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更新日:2017年4月1日

第2章 構想のグランドデザイン

1.理念と目標

本市は、古くからのものづくり技術を基盤として、楽器、輸送用機器、光・電子分野の世界的企業を輩出するなど、着実な発展を遂げてきた。近年では、輸送用機器産業が中心となって地域産業をけん引してきたが、国内市場の縮小、海外生産へのシフトなどにより、リーマン・ショック以降の製造品出荷額は伸び悩んでいる。

こうした中、地域経済の持続的な発展には、地域全体が一体となって、既存産業の高度化を図るとともに、これからの成長分野へ果敢に挑戦し、新たな産業を創出、集積することが必要となる。それには新技術・新製品の開発や新事業展開など、企業の創造と革新への取り組み、すなわちイノベーションへの挑戦が不可欠となる。

イノベーションの実現には、個々の企業の「自主・自立」によるチャレンジが何よりも重要であり、地域全体にこの連鎖を広げていくには、地域中核企業、大学、産業支援機関、金融機関、行政など、地域の産学官金が一体となった取り組みが大切になる。

各企業が、自社の強みを生かしたイノベーションを実現し、世界的企業、オンリーワン企業が生まれ育つ都市、さらには成長分野など新たな事業に果敢に挑戦する企業が集積する都市・浜松を目指す。

本構想の目標として、「産業イノベーション都市・はままつ」を掲げ、目標の具現化を目指し、引き続きさまざまな取り組みを行っていく。

2.共通課題

構想の目標である「産業イノベーション都市・はままつ」の実現に向けて、取り組むべき共通課題は、次の通りである。

(1)持続的に発展する産業への転換

1)「広義のものづくり」への支援
ハードの「ものづくり」はもとより、ソフトやシステムの中に人とのつながりや夢・遊びなどを取り込み、ブランド、さらには文化性など、新たな付加価値を生み出す「ことづくり」も含めた「広義のものづくり」を本構想の対象とする。

2)複合的産業構造への転換
これまで本地域の強みとなってきた輸送用機器産業とともに、地域経済の柱となる成長産業が複数存在する複合的な産業構造への転換を図ることで、不況や円高、さらには内需・外需の変化に対応できる足腰の強い産業構造を目指すことが必要である。

3)新・リーディング産業の創出
成長が期待される分野に焦点を絞り、地域が保有する基盤技術や地域資源などを活用して、地域経済をけん引できる新たな産業の創出を目指す。このため、地域全体が自由に協業できるオープン・イノベーション(※)に基づく産学官金の連携や、地域に不足している技術、人材などを地域外から積極的に活用することが必要である。

(2)革新的な中小企業の創出

1)「自主・自立」による提案型企業への変革
地域の中小企業は、依存型、下請け型の体質を脱却し、「自主・自立」による提案型企業への変革が求められている。系列を超えた企業とのネットワーク構築や大学との連携、公的な開発支援制度(競争的資金)など、さまざまな資源をオープンに活用して付加価値の高い技術や製品を生み出す革新的な中小企業への変革を促す必要がある。

2)競争力の強化
サプライチェーン(※)の再構築などにより、企業の生産拠点の集約・移転が進む中で、生き残りをかけ、個々の技術力や競争力を高めていくことが求められている。人材育成、経営力や技術力の強化、市場や消費者を意識したマーケティングなどを支援し、製品の高付加価値化や販路の開拓等を促進するなど、企業の競争力強化を図ることが必要である。

(3)オール浜松体制の産業支援

1)イノベーション推進機構を中心とした産業支援の強化
人材育成、技術開発、情報の収集・分析・展開、販路開拓、知的財産活用等の支援は、地域の産学官金が連携して実施する必要がある。このため、イノベーション推進機構が、浜松地域の産業支援機関や大学等とのネットワークの要となり、産業支援のコンシェルジュ(相談・案内機能等)の役割を果たすことで、企業が利用しやすい産業支援体制を構築することが求められている。

2)産学官金連携及び広域連携の強化
地域の産学官金の支援機関は、本構想のビジョンを共有して事業の方向性を一致させるとともに、役割分担と相互補完を進めることで、地域全体として効率的、効果的な産業支援につなげていく必要がある。
また、イノベーションの創出には、外部資源の活用もカギとなるため、県西部の広域連携はもとより、三遠南信地域、さらには中部圏等との連携に積極的に取り組み、広域連携による地域の産業振興を進める必要がある。

