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更新日:2018年9月13日

平成29年度浜松市公営企業会計歳入歳出決算審査意見書1

第1 審査の対象

上記の各事業会計決算に関する証書類、事業報告書、キャッシュ・フロー計算書、収益費用明細書、固定資産明細書及び企業債明細書
なお、病院事業は、浜松医療センター(以下「医療センター」という。)、浜松市リハビリテーション病院(以下「リハビリ病院」という。)及び浜松市国民健康保険佐久間病院(以下「佐久間病院」という。)の3病院を経営している。

第2 審査の期間

平成30年5月31日から同年7月18日まで

第3 審査の方法

29年度浜松市公営企業会計の各事業会計決算について、

  • 決算書とその附属書類が、地方公営企業法その他関係法令に基づいて作成されているか
  • 決算書類に記載された計数は正確であるか
  • 予算は適正に執行されているか
  • 各事業の経営成績及び財政状態を明瞭かつ適正に表示しているか

を検証した。
また、各事業が企業の経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進するように運営されているかについて、次の「審査の着眼点」のとおり、審査における重要項目を設定し、審査した。

【審査の着眼点】

  • 固定資産や貯蔵品の管理及び記録は適正に行われているか
  • 未収金の管理及び回収は適正に行われているか
  • 引当金の計上は網羅的かつ正確に行われているか
  • 企業債の管理は適正に行われているか
  • 浜松市中期財政計画、事業ごとの各種計画等は適正に執行されているか

さらに、28年度決算審査における意見について、対応が講じられているかを確認した。
審査手続については、試査を基礎として行い、決算諸表と会計帳簿、預金残高証明書等の証拠書類と照合し、計数の確認のほか、関係職員から説明を聴取し、上記の検証項目と着眼点に基づく審査並びに経営成績及び財政状態の分析を行った。

第4 審査の結果

1 審査結果

各事業会計の決算書とその附属書類は法令に基づき作成されており、決算諸表の計数はいずれも正確で、予算執行状況、経営成績及び財政状態に係る表示については、いずれも適正であると認められた。

2 決算書を正確に理解するための留意事項

  • (1) 決算報告書は、消費税及び地方消費税相当額を含め収入、支出の総額が記載され、損益計算書等の財務諸表は、消費税及び地方消費税相当額を控除して作成されている。
  • (2) 職員の退職手当の支給に備えるため、年度末における退職手当の要支給額に相当する金額を退職給付引当金として計上しているが、病院事業のうち佐久間病院、水道事業及び下水道事業については会計基準変更時の差異が生じており、平均残余期間内の一定年数にわたり、均等額を費用処理している。
    当年度末における退職手当要支給額、退職給付引当金残高及びその差額は以下のとおりである。

29年度末における退職手当要支給額、退職給付引当金残高

(単位:千円)

区分

病院  

水道

下水道

医療センター

リハビリ病院

佐久間病院

退職手当要支給額(A) 300,983 440 7,334 293,209 1,436,570 784,086
退職給付引当金残高(B) 204,874 440 7,334 197,099 914,234 527,109
退職給付引当金不足額(A)-(B) 96,109 0 0 96,109 522,335 256,976
  • (3) 水道事業会計は、平成29年4月1日の簡易水道事業の移管にあたり、簡易水道事業特別会計から財産の譲受けと企業債の承継をした。当該事項に係る決算書への影響額は以下のとおりである。

(単位:千円)

譲り受けた資産 承継した負債・資本等
有形固定資産 7,557,588 企業債 3,809,723
未収金 57,539 未払金 114,108
    長期前受金(国県補助・受贈財産) 2,305,039
    資本金 1,372,039
    資本剰余金(国県補助・受贈財産) 14,218
合計 7,615,127 合計 7,615,127

※ 簡易水道事業特別会計において打ち切り決算後に発生した未収金及び未払金については、水道事業会計が承継し処理している。
※ 表中の金額は、億円未満を四捨五入している。

3 決算の概要

(1) 経営成績

(単位:千円)

