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更新日:2024年5月23日

定期監査(財務監査)・行政監査結果に関する報告(令和6年5月23日)

第1 監査の基準

この監査は、浜松市監査基準(令和2年浜松市監査委員告示第2号)に準拠して実施した。

第2 監査の対象

次のとおり(部課等の名称は、監査の期間の末日時点の名称)である。

対象とする部等 対象とする課等

1 企画調整部

企画課 東京事務所
広聴広報課 国際課
2 デジタル・スマートシティ推進部 デジタル・スマートシティ推進課 情報システム課
3 健康福祉部 福祉総務課 障害保健福祉課
障害者更生相談所 高齢者福祉課
介護保険課 国保年金課
健康医療課 精神保健福祉センター
看護専門学校 保健環境研究所
病院管理課 佐久間病院
健康増進課 保健総務課
生活衛生課 保健所浜北支所
4 こども家庭部 次世代育成課 子育て支援課
児童相談所 幼児教育・保育課
5 土木部 道路企画課 中央土木整備事務所
浜名土木整備事務所 天竜土木整備事務所
道路保全課 河川課
6 ウエルネス推進事業本部 -
7 中区役所 長寿保険課 -
8 東区役所 長寿保険課 -
9 西区役所 長寿保険課 -
10 南区役所 長寿保険課 -
11 北区役所 長寿保険課 -
12 浜北区役所 長寿保険課 -
13 天竜区役所 長寿保険課 -

第3 監査の期間

令和5年11月1日から令和6年2月20日まで(各区役所にあっては、令和5年9月1日から令和5年11月22日まで)

第4 監査の着眼点及び実施内容

事務の執行及び経営に係る事業の管理について、合規性、正確性、経済性、効率性及び有効性の観点から適正に行われているかを着眼点とし、検証した。
監査手続については、監査対象部局から提出された資料及び諸帳簿等関係書類を抽出調査するとともに、関係職員から説明を聴取し、関係法令等に基づき適正に執行されているかについて監査を行った。

第5 監査の結果等

1 監査の結果

(1) 結果

事務の執行及び経営に係る事業の管理について、令和4年度及び令和5年度に関する収入事務、業務委託契約事務、補助金・負担金等交付事務、減免措置事務及び物品管理事務を主眼に合規性、正確性、経済性、効率性及び有効性の観点から調査した結果、(2)に掲げるものを除き、これらの事務及び事業はおおむね適正に処理されていると認められた。

(2) 指摘

一部において次のとおり是正・改善を要する事項が見受けられたので、所管課は、適切な是正措置を講じられたい。

幼保運営課(旧:幼児教育・保育課)
浜松市立鴨江保育園の園庭の使用に係る行政財産使用許可について

社会福祉法人浜松市社会福祉事業団による浜松市立鴨江保育園の園庭の使用について、浜松市公有財産管理規則に規定する行政財産使用許可申請書を提出させておらず、許可手続を行っていない。

2 監査の結果に基づく意見

地方自治法第199条第10項の規定に基づき、監査の結果に関する報告に添えて、意見を次のとおり提出する。なお、部課等の名称は、報告日時点の名称で記載した。

(1) 企画調整部

ア 企画課

権限移譲及び県単独助成事業について

【現状及び課題】

  • 令和4年度当初における都道府県から市町村への事務移譲法律数において、静岡県は、全国平均の62法令を大きく上回り、全国一の125法令となっている。
  • 県は、平成9年度から権限移譲推進計画を策定し、「住民に身近な事務は市町村において処理する」という考え方を基本として、権限移譲を推進している。特別自治市制度の創設を目指す本市は、これまで、旅券法に基づくパスポート交付をはじめとした住民の利便性向上に寄与する事務など、県からの権限移譲を積極的に受け入れてきた。
  • 令和6年1月、県は、これまでの権限移譲推進計画に代えて、市町の権限移譲事務における課題を踏まえ、今後の権限移譲の基本的な考え方を整理した静岡県権限移譲方針を策定した。これにより、権限移譲後においても事務の返還等も含めた柔軟な見直しを行う方針が示された一方で、政令指定都市である本市及び静岡市については、今後もより一層の権限移譲を図るとされた。
  • 新たな事務権限の移譲に際して、県市の所管部署間の事前協議が整った後に企画課等が検討を行っているが、その検討段階において再考する余地は極めて少なく、これまでに移譲の受入れを取り止めた事例はない。
  • コロナ禍において、本市が県に先行して行った飲食店に対する助成制度を活用した本市事業者に対して、後発の県の制度が適用されない事案があった。当該事案については、最終的には本市事業者に対しても適用されたものの、現状では、市町が始めた事業と同種・類似の事業を後から県が事業化した場合に、両者を調整する制度が存在しない。