3.基本方針

基本方針 成長市場・新産業の創出

本市は、繊維産業、楽器産業、輸送用機器産業など、ものづくりを中心に発展を遂げてきた。
これまで本市の発展を支えてきたものづくりの高度な基盤技術は、国際的にも優位性を持つ浜松地域の産業の基幹である。これら既存産業の高度化・高付加価値化、ブランド化を図るとともに、自動車や楽器などの既存のものづくり技術に、本市の強みである光・電子技術、IT技術等を融合させ、新たな産業を創出するなど、複合的な産業構造への転換を目指す。
このため、次世代輸送用機器、健康・医療、新農業、光・電子、環境・エネルギー、デジタルネットワーク・コンテンツ(※)を重点的な成長分野として位置付けるとともに、業種や分野を超えたイノベーションを促進し、新技術・新商品の開発、新市場の開拓を促す。

1)次世代輸送用機器
2)健康・医療
3)新農業
4)光・電子
5)環境・エネルギー
6)デジタルネットワーク・コンテンツ

(1)成長6分野の重点支援

1)次世代輸送用機器

既存の輸送用機器関連の技術を生かし、軽量化・電動化・IT化・ネットワーク化が進む次世代輸送用機器に対応するため、新たな技術の習得や高度化の促進を目指す。

【基盤技術】

  • 新素材(CFRP「炭素繊維強化プラスチック」(※)、チタン、マグネシウム、CNF「セルロースナノファイバー」(※)等)の応用技術
  • 新加工技術による軽量化技術
  • 高機能性素材技術、表面改質技術
  • 樹脂成形技術
  • 精密金型製造技術
  • CAD、CAM、CAE(コンピュータ支援設計・支援製造・支援解析)(※)
  • ロボテックス(※)
  • 自動運転・安全制御技術
  • ユニット化・モジュール化技術
  • 各種センサー技術
  • インダストリー4.0関連技術
  • IoT(モノのインターネット)(※)技術
  • 組込みソフトウエア及び制御機器設計技術
  • AI(人工知能)(※)技術

【成長市場とリーディング事業・産業】

  • 航空宇宙等精密製品
  • ロボット
  • EV(電気自動車)
  • FCV(水素・燃料電池)
  • HV(ハイブリッド自動車)
  • PHV(プラグインハイブリッド自動車)
  • コネクテッドカー(※)
  • スマートモビリティ(※)

2)健康・医療

浜松地域の基盤技術(輸送用機器関連技術、光・電子技術、ソフトウエア技術等)の転用や浜松医科大学等に蓄積された医学・医療関連技術との融合により、医療現場の具体的ニーズに基づく医療器具分野での事業化・製品化等、健康・医療産業の創出を目指す。

【基盤技術】

  • 質量・細胞・生体イメージング技術
  • 生体材料技術(臨床的)
  • 放射線検査と診断技術
  • チタン等成形加工技術
  • 超音波診断技術
  • 光学的診断・治療技術

【成長市場とリーディング事業・産業】

  • 医療、介護ロボット
  • 手術等医療アシスト機器
  • 先端医療機器
  • 画像検査装置等

3)新農業

全国有数の農業生産地域である強みを生かし、農業に工業技術やIT技術などを取り入れ、高度化された施設栽培等の革新的な高付加価値型農業への転換をはじめ、成長産業化を技術で支援する。また、農業の6次産業化に向けて、安全・安心な「食」「農」を基軸に農業ビジネスの創出を目指す。

【基盤技術】

  • 土壌の特性と成分に関する技術ノウハウ
  • 環境診断技術
  • 農業生産における制御技術(温度、光、水管理等)
  • 鮮度保持管理技術

【成長市場とリーディング事業・産業】

  • 農業ロボット
  • 植物工場
  • 食の安全モニタリングビジネス
  • 食品流通・貯蔵ネットワーク
  • 農水産物の鮮度管理ビジネス

4)光・電子

本市には、光・電子技術に関連するトップランナーである中核企業や、その関連企業が集積している。国際優位性を持ち、あらゆる産業の基盤技術となる光・電子技術を活用した「フォトンバレー」の創出を目指す。

【基盤技術】

  • センシング、モニタリング技術
  • 制御システム技術
  • レーザー加工技術
  • 光学系システム技術
  • 画像処理・診断システム

【成長市場とリーディング事業・産業】

  • レーザー関連装置
  • 電子機器(スマートフォン、次世代ディスプレイ等)
  • 次世代輸送用機器、医療、新農業などの他分野連携
  • 宇宙観測等関連産業