区分

病院  

水道

下水道

医療センター

リハビリ病院

佐久間病院

営業収益

4,167,716 252,789 3,224,276 690,651 10,624,532 12,929,440

営業費用

6,885,520 2,085,490 3,599,224 1,200,804 10,462,705 17,293,326

営業損益

△ 2,717,803 △ 1,832,701 △ 374,948 △ 510,153 161,827 △ 4,363,886

営業外収益

3,615,938 2,600,522 394,010 621,406 1,426,259 9,144,759

営業外費用

469,535 351,000 81,652 36,883 540,016 3,402,344
経常損益 428,599 416,820 △ 62,590 74,369 1,048,070 1,378,527

特別利益

154 0 0 154 16,338 3,936

特別損失

30,589 18,935 8,284 3,368 50,233 9,202
当年度純損益 398,165 397,884 △ 70,875 71,156 1,014,175 1,373,260
当年度未処分利益剰余金
(△未処理欠損金)
2,195,656 2,357,819 △ 255,842 93,680 2,347,369 741,106

(注) 病院事業は、医業収益及び介護事業収益を営業収益に、医業費用及び介護事業費用を営業費用に、医業外収益を営業外収益に、医業外費用を営業外費用に、それぞれ置き換えて表示している。

29年度の経営成績は、病院事業のうちリハビリ病院は純損失を計上したものの、医療センター及び佐久間病院、水道事業及び下水道事業で純利益を計上している。

  • ア 病院事業全体では、27億1,780万円の営業損失が生じたものの、4億2,859万円の経常利益が生じている。
    経常損益を病院別にみると、リハビリ病院で6,259万円の経常損失が生じているものの、医療センターで4億1,682万円、佐久間病院で7,436万円の経常利益が生じている。
    損益全体では3億9,816万円の純利益が生じ、当年度未処分利益剰余金は21億9,565万円となっている。
  • イ 水道事業は、1億6,182万円の営業利益、10億4,807万円の経常利益が生じている。損益全体では10億1,417万円の純利益が生じ、当年度未処分利益剰余金は23億4,736万円となっている。
  • ウ 下水道事業は、43億6,388万円の営業損失が生じたものの13億7,852万円の経常利益が生じている。損益全体では13億7,326万円の純利益が生じ、当年度未処分利益剰余金は7億4,110万円となっている。

経常損益の推移

経常損益の推移

ア 病院事業

  • (ア) 医療センター
    過去5年、継続して経常利益を計上しているが、指定管理者から受け取る負担金(変動分)の増減によって利益の計上額が大きく影響している。
  • (イ) リハビリ病院
    24年度に新病院の建設準備が始まったことで、25年度以降は、継続して経常損失を計上している。特に、26年度では既存施設の取壊し工事が発生し、償却未済額を含めた資産減耗費3億847万円が影響し、大幅な損失を計上している。
  • (ウ) 佐久間病院
    過去5年、経常損益は均衡しているが、29年度は、一般会計負担金8,822万円の増により、7,436万円の利益を確保している。
イ 水道事業

過去5年、継続して経常利益を計上しており、26年度以降は、地方公営企業法会計基準の見直しによる長期前受金戻入の影響で、さらに安定している。

ウ 下水道事業

27年度は、主として西遠流域処理負担金の減により増加した。28年度は、主として西遠流域下水道事業移管に伴う減価償却費及び委託料の増により減少したが、29年度は、下水道使用料改定に伴う使用料の増により、5億5,996万円増の13億7,852万円を計上した。

※ 上記は、地方公営企業法会計基準(以下「会計基準」という。)の見直しによる影響は控除していない。26年度から、償却資産の取得又は改良に充てるための補助金、負担金その他これらに類するものについては、減価償却又は除却に見合う分を順次収益化するため、それ以前の年度よりも、損益に対しプラスの効果が発生しており、単純な比較が困難となっている。

(2) 財政状態

(単位:千円)

区分

病院  

水道

下水道

医療センター

リハビリ病院

佐久間病院

固定資産

26,921,374 17,719,269 7,481,172 1,720,931 107,063,039 357,687,589

流動資産

3,485,085 2,190,965 699,602 594,516 15,680,164 7,304,478

(前年度資産合計)