【意見】

  • 県は、令和6年1月に静岡県権限移譲方針を策定した。熱海市での土石流災害を踏まえ、権限移譲後においても事務の返還を含めた柔軟な見直しを行う方針が示された一方で、政令指定都市である本市及び静岡市については、今後もより一層の権限移譲を図るとされた。
  • 特別自治市制度の創設を目指す本市は、これまで、県からの権限移譲を積極的に受け入れてきた。しかし、新たな移譲に際しては、県市の所管部署間の事前協議が整った後に企画課等が検討を行う手順となっており、再考する余地は極めて少なかった。企画課は、多くの権限移譲を受けることが自由度を高める「自律」に貢献する一方で、大きな目的である財政的な「自立」を損なうことがなかったかを検証するとともに、法律ではなく県の事務処理特例条例による権限移譲について、他の政令指定都市の例とその考え方を参考に、併せて検証する必要があると思われる。
  • 熱海市の土石流災害に関しては、県の旧土採取等規制条例に関する移譲事務を行っていた熱海市に対し県とともに損害賠償を求める訴訟が提起されている。また、県の行政対応検証委員会の報告書では、「県から権限移譲された市町が適確に当該事務を執行できていたか疑問である。特に土木・建築等技術面での指導監督が必要な事務への対応ができているのかを点検する必要がある。」との提言がなされている。
  • 企画課は、現行の権限移譲事務に関する県の支援・連携体制が十分であるかについて検証されたい。また、新たな権限移譲についても、メリット・デメリットを明確にし、県と十分協議を行った上で適切に判断されたい。
  • コロナ禍において、本市が県に先行して行った飲食店への助成制度を活用した本市事業者に対して、後発の県の制度が適用されず、県との調整に苦慮した事案があった。企画課は、この事案を記録にとどめ、本市の市民、事業者等に不利益が生じることのないよう県との政策調整を行う際の参考とされたい。

イ 広聴広報課

パブリック・コメント制度について

【現状及び課題】

  • 本市では、浜松市パブリック・コメント制度実施要綱(以下「要綱」という。)に基づきパブリック・コメント制度を運用しているが、平成15年4月の制度導入から20年あまり経過した。
  • 制度の所管課である広聴広報課は、毎年度、翌年度中に策定や改定等を予定している計画、条例等のほか、パブリック・コメントの実施希望の有無などについて調査を行っている。要綱において、附属機関等においてパブリック・コメント制度に準じた手続を経て策定した報告、答申等に基づき政策等を決定する場合などは、パブリック・コメントを実施しないことができるとしているものの、区協議会を始めとする附属機関など他の広聴手段の実施予定までは調査していない。
  • 平成18年4月施行の行政手続法の改正により、国が政省令、行政指導指針等を定める際の意見公募手続が新設された。同法第46条の規定では、地方公共団体においても、「この法律の規定の趣旨にのっとり、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない」とされており、本市においては、市民生活又は事業活動に重大な影響を及ぼすと認められる規則、行政指導指針等の策定について、パブリック・コメント制度の対象に含めることで対応済としている。
  • パブリック・コメント制度の対象範囲や実施件数は、政令指定都市間において大きな違いが見られている。市の施策や計画等に関する意見公募と、行政手続法の趣旨を踏まえて行う意見公募を明確に区分している市もあるが、本市では区分していない。

