更新日:2024年2月16日
定期監査(財務監査)・行政監査結果に関する報告(令和6年2月16日)
第1 監査の基準
この監査は、浜松市監査基準(令和2年浜松市監査委員告示第2号)に準拠して実施した。
第2 監査の対象
次のとおり(部課等の名称は、監査の期間の末日時点の名称)である。
対象とする部等 |
対象とする課等 |
1 区再編推進事業本部
|
- |
2 中区役所 |
区振興課 |
区民生活課 |
まちづくり推進課 |
社会福祉課 |
生活福祉課 |
健康づくり課 |
3 東区役所 |
区振興課 |
区民生活課 |
社会福祉課 |
健康づくり課 |
4 西区役所 |
区振興課 |
区民生活課 |
まちづくり推進課 |
社会福祉課 |
健康づくり課 |
舞阪協働センター |
5 南区役所 |
区振興課 |
区民生活課 |
社会福祉課 |
健康づくり課 |
6 北区役所 |
区振興課 |
区民生活課 |
まちづくり推進課 |
社会福祉課 |
健康づくり課 |
引佐協働センター |
三ヶ日協働センター |
- |
7 浜北区役所 |
区振興課 |
区民生活課 |
まちづくり推進課 |
社会福祉課 |
健康づくり課 |
- |
8 天竜区役所 |
区振興課 |
区民生活課 |
まちづくり推進課 |
社会福祉課 |
健康づくり課 |
春野協働センター |
佐久間協働センター |
水窪協働センター |
龍山協働センター |
- |
9 学校教育部 |
教育総務課 |
教育施設課 |
教職員課 |
教育センター |
指導課 |
市立高等学校 |
教育支援課 |
健康安全課 |
10 区選挙管理委員会事務局 |
中区選挙管理委員会事務局 |
東区選挙管理委員会事務局 |
西区選挙管理委員会事務局 |
南区選挙管理委員会事務局 |
北区選挙管理委員会事務局 |
浜北区選挙管理委員会事務局 |
天竜区選挙管理委員会事務局 |
- |
第3 監査の期間
令和5年8月1日から令和5年11月22日まで
第4 監査の着眼点及び実施内容
事務の執行及び経営に係る事業の管理について、合規性、正確性、経済性、効率性及び有効性の観点から適正に行われているかを着眼点とし、検証した。
監査手続については、監査対象部局から提出された資料及び諸帳簿等関係書類を抽出調査するとともに、関係職員から説明を聴取し、関係法令等に基づき適正に執行されているかについて監査を行った。
第5 監査の結果等
1 監査の結果
(1) 結果
事務の執行及び経営に係る事業の管理について、令和4年度及び令和5年度に関する収入事務、業務委託契約事務、補助金・負担金等交付事務、減免措置事務及び物品管理事務を主眼に合規性、正確性、経済性、効率性及び有効性の観点から調査した結果、(2)に掲げるものを除き、これらの事務及び事業はおおむね適正に処理されていると認められた。
(2) 指摘
一部において次のとおり是正・改善を要する事項が見受けられたので、所管課は、適切な是正措置を講じられたい。
市立高等学校
研修施設の事務室の占用に係る行政財産使用許可について
同窓会による研修施設の事務室の占用について、浜松市公有財産管理規則に規定する行政財産使用許可申請書を提出させておらず、許可手続を行っていない。
2 監査の結果に基づく意見
地方自治法第199条第10項の規定に基づき、監査の結果に関する報告に添えて、意見を次のとおり提出する。なお、部課等の名称は、報告日時点の名称で記載した。
(1) 中央区役所
まちづくり推進課(旧:中区役所まちづくり推進課)
浜松市犀ヶ崖資料館維持管理運営業務委託について
【現状及び課題】
- 浜松市犀ヶ崖資料館は、三方ヶ原の戦い及び遠州大念仏等に関する資料を展示することにより、郷土に伝わる文化遺産を後世に残していくことを目的として設置されている。
- 中央区役所まちづくり推進課は、浜松市犀ヶ崖資料館及び犀ヶ崖公園の維持管理運営業務について、平成27年度から毎年度、浜松観光ボランティアガイドの会に1者特命随意契約で委託している。その委託料は、年額600万円で、これまで見直しは行われていない。
- 委託料の積算上、案内業務のほか施設管理業務等を担うボランティアガイドに対する費用弁償分として427万円を計上している。1人1日当たりの金額に換算すると6,842円となるが、費用弁償は職務の執行に要した経費を償うために支給されるものであるところ、金額についての積算根拠がない。また、ボランティアガイドへの実際の支払額は、1日6,000円、半日3,000円であり、実態と差異が生じている。
【意見】