(31,307,123) (20,737,413) (8,446,717) (2,222,992) (114,049,338) (367,845,623)
資産合計 30,406,459 19,910,234 8,180,775 2,315,448 122,743,203 364,992,068

固定負債

16,190,049 10,216,819 5,374,046 599,183 24,615,874 151,089,404

流動負債

2,032,931 1,429,756 394,975 208,199 4,927,200 17,151,207

繰延収益

1,232,482 526,864 130,278 575,339 21,373,527 151,107,030

(前年度負債計)

(20,755,733) (13,398,502) (6,094,367) (1,362,862) (44,623,170) (324,637,298)

負債計

19,455,463 12,173,439 5,899,301 1,382,722 50,916,602 319,347,642

資本金

3,639,993 2,966,080 56,685 617,227 65,419,205 43,641,422

資本剰余金

3,744,870 1,098,229 2,480,631 166,008 17,581 1,261,896

利益剰余金(欠損金)

3,566,132 3,672,485 △ 255,842 149,490 6,389,813 741,106

(前年度資本計)

(10,551,390) (7,338,910) (2,352,349) (860,130) (69,426,167) (43,208,325)

資本計

10,950,996 7,736,795 2,281,474 932,726 71,826,600 45,644,426

(前年度負債資本合計)

(31,307,123) (20,737,413) (8,446,717) (2,222,992) (114,049,338) (367,845,623)
負債資本合計 30,406,459 19,910,234 8,180,775 2,315,448 122,743,203 364,992,068

(注) 前年度においては、医療センターの表中にリハビリ病院への短期貸付金、リハビリ病院の表中に医療センターからの一時借入金が、各1億円計上されているが、病院事業会計の内部取引であるため、病院全体では相殺している。

ア 病院事業

資産の総額は304億645万円で、28年度に比べて、9億66万円(2.9%)減少している。
負債の総額は194億5,546万円で、28年度に比べて、13億27万円(6.3%)減少し、資本の総額は109億5,099万円で、28年度に比べて、3億9,960万円(3.8%)増加している。

イ 水道事業

資産の総額は1,227億4,320万円で、28年度に比べて、86億9,386万円(7.6%)増加している。
負債の総額は509億1,660万円で、28年度に比べて、62億9,343万円(14.1%)増加し、資本の総額は718億2,660万円で、28年度に比べて、24億43万円(3.5%)増加している。

ウ 下水道事業

資産の総額は3,649億9,206万円で、28年度に比べて、28億5,355万円(0.8%)減少している。
負債の総額は3,193億4,764万円で、28年度に比べて、52億8,965万円(1.6%)減少し、資本の総額は456億4,442万円で、28年度に比べて、24億3,610万円(5.6%)増加している。

資産・負債・資本の構成内訳

資産・負債・資本の構成内訳
資産・負債・資本の構成内訳
資産・負債・資本の構成内訳

資産・負債・資本の構成内訳
資産・負債・資本の構成内訳

※ 表中の金額は、億円未満を四捨五入している。

(3) キャッシュ・フローの状況

(単位:千円) 

区分

病院  

水道

下水道

医療センター

リハビリ病院

佐久間病院

業務活動による
キャッシュ・フロー
1,737,318 1,431,748 138,898 166,671 3,944,219 8,661,785

当年度純損益

398,165 397,884 △ 70,875 71,156 1,014,175 1,373,260

減価償却費

1,355,221 1,008,031 294,939 52,250 4,606,928 12,986,147

長期前受金戻入額

△ 115,459 △ 27,848 △ 68,126 △ 19,484 △ 1,249,121 △ 6,015,889

その他

99,392 53,680 △ 17,038 62,749 △ 427,762 318,266
投資活動による
キャッシュ・フロー
△ 552,090 △ 516,147 62,695 1,361 △ 3,917,670 △ 3,391,026