【意見】

  • 本市では、平成15年4月からパブリック・コメント制度を導入し、20年あまり経過した。市民からの広聴手段には、パブリック・コメントのほか、区協議会その他の附属機関への諮問、関係団体からの意見聴取、市民アンケート、市長へのご意見箱など様々なものがある。パブリック・コメント実施案件の中には、他の手法と重複して実施しているものがあるが、市民の意見を広く聴くことができる一方で、手法により意見が異なり調整が必要となることや、業務量の増加により各課の負担が大きくなることが懸念される。広聴広報課は、各課がパブリック・コメントの実施を検討する際に、市民の意見聴取が必要かつ十分な水準となるよう、適切な助言を行う仕組みの整備について検討されたい。
  • 行政手続法に根拠を持つ規則や行政指導指針等を定める際の意見公募手続と、市の施策や計画等に関する意見公募手続の制度の趣旨が異なるため、他都市では明確に区分している例も見られる。本市においても、他都市の例を参考に、両者の区分を明確化したうえで制度の見直しを検討されたい。

(2) デジタル・スマートシティ推進部

デジタル・スマートシティ推進課

デジタルを活用した業務改革の推進について

【現状及び課題】

  • 本市では、令和5年1月に浜松市DX推進計画を策定し、業務における生産性の向上に向け「デジタル活用による業務改革の推進」を取組項目の1つとして位置付けた。
  • デジタル活用による業務改革の推進の取組として、民間事業者との連携協定により、令和3年度に業務量全体調査を実施し、令和4年度以降、全庁で2つの重点取組業務を年度ごとに選定して業務改革を実施することとしている。
  • 令和4年度は、業務量全体調査の分析結果に加え、他都市での改革事例等を踏まえて「要介護認定業務のデジタル化」と「戸籍・住基証明書の郵送受付・発送業務の集約」を重点取組として選定したが、要介護認定業務のデジタル化においては、一部事業が予算化されず、当初見込んでいた内容が変更となった。
  • 連携協定によって行っていた重点取組業務の提案は、令和5年度から、主に各課への相談支援を行う業務改革・改善活動支援に係る業務委託に組み込まれた。受託者からは8業務の提案があったが、選定にあたり、国の動向や全庁的な改革効果が高い業務を推進する新たな視点が加わったことにより、結果として、受託者からの提案とは異なる「子育てDX」及び「公金収納・公金支出DX」を重点取組業務として選定した。
  • 重点取組業務以外の業務改革として、各課には、毎年度1事例以上の取組を促しているが、令和4年度は全体で計132の取組が実施され、年間27,718時間の削減効果があったとしている。デジタル・スマートシティ推進課は、取組内容を類型化し、事例を共有することで、横展開を図っている。

【意見】

  • 令和4年度に、財政効果が高いなどと見込まれ重点取組業務に選定した2業務のうち、要介護認定業務のデジタル化における一部事業が予算化されない事案があった。デジタル・スマートシティ推進課は、事業の確実な実施に向け財政課等の関係課との事前調整が円滑に行われるよう、支援、助言の仕組みづくりに努められたい。
  • 時間外勤務が多い課における業務のデジタル化は、改善効果が見込まれる可能性が特に高いものの、改善に職員の労力を投入する余力がないという課題もある。デジタル・スマートシティ推進課は、人事課、財政課等と共に、真にデジタル化を必要とする課に対する、時限的なマンパワーと資金の投入を可能とする支援の仕組みづくりを検討されたい。

(3) 健康福祉部

ア 障害保健福祉課

福祉事業所(旧:区役所社会福祉課)との連携について

【現状及び課題】

  • 障害保健福祉課は、障害者及び障害児の福祉に係る施策の企画及び調整に関する事務を担っている。
  • 令和5年10月に実施した各区社会福祉課の定期監査において、一部の業務で市独自の業務マニュアルの作成や更新がされておらず、担当者会議が未開催であるなどの課題が確認された。
  • 令和5年4月に制度改正が行われた外出支援助成券交付事業においては、制度設計の遅れや交付窓口である社会福祉課との調整不足、さらに対象者への周知不足もあり交付時に混乱が生じた。
  • 公表されている令和2年度以降の事務ミス件数を見ると、社会福祉課の障害福祉関連の事務ミスが市全体の事務ミスの1割を超えている。
  • 令和6年1月の行政区再編に伴う組織改正により、それまで区役所組織であった社会福祉課は本庁組織の福祉事業所に再編され、障害保健福祉課と同じ健康福祉部内の組織となった。

