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更新日:2019年9月18日

平成30年度 浜松市公営企業会計決算審査意見書1

第1 審査の対象

上記の各事業会計決算に関する証書類、事業報告書、キャッシュ・フロー計算書、収益費用明細書、固定資産明細書及び企業債明細書
なお、病院事業は、浜松医療センター(以下「医療センター」という。)、浜松市リハビリテーション病院(以下「リハビリ病院」という。)及び浜松市国民健康保険佐久間病院(以下「佐久間病院」という。)の3病院を経営している。

第2 審査の期間

令和元年5月31日から同年8月1日まで

第3 審査の方法

30年度浜松市公営企業会計の各事業会計決算について、

  • 決算書とその附属書類が、地方公営企業法その他関係法令に基づいて作成されているか
  • 決算書類に記載された計数は正確であるか
  • 予算は適正に執行されているか
  • 各事業の経営成績及び財政状態を明瞭かつ適正に表示しているか

を検証した。
また、各事業が企業の経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進するように運営されているかについて、次の「審査の着眼点」のとおり審査における重要項目を設定し、審査した。

【審査の着眼点】

  • 固定資産や貯蔵品の管理及び記録は適正に行われているか
  • 未収金の管理及び回収は適正に行われているか
  • 引当金の計上は網羅的かつ正確に行われているか
  • 企業債の管理は適正に行われているか
  • 浜松市中期財政計画、事業ごとの各種計画等は適正に執行されているか

さらに、29年度決算審査における意見について、対応が講じられているかを確認した。
審査手続については、試査を基礎として行い、決算諸表と会計帳簿、預金残高証明書等の証拠書類と照合し、計数の確認のほか、関係職員から説明を聴取し、上記の検証項目と着眼点に基づく審査並びに経営成績及び財政状態の分析を行った。

第4 審査の結果

1 審査結果

各事業会計の決算書とその附属書類は法令に基づき作成されており、決算諸表の計数はいずれも正確で、予算執行状況、経営成績及び財政状態に係る表示については、いずれも適正であると認められた。

2 決算書を正確に理解するための留意事項

  • (1) 決算報告書は、消費税及び地方消費税相当額を含め収入、支出の総額が記載され、損益計算書等の財務諸表は、消費税及び地方消費税相当額を控除して作成されている。
  • (2) 職員の退職手当の支給に備えるため、年度末における退職手当の要支給額に相当する金額を退職給付引当金として計上しているが、病院事業のうち佐久間病院、水道事業及び下水道事業については会計基準変更時の差異が生じており、平均残余期間内の一定年数にわたり、均等額を費用処理している。
    当年度末における退職手当要支給額、退職給付引当金残高及びその差額は以下のとおりである。

30年度末における退職手当要支給額、退職給付引当金残高

(単位:千円)

区分

病院  

水道

下水道

医療センター

リハビリ病院

佐久間病院

退職手当要支給額(A) 338,880 601 7,824 330,453 1,471,937 827,107
退職給付引当金残高(B) 228,687 601 7,824 220,260 977,268 576,495
退職給付引当金不足額(A)-(B) 110,192 0 0 110,192 494,669 250,611

3 決算の概要

(1) 経営成績

(単位:千円)

区分

病院  

水道

下水道

医療センター

リハビリ病院

佐久間病院

営業収益

4,197,489 266,340 3,287,700 643,448 10,614,134 12,035,782

営業費用

6,766,938 1,965,031 3,638,205 1,163,701 10,822,926 15,914,584

営業損益

△ 2,569,448 △ 1,698,691 △ 350,504 △ 520,252 △ 208,791 △ 3,878,801

営業外収益

3,720,643 2,724,368 416,223 580,051 1,346,484 9,129,334

営業外費用

439,052 313,137 84,443 41,470 468,019 3,033,081
経常損益 712,142 712,538 △ 18,724 18,328 669,673 2,217,450

