第3章　保有資産に係る改修・更新経費の各種試算と市投資実績

1.改修・更新経費の試算(長寿命化前)

(1)試算の考え方

　平成27年4月1日現在で保有する資産のすべてを将来にわたって同様に維持管理を続け、耐用年数が来れば、同規模・同水準のものを更新すると仮定する。

　総務省ホームページで公開されている更新費用推計ソフト（以下「ソフト」という。）を基本に、以下の考えを本市独自に加えて推計。

ハコモノはソフトで設定された単価ではなく、本市の実績に基づく改修・更新単価を設定
ハコモノはソフトでは仮定されていない小規模改修を設定
インフラのうち上水道・簡易水道（管）については厚生労働省単価を設定
ハコモノ、インフラともにソフトでは40年で設定されている推計期間を50年で設定

（参考：資産区分ごとの試算方法）

区分	試算方法
[1]ハコモノ資産及びインフラ資産の建物	新設から15年目、45年目で小規模改修、30年目で大規模改修、60年で更新を行うものと仮定。個別の建物ごとの新設年度・延床面積のデータに基づき、床面積当たりの施工単価を乗じて積み上げ。
[2]道路・橋りょう (国・県・市道、農道、林道)	道路	舗装を15年ごとに更新するものと仮定。国、県、市道を一般道路と自転車歩行者道に区分、各々の舗装面積に施工単価を乗じて積み上げ。過去の舗装実績によらず、施工量を毎年一定とする。
橋りょう	60年ごとに更新するものと仮定。橋長と構造で区分し、各々の橋りょう面積に施工単価を乗じて整備年度を踏まえ積み上げ。
[3]上水道・簡易水道(管)	法定耐用年数の40年ごとに更新するものと仮定。管種(導水管/送水管、配水管)の管径ごとに区分し、各々の延長に更新単価を乗じて整備年度を踏まえ積み上げ。
[4]下水道・農業集落排水(管)	法定耐用年数の50年ごとに更新するものと仮定。管径別(6区分)に区分し、各々の延長に更新単価を乗じて整備年度を踏まえ積み上げ。

区分

試算方法

[1]ハコモノ資産及び

インフラ資産の建物

新設から15年目、45年目で小規模改修、30年目で大規模改修、60年で更新を行うものと仮定。

個別の建物ごとの新設年度・延床面積のデータに基づき、床面積当たりの施工単価を乗じて積み上げ。

[2]道路・橋りょう

(国・県・市道、農道、林道)

道路

舗装を15年ごとに更新するものと仮定。

国、県、市道を一般道路と自転車歩行者道に区分、各々の舗装面積に施工単価を乗じて積み上げ。過去の舗装実績によらず、施工量を毎年一定とする。

橋りょう

60年ごとに更新するものと仮定。

橋長と構造で区分し、各々の橋りょう面積に施工単価を乗じて整備年度を踏まえ積み上げ。

[3]上水道・簡易水道(管)

法定耐用年数の40年ごとに更新するものと仮定。

管種(導水管/送水管、配水管)の管径ごとに区分し、各々の延長に更新単価を乗じて整備年度を踏まえ積み上げ。

[4]下水道・農業集落排水(管)

法定耐用年数の50年ごとに更新するものと仮定。

管径別(6区分)に区分し、各々の延長に更新単価を乗じて整備年度を踏まえ積み上げ。

(2)ハコモノ資産に関する試算結果

改修・更新経費は、今後50年間で1兆2,086億円、1年当たり242億円と試算
現在に比べ、平成30年代、40年代と財政需要は増大し、平成50年から52年には年間500億円以上が必要と試算

[1]用途別試算値

	施設分類	内容	試算値(億円)
1	庁舎等	本庁舎、区役所、協働センター（旧庁舎）、土木整備事務所など	543
2	職員宿舎等	教職員住宅、医師住宅など	29
3	集会施設	ホール、協働センター（旧公民館）、集会所など	1,087
4	文化・観光施設	美術館、博物館、資料館、文化財、動物園、国民宿舎など	387
5	スポーツ施設	グラウンド（倉庫）、プール、体育館、武道館など	655
6	図書館	図書館	139
7	児童福祉施設	放課後児童会、子育て支援施設など	73
8	保育園・幼稚園	保育園、幼稚園	313
9	保健施設	保健センターなど	76
10	高齢者福祉施設	老人福祉センター、介護予防施設など	163
11	その他福祉施設	障がい者（児）福祉施設、救護施設など	95
12	産業振興施設	イベントホール、卸売市場など	610
13	住宅施設	公営住宅など	1,761
14	消防施設	消防局、消防署、分団詰所など	261
15	小中学校・高等学校	小中学校、高等学校	4,468
16	その他教育施設	給食センター、看護専門学校、宿泊研修施設など	125
17	公園施設	都市公園、農村公園など	60
18	書庫・倉庫	防災倉庫、選挙資材倉庫など	94
19	駐車場・駐輪場	公共駐車場、駐輪場など	300
20	清掃施設	清掃工場、最終処分場、衛生工場など	316
21	火葬場・斎場	火葬場、斎場	40
22	病院	病院、診療所	443
23	その他施設	地下水位観測舎、大気測定局舎、公衆トイレなど	48
計			12,086

※数値は、単位未満で四捨五入しているため、合計数値と一致しない場合がある

[2]用途別年度別試算値

ハコモノの用途別年度別試算値のグラフ

(3)インフラ資産に関する試算結果

改修・更新経費は、今後50年間で1兆9,789億円、1年当たり396億円と試算

[1]用途別試算値

	施設分類	内容	試算値（億円）
1	道路	補助国道、県道、市道	7,516
1	道路	農道、林道	333
2	橋りょう	補助国道、県道、市道	2,089
2	橋りょう	農道、林道	70
3	ポンプ・排水機場	建物	54
4	上水道	建物	87
	上水道	管	5,881
	簡易水道	建物	12
	簡易水道	管	544
5	下水道	建物	352
	下水道	管	2,787
	農業集落排水	建物	7
	農業集落排水	管	57
計			19,789