【意見】

  • 令和6年1月の行政区再編に伴う組織改正により、それまで区役所組織であった社会福祉課は本庁組織の福祉事業所に再編され、健康福祉部長の下、障害保健福祉事務を総括する障害保健福祉課と同じ部内の組織となった。
  • 行政区再編前の各区社会福祉課への監査において、一部の業務で市独自の業務マニュアルの未作成・未更新、担当者会議の未開催、制度改正に当たっての調整不足など、障害保健福祉課の所管に係る業務で多くの課題が確認された。
  • また、社会福祉課に事務ミスが多く見られるなか、障害保健福祉課関連のものが特に多く市全体の1割を超えていた。事務ミスの多さには様々な要因が想定されるが、障害保健福祉課の支援体制が不十分であった可能性も否定できない。
  • 障害保健福祉課は、身体、知的、精神の障害者及び障害児に対して、医療給付と助成、手当の交付、相談と情報提供など法定及び市単独の多種多様な業務を所掌しており、さらに、制度改正や新たな行政課題への対応も求められているなど、業務上の負荷が高まっていると推察される。このため、業務が属人化するおそれの高い同課業務において、人事異動等による業務レベルの一時的な低下に対応できないといった課題がある。
  • 障害保健福祉課は、所管業務を改めて点検し、デジタル技術の活用等による業務効率化、事業又は手続の統合・再編の検討に着手されたい。なお、デジタル技術の活用については、金銭的効果だけでなく、障害者やサービスを実施する民間事業者等の使いやすい制度となるよう検討に取り組まれたい。
  • これらの臨時的業務には新たな人員と資金の投入が必要となるため、部内での対応を検討した上で、これが困難な場合には、適正な人員配置と組織体制について総務部と調整されたい。

イ 高齢者福祉課、中央福祉事業所長寿支援課(旧:中区役所長寿保険課、東区役所長寿保険課、西区役所長寿保険課)、天竜福祉事業所長寿保険課(旧:天竜区役所長寿保険課)

生活支援ハウスについて

【現状及び課題】

  • 本市では、浜松市生活支援ハウス運営事業実施要綱に基づき、市内に住所を有するおおむね60歳以上のひとり暮らしの者で、独立して生活することに不安のあるもの等を対象に、原則3か月までの間、住居を提供し、生活を支援する浜松市生活支援ハウス運営事業を実施している。この事業は、市が利用者を決定し、受託者が経営するデイサービスセンター等に併設された生活支援ハウスにおいて、委託により行われている。
  • 平成16年度をもって国庫補助廃止に伴い地方交付税措置化されたため、平成17年度以降は市単独事業として実施しているが、厚生労働省が当時示した「平成16年度在宅福祉事業参考単価」を現在も委託料の積算根拠に用いている。また、前年度利用実績を基に、利用人員を5人以下、6人以上10人以下、11人以上に区分し、受託者は、併設のデイサービスセンター等の職員のほか、利用人員の区分に応じた数の生活援助員を配置することとなっている。当年度の委託料についても同一の区分に応じて決定しているため、仕様書に精算する旨の規定があるにもかかわらず、当年度平均の区分が異なる区分となった場合においても、当年度中に増額や減額の変更契約は行われず、翌年度の委託料に反映するように運用されており、委託料が利用実績に見合わないケースが発生している。
  • 近年、全ての施設において、平均利用人員が定員を大きく下回っている。とりわけ「やまぶき」では、令和3年5月以降、利用者がいない状況が続いている。
生活支援ハウスの名称 所在地 定員数 令和4年度
平均利用人員
やまぶき 中央区和合町 5人 0人
あんしんの里 中央区安新町 8人 4人
山崎 中央区雄踏町山崎 9人 5人
佐久間高齢者生活福祉センター 天竜区佐久間町中部 19人 7人

