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更新日:2017年4月20日

校長会挨拶・講話(平成29年4月14日)

1 はじめに

 新年度がスタートしました。新たな仲間を迎え、今日ここに校長先生方と再びお会いできることを大変うれしく思っています。今年は新年度のスタートが土日だったこともあって、教職員のみなさんは、4月6日、7日のスタートに向けてあわただしい時間を過ごされたのではないかと思っています。先生方の取組に感謝申し上げるとともに、管理職の皆様には、職員の心身の健康の把握について、御配慮いただけるとありがたく思います。

 さて、昨年度、私が毛筆で書いた「初心」という言葉ですが、各校長先生がそれぞれの学校において、教職員に「初心」という言葉に込めた私の思いについて語ってくださったこと、また、そのメッセージを常に意識することができるように校長室や職員室等に掲げてくださったこと、大変うれしく思いました。

 昨年度を振り返ってみて、市内の小中学校においては、幸いにして、大きな事件・事故が起こらなかったのは、ひとえに各学校における校長先生の努力によるものであります。さらに、付け加えるならば、私が「初心」に込めた思いを各学校で共有していただいたこともよい結果につながったのではないかと思っております。引き続き29年度も、「初心忘るべからず」で、着実な学校経営をお願いいたします。

 この、誰もが知っている「初心忘るべからず」という言葉ですが、この言葉は、およそ600年前に能を大成した世阿弥が50歳半ばに「花鏡(かきょう)」という書物に表わした言葉だと言われています。一般的には「はじめの志を忘れてはならない」という意味で使われますが、世阿弥は、「最初の志」だけではなく人生にはいくつもの初心があると言っています。「初心忘るべからず」とは、若いときの初心、人生の時々の初心、そして老後の初心、それらを忘れてはならないということだそうです。

 校長先生方にとっても、教員となることを志した時の初心、教員として第一歩を印した時の初心、初めて学年主任を命じられた時の初心、そして、校長として初めて学校に赴任した時の初心など、教員人生の中での様々な「初心」があることと思います。本年度は、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲と、教育委員会事務局の組織改編という二つの大きな改革が実施されました。私たちにとって大変大きな節目となる平成29年度となります。各校長先生方はもちろん、浜松市の全教職員、教育委員会事務局職員等、浜松市の子供にかかわるすべての職員が、この大きな節目を迎えるにあたって抱いた「初心」を忘れることなく、「夢と希望を持ち続ける子供」、「これからの社会を生き抜くための資質や能力を育む子供」、「自分らしさを大切にする子供」の育成を目指し、全ての小中学校が確かな歩みを始めることを期待して、私のあいさつといたします。

2 第3次教育総合計画の3年目にあたって

 さて、平成29年度のスタートにあたって、所属長の皆さんに、大きく2点、私の思いを伝えさせていただきます。

 まず、第1点目でございます。28年度末の3月31日に新学習指導要領が告示されました。昨年来、「社会に開かれた教育課程」、「カリキュラム・マネジメント」、「主体的・対話的で深い学び」など、今回の改訂を特徴づける言葉が話題となってきました。私は今回の改訂の趣旨を端的に表しているのが、これまでの学習指導要領には無かった「前文」であるととらえています。

 その「前文」には、教育基本法第1条に定める、「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期す」という教育の目的と、同法第2条に定める教育の目標が述べられています。さらに、「自分のよさや可能性を認識すること」、「他者を価値ある存在として尊重すること」、「多様な人々と協働すること」ができる子供を育てることを通して、未来を担う子供たちが将来、「社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の作り手となる」ことを求めています。これが、新学習指導要領が目指す教育の姿を端的に表すものであると考えております。

 この新学習指導要領が目指している教育の姿は、本市が策定している第3次教育総合計画の理念として掲げている「未来創造への人づくり」「市民協働による人づくり」を通して描かれる教育の姿と相通じるものです。

 本年度は、第3次浜松市教育総合計画「はままつ人づくり未来プラン」をスタートして、3年目を迎えます。1年目の平成27年度は、土を耕し、種をまきました。2年目の平成28年度は、種から芽を出し、また、地中に根を伸ばし、大きく成長するための準備時期となりました。そして、本年度29年度は、豊かに葉を茂らせ、伸びていく方向を定め、より強く根付かせる年となります。そのために必要な養分を与えること、つまり、第3次教育総合計画がよりよく進むために、手立てを打つことが大切です。

 教育委員会では、昨年度末に第3次教育総合計画の2年次、平成28年度の取組について、子供、保護者、教職員に評価していただいた結果をまとめました。その結果を総じていうならば、平成27年度と28年度の評価・検証結果を比べると、子供たちや保護者からの評価はよいものの、教員からの評価は厳しいものもありました。指導面や研修面での取組についての評価が低かったことから、平成29年度はそれらの点について見直しを図る必要があると考えております。教育委員会としても、新学習指導要領の周知とともに、第3次教育総合計画が一層推進されるよう、様々な取り組みを進めてまいります。