有形固定資産の
取得による支出

△ 608,310 △ 591,497 △ 7,934 △ 8,878 △ 4,558,623 △ 6,292,380

国庫補助金等
による収入

23,630 23,630 0 0 0 2,193,541

一般会計負担金等
による収入

85,910 0 70,630 15,280 338,855 0

その他

△ 53,320 51,720 0 △ 5,040 302,097 707,813
財務活動による
キャッシュ・フロー
△ 1,233,688 △ 1,043,504 △ 258,764 △ 31,418 △ 196,213 △ 3,165,227

建設改良費等の財源に充てるための企業債による収入

89,300 89,300 0 0 1,780,000 6,766,200

建設改良費等の財源に充てるための企業債の償還による支出

△ 1,322,988 △ 1,132,804 △ 158,764 △ 31,418 △ 1,857,005 △ 11,543,064

その他

0 0 △ 100,000 0 △ 119,207 1,611,637
資金増減額 △ 48,459 △ 127,903 △ 57,170 136,614 △ 169,664 2,105,531
資金期首残高 2,459,017 1,985,872 116,612 356,532 14,308,662 2,587,982
資金期末残高 2,410,557 1,857,968 59,442 493,146 14,138,997 4,693,514

(注) 医療センターの表中にリハビリ病院への短期貸付金、リハビリ病院の表中に医療センターからの一時借入金が、各1億円計上されているが、病院事業会計の内部取引であるため、病院全体では相殺している。

ア 病院事業

業務活動で17億3,731万円の資金を生み出しているものの、投資活動で5億5,209万円、財務活動で12億3,368万円の資金を費消している。この結果、29年度は4,845万円の資金が減少し、資金の期末残高は、24億1,055万円となっている。
資金の増減額を病院別にみると、佐久間病院で1億3,661万円増加しているものの、医療センターで1億2,790万円、リハビリ病院で5,717万円減少している。

イ 水道事業

業務活動で39億4,421万円の資金を生み出しているものの、投資活動で39億1,767万円、財務活動で1億9,621万円の資金を費消している。この結果、29年度は1億6,966万円の資金が減少し、資金の期末残高は、141億3,899万円となっている。

ウ 下水道事業

業務活動で86億6,178万円の資金を生み出しているものの、投資活動で33億9,102万円、財務活動で31億6,522万円の資金を費消している。この結果、29年度は21億553万円の資金が増加し、資金の期末残高は、46億9,351万円となっている。

(4) 企業債

(単位 金額:千円、比率:%)

区分

病院  

水道

下水道

合計

医療センター

リハビリ病院

佐久間病院

29年度承継額 - - - - 3,809,722 - 3,809,722
借入額 89,300 89,300 0 0 1,780,000 6,766,200 8,635,500
償還額 1,323,270 1,132,804 158,764 31,700 1,859,488 12,289,462 15,472,222
未償還残高 17,359,001 11,380,746 5,543,976 434,278 24,987,686 163,098,659 205,445,347
支払利息及び
企業債取扱諸費
432,633 344,894 79,921 7,817 539,152 3,321,196 4,292,982
利子負担率 2.40 2.90 1.41 1.74 2.11 2.00 2.05
(注)
  1. 水道事業における29年度承継額は、平成29年4月1日に移管された簡易水道事業分。なお、償還額には簡易水道事業分を含んでいる。
  2. 利子負担率=支払利息及び企業債取扱諸費/平均(企業債+借入金+リース債務)×100

企業債未償還残高は、3事業全体で2,054億4,534万円である。
事業別にみると、下水道事業が最も多く1,630億9,865万円、次いで水道事業249億8,768万円、病院事業のうち医療センター113億8,074万円となっている。
企業債未償還残高の削減に向けて企業債発行を抑制する取組を推進しており、病院事業及び下水道事業で企業債残高が減少しているが、水道事業では、簡易水道事業の移管に伴う企業債の承継により、28年度に比べて37億3,023万円増加している。

企業債未償還残高の推移

企業債未償還残高の推移

(5) 一般会計繰入金

(単位 金額:千円、比率:%)