特別利益

8,308 12 28 8,267 5,826 6,783

特別損失

36,768 0 18,473 18,295 31,839 32,922
当年度純損益 683,682 712,551 △ 37,169 8,300 643,659 2,191,312
当年度未処分利益剰余金
(△未処理欠損金)
2,955,641 3,126,365 △ 293,012 122,288 1,961,029 2,932,419

30年度の経営成績は、病院事業のうちリハビリ病院は純損失を計上したものの、医療センター及び佐久間病院、水道事業及び下水道事業で純利益を計上している。

  • ア 病院事業全体では、25億6,944万円の営業損失が生じたものの、7億1,214万円の経常利益が生じている。
    経常損益を病院別にみると、リハビリ病院で1,872万円の経常損失が生じているものの、医療センターで7億1,253万円、佐久間病院で1,832万円の経常利益が生じている。
    損益全体では6億8,368万円の純利益が生じ、当年度未処分利益剰余金は29億5,564万円となっている。
  • イ 水道事業は、2億879万円の営業損失が生じたものの、6億6,967万円の経常利益が生じている。損益全体では6億4,365万円の純利益が生じ、当年度未処分利益剰余金は19億6,102万円となっている。
  • ウ 下水道事業は、38億7,880万円の営業損失が生じたものの、22億1,745万円の経常利益が生じている。損益全体では21億9,131万円の純利益が生じ、当年度未処分利益剰余金は29億3,241万円となっている。

経常損益の推移

経常損益の推移

ア 病院事業

  • (ア) 医療センター
    過去5年、継続して経常利益を計上しているが、30年度は、指定管理者から受け取る負担金(変動分)の増により、利益の計上額が大きく増加している。
  • (イ) リハビリ病院
    過去5年、継続して経常損失を計上しているが、30年度は、入院収益及び外来収益の増加により経常損失が減少している。特に、26年度では旧施設の取壊しに伴い、償却未済額を含めた資産減耗費3億847万円により、大幅な損失を計上している。
  • (ウ) 佐久間病院
    過去5年、経常損益は均衡しているが、30年度は、主として一般会計負担金4,577万円が減少したものの、1,832万円の利益を確保している。
イ 水道事業

過去5年、継続して経常利益を計上しているが、30年度は、主として営業収益の給水収益8,855万円の減、営業費用の業務費1億3,464万円、原水及び浄水費9,032万円の増により減少している。

ウ 下水道事業

過去5年、継続して経常利益を計上しているが、30年度は、主として浜松市公共下水道終末処理場(西遠処理区)運営事業の開始に伴う委託料の減により増加している。

(2) 財政状態

(単位:千円)

区分

病院  

水道

下水道

医療センター

リハビリ病院

佐久間病院

固定資産

26,480,635 17,516,155 7,214,463 1,750,016 107,646,519 350,580,354

流動資産

4,157,335 2,762,317 808,110 586,907 15,287,448 7,567,113

(前年度資産合計)

(30,406,459) (19,910,234) (8,180,775) (2,315,448) (122,743,203) (364,992,068)
資産合計 30,637,971 20,278,473 8,022,574 2,336,923 122,933,968 358,147,467

固定負債

15,338,858 9,512,920 5,174,513 651,425 24,330,418 144,624,930

流動負債

2,445,131 1,804,606 469,663 170,861 5,024,534 17,087,087

繰延収益

1,216,673 511,600 134,092 570,980 21,107,593 147,122,251

(前年度負債計)

(19,455,463) (12,173,439) (5,899,301) (1,382,722) (50,916,602) (319,347,642)

負債計

19,000,664 11,829,127 5,778,269 1,393,267 50,462,546 308,834,269

資本金

3,639,993 2,966,080 56,685 617,227 66,739,205 44,659,382

資本剰余金

3,747,499 1,098,229 2,480,631 168,637 18,742 1,721,397

利益剰余金(欠損金)

4,249,815 4,385,036 △ 293,012 157,791 5,713,473 2,932,419

(前年度資本計)

(10,950,996) (7,736,795) (2,281,474) (932,726) (71,826,600) (45,644,426)