 各学校においては、国の動向や本市の教育総合計画を踏まえて、本年度の教育課程を編成していただいておりますが、今一度、本市教育総合計画の7つの政策と27の施策について確認いただきながら、各校の取組と照らしあわせ、目指す子供の姿の具現を目指していただきたいと思います。

 次に「キャリア教育の推進」について述べたいと思います。第3次教育総合計画の理念の1つである、「未来創造への人づくり」には、「自分の未来を自分で創っていく子どもを育てる」ということと共に、「郷土浜松の未来を、日本という国を支えていく、創っていく子どもを育てる」という意味も込められております。そのためには、子供たち一人一人が社会の中で自分らしい生き方を確立していくための手立てであるキャリア教育の充実が大切です。

 キャリア教育を推進していく上で、押さえるべき視点として、次の3点を掲げます。

 1つ目の視点は「子供たち一人一人を大切にすること」です。「はままつの教育 教職員版」でも述べているように、授業改善において最も大切にしたい根幹は「一人一人の子供を見つめ、応じる」ことです。一人一人の子供を大切にし、見つめ、応じることで、その子の「成長したい」という思いを受け止め、支援していくことがキャリア教育推進のベースです。「子供一人一人を大切にする」ことは教育の基本、大前提であります。この視点に立ち返り、日々の教育活動をより充実・発展させていくことが求められます。

 2つ目の視点は、「子供たちと社会とのつながりを大切にすること」です。新学習指導要領では、未来を担う子供たちが将来、「社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の作り手となる」ことを求めています。このことから、各学校では、「子供たちが社会とのつながりを実感できる」カリキュラム・マネジメントが求められます。その時に注意したいのが、単に「職業体験を充実させること」ではないということです。言うまでもないことですが、キャリア教育の充実とは、体験の充実だけで完結するものではありません。授業も含めたすべての教育活動の中で、社会を生き抜く力を育成するための方策を検討し、日々の教育活動に反映させていくことが大前提となります。それなしに体験活動を行うことを避けなければなりません。

 3つ目の視点は、「『自分らしさ』を大切にした教育活動を推進すること」です。先に述べたように、キャリア教育とは、子供たちが大人になっていく過程で、学習や体験を通して自分らしい生き方を確立していくための手立てであると捉えています。つまり、「キャリア教育の推進」とは、「自分らしさを大切にした教育の推進」であります。昨年度も何度となくお話させていただいていますが、「自分らしさの具現」とは、「自分勝手に生きる」という意味ではなく、一人一人の子供が高い志をもって、人間としてどう生きたいのか、どのような形で社会の中で貢献できるのか、という問いを真剣に考え、自分なりの答えを見つけていく姿であると考えています。

 日々の教育活動を、「子供の思いに添うこと」、「社会とのつながりを意識すること」、「自分らしさを発揮させること」を視点として、見直し、価値づけ、関係づけていただくことが、浜松市の目指すキャリア教育の推進となっていきます。ぜひ、各学校で取り組んでいただきたいと思います。

3 権限移譲と教育委員会の組織について

 2つ目の柱として、権限移譲と教育委員会の組織についての話に移ります。

 まず、権限移譲に関わることについては、新たに校長先生の仲間入りをした方も多数いらっしゃいますので、これまで話してきたことも含めて、改めてお話をさせていただきます。本年度からの県費負担教職員の給与負担等の権限移譲は、本市における教育に様々な変革をもたらすとともに、第3次教育総合計画を力強く推進し、浜松らしさや独自性のある教育行政を展開していく大きなチャンスであるということについては、これまでも繰り返し申し上げてきたことです。 その実現に向けては、校長の皆様の多大なる御理解と御協力をいただかなければならないと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、教育委員会組織の改編について申し上げます。教育委員会事務局として、権限移譲に的確に対応する必要があるということ、及びこれを大きな契機として、新たな行政需要に対応していくために、組織改正を行うことといたしました。具体的には、政策立案機能の強化、教育に係る相談窓口の一元化、施設整備事務の一元化、学校教職員の事務負担の軽減等を目的とした組織改正です。

 このことについて、もう少し詳しく説明をいたします。

 1点目は、新たに、教育総務課と教職員課に次長級のポストとして、教育政策全般を担当する参事と、教職員の労務管理を担当する参事を設置いたしました。前者については、昨年度までと同様、教育審議監として、学校と教育委員会のパイプ役、学校教育部内の総合調整を行います。