【意見】

  • 浜松市生活支援ハウス運営事業の委託料については、平成16年度をもって国庫補助廃止に伴い地方交付税措置化された後も、厚生労働省が当時示した単価を現在も積算根拠として用いており、約20年間見直しが行われていない。また、前年度の利用実績を基に、利用人員を5人以下、6人以上10人以下、11人以上に区分し、その区分に応じて当年度の委託料を決定しているため、当年度の利用がこれとは異なる区分となった場合においても、当年度中に増額や減額の変更契約は行われず、委託料が利用実績に見合わないケースが発生している。
  • 近年、市内4箇所の全ての生活支援ハウスで平均利用人員が定員を大きく下回っている。とりわけ「やまぶき」では、令和3年5月以降、利用者がいない状況が続いているが、利用人員分の部屋と職員を確保してもらうための経費であるという考え方のもと、委託料を減額することなく支払っている。
  • 高齢者福祉課は、受託者の収支状況や利用者がいない場合の部屋の利用状況と職員の配置状況を把握した上で、現在の委託料の金額の妥当性を検証し、明確な根拠を基に積算するとともに、当年度の利用実績に見合った委託料となるよう、契約内容の見直しを検討されたい。また、生活支援ハウスを市全域で実施する必要性や需給バランスも検証し、高齢者支援のための需給の調整弁の役割を果たす本事業の規模や施設の集約など事業のあり方について検討されたい。

ウ 保健総務課、生活衛生課

新型コロナウイルス感染症への対応と課題について

【現状及び課題】

  • 保健総務課、生活衛生課、保健所浜北支所においては、新型コロナウイルス感染症の流行初期段階から患者対応等に追われ、危機管理体制の整備や関係部署との調整を行う新型インフルエンザ等対策会議の開催が滞り、業務負荷が保健所に偏ったことで多大な時間外勤務が必要となった。これについて、生活衛生課は、増大した現場対応業務に加え、刻々と変化する日々の状況をふかんで捉え適正な対応につなげる関係部署との調整機能の欠如によるものと分析している。
  • 国からは、通知等により対応方針が逐次示されるのみで、市・国の間における業務量の調整は行われなかった。県からは初期段階から政令指定都市分は政令指定都市での対応を求められることが多く、県が一括して対応した方が効率的と考えられる事務についても調整がつかないことが多かった。
  • 新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、次の感染症危機に備えるため、令和6年4月1日施行の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正により、保健所設置市である本市にも感染症予防計画の策定が義務付けられた。また、同法の改正により、令和5年4月1日から県が保健所設置市、感染症指定医療機関等の関係機関との連携協議会を組織することとされた。
  • 保健総務課は、感染症予防計画の実行性を担保しながら新興感染症等の健康危機に備えるため、平時及び感染症拡大時等における保健所の体制整備等を定める健康危機対処計画について、令和6年12月の策定を目指している。これに伴い、BCP(業務継続計画)の見直しについても検討を行うとしている。

【意見】

  • 保健所では、新型コロナウイルス感染症の流行初期から、長期間にわたり対応に取り組み、多くの職員の尽力により未曽有の健康危機に対処した。これらの経験と学びを、今後の新興感染症対策の糧とするよう、今回の経験を早急に記録として取りまとめ、感染症予防計画を踏まえて今後策定される保健所健康危機対処計画に反映されたい。この中で、実務を担う課長等で構成する新型インフルエンザ等対策会議が必要な時期に適切な規模で開催できるよう検討するとともに、BCP見直しを含む全庁的な体制の構築により実効性を高められたい。さらに、健康危機における県との適切な連携について、より効率的で実効性が高いものとするよう県連携協議会の場等を通じて体制の強化を図られたい。
  • 新興感染症等による健康危機発生時には、流行初期から多くの業務を行う必要があることから、早期の人材確保やアウトソーシングによる対応が有効となる。保健所は、現役職員の人材育成に併せ、BCP発動による他課からの応援職員の協力、業務の外部委託及び労働者派遣の活用のほか、地域の保健師等の専門職が保健所業務を支援する仕組みIHEAT※の活用や、退職した職員を活用する仕組みを検討するなど、健康危機に対して迅速かつ臨機応変に対応できる体制づくりに努められたい。
    ※IHEAT・・・感染症のまん延等の健康危機が発生した場合に地域の保健師等の専門職が保健所等の業務を支援する仕組み。

 