資本計

11,637,307 8,449,346 2,244,304 943,656 72,471,421 49,313,198

(前年度負債資本合計)

(30,406,459) (19,910,234) (8,180,775) (2,315,448) (122,743,203) (364,992,068)
負債資本合計 30,637,971 20,278,473 8,022,574 2,336,923 122,933,968 358,147,467

ア 病院事業

資産の総額は306億3,797万円で、29年度に比べて、2億3,151万円(0.8%)増加している。
負債の総額は190億66万円で、29年度に比べて、4億5,479万円(2.3%)減少し、資本の総額は116億3,730万円で、29年度に比べて、6億8,631万円(6.3%)増加している。

イ 水道事業

資産の総額は1,229億3,396万円で、29年度に比べて、1億9,076万円(0.2%)増加している。
負債の総額は504億6,254万円で、29年度に比べて、4億5,405万円(0.9%)減少し、資本の総額は724億7,142万円で、29年度に比べて、6億4,482万円(0.9%)増加している。

ウ 下水道事業

資産の総額は3,581億4,746万円で、29年度に比べて、68億4,460万円(1.9%)減少している。
負債の総額は3,088億3,426万円で、29年度に比べて、105億1,337万円(3.3%)減少し、資本の総額は493億1,319万円で、29年度に比べて、36億6,877万円(8.0%)増加している。

資産・負債・資本の構成内訳

資産・負債・資本の構成内訳
資産・負債・資本の構成内訳
資産・負債・資本の構成内訳

資産・負債・資本の構成内訳
資産・負債・資本の構成内訳

(注) 表中の金額は、億円未満を四捨五入している。

(3) キャッシュ・フローの状況

(単位:千円) 

区分

病院  

水道

下水道

医療センター

リハビリ病院

佐久間病院

業務活動による
キャッシュ・フロー
1,978,793 1,571,320 359,085 48,387 4,807,199 8,259,030

当年度純損益

683,682 712,551 △ 37,169 8,300 643,659 2,191,312

減価償却費

1,330,593 989,752 282,487 58,353 4,670,704 12,922,165

長期前受金戻入額

△ 129,080 △ 29,340 △ 75,934 △ 23,806 △ 1,258,060 △ 6,092,391

その他

93,598 △ 101,643 189,701 5,540 750,894 △ 762,056
投資活動による
キャッシュ・フロー
△ 437,298 △ 436,423 15,410 △ 16,285 △ 4,439,550 △ 1,984,625

有形固定資産の
取得による支出

△ 550,878 △ 446,908 △ 63,925 △ 40,044 △ 5,214,087 △ 4,541,255

国庫補助金等
による収入

13,699 13,699 0 0 136,549 1,856,663

一般会計負担金等
による収入

106,455 0 79,336 27,119 345,854 0

その他

△ 6,574 △ 3,214 0 △ 3,360 292,132 699,966
財務活動による
キャッシュ・フロー
△ 935,812 △ 723,767 △ 177,263 △ 34,781 △ 402,308 △ 5,369,673

建設改良費等の財源に充てるための企業債による収入

440,600 440,600 0 0 1,609,000 6,766,300

建設改良費等の財源に充てるための企業債の償還による支出

△ 1,373,822 △ 1,164,367 △ 177,263 △ 32,191 △ 1,839,173 △ 13,255,114

その他

△ 2,590 0 0 △ 2,590 △ 172,135 1,119,140
資金増減額 605,683 411,129 197,232 △ 2,678 △ 34,660 904,731
資金期首残高 2,410,557 1,857,968 59,442 493,146 14,138,997 4,693,514
資金期末残高 3,016,240 2,269,097 256,674 490,467 14,104,337 5,598,246

ア 病院事業

業務活動で19億7,879万円の資金を生み出しているものの、投資活動で4億3,729万円、財務活動で9億3,581万円の資金を費消している。この結果、30年度は6億568万円の資金が増加し、資金の期末残高は、30億1,624万円となっている。
資金の増減額を病院別にみると、佐久間病院で267万円減少しているものの、医療センターで4億1,112万円、リハビリ病院で1億9,723万円増加している。

