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更新日:2024年1月1日

第3章効果検証と今後の課題

取組みの効果検証

2013戦略策定後、生物多様性保全に向けた取組みを5つの重点プロジェクトとして実施してきました。ここではその評価と新たな課題を示します。

1浜松らしい自然を守ろう!プロジェクト

《プロジェクトの目標》

本市の自然環境を特徴づける地域での活動や、希少種の保護対策を実施し、外来生物対策や野生鳥獣の適正管理などをとおして浜松の生態系を守っていきます。

 

《プロジェクトの柱》

  • ギフチョウの保全・鳥獣被害に強い地域を創る!・外来生物への対応・佐鳴湖周辺の里山環境の保全・アカウミガメ保護事業

 

《プロジェクトの評価》

  • 希少種のアカウミガメのふ化率やギフチョウの確認数は年変動があるものの、概ね維持されています。
  • 外来生物対策では、平成27年度に「浜松市アライグマ防除実施計画」を策定し、地域における狩猟団体とともに捕獲を実施してきました。
  • 鳥獣被害については、これまで被害のあった場所については、防除によって被害面積が減少しました。

 

《新たな課題》

  • 鳥獣被害の防除では、防除が実施された場所では被害が減りましたが、未実施の場所で新たな被害が出ており、結果として被害額は増加しています。
  • 特定外来生物クリハラリスの分布調査では、概ね東名高速道路の南側までと考えられていた分布範囲が、都田町や細江町、浜名区尾野にまで拡大していることが確認されました。同じくヌートリアは、浜名湖西岸から分布を広げていると考えられていますが、現在は中央区篠原町での生息も確認されており、市民からの目撃報告も増加しています。
  • 外来生物による新たな鳥獣被害の増加が懸念されるため、今後、市民・市民団体・事業者・市の連携による一層の鳥獣被害対策が必要です。

2 自然と響きあう農・林・水プロジェクト

《プロジェクトの目標》

本市は山・川・海といった自然が豊かなため、農業・林業・漁業が流域をとおしてつながり、一貫した自然環境を形成に関わっています。そのため農林水産業が営まれる中で守られる生きものもたくさんいます。今後も、この素晴らしい自然環境を後世に伝えるため、生物多様性保全の視点を取り入れた持続的な農林水産業の展開により、田園・森林・水域生態系を良好に保全していきます。

 

《プロジェクトの柱》

  • 環境保全型農業推進事業・持続可能な森林管理事業・流域資源管理関係協議会プロジェクト・地域の多様な主体による共同活動への支援

 

《プロジェクトの評価》

  • 本市の森林面積102,833haのうち79%を占める民有林においてFSC認証面積を拡充し、平成28年度末に認証面積が44,404haとなり、FSC認証面積日本一(市町村別)を維持しています。
  • 農業部門では、農地・水・農村環境保全向上対策支援事業に取組む地区数が22地区から36地区に増加しました。
  • 浜名湖では、水産業の核となる浜名湖の漁業資源を保全するため、流域資源管理関係協議会に水産物活性化作業部会を設置し、ツメタガイの駆除などを実施しています。

 

《新たな課題》

  • 農林業では、事業者支援の各取組みが進められているところですが、鳥獣被害の増加が大きな課題となっており、有効な対策の検討とともに、市民・市民団体・事業者・市の連携が必要となっています。
  • 浜名湖では漁業資源保全の取組みが行われているところですが、主要魚種であるアサリの漁獲量が平成27年から大幅に減っており、更なる保全対策が必要です。

3里山と生物多様性保全プロジェクト

《プロジェクトの目標》

市街地に残された貴重な里山環境である佐鳴湖公園や新川周辺を保全し、保全活動を通じて「環境市民」を育成するプロジェクトです。「生物多様性の保全」に向けた取組みを、佐鳴湖周辺を先導的なモデルとして進めることで、全市域に広げていきます。

 

《プロジェクトの柱》

  • 佐鳴湖公園の維持管理・拠点整備・水質保全事業・佐鳴湖周辺の緑地保全

 

《プロジェクトの評価》

 

  • 佐鳴湖北岸にビオトープを整備するとともに、佐鳴湖地域協議会において県や地域住民と協働でヨシ刈イベントなど佐鳴湖の水質・環境維持活動を実施しています。
  • 市内の代表的な里山環境である富塚椎ノ木谷特別緑地保全地区は「保全の会」により良好に維持管理され、希少動植物の保全や環境教育の活動が行われています。
  • 新たに佐鳴湖周辺の斜面緑地の緑地評価を実施し、市民協働による維持管理を行う地域性緑地指定を目指して準備を進めています。

 

 

 

《新たな課題》

 

