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更新日:2019年3月11日

第6章 全体計画(3)

6-3 自然循環機能の維持・増進

(1) 自然エネルギーの利活用の促進

農村地域に豊富に賦存する農業用水、太陽光、風力といった再生可能な自然エネルギーの利活用に積極的に取り組み、農業関連施設の維持管理費の軽減を図るとともに、温室効果ガス排出量の削減や、これによる農村地域の新たな価値の創出・活性化に寄与します。
特に、本市の日照時間は、全国的に見てもトップクラスの水準であるため、この日照時間を活かし、地球温暖化対策として、ファームポンド上にパネルを敷き詰めて太陽光発電に利用することや用水路での小水力発電など、農村地域での自然エネルギー利用を検討していきます。

年間日照時間の比較(トップ5)

図6-4 年間日照時間の比較(トップ5)

(2) 環境保全型農業の促進

農地及び農業用排水路の生物の生息・生育空間としての機能を向上させ、河川や浜名湖、佐鳴湖、遠州灘等の水辺への環境負荷の低減を図るため、化学合成肥料・農薬の削減、土壌流亡・肥料分流出の抑制、草地の保全といった環境保全型農業の促進を図ります。環境保全型農業への取組は、環境への意識の高い農家で行われていますが、十分とはいえない状況です。農業者が環境保全型農業などの持続性が高く、付加価値をもつ農業生産方式を導入しやすくするための対策として、講習会の開催や専門家の派遣などの支援策を講じたり、エコファーマーとしての認定取得を支援したりします。また、こうした環境保全型農業で生産された農作物は、食の安心・安全を生むものであり、農産物の新たな付加価値として、ブランド化していくことが重要です。

【農林水産生きものマークモデル事業】
持続可能な農林水産業の維持・発展に不可欠である生物多様性保全の取組を、その地域の生き物を通して分かりやすく伝える事業であり、「生きものマーク*」を活用することにより、生産者にとっての取組へのインセンティブなります。また、消費者も購買活動を通じて生物多様性保全に参加することができます。こうした、地域の生物多様性の保全・再生と、地域の農林水産業(産物)のブランド化を一体的に進めようとする取り組みが各地で開始されています。
*生きものマーク:生物多様性の保全に配慮した取組によって生産された農林水産物であることを、地域の代表的な、又は身近な生きもの等を通じてアピールする新しい取組です。
浜松市での生きものマークの取組事例としては、里山ねっと三ヶ日の子負い米があります。

事例:たかしま生きもの田んぼ米(滋賀県高島市
<事例:たかしま生きもの田んぼ米(滋賀県高島市>


高島市の呼びかけに応じた農家グループ・たかしま有機農法研究会による、地域の豊かな自然との共生をテーマとした環境保全型のブランド米を生み出すための取組です。さらに、農村地域では、食料生産に加えて、国土や水を守り、自然環境や生物多様性等を保全する多面的な機能を有しています。こうした農村環境が、人の暮らしと調和した形で発展すると共に、豊かな国土と自然環境として後世につないでいくため、農村環境が地域一体の共通財産という認識のもと、環境保全型農業に取り組む農家に対する環境直接支払制度(デカップリング)等の新たなしくみについて検討することが必要です。

【樹園地の環境改善(浜名湖に対する負荷の低減)】

  • 農薬散布量の低減
  • 施肥量の軽減
  • 耕作土の流亡防止
    1. 法面及び法肩の改善(清耕栽培*の場合)
    2. 植栽工の実施(=草生栽培)
    3. 透水性に優れ保水力の高い土づくり
    家畜ふん尿、刈草などを堆肥化し、土壌の物理性の改善や団粒化による保水力の向上によって、耕作土の流亡防止と併せ減農薬、減施肥量を図る。
  • 遊水地(簡易ため池)による土砂防止

土壌がむき出しとなる伝統的な栽培方法

浸透性の改善方法
浸透性の改善方法

 

草生栽培
草生栽培

 

【茨城県の環境保全型農業に対する直接支払制度】
茨城県では、「エコ農業茨城」として、地域で環境保全活動に取り組み、きれいな環境のもとで環境にやさしい農業を進め、さらに茨城県の農業、農村、そしてそこで生産される農産物を一緒にPRし、茨城の農業の発展につなげていくことを推進しています。
地区の活動を進めるための支援策の一つとして、化学合成農薬と化学肥料を慣行の5割以上削減する栽培の掛り増し経費への支援を実施しています。さらに、「農地・水・環境保全向上対策」において地区で2分の1以上の農家が取り組むなどまとまると、支援額は倍になります。

出典:茨城県HP
出典:茨城県HP

(3) バイオマスの利活用の促進

バイオマスは、生物起源の有機物であり、バイオマスを燃焼する際に放出される二酸化炭素は、生物の成長過程で光合成により大気から取り込まれたものであるため、ライフサイクルの中では大気中の二酸化炭素を増加させないカーボンニュートラルの特性をもっています。バイオマスの利活用は、地球温暖化対策や循環型社会の形成に役立つといわれ、農林水産業の新たな領域を開拓するとともに、エネルギー問題にも対応できるため、積極的な推進が必要になっています。
本市では、生ごみ、下水汚泥、建設廃木材などの都市特有のバイオマスと、農業残さや木くず、間伐材など農山村特有のバイオマスの双方が賦存しており、多種多様なバイオマス供給地としての性格をもっています。一方で、物やエネルギーの一大消費地としての性格をあわせもっていることが大きな特徴です。バイオマスを有効に活用した地域内循環やエネルギー自給をめざすことは、地球温暖化対策に貢献するだけでなく、持続的な農村地域の振興の新たなしくみとなる可能性をも秘めています。
木くずや間伐材は北遠地域を中心に発生しており、すでに一部ではこれらの再資源化が進んでいますが、より付加価値の高い利用として、施設栽培ボイラー用等の木質ペレットのエネルギー資源としての利用拡大を検討していきます。
果樹剪定枝の多くは、農場で粉砕され土壌鋤込されていますが、今後はバイオマスとしての利活用を目指し、堆肥や木質チップに活用することなどが考えられます。しかし、樹種によって季節変動が大きいため、事業化には他のバイオマス資源との複合利用を検討することが必要です。
家畜ふん尿の堆肥化は、自然循環機能の維持・増進の要であり、良質な堆肥の施肥は、農地の健全な土づくりを促し、農産物の安定生産に寄与します。現在、各畜産農家でほぼ全て堆肥化され再利用されているため、この状態が安定的に維持されるような取組を図ることが重要です。
これらの取組は「浜松市バイオマスタウン構想」と連携して推進していきます。

浜松市バイオマスタウン構想概念図
図6-5 浜松市バイオマスタウン構想概念図
出典:浜松市バイオマスタウン構想 平成21年3月

 

 

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電話番号:053-457-2333

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