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更新日:2012年1月17日

“生きた”音楽の素晴らしさを体感し、卒業してからも音楽に触れ続けて欲しい

教育現場で吹奏楽を通じての音楽文化振興に懸ける、教師の想い


浜松市立開成中学校
音楽教諭 加藤幸太郎さん

浜松市は、「音楽の都」を目指し、数多くの音楽文化事業を開催しています。中でも吹奏楽活動はとても活発で、市内中学校の94%、高校の100%に吹奏楽部またはオーケストラ部が設置されている他、一般市民で編成された吹奏楽団も20団体以上が活動しており、音楽が市民の生活に根付いていると言えます。
今回は、浜松の音楽教育や吹奏楽活動を語る上では欠かせない存在である、前・浜松市生活文化部文化政策課指導主事で、現在は浜松市立開成中学校にて教鞭を執っている加藤幸太郎さんをご紹介します。

小学3年生でトランペットを始めた加藤さんは、音楽高校入学後のソロ演奏で極度の緊張のあまりトランペットが演奏できなくなってしまうという失敗を経験。自らの地道な努力でそのトラウマを克服したという体験を活かした指導で、顧問を務める吹奏楽部を全て強豪校に育てあげました。教育の“現場”で浜松の音楽振興に尽力してきた加藤さんに、吹奏楽をはじめとした音楽文化振興事業に懸ける想いを伺いました。

指導する吹奏楽部が軒並み強豪校に。その秘訣とは?

加藤さんは、1965年に浜松市で生まれ、子どもの頃から音楽に触れ続けてきました。加藤さんの人生を変えた、トランペットとの出会いは小学校3年生。当時、地元企業のヤマハが、同社のプロ指導員が市内の小学校で音楽教室を開いており、それに応募したのがきっかけでした。トランペットの面白さに目覚めた加藤さんは、その後、小学校のトランペット鼓笛隊に入り、中学校では器楽部、信愛学園高校音楽科(現:浜松学芸高校)ではトランペットを専攻、そして国立音楽大学に入学。まさにトランペットなくしては語れない学生時代を過ごしました。「やはり、ヤマハなどの大企業のバックアップや、浜松市全体が吹奏楽をはじめとした様々な音楽事業を推進している、という恵まれた環境があったと思います」と加藤さんは当時を振り返ります。
音大を卒業し、浜松市内の中学校で音楽教員となった加藤さんは、吹奏楽の敏腕指導者として名を上げていきます。顧問を務めた中学校の吹奏楽部はいずれも全日本吹奏楽コンクール東海大会に出場、指導者として表彰された経験もあるとのこと。その成功の秘訣を尋ねると、「とにかくコツコツやらせること。それが一番です。生徒の自主性を重んじ、生徒同士で意見を出し合い自主練習をさせる。私はあえてあまり口を出さないようにしています。」 生徒同士がお互いに高め合い、個々に自信ややる気、自主性を育てていくことで、生き生きとした演奏ができるようになる、という信念のもとで指導を続けてきたそうです。
その「コツコツ型」「自主性重視」の指導方針は、加藤さん自身の経験に基づいています。その経験とは、トランペット専攻で入学した音楽高校での初めてのソロ演奏会で、なぜか極度に緊張し、完全に指が止まってしまうという恐怖を味わったこと。「中学時代から人前で平気で演奏していたのに、なぜかその時は頭が真っ白になってしまって・・・。その後2年間くらいは、恐怖心が消えず、いわゆる“トラウマ”になりました」
辞めてしまいたいと思うこともあったものの、加藤さんは自分自身と向き合いながら地道にコツコツとトランペットを続け、徐々に自信を取り戻し、見事に音大に入学することができました。「自分自身と対峙しながらコツコツ続けることで、生徒は必ず成長できるんですよ!」と加藤さんは語ります。

「“生きた”音楽に触れる機会が多い浜松。恵まれた環境をもっと推進したい」

上記以外に加藤さんが心がけて指導していることは、生徒たちに“生きた”音楽の楽しさをできるだけ多く体感させること。トランペット奏者はジャズやポップス等、様々なジャンルの音楽に携わることができますが、その中でも加藤さんが「吹奏楽」を志すきっかけになったのは、中学生の時に市民会館(現「はまホール」)でオーケストラの生演奏を聴いたからだといいます。
「やはり、生の演奏は全く違います。CDやテレビで観賞するだけでは、音楽の本当の素晴らしさを体感できません。私は自分自身の経験からそれを知っているので、生徒たちにできるだけ良い音楽を見せ、聴かせ、体験させることに努めています」
浜松市では、昭和56年から「音楽のまちづくり」を施策に掲げており、世界の若手ピアニストの登竜門として知られる「浜松国際ピアノコンクール」や、“吹奏楽の春の甲子園”と称される「浜松吹奏楽大会」をはじめ、様々な音楽コンクールやイベントを開催しています。そのため、浜松市民は“生きた”音楽に触れる機会が多く、吹奏楽愛好者にとっては大変恵まれた環境なのです。
加藤さん自身、平成16年から7年間、浜松市生活文化部文化政策課指導主事として務めていた間、浜松市が主催する音楽教育機関「アクトシティ音楽院」事業に「吹奏楽リーダー養成講座」を設けるなど、行政の立場から音楽文化の振興に尽力しました。「『吹奏楽リーダー養成講座』は、市内の小・中学校で金管バンドや吹奏楽部に所属する子どもたちで編成された『浜松市小学校選抜吹奏楽団』や『浜松市中学校選抜吹奏楽団』のメンバーにプロの演奏者が技術指導をするものです。そのメンバーは、それぞれ教えてもらったことを持ち帰り、“リーダー”として教わったことを伝えることで本物の“リーダー”としての人材を育成することもできるし、他の生徒の刺激にもなる、そのような目的で講座を開設しました」