- 本市が公の施設と位置付けていない犀ヶ崖資料館の維持管理運営事業は、平成27年度から1者特命の随意契約により浜松観光ボランティアガイドの会に包括的に委託されてきた。この間、委託料は、年額600万円で新型コロナウイルス感染症の影響による休館期間を含めて見直しはなく、また、支出の約7割を占めるボランティアガイドへの費用弁償は交通費等の実費相当額としては高額となっている。中央区役所まちづくり推進課は、委託料について、受託者の支出の実態を把握した上で、積算の内容・根拠を明確化し、支出科目の妥当性と包括的な委託の必要性について検討されたい。
(2) 健康福祉部
天竜健康づくりセンター(旧:天竜区役所健康づくり課)
浜松市龍山入浴施設の使用料について
【現状及び課題】
- 浜松市龍山入浴施設は、市民の健康増進に資することを目的として、平成11年に浜松市龍山保健センターの2階に設置され、業務委託により日常の管理を行っている。
- 入浴に係る使用料は、浜松市龍山入浴施設条例において、「市内に住所を有する者及び市内に通勤又は通学する者」と「上記に掲げる者以外の者」の異なる料金体系で定めているが、利用者の住所等による市内外の別については、受付時の口頭確認にとどまり、身分証明書等の提示による確認までは行っていない。
- 施設所管課である天竜健康づくりセンターでは、利用者の約8割がキャンプ、ツーリング等のレジャー客、約2割が近隣住民と見ており、施設の設置目的と利用実態のかい離が見られる。
【意見】
- 市民の健康増進に資するため設置した浜松市龍山入浴施設の利用者について、所管課は、約8割がレジャー客で、近隣住民は約2割と見ている。
- 使用料については、「市内に住所を有する者及び市内に通勤又は通学する者」が大人200円、「上記に掲げる者以外の者」は大人830円などと、市内外の別で異なる使用料が定められているが、身分証明書等の提示による居住地等の確認を行っていない。
- 天竜健康づくりセンターは、施設の利用実態やニーズ等を把握・分析するとともに、条例を所管する健康増進課と調整し、施設の位置付け、適切な使用料の負担水準、徴収コストを考慮した簡素な料金体系等について幅広く検討されたい。
(3) 学校教育部
教育総務課、指導課
地域と連携した学校づくりを推進する取組について
【現状及び課題】
- 学校運営協議会は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定により、原則として学校ごとの設置が努力義務とされた教育委員会の附属機関である。学校運営の改善や児童生徒の教育活動の充実を図ることを目的に、地域住民や保護者等の学校運営への参画を促進しており、教育総務課が所管している。
- 夢をはぐくむ学校づくり推進協議会は、自治会役員、PTA代表、学校教職員等で構成される市独自の任意団体であり、地域全体による学校づくりの推進を目的に設置された。各学校のグランドデザイン(学校経営方針)の具現化につながる教育活動を補完するこの協議会は、令和6年度に指導課から教育総務課への移管が予定されている。
- 教育総務課及び指導課は両協議会の委員の重複について把握していないが、学校に対し、両協議会の委員は同じであることが望ましいと助言しており、実態としては、多くの協議会で委員の重複があると推察される。
- 令和4年度夢をはぐくむ学校づくり推進協議会会計において、プール清掃費やタイヤ跳び設置費用など、令達予算で執行することが望ましい事業費が支出されている。
【意見】
- 教育総務課が所管する学校運営協議会は原則として学校単位に置かれる教育委員会の法定任意の附属機関である。一方、指導課が所管する夢をはぐくむ学校づくり推進協議会(以下「推進協議会」という。)は、本市において学校単位で設置する任意団体であり独自の予算を持ち事業を実施している。
- 両者の構成員の重複は把握されていないが、「同じであることが望ましい」という教育総務課の助言があることから、自治会役員、PTA代表、学校教職員など多くの学校で重複があると推察される。
- このように両協議会の設置形態は異なるものの、学校単位で置かれること、構成員の重複、地域と学校との連携・協働の仕組みであることなどの類似点も多い。令和6年度には、両協議会の所管が統一され教育総務課となる予定であることから、教育総務課及び指導課は、構成員と学校側の負担の軽減を図るとともに、両協議会の目的がより効果的・効率的に達成されるよう、その実態や役割を検証し、統合も含めた見直しを検討されたい。
- 推進協議会会計では、令達予算で執行することが望ましい支出が見られた。教育総務課及び指導課は、推進協議会の契約・会計事務について適切な指導や助言を行うとともに、各学校において必要な支出が確実にできるよう、令達予算のあり方、適切な金額の検証に努められたい。
戻る
監査のトップに戻る