  • 自治会・漁協・活動団体による環境保全活動と、それらに参加する市民によって、生物多様性の保全に向けた取組みを継続・拡大していくことが目標となります。
  • 佐鳴湖の水質は、水深が浅く流入量が少ないことや汽水湖という特性から、湖沼の水質環境基準(COD5mg/ℓ以下)を達成していないため、水質改善に向けて継続的に取組む必要があります。

 

4生きものを見・守りプロジェクト

 

《プロジェクトの目標》

 

開発時の配慮指針の策定や、継続的に生物多様性の状況を把握するためのモニタリングの実施などに取組み、生物多様性に配慮した取組みを推進するとともに、関連分野の施策を効果的に実施していきます。

 

 

 

《プロジェクトの柱》

 

  • 環境配慮指針等の策定・生物多様性モニタリング・生物多様性データベースの更新・運用・自然環境マップの情報の充実・更新

 

 

 

《プロジェクトの評価》

 

  • 環境配慮指針を作成するとともに、市内の希少動植物の情報をGIS化し土地利用事業者に提示することで、土地利用事業者に環境配慮を求めています。
  • 市内の動植物のモニタリング調査を実施することで環境の変化を把握しています。調査によって減少が確認されたヤリタナゴについては、保全事業を開始しました。

 

 

 

《新たな課題》

 

  • 市内の開発事業に伴う環境アセスメント調査結果をデータベースに反映し、事業者が有効活用できるような情報整備を進める必要があります。
  • モニタリング調査の結果、個体数が少ないことが確認された希少種、分布の拡大が確認された外来生物(クリハラリス)について対策を講じていく必要があります。

 

 

 

5みんなで創る!生きものを育む浜松プロジェクト

 

《プロジェクトの目標》

 

地域の自然環境を支えていくための人材を育成するとともに、すべての市民が生物多様性の大切さを理解することを目指し、市民との協働で実現していきます。

 

 

 

《プロジェクトの柱》

 

  • 「花と緑のまち・浜松」の推進・農林水産業の多様な担い手の育成・自然環境保全活動の推進・自然環境に関する移動環境教室の充実・自然体験型環境学習の推進・地産地消の実践・身近な緑の育成・主体間のネットワークの構築

 

 

 

《プロジェクトの評価》

 

  • 浜松市の自然特性を活かした環境学習プログラム「Eスイッチ」の作成や、環境学習指導者の育成・活動支援をしています。
  • 市内の幼稚園・保育園、小中学校で、「いきものかくれんぼ」など自然体験型環境学習を実施しています。

 

 

 

《新たな課題》

 

  • エコファーマー認定人数や認定農業者数は減少しており、農業の担い手育成は依然として課題となっています。
  • 市民・市民団体・事業者・専門家・市が連携していくためには啓発活動、環境教育、地域の取組みなどの要望・提案を行えるネットワークの構築が必要です。

 

 

 

5つの重点プロジェクトのうち、概ね目標を達成できたのは、「プロジェクト3里山と生物多様性保全プロジェクト」と「プロジェクト4生きものを見・守りプロジェクト」の2プロジェクトでした。それ以外のプロジェクトについては、個々に進捗はあったものの、全体としては未達成で、さらに新たな検討課題も抱えています。

 

市民の生物多様性に関する意識

 

 

 

2013戦略策定から5年が経過し、市民の生物多様性に対する意識や市の取組みの進め方について、どのような意見や要望があるのかを知るため、平成29年6月に「生物多様性についての市民アンケート」を実施しました。

 

その結果、生物多様性の認知度・理解度が低下、外来生物問題の認知度は比較的高く駆除に対する理解もある程度浸透していること、保全活動に参加する機会はなかったが参加したいと思っている市民が30%程度いることがわかりました。

 

また、戦略改定作業の中間段階において市民の意見等を収集し、それらを改定版へ反映するため、平成29年10月に「生物多様性はままつ戦略タウンミーティング」を実施し、意見を頂きました。

 

 

 

新重点プロジェクトの方針

 

 

 

本戦略で新たに決定する重点プロジェクトについては、2013戦略時の重点プロジェクトの実施状況を評価することで新たに出てきた課題や、市民アンケートやタウンミーティング等によって明らかになった市民の意識等をもとに、新しい重点プロジェクトの取組み方針を検討し、以下のように決定しました。

 

 

 

  1. 身近な自然を知ることで、生きものへの興味を引き出すような取組み
  2. 市だけではなく、市民なども参加して外来生物問題を解決する取組み
  3. 活動団体と事業者が互いに得意分野で連携し、環境保全活動を広げる取組み

 

 

 

 

 

 

 

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浜松市役所環境部環境政策課

〒432-8023 浜松市中央区鴨江三丁目1-10 鴨江分庁舎

電話番号:053-453-6146

ファクス番号:050-3606-4345

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