「3年間という短い期間に、生徒たちにいかに音楽を好きになってもらうか」

“生きた”音楽の素晴らしさを体験させることと同時に、生徒たちに数多く、演奏する機会を与えることも大切だと加藤さんは力説します。
生徒を指導できるのは中学卒業までの3年間。その短い間に、生徒たちにいかに「音楽を好きになってもらうか」「音楽を嫌いにさせないようにするか」が指導者として加藤さんが最も重視していることです。そのために、生徒たちに人前で演奏する機会をできるだけたくさん与えているのだそうです。
また、地域の運動会や敬老会などの演奏会では、クラシックという枠にとらわれず、聴き手のニーズに合わせて、童謡から演歌まで多種多様なジャンルの音楽を演奏させます。もちろん、選曲は生徒たちが意見を出し合って決めるため、生徒たちはただ“受け身”で与えられた課題を演奏するのではなく、自分たち自身で能動的に聴き手に伝えるという楽しさややりがいを感じられるのです。


平成23年11月、札幌市との音楽文化都市交流の一環で、浜松市中学校選抜吹奏楽団が同市を訪問し地元の中学生と共演。
加藤さんが指揮を執った。

指導者として、音楽家として、今後の吹奏楽への夢

加藤さんの指導者としての今後の目標は、浜松の吹奏楽界から全国区として認知されるような強豪中学校を誕生させることだと言います。「成人部門では、全日本吹奏楽コンクール職場一般部門で金賞を前人未到の30回受賞している『ヤマハ吹奏楽団』や同じく金賞を何度も受賞した『浜松交響吹奏楽団』があります。小学生部門では、『浜松市立瑞穂小学校』が『全日本小学校バンドフェスティバル』にて2年連続で金賞を受賞、高校生部門では、『海の星高等学校』が『全日本高等学校吹奏楽大会』にて特金賞に値する連盟会長賞を受賞しました。こうした金字塔を、中学校でも打ち立てたいですね。全体のレベルが高い中でも、卓越した強豪校が出てくれば、切磋琢磨し合うことで浜松市の中学生の吹奏楽レベルがさらに向上し、より全国に“音楽のまち”として認知されることになるでしょう」

また、加藤さんの音楽家としての夢は、浜松から世界へ音楽文化の魅力をもっともっと発信することだと言います。平成22年8月には浜松市内の子どもたちで構成された合唱団を引率し、浜松市と音楽文化友好交流協定を結んでいるポーランド共和国・ワルシャワ市を訪問しました。「アジアや世界各国の人々と音楽を通じて交流することは、年齢に関係なく、より多くの市民が音楽の素晴らしさを体験し、広い視野を持った人材を育成できます。そして街中の人が音楽を愛し、音楽で溢れるような浜松にしたいですね」と展望を語る加藤さんは、今後も浜松市の音楽文化の振興を目指し、生徒たちに音楽の楽しさを伝え続けます。


音楽文化友好交流使節団 ワルシャワ市訪問

<参考>

“吹奏楽の聖地”を裏付ける、浜松市内のデータ

  • 全国で活躍する吹奏楽指導者2,500人を対象とした日本最大の研修会「全国吹奏楽指導者クリニック」を毎年開催(5月)。
  • これまでに2,100名を超える修了生を輩出し、世界トップクラス奏者と、マンツーマンでレッスンを受けられる「浜松国際管楽器アカデミー&フェスティバル」を開催(7月)。
  • 観客のべ25,000人を集める「プロムナードコンサート」を開催。90を超える団体がJR浜松駅等の公の場所で年間20回以上演奏(4月~10月)。・市内中学校の94%(48校中45校)、高校の100%(30校全て)に吹奏楽部またはオーケストラ部がある。
  • 浜松市内8,000名の小学校5年生全児童を対象とし、プロのオーケス トラと一緒に演奏できる「こども音楽鑑賞教室」を毎年実施(3月)。
  • 浜松市内5,700名のシニアが音楽教室に通っている。
  • “吹奏楽の春の甲子園”と称される、全国の高校吹奏楽部が憧れる「浜松吹奏楽大会」を毎年開催(3月)。
  • 日本を代表する作曲家が書き下ろした新曲を、市内の中学校・高校の吹奏楽部が演奏会にて発表する全国初の試み「バンド維新」を5年前より毎年開催(3月)。
  • 国内の管楽器生産量の約8割を占める、日本最大の楽器産業の集積地。ヤマハ、カワイ、ローランドなど世界に名だたる楽器メーカーが立地。

「こども音楽鑑賞教室」大合唱

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