イ 水道事業

業務活動で48億719万円の資金を生み出しているものの、投資活動で44億3,955万円、財務活動で4億230万円の資金を費消している。この結果、30年度は3,466万円の資金が減少し、資金の期末残高は、141億433万円となっている。

ウ 下水道事業

業務活動で82億5,903万円の資金を生み出しているものの、投資活動で19億8,462万円、財務活動で53億6,967万円の資金を費消している。この結果、30年度は9億473万円の資金が増加し、資金の期末残高は、55億9,824万円となっている。

(4) 企業債

(単位 金額:千円、比率:%)

区分

病院  

水道

下水道

合計

医療センター

リハビリ病院

佐久間病院

借入額 440,600 440,600 0 0 1,609,000 6,766,300 8,815,900
償還額 1,373,826 1,164,367 177,263 32,195 1,839,173 13,255,114 16,468,114
未償還残高 16,425,774 10,656,978 5,366,712 402,083 24,757,513 156,609,845 197,793,133
支払利息及び
企業債取扱諸費
398,972 313,108 78,540 7,322 467,208 2,945,545 3,811,726
利子負担率 2.36 2.84 1.44 1.62 1.83 1.84 1.88
(注) 利子負担率=支払利息及び企業債取扱諸費/平均(企業債+借入金+リース債務)×100

企業債未償還残高は、3事業全体で1,977億9,313万円である。
事業別にみると、下水道事業が最も多く1,566億984万円、次いで水道事業247億5,751万円、病院事業のうち医療センター106億5,697万円となっている。
企業債未償還残高の削減に向けて企業債発行を抑制する取組を推進しており、3事業全体で企業債残高が減少している。

企業債未償還残高の推移

企業債未償還残高の推移

(5) 一般会計繰入金

(単位 金額:千円、比率:%)

区分

病院  

水道

下水道

合計

医療センター

リハビリ病院

佐久間病院

一般会計繰入金 2,751,065 1,711,393 419,101 620,571 510,327 6,146,449 9,407,842

収益的収入

2,644,610 1,711,393 339,765 593,452 175,818 5,128,490 7,948,919

収益に対する繰入率

33.4 57.2 9.2 48.2 1.5 24.2 19.4

資本的収入

106,455 0 79,336 27,119 334,508 1,017,959 1,458,923

(注) この表には、地方公営企業法第17条の2に基づく繰入金のほか、任意による繰入金を含む。
また、水道事業には「飲料水供給施設業務負担金」を、下水道事業には「合併処理浄化槽設置業務負担金」を含む。

一般会計から企業会計への繰入金は、3事業全体で94億784万円である。
事業別にみると、下水道事業が最も多く61億4,644万円、次いで病院事業のうち医療センター17億1,139万円、佐久間病院が6億2,057万円となっている。
収益的収入に対する繰入率は、病院事業のうち医療センターが最も高く57.2%、次いで病院事業のうち佐久間病院48.2%、下水道事業24.2%となっている。

