し、「コミュニティ・スクール推進事業」を行っています。その成果や課題を検証しながら、「はままつ型コミュニティ・スクール」の運営方法等を確立していきます。

 こうした取組を通して、地域、保護者、学校がよりよく連携した学校づくりを目指しています。

(3) 学校運営改善(教職員の「働き方改革」)

 最近のニュースによく出てくるキーワードに「働き方改革」というものがあります。

 PTA役員のみなさんも、御自身が生徒として学校に通っていた時と、保護者、社会人として学校の教職員と接する現在とでは、「教職員の働き方」に対する認識が大きく異なるのではないでしょうか。

 よく言われるように、教育という営みには、限りがありません。「子供のために」とう言葉で、生活のすべてをささげる教師という生き方はすばらしいものです。

 一方で、「ワークライフバランス」という言葉もあるように、バランスよく仕事と生活を充実させることで、仕事の質を高めるという考えもあります。

 子供にとって、保護者にとって、教職員にとって、それぞれが「よりよく輝ける場」として学校があり続けることができるよう、中学校における部活動指導の問題など、教職員の「働き方」について、改めて見直していこうと思っております。

みなさんにもいろいろと御意見をうかがうことも考えております。ぜひ、御協力ください。

5 むすび

 結びになりますが、子供たちの健やかな成長を支えるのに不可欠なことは、何と言っても一番重要な教育環境である保護者、地域のみなさんが、明るく健康な状態で子供に接することであると考えています。 

 第3次浜松市教育総合計画については、みなさんもその推進役になっていることは間違いないことだと思っています。ここにいるみなさんが心身ともに健康で、学校、保護者、地域が一体となって、日々の教育実践に邁進できますことを祈って、本日のあいさつといたします。

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