区分

病院  

水道

下水道

合計

医療センター

リハビリ病院

佐久間病院

一般会計繰入金 2,752,177 1,701,862 395,804 654,511 512,250 6,260,344 9,524,772

収益的収入

2,666,267 1,701,862 325,174 639,231 181,259 5,224,202 8,071,730

収益に対する繰入率

34.3 59.6 9.0 48.7 1.5 23.7 19.3

資本的収入

85,910 0 70,630 15,280 330,990 1,036,141 1,453,042

(注) この表には、地方公営企業法第17条の2に基づく繰入金のほか、任意による繰入金を含む。
また、水道事業には「飲料水供給施設業務負担金」を、下水道事業には「合併処理浄化槽設置業務負担金」を含む。

一般会計から企業会計への繰入金は、3事業全体で95億2,477万円である。
事業別にみると、下水道事業が最も多く62億6,034万円、次いで病院事業のうち医療センター17億186万円、佐久間病院が6億5,451万円となっている。
収益的収入に対する繰入率は、病院事業のうち医療センターが最も高く59.6%、次いで病院事業のうち佐久間病院48.7%、下水道事業23.7%となっている。

一般会計繰入金の推移

一般会計繰入金の推移

4 審査意見

(1) 総括

現在、本市では、病院事業、水道事業及び下水道事業の3事業を公営企業として経営している。公営企業は、常に企業としての経済性を発揮するなかで、住民の生活に欠くことのできない社会資本を整備し、公共の福祉の増進を図ることをその使命としている。
病院事業においては、医療センター、リハビリ病院、佐久間病院の3病院を運営している。都市部の病院である医療センターとリハビリ病院においては、患者数が見込みどおりに推移しているものの、過去の投資に係る企業債の償還とともに、今後、予定されている医療センター新病院整備事業での企業債の増加が見込まれる。佐久間病院においては、人口減少を背景とした患者数の減少等により、医業収益の低下が課題となっている。
また、水道事業においては、平成29年度に中山間地域への水の供給を担ってきた36箇所の簡易水道事業が統合されたところであるが、人口減少、節水機器の普及等により、料金収入の減少が見込まれるとともに、これまで整備してきた施設の大量更新期の到来や大規模地震対策に係る費用の増加が想定されている。
下水道事業においては、水道事業と同様に料金収入の減少が見込まれるなかで、平成29年10月に下水道使用料を改定し、安定的な収益の確保に努めているが、大規模地震対策、局地的な豪雨に対する浸水被害対策等に係る費用の増加や企業債の償還が負担となっている。
このため各企業において「新公立病院改革プラン」、「浜松市水道事業ビジョン」、「浜松市下水道ビジョン」を策定し、維持管理や更新に係る費用の抑制、料金体系の適正化等による経営基盤の強化に取り組んでいるところである。
各企業は、事業がこれらの計画に沿って的確に行われているか評価を行うとともに、経営環境の変化に迅速に対応するため、運営の裏付けとなる財務情報や指標等の分析を丁寧に行うことで、将来にわたり安定的に事業を継続することができるよう、なお一層の経営健全化に取り組まれたい。
以下、事業会計ごとに意見を述べる。

(2) 病院事業会計

ア 固定資産の管理について(医療センター)

固定資産の管理については、浜松市病院事業会計規程第66条において、「病院管理課長は、善良な管理者の注意をもって、固定資産の管理を行わなければならない。」と規定し、また、浜松医療センターの管理に関する基本協定書第5条第2項において、「指定管理者は、善良なる管理者の注意をもって、管理物件の管理を行わなければならない。」と規定している。
固定資産に係る台帳については、病院管理課と公益財団法人浜松市医療公社(以下「医療公社」という。)それぞれが管理しているが、病院管理課は決算を、医療公社は物品の管理を目的としているため、登録内容が異なり台帳照合に支障をきたしている。
また、固定資産のたな卸については、浜松市病院事業会計規程及び浜松医療センターの管理に関する基本協定書に規定がされていないため、病院管理課による適切な指導が行えない状況となっている。

