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更新日:2024年1月1日

中央区坪井町・たまねぎ農家 花井東吾さん

過去の取材記事を掲載したものです。農業者の連絡先や購入方法等はご紹介できません。

花井さん1

浜松市のたまねぎ産地といえば、中央区の篠原地区。
当地域を中心に温暖な気候と砂地の特色を活かして栽培されるたまねぎは「新たまねぎ」として京浜市場を中心に出荷され、高い評価を受けています。
篠原地区での栽培の始まりは、明治時代まで遡ります。かつてはたまねぎ自体が珍しい野菜だと思われていた時代ですが、当時の商人が東京へ送ったところ高値で取引されたことから買い手がつくようになり、以後、栽培が普及してきました。
以前の収穫期は4~5月頃が主体で、当時でも早めに出荷できることが産地の特徴でしたが、地域の生産者たちの努力により年々早生(わせ)化が進み、現在は年明け早々1月から出荷されることで市場評価はさらに高まりました。
現在、とぴあ浜松農業協同組合玉葱部会の部会長としてたまねぎ生産に携わる花井東吾さんに、これまでの生産と、産地への想いについてお伺いしました。(2017年1月取材)

 

たまねぎ作りとともに、人生を歩んできた花井さん

私はこの篠原地区の玉ねぎ農家の長男として生まれ、小さいころからたまねぎを作ることが生活の一部にある暮らしを送ってきました。

社会人となってからは会社勤めをしながら玉ねぎ作りに携わってきました。20歳の時に父が亡くなった後も家の畑を継ぎ、毎朝4時に起きて農業を続けてきましたが、40歳の時に転勤が決まり会社を辞めるかどうかという人生の転機が訪れました。その時、弟が「兄さんはサラリーマンになったのだから、サラリーマンの仕事を全うしたらいい」と言ってくれたことで、弟と母、妻に畑を任せ単身赴任を選びました。その後定年退職をして約7年前に専業農家となり、現在に至ります。

私が子どもの頃から、この篠原地区は全国の市場より高い評価をいただいているたまねぎの産地です。当時は5月のゴールデンウィークの頃が出荷のピークで、周りの生産者たちとともにたまねぎ作りに励んできました。

花井さん2

花井さん3

 

先人たちの努力によって成し遂げられた、現在のたまねぎ生産

ここでは古くから作られてきたたまねぎですが、昭和40年代にこの浜松に三方原用水が整備され、作物に必要な水を安定的に手に入れることができるようになったことで、生産規模も大きく発展していきました。三方原用水があってこその、今の産地と言えます。

また、現在では全国でも例のない年明け1月に出荷できるようになりました。他産地との競合を勝ち抜くため年々早生(わせ)化を進めてこられたのは、フィルムをかけて加温するマルチ栽培の導入や形質改善など、この篠原地区の生産者たちの技術と努力の結果です。

篠原のたまねぎは、東京、大阪、名古屋など大都市圏の市場へと出荷されています。市場では毎年、新年の風物詩として浜松のたまねぎを待ってくれていて、そのために場所を空けてくれているほど。セリにかけられることもなく取引されていくことが多いのは、それだけこのたまねぎがブランドとして認知され、みんなが楽しみにしてくれているのだと、嬉しく思う光景です。また、こうした都市の百貨店やスーパーなどですぐに店頭に並ぶようになるのは、流通の販路を作り上げてきてくれた農協の努力のおかげ。生産者・農協・行政が一体となって作り上げてきたのが今の篠原のたまねぎと言えます。

花井さん10 花井さん11

 

若い生産者が育つ、篠原地区

近年は、この篠原地区で新たに就農し、たまねぎ生産をはじめる若い生産者が増えてきました。もちろん技術的にはまだまだ学んでいってもらわないといけないところはありますが、それぞれに試行錯誤しながらも技を磨き、耕作地も広げていっていますので頼もしく思っています。

最近では、市場へ若い生産者を連れて行き、驚かれることが多くなってきました。今までは、部会長よりも年配の生産者が一緒に行くことが普通だったのが、20代・30代の若手と行くようになったことで、まだまだこれからも活気のある産地だという声をいただけます。将来的にも長く付き合っていける産地だと安心してもらえますし、そういう意味でも嬉しいことですね。

とはいえ、まわりには高い栽培技術を持った大先輩たちがまだまだたくさんいます。玉葱部会の中での交流もあるので、話もできるし教えてもらうこともできる。また、技を盗んでいくことも必要。自分の畑の自分の農業にどう適合させていくのか、これからも切磋琢磨していってほしいですね。

花井さん6

花井さん7

 

これから先の、産地のために

このたまねぎ産地の篠原がこれから先も発展していくためには、みんなが色々な話をし、考え、競争しあっていって欲しいと思っています。

作物作りは本当に奥が深いものです。農業は天候によって左右されがちなものですが、そういった影響をいかに少なくするか。また、ただ作ればいいのではない。常に高い品質のものを出荷しなければいけません。産地の中の仲間同士だからといって慣れ合うだけではなく、それぞれが負けないよう自分たちの技術を確立していってほしいですね。

ただのたまねぎですが、こんなに高価なたまねぎはほかにはありません。それぞれが目標を持ち必死に頑張っていくことが、このブランド価値を下げることなく産地を維持していくことにつながると思っています。これから先もずっと、全国のたくさんの方に篠原のおいしいたまねぎを届けていければいいですね。

花井さん8

 

たまねぎ

浜松のたまねぎ

浜松のたまねぎは、温暖な気候と砂地の特性を活かして、大正時代に篠原地区で産地化されました。今では日本一早く出荷する「新たまねぎ」の産地として有名で、東京などでも高い評価を受けています。産地では出荷の時期別に「白たまねぎ」「黄たまねぎ」「赤たまねぎ」が栽培されています。

 

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