エ 保健環境研究所

保健環境研究所の体制強化、調査研究事業及び毒物劇物管理について

【現状及び課題】

  • 保健環境研究所における新型コロナウイルスの検査業務については、特に流行初期段階に試薬や検査用品の確保が困難であったことから、他課の備蓄品の受入れや検査方法の見直しにより対応した。また、検査数の増加に伴い検査人員も不足することとなったが、所内での業務応援、検査機器の購入等により、円滑な検査実施に努めた。
  • 新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、令和5年4月1日施行の地域保健法の改正により地方衛生研究所の法的位置付けが明確化された。これにより、試験検査、調査研究、情報収集及び研修の機能強化、他の地方公共団体との連携の確保等に加え、平時からの健康危機発生時に備えた計画的な体制整備の推進が求められている。
  • 本市の地方衛生研究所である保健環境研究所の平常時の業務割合は、試験検査が約8割を占める一方で、調査研究が約1割、情報収集及び研修が約1割に留まっている。
  • 専任指導員によるサポート体制、外部の研修への積極的な参加により職員の技術力向上を図っているが、市内医療機関との共同研究事例はあるものの、国、県、先進都市等への職員派遣や、外部資金を活用した調査研究は行われていない。
  • 保健環境研究所は、多数の毒物及び劇物を保有している。これらは、毒物及び劇物取締法に基づいて、盗難や紛失を防ぐための必要な措置を講じる必要があるが、劇物については、取り扱う種類が非常に多く、使用頻度も高いことから、在庫管理はできているものの、使用量の記録までは難しい状況にある。

【意見】

  • 保健環境研究所は、新型コロナウイルス感染症対応において、円滑な検査の実施のため、人員、検査機器等の体制整備に努めるなど、重要な役割を果たした。
  • 新型コロナウイルス感染症対応を踏まえた地域保健法の改正により、地方衛生研究所の機能強化や平時からの健康危機発生時に備えた計画的な体制整備が求められている。現状では業務全体の約1割でしかない調査研究機能を強化するとともに、資質向上に積極的に取り組み、検査精度の向上に加え、職員の意欲向上、課題解決能力の習得等を図り、保健環境研究所の機能強化や健康危機発生時に備えた体制整備に努められたい。また、国、県、先進都市等への職員派遣や外部資金を活用した調査研究等も、外部機関との協力、連携体制の構築に有益であることから、実施について検討されたい。
  • 全国的に毒物及び劇物の様々な盗難、紛失事件が発生していることから、研究機関などの事例を参考に、侵入者や職員による盗難、紛失などを防止する体制を整備し、万が一、盗難や紛失があった場合でも、早期発見、盗難紛失時期の特定が可能となるよう、適切な管理、定期点検等を実施するとともに、職員への教育や緊急時の対応を想定した訓練の実施にも努められたい。

(4) こども家庭部

こども若者政策課(旧:次世代育成課)

少子化対策の取組について

【現状及び課題】

  • こども若者政策課は、人口減少の要因の1つと考えられる未婚化・晩婚化の抑制を目的として、令和4年度から婚姻に伴う新生活の経済的不安を軽減するため、新婚世帯に住宅取得費用等の一部を補助する結婚新生活支援事業を実施している。また、同年から、静岡県及び県内全市町と連携し、マッチングシステムや婚活イベント等を活用した出会いの機会の提供や専門相談員による結婚相談等のサービスの提供など広域的かつ総合的な結婚支援に取り組むふじのくに出会い応援事業を実施している。
  • 本市では、第2期浜松市”やらまいか”総合戦略において、令和6年の合計特殊出生率を平成30年の1.51から1.84に、令和6年度の「子どもを生み育てやすい環境が整っていると思う人の割合」を令和元年度の21.5%から50.0%に上昇させる数値目標を定め、各種施策に取り組んでいるが、令和4年の合計特殊出生率は1.35、令和4年度の「子どもを生み育てやすい環境が整っていると思う人の割合」は21.4%と、数値の上昇に結びついていない。
  • こども施策を総合的に推進するため、令和5年4月にこども基本法が施行された。同法において、市町村は、政府が定めるこども大綱を勘案して「こども計画」を定めるよう努めるものとされたことから、本市では、現行の浜松市子ども・若者支援プランの次期計画として、少子化対策、子ども・若者育成支援及び子どもの貧困対策の内容を含む「こども計画」を令和6年度中に策定することとしている。

