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更新日:2017年10月6日

校長会(平成28年10月11日)

 本年度も折り返し地点を過ぎました。2学期は各学校で様々な行事が目白押しで、その分、子供たちの活躍の場面が数多くあります。現場の教職員のみなさんの様々な“仕掛け”が子供たちの成長につながることを、多いに期待しているところです。
 日々の授業も、1学期からの積み上げの上に、充実したものになっていることと思います。研究発表会も今週末の笠井中学校を皮切りに、スタートします。市内の教職員の授業をじっくり見ることができるシーズンの到来ということで、私も楽しみにしているところです。当該の学校には引き続き御苦労をおかけすることになりますが、職員を鍛え、育てるよいチャンスととらえ、御指導をお願いいたします。併せまして、発表校の研究成果が市内の各学校での実践に広がっていくことを期待しています。
 さて、9月3日にPTA指導者研修会が行われ、市内各小・中学校のPTA役員の方々にお話をする機会をいただきました。その話の終盤にこんな一節を盛り込みました。みなさんには“釈迦に説法”になりますが、学校に深く関わる保護者の方々の前で話したことでもあり、この場で共有したいと考え、紹介します。
教育基本法の第1条についてです。
 教育基本法の第1条には、教育の大きな目標として、ひとつには「人格の完成」、もうひとつは「平和で民主的な国家の形成者の育成」が示されています。言葉を変えるなら、教育は、国民一人一人の自己実現の根幹であるとともに、国や社会の発展の基礎になっているとも言えます。
 ことに、すべての国民に地域格差なく、一定水準以上の教育を保障する義務教育は、社会の存立にとって極めて重要で不可欠なものであると、私は認識しています。それを踏まえれば、義務教育の失敗は、国家・社会の基盤を揺るがすことにもなりかねません。私たち子どもに関わる大人は、そのような強い“覚悟”を持って日々の実践に取り組まなければならないと考えています。
また、そのことは学校や教育委員会だけで全うできるものではないと考えています。みなさんには、今後も浜松の教育、そしてみなさんが関わる、それぞれの学校における教育に、引き続き御支援と御協力をいただきたいと強く願っています。
 以上が今日、紹介したかった一節です。
 御承知のように、8月26日に中教審 初等中等教育分科会 教育課程部会で「審議のまとめ」というものが出されました。まとめとは言っても、300ページ以上あるものですし、キーワードだけでも多数あり、それぞれにコメントする時間はありませんので、一つだけ絞り込んで私の考えを話したいと思っています。
 それは「資質・能力の三つの柱」についてです。
学校教育法第30条2項に示された目標、「基礎的な知識及び技能の習得」「思考力・判断力・表現力その他の能力の育成」「主体的に学習に取り組む態度」、これを踏まえて「資質・能力の3つの柱」に基づいて教科の目標や指導を整理していくことが求められているということなのですが、改めて三つの柱に使われている文言を見てみると、
1生きて働く「知識・技能」の習得 
2未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成 
3学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養 
となっています。
 今、少しゆっくり話した部分「生きて働く」とか「未知の状況に対応できる」とかいった部分ですが、これは、私自身の学校現場での経験やこれまで見てきた様々な学校の教職員の実践を振り返る中で、ふと「これって、授業が上手な先生だったら、やってきていることだよな」と思ってしまったのです。みなさんも、教諭時代の実践を、ここに掲げられている目標などと照らし合わせてみてください。きっと「ああ、あのときやっていたことは、ここで言っていることに当てはまるよな」という事例は多数あると思います。
 これは現在、子供たちの前で授業を行っている教職員にも言えることでしょうが、そのねらいまできちんと意識して実践している方は、意外に少ないのかもしれません。同じ実践でもねらいと、目指す子供像をきちんと意識して取り組めば、その効果は何倍にも膨らんでいくはずです。
先ほどのPTA研修会で紹介した話の核は「義務教育の失敗はあってはならない」ということですが、学習指導要領が変わるたびに、ややもすると、いわゆるキーワードばかりに目が向き、その土台となる部分を見失うということはなかっただろうか、そんな思いも持ったところです。
こんな言い方をすると、まさにこれから始まろうとする新学習指導要領を否定しているかのように聞こえるかもしれません。そうではなく、新学習指導要領への対応を機に、これまで取り組んできた実践と、これから新たに取り組むことを整理(構造化)すること、自校の教育課程へどのようにしてわかりやすく反映していくかということを、それぞれの学校として考えていかなければならないと思います。みなさんには、御自身の経験や積み重ねてきた実践の根幹にあったものを踏まえつつ、新学習指導要領の目指すものを読み解き、そこへのソフトランディングを意識した自校の教育課程の整理に、じっくりと取り組んでいただきたいと思っています。

(中略)

 冒頭、研究発表会の話題を取り上げましたが、これまでの私の話の流れから、ふたつほど、お願いめいたことを申し上げます。
 前回、7月の校長会で、「夢は牛のお医者さん」というドキュメンタリー映画を取り上げながら、第3次教育総合計画の肝になるものは、「キャリア教育」である、というお話をさせていただきました。その流れの関係から、一つ目のお願いです。
 今週末行われる笠井中学校の研究主題は「未来に向かい、主体的に学び続ける生徒の育成」です。サブタイトルは「キャリア教育を視点にした授業改善」となっており、全体計画や、各教科の基礎的汎用的能力についての「笠井中学校としての」提案を見ることができるようです。校長によれば、研究協議にも参加していただくことで、笠井中が考える「キャリア教育」がより深く理解していただけるとのことです。既に参加申し込みは済んでいるようですが、みなさんの学校に「それならこの職員に勉強させたい」という方がおりましたら、まだ若干の受け入れは可能とのことですので、笠井中に連絡・相談してみてください。
 二つ目のお願いです。
 研究発表会では指導案をはじめとして、様々な資料を持ち帰ることができます。最近ではデータのやりとりなどもできますから、他校の研究成果を自校で活用することができます。冒頭、発表校の研究成果が、市内の各学校での実践に広がっていくことを期待している旨の発言をしましたが、ここで言う「広がり」をもう少し説明させていただきます。
 「研究発表会で、こんな資料をもらってきたから、ウチの学校でも、これでやってみようか。」
 この考え方にいささか無理があるのは、御理解いただけると思います。目の前の子供の実態、あるいは地域の実態を踏まえていけば、「ここは使えるが、ここはウチの学校なりのものにしないといけない」と考えるのが自然でしょうし、自校での活用の際には「ウチの学校ではどうか」という視点で、手に入れた資料を、ある意味、科学的・客観的な目で自校と比較検証しながら活用すること、そのことが、私が期待する「広がり」であることを御理解いただきたい、そう思っているところです。
 むすびになりますが、学校現場は、教職員の「目の前にいるこの子を何とかしたい」という強い使命感によって支えられています。そうした中で、多くの教職員には自分の時間を切り詰めるなど、負担をかけていることについて、いつも心苦しく思っています。
 小中学校とも、2学期後半には大きな行事も終わり、中学校では部活動も新人大会・駅伝大会で一区切りを迎えます。定時退庁の日を意図的・計画的に設けるなどして、職員にはメリハリのある勤務ができるよう、みなさんの御配慮を期待しています。
「選手を休ませることもコーチの仕事」と言ったのは女子マラソンでQちゃんこと高橋尚子選手をはじめ、多くの有名選手を育てた小出義雄氏ですが、「職員を休ませることも校長の仕事」だと思います。
 みなさん方御自身の健康管理とともに、各学校の教職員のみなさんが健康で年度後半の実践に取り組まれることを期待して、私の話といたします。

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