一般会計繰入金の推移

一般会計繰入金の推移

4 審査意見

(1) 総括

人口減少、超高齢社会、大規模地震や局地的豪雨等の自然災害の発生など、社会を取り巻く環境が変化し対応が求められるなか、公営企業は、公共の福祉を増進するため、常に継続性、安定性を維持したサービスを市民に提供していくことが求められている。
病院事業においては、医療センター、リハビリ病院及び佐久間病院の3病院を運営している。医療センター及びリハビリ病院においては、患者数の増加に伴い医業収益は堅調に推移しているものの、今後、医療センター新病院整備事業による企業債の増加、リハビリ病院整備事業における企業債償還の開始に伴い償還額の増加が見込まれることから、財政状況に注視していかなければならない。佐久間病院においては、道路網が整備されることにより患者数の増加が期待されるものの、現状では人口減少に伴い患者数は依然として減少し、医業収益の低下が課題となっており、今後の運営の在り方を検討していかなければならない。
水道事業においては、中期財政計画を上回る留保資金残高を生み出しているものの、人口減少等による料金収入の減少、耐震化や改築更新の推進により、留保資金残高の減少が推測されることから、将来の財務状況等を正確に試算し見極めていかなければならない。
下水道事業においては、平成30年4月から20年間にわたる民間の活力を生かした浜松市公共下水道終末処理場(西遠処理区)運営事業を開始したところである。初年度は運営事業における運営権対価を活用した繰上償還により、企業債残高削減の取組を行っている。今後においては、引き続き事業に対するモニタリングを実施するなかで、単年度の事業評価のみならず、長期的な視点で運営状況を確認していかなければならない。
また、各企業において策定された「新公立病院改革プラン」、「浜松市水道事業ビジョン」、「浜松市下水道ビジョン」において、維持管理や更新に係る費用の抑制、料金体系の適正化等による経営基盤の強化に取り組んでいるところである。各企業は、これらのビジョン等に基づき、実績を分析、検証し、課題の早期解決に努めるとともに、変化し続ける社会経済情勢にも対応できる健全な経営、安定したサービスの提供ができるよう企業経営に取り組まれたい。
なお、事業会計ごとに意見を述べる。

(2) 病院事業会計

ア 資金運用について(医療センター)

【現状及び課題】

  • 資金運用について、浜松市病院事業資金の管理運用方針の3基本原則の(3)効率性の追求において「安全性と流動性を確保したうえで、効率性を追求する。」と規定している。
  • 浜松市病院事業資金運用基準 4 預貯金の運用において、金額が3億円未満又は期間が1月未満のものは、「流動性を考慮し、浜松市病院事業会計出納取扱金融機関、浜松市指定金融機関又は指定代理金融機関に預金する。」と規定している。また、金額が3億円以上かつ期間が1月以上のものは、「浜松市病院事業資金運用に係る競争入札実施要領により運用先を決定する。」と規定している。
  • 平成30年度の浜松市病院事業会計のうち、医療センターの別段預金には常に8億円以上が滞留していたが、病院管理課において資金運用について検討されておらず、経済的、効率的な資金運用を行っていたとはいえない状況が認められた。

【意見】

  • 病院管理課は、浜松市病院事業資金運用基準に従い、3億円以上かつ運用可能な期間が1月以上の資金については、公営企業として経済性、効率性を追求した資金運用に取り組まれたい。

イ 政策的医療交付金の審査について(医療センター)

【現状及び課題】

  • 医療センターが公立病院としての使命を果たすため、救急医療、感染症医療、周産期医療及び小児医療などに必要な経費を政策的医療交付金として、指定管理者である医療公社に交付している。
  • 浜松市病院事業政策的医療交付金交付要綱第4条の概算払請求については、同要綱第5条において「請求書の提出があった場合は、市長はその内容を審査し、 (中略) 交付することができる。」と規定している。
  • 平成30年度の政策的医療交付金に関し、病院管理課は、指定管理者からの概算払請求書のみを受領しただけで交付しており、指定管理者の資金状況を確認していないことから、その内容を審査していない状況が認められた。

【意見】

  • 病院管理課は、浜松市病院事業政策的医療交付金交付要綱に基づき、その内容を審査する必要があることから、指定管理者の資金状況を確認するなどにより、政策的医療交付金の請求内容を審査されたい。

ウ 利益の清算について(リハビリ病院)

【現状及び課題】

  • リハビリ病院は、代行制による指定管理者制度で運営を行っており、診療報酬等の収入について、浜松市病院事業診療報酬交付金交付要綱(以下「診療報酬交付金要綱」という。)に基づき、市の必要経費を控除した後、診療報酬交付金として指定管理者に交付している。
  • 平成26年度から診療報酬交付金要綱第4条で、「指定管理者が、1千万円以上の利益を出した場合、市に対して、1千万円を越える利益の額の1/2を返還する」と規定している。
  • 平成30年度になって初めて指定管理者から利益の返還が0円となったのは、指定管理者の特別費用の増加傾向が要因の一つとして考えられる。
  • 指定管理者の特別費用は、計上ルールの運用が複雑であることから、利益の清算を実施するうえで精査が困難になる恐れがある。