  • 病院管理課は、固定資産について、台帳登録やたな卸の方法など医療公社と協議をしたうえで、管理に遺漏がないよう台帳を再整備し、適正な資産管理に取り組まれたい。

イ 収入等に係る事務処理について(リハビリ病院)

リハビリ病院においては、診療報酬の公金徴収事務を指定管理者である社会福祉法人聖隷福祉事業団(以下「聖隷」という。)に委託しているため、日常業務における調定簿や収納金日計簿は聖隷が作成し、病院管理課に提出している。病院管理課は、聖隷から提出されたこれらの書類を根拠として振替伝票や収入伝票を作成しているが、金額や内容について、検収・精査が不十分と認められる事務処理が一部で見受けられた。
また、決算整理時に、指定管理者と利益精算を行う必要があるが、この際に確認している資料においても同様の状況となっている。

  • 診療報酬は、病院経営の根幹となる収入であり、これを確認する事務は非常に重要なものといえる。病院管理課は、収入事務及び指定管理者との利益の精算において、金額や内容を裏付ける根拠資料を十分に確認のうえ、事務処理を行われたい。

ウ 医師確保について(佐久間病院)

佐久間病院では、平成28年4月から常勤の整形外科医の不在が続いており、現在は非常勤医で対応している。また、静岡県からの医師の派遣継続についても引き続き要請しているところである。今後、整形外科常勤医の不在が続き、更に派遣医師が減った場合、北遠の地域医療確保が困難な状況となる。

  • 佐久間病院は、へき地医療拠点病院や第2次救急医療の役割を担い、地域完結型の医療を目指す北遠地域唯一の公立病院である。県や他の医療機関との連携に加え、新公立病院改革プランに基づき市立3病院相互の連携を強化するなかで、医師の確保及び看護師等運営スタッフの充実を図り、北遠地域の医療水準の確保に努められたい。

エ 中長期的な病院経営について(佐久間病院)

佐久間病院の入院及び外来の延べ患者数は、医療圏人口の減少等に伴い、年々減少している。患者数の減少により、医業・介護事業収益は過去5年間で最も低く、29年度総収益に対する一般会計からの繰入率は48.7%で、過去5年間で最も高くなっている。また、病床利用率は72.5%で、5年間で約20%低下している。今後も医療圏人口の減少は続くと見込まれ、患者数及び病床利用率の更なる低下が予測される。

  • 佐久間病院においては、引き続き経費の見直しなどにより、効率的な病院経営に努めるとともに、今後の医療圏の人口動態や経営状況等を勘案し、病床数や診療体制等について、最適な病院運営形態を検討されたい。

(3) 水道事業会計

有収率の活用について

有収率は、配水量に占める有収水量の割合を示し、施設の効率を確認するうえで重要な指標であるが、現在、水道事業において、有収率を分析し、経営に活かすような活用はされていない。
また、本市の簡易水道事業の有収率は、全国的に見ても低い水準にあり、28年度の実績において、全国平均が74.9%、政令指定都市平均が75.3%に対し、本市は68.5%となっている。加えて、簡易水道事業の統合に伴い、水道事業全体の有収率も昨年度比で1.9ポイント低下している。

  • 上水道と簡易水道の有収率について、その変動の状況を適時に捉えるとともに、それぞれ数値目標を設定し、定期的にその評価を行い、水道事業の経営に活用されたい。

(4) 水道事業会計及び下水道事業会計

セグメント情報の活用について

地方公営企業法の改正により、会計基準の見直しが行われ、26年度から地方公営企業会計にセグメント情報の開示を導入することとなった。また、国は、その意義として、説明責任を果たすことの他に、企業経営の面から見ても、経営分析を多面的に行うためのツールとして有用であるとしている。
こうしたなかで、現在、水道事業及び下水道事業においては、セグメント情報の活用や開示について十分な検討がされていない状況である。

  • 自らの企業における強みや弱みを把握し、企業経営に役立てるため、最適なセグメントの区分や必要となる財務情報等のあり方を研究するとともに、その導入について検討されたい。併せて、市民への説明責任を果たすよう、セグメント情報の将来的な開示に向け取り組まれたい。

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