更新日:2022年5月11日
地震・津波対策編 第5章 災害応急対策計画 第6節 災害の拡大防止及び二次災害防止活動
【警備部、物資管理部、都市復興部、土木復旧部】
- 災害の拡大を防止するため消防活動、水防活動、救出活動及び被災建築物等に対する安全対策について市、自主防災組織及び市民が実施すべき事項(※1)を示す。
- 降雨等による水害・土砂災害等に備え、二次災害防止対策を講じる。特に海岸保全施設に被害があった地域では、二次災害の防止に十分に注意する。
1 消防活動
基本方針 |
- 市民、自主防災組織及び事業所は、自らの生命及び財産を守るため出火防止活動、初期消火活動を実施する。
- 地域住民は協力して可能な限り消火活動を行い火災の拡大を防止する。特に危険物等を取り扱う事業所においては二次災害の防止に努める。
- 消防局及び消防団は、多数の人命を守ることを最重点とした消防活動を行う。
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消防機関の活動内容 |
- 情報収集活動要領
- <情報収集の時期>
<情報収集の手段>
- 消防局は、消防班の機能を充分に活用して、活動部隊等からの情報を間断なく収集するとともに、高所見張り、参集職員、消防団、警察官、自主防災組織等あらゆる人々及び機関から積極的に収集する。
<収集すべき情報>
- 火災の発生場所及び火勢の状況、延焼拡大方向
- 人命救出、救助の必要の有無
- 自主防災組織の活動状況
- 道路損壊、橋の損壊及び消防車両等の通行可否
- 消防水利等の活用可能状況
- その他消防活動上必要な事項
<情報連絡体制>
- 情報の収集又は通報の通信は、風水害等対策編第2章第4節情報の収集、伝達計画中の1に定める通信系統による。
- 火災防御要領
- 延焼火災が多発又は拡大した場合は、人命の安全を優先とした緊急避難場所及び避難路の確保を優先とした防御を行う。
- 同時に複数の延焼火災が発生した場合は、重要かつ危険度の高い地域を優先とした防御を行う。
- 同時に複数の延焼火災が発生した場合は、消火可能地域を優先とした防御を行う。
- 大工場、大量危険物貯蔵施設等から出火し、多数の消防隊等を必要とする場合は、市街地の火災を鎮圧した後に部隊を集中して防御に当たる。
- 同時に重要対象物周辺と市街地の火災が発生した場合は、重要対象物の防護上必要な火災を優先する。
- 避難指示の伝達及び誘導
- 火災が各所において炎上拡大し、あるいは爆発による誘爆の危険又は有毒ガス等が流出し人的災害等が予想され、避難指示が発令された場合には、避難指示地域における当該地域住民への伝達を行う。
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事業所(※2)の活動 |
- 火災予防措置
- 火気の消火及びLPガス、都市ガス、高圧ガス、石油類等の供給の遮断の確認、ガス、石油類、毒物、劇物等の流出等異常発生の有無の点検を行い必要な防災措置を講じる。
- 火災が発生した場合の措置
- 自衛消防隊(班)等の防災組織による初期消火及び延焼防止活動を行う。
- 必要に応じて従業員、顧客等の避難誘導を行う。
- 災害拡大防止措置
- LPガス、都市ガス、高圧ガス、火薬類、石油類、毒物、劇物等を取扱う事業所において異常が発生し、災害が拡大するおそれがあるときは次の措置を講じる。
- 周辺地域の居住者等に対し避難等の行動をとる上で必要な情報を伝達する。
- 消防、警察、最寄りの防災機関に駆付ける等可能な手段により直ちに通報する。
- 立入禁止等の必要な防災措置を講じる。
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自主防災組織の活動内容 |
- 各家庭等におけるガス栓の閉止、LPガス容器のバルブの閉止、電源の遮断等の相互呼びかけを実施するとともに、その点検及び確認を行う。
- 火災が発生したときは、消火器、可搬ポンプ等を活用して初期の消火活動に努める。
- 消防隊(消防署、消防団)が到着したときは、消防隊の長の指示に従う。
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市民の活動内容 |
- 火気等の始末
- 使用中のガス、石油ストーブ、電気ヒーター等の火気を直ちに消火するとともに、ガス栓、LPガス容器のバルブ、石油類のタンクは元バルブをそれぞれ閉止し、電気についてはブレーカーを遮断する。
- 初期消火活動
- 火災が発生した場合は、消火器、汲み置きの水等で消火活動を行う。
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2 水防活動
- 地震による津波及び洪水に対する水防活動の概要を示す。
市の活動内容 |
- 地震による津波及び洪水の襲来が予想され、著しい危険が切迫していると判断するときは、市は必要な区域の居住者に対し避難を指示する。なお、指示した場合は、当該区域を管轄する警察署長にその旨を通知する。