【意見】

  • 病院管理課は、指定管理者が診療報酬交付金要綱第4条に基づき、1千万円以上の利益を出した場合、1千万円を超える利益の1/2に相当する額を市に返還させるルールの実効性を高めるため、指定管理者の利益を算定する際に控除する特別費用の項目について、引き続き十分な精査に努め、妥当性及び透明性が確保されるよう取り組まれたい。

エ 会計事務に関する病院の連携について(病院管理課、佐久間病院)

【現状及び課題】

  • 市の会計事務のうち、一般会計及び特別会計は会計課が、水道事業会計及び下水道事業会計は上下水道総務課が、それぞれ会計事務の審査を行っている。
  • 病院事業会計では、支払事務等の審査部門が設置されていない。なかでも、全て直営で会計事務を行っている佐久間病院において、会計事務の誤りが散見されている。
  • 病院事業は、3病院一体として適正に運営されるべきものである。現状では、病院管理課は、病院事業のうち医療センター及びリハビリ病院の管理を行っているが、同じ病院事業である佐久間病院に関して十分に関与できていない状況である。

【意見】

  • 病院管理課は、現行の組織体制のなかで事務処理連携の仕組みを見直し、病院事業会計全体の会計事務処理がより適正かつ効果的、効率的に行える環境作りに努められたい。
  • 病院管理課及び佐久間病院は、一層の相互連携を図りながら、日常業務のバックアップ体制の構築に努められたい。

(3) 下水道事業会計

ア 浜松市公共下水道終末処理場(西遠処理区)運営事業について

【現状及び課題】

  • 浜松市公共下水道終末処理場(西遠処理区)の運営に関して、平成30年4月から民間の活力や創意工夫を生かしたコンセッション方式により行っている。
  • 運営権者が、公共施設等運営権実施契約書や事業計画書に基づいた事業運営を適正に行っているか確認するため、運営権者、市、第三者それぞれでモニタリングを定期的に行っている。市は、この結果に基づいて、財務、改築、維持管理等の事業が適正に実施されているか内容の確認と改善の指示を行っている。
  • 30年度において、市の下水道事業会計決算は適正に処理されている。
  • 当該運営事業の決算においては、運営権者との連結決算等による事業全体の会計状況が示されていない。

【意見】

  • コンセッション方式の事業の導入による効果や影響について下水道事業の全体像を示すことで市民への説明責任が果たせるよう、本市下水道事業会計にコンセッション方式の事業を含めた決算の作成について検討されたい。

イ 汚水衛生処理率向上について

【現状及び課題】

  • 市は、浜松市下水道ビジョンにおいて、基本方針のひとつとして「良好な環境の創造」を掲げ、「総合的な汚水処理(10年プラン)の推進」の取組を行っている。
  • 30年度の汚水衛生処理率の計画値89.3%に対し、実績値は86.5%、また、合併処理浄化槽設置基数の計画値25,000基に対し、実績値は23,068基となっており、計画値と実績値との差が年々大きくなっている。
  • 汚水衛生処理率向上のためには、合併処理浄化槽設置基数をいかに増加させるかが重要な要素である。
  • こうしたなか、30年度から合併処理浄化槽へ設置替えを勧奨するため、戸別訪問などの啓発活動を行うための職員を増員し体制強化を図っており、また、一般会計にて措置される設置補助金の活用効果が期待される。

【意見】

  • 浜松市下水道ビジョンに定められた汚水衛生処理率について、現状では計画値に達していないが、職員の増員による体制強化を図っていることから、今後は関係部署と一層の連携を図り、施策目標の達成に取り組まれたい。

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〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

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