5)環境・エネルギー

エネルギーに不安のない強靭(きょうじん)で低炭素な社会「浜松版スマートシティ」を実現するため、再生可能エネルギー(太陽光発電等)、省エネ及びスマートコミュニティ(※)等に関する新事業の創出を目指す。

【基盤技術】

  • 再生可能エネルギー等発電関連技術
  • 省エネ関連技術
  • スマートコミュニティ関連技術
  • 水素関連技術

【成長市場とリーディング事業・産業】

  • 再生可能エネルギー等発電産業
  • 省エネ改修、省エネサービス産業
  • スマートコミュニティ
  • 水素関連産業

6)デジタルネットワーク・コンテンツ

ものづくりをはじめとする地域産業の高度化や高付加価値化に不可欠な地域のソフトウエア業や情報処理サービス業のほか、情報通信技術や創造性の高いコンテンツ分野に関連する産業や技術の振興を目指す。

【基盤技術】

  • CAD、CAM、CAE(コンピュータ支援設計・支援製造・支援解析)
  • デジタル生産システム
  • ネットワーク設計、サプライヤーネットワークシステム
  • ビジネスモデル構築ノウハウ
  • 3次元CG
  • ビッグデータ(※)解析技術
  • ICT(情報通信技術)(※)技術
  • IoT(モノのインターネット)技術
  • AI(人工知能)技術
  • 音声認識・音声合成技術
  • セキュリティ技術

【成長市場とリーディング事業・産業】

  • 自動観測・モニタリングシステム
  • 映像・音声・ゲーム等のコンテンツ産業
  • SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
  • クラウドサービス(※)
  • 検診治療データ情報サービス
  • スマートハウス、EV車利用等のエネルギーマネジメント
  • 資源探査システム
  • インフラ監視システム
  • 安全防災マネジメントシステム

 

(2)地域産業の革新(地域基盤技術の高度化)

繊維、楽器、オートバイなどの伝統的な地域産業と、鋳造、鍛造、切削加工、めっき等の多様な素形材技術は、地域の貴重な財産であり、本市のものづくりの基盤でもある。これらの製造技術、技量、技能、ノウハウを次世代へ伝承することは地域の責務である。
それらに磨きをかけ、地域独特の強み(産業文化)・付加価値として、他地域との差別化、ブランド化を図るとともに、グローバルな視点から新市場の開拓を促進する。また、高い技術レベルにある本地域の素形材技術等のさらなる高度化や新技術の導入を促進していく。

4.基本的戦略

目標を達成するため、基本方針に従い、以下の戦略を進めていく。

[戦略1] オープン・イノベーションの推進

新たな産業の創出に向け、研究開発、事業化、製品化などについて、大学や企業の系列等の垣根を越えて産学官金が連携し、国・地域内外の人材・技術・資金・情報などのさまざまな資源を活用、投入できる「オープン・イノベーション」の体制を確立し、成長市場を創出する。産と学の技術者がグループを構成し「開発ユニット」となり、プロジェクトの創出や起業家の育成を進める。
また、大企業等が求めている技術やアイデアなどのニーズと地域の優れた技術を連携・仲介することで、地域企業の新事業展開や事業拡大を図る。
さらに、「国土縮図型」政令指定都市である本市の多彩なフィールドでの実証実験を推進し、民間活力を最大限生かして、地域内外の民間事業者、大学、市民参画によるビジネスモデルの創出を目指す。

(1)大学の研究施設等を拠点とする「オープン・イノベーションの場」の設置

  • 大学、企業の研究者等が自由な議論、先端技術の共同研究に取り組む場の設置
    (「オープン・イノベーションの場」:(静岡大学、浜松医科大学、光産業創成大学院大学ほか)

(2)コーディネーターによるオープン・イノベーションの推進

  • 新規事業展開・事業拡大支援(「実施機関」:イノベーション推進機構ほか)

(3)実証実験によるビジネスモデルの創出

  • 多彩な市域フィールドを活用した実証実験の推進
  • ビジネスモデルの創出

(「実証実験」:浜松自動運転やらまいかプロジェクト、浜松市スマートシティ推進協議会ほか)

[戦略2] 創業・ベンチャー支援

創業に関連する支援機関が一体となり、「はままつスタートアップ(※)」を構築し、その総合窓口である「はままつ起業家カフェ」が中心となって、創業しやすい環境を整える。
また、創業間もないベンチャー企業から株式公開を目指すベンチャー企業まで、さまざまなステージにおける成長を後押しするとともに、企業間のネットワークの強化や起業家マインドの育成などを総合的に取り組むことでベンチャー企業が集積する「浜松バレー(※)」の実現を目指す。