【意見】

  • 少子化対策は、これまでの東京一極集中で見られたように、生産年齢世代の社会移動によって地方の投資効果の多くが大都市圏等に流出するおそれがあるため、国が主導し推進すべきものである。本市においては、これまで少子化対策のための様々な市単独施策を行ってきたが、令和6年度の地方財政対策としてこども・子育て政策の強化に必要な地方財源を確保する方針が示されるなど、国の支援が拡充された。こども若者政策課は、国の動向を注視するとともに国の財源を最大限活用し、関係課との連携のもと少子化対策に取り組まれたい。なお、本市独自の事業の構築及び運用に当たっては、本市の人口推移等の統計データを注視することはもとより、近隣自治体の関連統計データ及び施策の情報の収集・分析に努められたい。
  • こども若者政策課は、令和5年4月に施行されたこども基本法を受け、「こども計画」の策定に向け取り組んでいる。同計画において重要業績評価指標(KPI)を設定する際には、KPIの達成・高評価が政策目標の達成につながるかについて十分に検討されたい。

(5) 土木部

道路企画課

横断歩道橋の更新・廃止について

【現状及び課題】

  • 平成24年12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を契機として道路インフラの老朽化問題が注目されたことに伴い、道路法等の改正が行われた。これにより、平成26年7月から橋りょう、トンネル、横断歩道橋等について5年に1回の点検及び健全性の診断が義務付けられた。
  • 本市では、平成29年度から30年度にかけて市が管理する横断歩道橋の法定点検を実施し、緊急に措置を講じるべきものはなかったものの、全55橋のうち32橋の横断歩道橋が早期に措置を講ずべき状態であったことから、通学路等として継続的に利用がある30橋の修繕を実施するとともに、浜松市横断歩道橋維持管理ガイドラインに基づき、健全性の低下等に加え、地元からの意向変化等などを踏まえ、2橋の更新・廃止の検討を行った。
  • この結果、利用者がほとんどおらず、地元協議において撤去の意向が示された「龍山中学校歩道橋」が令和4年度末で廃止された。また、信号機のある横断歩道が設置されており、通学路でないことから小中学生の利用が少なく地元から平面横断化の要望もあった「細島歩道橋」も平面横断化に合わせて、廃止を進めている。
  • 令和元年度から5年度までの法定点検及び設計を含めた修繕費として、約12億5,000万円を要している。廃止が決定した2つの横断歩道橋を除き、市が管理している53橋のうち約7割が昭和40年代以前に建設されていることから、今後も、老朽化に伴う修繕等が必要となる。

【意見】

  • 高度経済成長期に整備された社会インフラの更新と適正な維持管理が全国的課題となるなか、本市が管理している横断歩道橋は7割以上が設置後50年を経過している。それらを含め全ての横断歩道橋について平成29年度から30年度にかけて法定点検を実施し、利用者が少なく、地元から廃止要望があった2橋の廃止を決定した。また、令和元年度から5年度までに約12億5,000万円を費やして点検及び修繕を実施した。
  • 横断歩道橋の廃止の目安となる利用者数は定められていないが、年少人口の減少と高齢者人口の増加により、昼間の利用者が33人である「細島歩道橋」のように昭和53年に国土交通省が定めた設置時の利用者数1時間当たり100人の目安を大幅に下回っている横断歩道橋が多数存在するものと推測される。
  • また、一部の横断歩道橋の支柱、階段等は、車いす、ベビーカーなどの歩道利用者の円滑な通行の妨げになっている。近年は、ユニバーサルデザインの観点から、本市では中心部の地下道を廃止したほか、他の自治体でも横断歩道橋を撤去・統廃合し平面横断化する動きがみられるなど、横断歩道による平面横断化が見直されている。
  • 道路企画課は、横断歩道橋のあり方に関する市民の意見の聴取について地元からの廃止要望がない場合においても、歩行者等の支障を含めた横断歩道橋の利用実態の把握と安全確保のための措置を検討した上で撤去、統廃合の明確な基準を定めるなど、横断歩道橋の存廃の検討をされたい。

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お問い合わせ

浜松市役所監査事務局 

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2391

ファクス番号:050-3730-5218

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