- 市長は、水防上危険な箇所を発見したときは直ちに関係機関及び当該施設の管理者に連絡し、必要な措置を要請し、緊急を要する場合は必要な措置を行い、被害が拡大しないよう努める。
- 河川、ため池、水門、樋門等の管理者は被害状況を把握し、直ちに関係機関に通報するとともに、必要な応急措置を講じる。
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水防活動の応援要請 |
- 市長は、必要なときは警察署長に対して警察官の出動を要請する。
- 市長は、緊急のときは、他の市町村長又は消防長に対して応援を求める。
- 市長は、必要なときは次の事項を示し、県に自衛隊の災害派遣の要請を求める。
- 応援理由、応援人員、資機材等、応援場所、期間、その他応援に必要な事項
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3 人命の救出活動
基本方針 |
- 負傷者等に対する救出活動は市長が行うことを原則とするが、自主防災組織、事業所等の防災組織及び市民は、地域における相互扶助により自主的にこの活動を行う。
- 市長は、県、警察署、自衛隊等に対し救出活動の協力を求める。
- 市は、市の区域内の関係機関による救出活動について総合調整を行う。
- 自衛隊の救出活動は、第5節の2(自衛隊の支援)に従い行う。
- 救出・救助活動を実施する各機関は、職員等の惨事ストレス対策の実施に努める。
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市の活動内容 |
- 市長は、職員を動員し、負傷者等を救出する。
- 負傷者等の救助、救急活動要領
- 規模が同じ程度の救助・救急事案が火災現場付近とその他の場所で同時に発生した場合は、火災現場付近の事案を優先する。
- 複数の負傷者が同時に発生した場合は、重症患者の搬送を優先する。
- 同時に複数の救助、救急事案が発生した場合は、原則として少数隊員で多数の人命救助ができる救助・救急事案に主力を注ぐ。
- 複数の救助・救急事案を同時に覚知した場合は、不特定多数の者を収容する施設など多大な人命危険が予想される救助・救急事案を優先する。
- 市長は、自ら負傷者等の救出活動を実施することが困難な場合、次の事項を示して知事に対し救出活動の実施を要請する。また、必要に応じ市民等の協力を求める。
- 応援理由
- 応援人員、資機材等、応援場所、応援期間
- その他周囲の状況等応援に関する必要事項
- 災害救助法に基づく実施基準及び計画は、風水害等対策編第2章第6節避難救出計画に準じる。
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自主防災組織、事業所等の活動内容 |
- 自主防災組織及び事業所の自衛消防隊(班)は、次により自主的に救出活動を行う。
- 組織内の被害状況を調査し、負傷者等の早期発見に努める。
- 救出活動用資材を活用し、組織的救助活動に努める。
- 自主防災組織と事業所の自衛消防隊(班)は、相互に連携をとって地域の救出活動を行う。
- 自主救出活動が困難な場合は、市、消防機関又は警察署等に連絡し早期救出を図る。
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4 被災建築物等に対する危険度判定及び安全対策
- 地震により建築物、宅地等が被害を受けたときは、その後の余震等による二次災害を防止するため次の安全対策を実施する。
危険度判定 |
- 建築物
- 市は、地震被災建築物の応急危険度判定を要すると判断したときは、その実施本部を設置するとともに、その旨を県に連絡する。併せて、被災者等への周知等、判定実施に必要な措置を講じるとともに、必要に応じて県へ判定支援要請を行い、地震被災建築物応急危険度判定士により被災建築物の危険度を判定する。
- 宅地等
- 市は、宅地の被害に関する情報に基づき、宅地危険度判定の実施を決定した場合は、危険度判定の対象区域及び宅地を定めるとともに、必要に応じて危険度判定の実施のための支援を県に要請し、被災宅地危険度判定士の協力のもとに危険度判定を実施する。
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安全対策 |
- 市民は、自らの生命及び財産を守るため、被災建築物及び被災宅地の安全性を確認するとともに、危険度判定の実施が決定されたときは協力する。
- 市民は判定の結果に応じて、避難又は当該建築物、宅地等の応急補強その他必要な措置を講じるよう努める。
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5 災害危険区域の指定
- 市長又は県知事は、地震により著しい危険が生じるおそれのある区域を、必要に応じて、建築基準法第39条に基づき災害危険区域に指定する。
指定の目的 |
災害から住民の生命を守るために、危険の著しい区域を指定して、住居の用に供する建築物の建築を禁止する。 |
指定の方法 |
条例により区域を指定し、周知する。 |
※1 地震災害対策活動指針及び消防団の震災活動(いずれも消防局)による。
※2 研究室、実験室を含む。