(1)創業支援

  • 創業相談
  • 人材育成(起業に向けた勉強会・セミナー開催)
  • 創業者のための融資・ファンド・助成金等の活用

(2)ベンチャー支援

  • ベンチャー企業の成長支援

(3)ネットワークの強化

  • 意見交換や交流の機会の提供

(4)起業家マインドの育成

  • 子供から大人まで起業家マインドの育成

[戦略3] 企業力の向上支援

イノベーションの創出に必要な企業の基礎体力ともいうべき、ヒト、モノ、カネ、情報の経営資源のさらなる強化を支援していく。

(1)人材育成、技術の高度化

1)人材育成(経営者の意識改革、技術専門スキル)

  • 経営者の意識改革の促進
  • 産学官金の連携による人材育成事業の実施(専門スキルの向上)
  • 「浜松ものづくりマイスター」を活用した地域中小企業の人材育成及び基盤技術の継承支援
  • 次代を担う若手人材の育成・支援・確保

2)外部人材の登用

  • 外部から専門的な知識や経験を持つ優れた人材の登用を推進

3)技術スキルの向上、研究開発の支援

  • 基盤技術の高度化、新事業展開の促進
  • 事業化に向けた研究開発費助成の充実
  • 研究開発における産業支援機関による支援体制の強化
  • 成長分野への新規参入の促進

(2)国内販路開拓支援

  • 見本市・商談会への出展支援

(3)知的財産活用

  • 大学等の技術シーズの発掘・活用支援
  • 知的財産を活用した経営戦略の構築支援

(4)資金調達の支援

  • 公的資金、金融機関の融資・ファンド等の活用

[戦略4] 海外ビジネス展開支援

国内需要の伸び悩みや製造業を中心とした地域企業の海外生産及び現地調達化の進展に伴い、東南アジア等の成長国への進出や海外販路開拓によって海外需要を取り込み、国内事業の活性化を図ろうとする意欲的な中小企業の海外ビジネス展開を積極的に支援する。

(1)支援体制の強化

1)関係機関との連携促進

  • 海外経済交流推進協議会への支援
  • 協議会参画機関の拡充と連携強化

2)外国政府機関との交流促進

  • 現地操業環境の向上に向けた政策提言等の実施
  • 連携事業の実施(セミナー、商談会、投資環境視察ミッション等)

3)進出企業のサポート体制の強化

  • アセアンビジネスサポートデスクの機能強化
  • 欧米などASEAN域外の支援体制の構築

(2)海外進出支援

1)海外ビジネスの情報提供

  • 「海外ビジネス展開支援に関する協定」締結機関との連携強化
  • 連携事業実施(セミナー、勉強会、相談会等)

2)新規市場開拓への支援

  • 投資環境視察ミッションの開催等現地情報の提供
  • 産業支援機関等と連携したハンズオン支援の実施

(3)海外販路開拓支援

  • 見本市・商談会への出展支援
    成長6分野及び地域産業に関連する国際見本市への継続出展と新たな出展見本市の開拓(浜松市ブース設置)
    海外販路開拓に向けた見本市出展に対する助成制度の充実
    ASEAN等における市内企業の現地販路拡大に向けた商談会の開催、出展支援
    地域金融機関等との連携による出展支援体制の構築

[戦略5] 企業立地・誘致支援

産業構造の変革に対して、成長分野における企業をターゲットとした、戦略的な企業誘致をオール浜松体制で推進するとともに、本市産業との融合により、新たなイノベーションが期待できるベンチャー企業の誘致や新産業の集積を促進するための立地環境を整備する。

(1)戦略的な企業立地支援

  • 「内発型」「外発型」の企業立地の推進
    市外への企業流出を防止するための「内発型」の立地推進と企業誘致等による「外発型」の産業集積を促進
  • オール浜松体制による企業誘致
    地域の産学官金連携によるオール浜松の企業誘致体制の確立

(2)ベンチャー企業の誘致

  • 市内企業とのマッチング等の支援
  • サテライトオフィスの整備等

(3)立地環境の整備

  • 総合特区制度など法規制の緩和を活用した工場用地の確保
  • 工場用地開発事業調査等の実施
    工場用地開発可能性調査等による、今後の立地需要に対応した整備手法の検討

 

 

(※)は用語解説を参照

 

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