 2点目は、教育総務課に係ることです。政策立案機能を強化するために、教育総務課に特命事項を担う担当課長を新たに2つ設置しました。1つは、学校における子供の貧困対策の総合的な調整を行うもので、就学支援担当課長です。もう1つは、学校・地域連携担当課長であり、ここには校長経験者を充てました。これは、市民協働による人づくりの推進及び放課後児童会の充実を図るものです。なお、昨年まで、教育総務課には教育企画担当課長を置き、教育行政の重要施策の企画・調整業務や小・中学校の規模適正化の業務を担っておりました。これらの業務については、教育企画担当課長が廃止されたことに伴い、今年度からは、教育総務課長が担うということになります。

 3点目は、教育に係る相談窓口の一元化です。これに関しては、3月の議会質問においても数人の議員から質問がありました。これまで、教育に係る相談窓口は、学校教育部では大きく2カ所で実施してきました。御承知のように、1つは、指導課の中の1つのグループとして、イーステージ7階の教育相談支援センターで、不登校やいじめ、外国人児童・生徒の対応等を行ってきました。もう1つは、イーステージ5階の教職員課の中の発達支援グループにおいて、発達支援教育についての業務を担ってきました。このたびの組織改編で、2つの相談窓口を一元化し、イーステージ7階に教育総合支援センターを開設いたしました。これに伴い、新たに指導課に教育総合支援担当課長を設置しました。このことにより、保護者や学校からの相談、多様化する教育的ニーズに迅速に対応する体制が整いました。また、学校で不適応を起こしている子供たちに対して、必要に応じて教育総合支援センターがケースのコンサルテーションを行い、学校を支援していくことも予定しています。

 4点目は、施設整備事務の一元化です。これは、昨年度までの学校施設課に係るものです。現在、教育総務課が担っている放課後児童会の施設整備に係る業務を学校施設課に移管した上で、学校のみならず、学校敷地内のさまざまな教育施設の整備を担うことといたしました。これに伴い、名称も学校施設課から教育施設課に変更いたしました。

 5点目は、昨年度までの保健給食課に係るものです。子供たちの健康保持、それから防災対策を含めた学校安全に関する所管を明確化するために、課の名称を保健給食課から、健康安全課に変更いたしました。

 6点目は、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に関することです。この権限移譲に円滑、効率的に対応するとともに、学校教職員の事務負担の軽減を図るために、小・中学校の拠点校8カ所に、学校事務センターを新たに設置いたしました。学校に設置した最大の理由は、事務職員が、学校における課題を見つけ、それを踏まえて教員の負担を軽減していくことにつなげたい、という願いからであります。

 私は、この事務局組織の見直しは、外から見える部分だけではなく、各課のもつ業務の見直しや、分掌の見直しなども合わせて行わなければ、第3次教育計画の大きな理念の具現にはつながらない、と考えています。政令市に移行した10年前にも事務局組織の大きな見直しを行ったところですが、今回の事務局組織の見直しは、繰り返すことになりますが、権限移譲への対応とともに、時代の要請や浜松の課題に的確な対応をしていこうという大きなねらいがあります。

 一方で、浜松市では組織の簡素化・効率化を図るために、定員適正化計画のもと、「少数精鋭」の組織づくりを目指していることから、事務局内の大幅な増員を図ることは難しい状況にありますが、新たな組織を有機的に機能させ、組織再編のねらいを着実に実現していきたいと考えています。

 新約聖書に「新しい酒は新しい皮袋に盛れ」という言葉があります。新しい内容や思想を表現するためには、それに応じた新しい形式や方法が必要であるという意味だと理解しています。このことは組織だけでなく、そこで担当業務に取り組む私たちも、新たな姿勢・考え方で臨んでいかなければならないと強く感じていますし、昨年来、私が、市内の教職員のみなさんに呼び掛けてきた「たゆまぬ自己改革」は、まず、事務局自ら範を示す必要があると思っています。あわせて、名実ともに市職員になった教職員、特に校長には市政全般にも目を向けて、視野を広く持てる校長になってもらいたいと考えております。

4 むすび

 結びになりますが、みなさんには、御自身の健康保持増進には十分ご留意いただきたいと思います。あわせまして、所属の職員の健康管理にも気を配っていただきますようお願いいたします。校長職は最高責任者であり、後ろ盾のない神経をすり減らす仕事です。リフレッシュする時間を十分とりながら、健康第一でお仕事をしていただければと思います。

 これから仕事を遂行していく上で、心配なことがあれば、早め早めにご相談いただければ、傷口の小さなうちに手当てできますし、教育委員会としても適切な対応への助言が可能になると思っています。また、権限移譲、組織改編と大きな枠組みが変わった節目の年ですので、これまで見えなかった課題が目につくこともあるかもしれません。改善には限りがありませんので、様々な声を寄せていただき、よりよい「はままつの教育」の推進を目指していきたいと思います。

 浜松の子供たち一人一人のために、各小中学校の充実した教育活動をお願いし、年度始めの話といたします。

 

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