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更新日:2020年3月26日

てんりゅうプラスの説明書

てんりゅうプラスのロゴマーク













まとめて読む(PDF:1,056KB)

プロジェクトネームとロゴマーク

名は体を表す。と、少し後になって大切なことに気付く。

てんりゅうプラス

あなたのライフスタイルに、天竜区の暮らし方をプラスしてみませんか。という気持ちで名付けました。
ちょっと長いので、略称で呼ぶことにしました。
「天ぷら」なんていいんじゃない、と。
そうしたら、何だか不思議、ずいぶん和風になりました。

名前を付けたら、だんだん楽しくなってきました。
私たちが楽しくなければ、あなたに伝わらないはず。

結局のところ、私たち天竜区こそ、プラスでなければならないのだと、大切なことに気付きました。

 

5つの色と点。

白は、シンプルさと、純粋さ。
赤は、日本らしさと、生命。
黒は、大地と、寡黙さ。
緑は、天竜美林と、調和。
青は、誠実さと、清らかな水。

天竜区は、天竜、春野、佐久間、水窪、龍山、5つのまちでひとつのかたちをなしています。

できるだけ、分かりやすく簡単に。
淡いトーンで優しい雰囲気に。
このまちの暮らしに見合った素朴さをロゴにしました。

コンセプトとキャッチコピーとターゲット

杭を打ち、柱を立て、旗を掲げる。

暮らし方を提案するまち

コンセプトは「ライフスタイルの見える化。暮らし方の提案」。
キャッチコピーは「暮らしが見える。感じる体温(ぬくもり)」。
ターゲットは、都会に住む、暮らしのあり方に関心の高い人たち。

私たち(行政)は、コンセプトづくりが、決して得意ではありません。
しかし、こうしてコンセプトやキャッチコピーを定めてみると、
この先、進むべき道が記された地図と、行き先を指し示すコンパスを手に入れた気分になりました。

私たちは、道に迷ったら、これらをポケットから取り出して、
いちいち立ち止まって確かめることにしているのです。
それが「天竜区の暮らしに続く道」であるかどうかを。

明確なコンセプトを決めたこと。
これが、今までと最も異なるところかもしれません。

市民×行政

住民発、区役所経由、都会の人たち行き。各駅停車でまいります。

てんりゅうプラスは、住民の代表である天竜区協議会の皆さんからの提言がきっかけでした。その内容は「⑴情報発信の強化」「⑵隠れた資源の発掘」「⑶水資源を活用したピーアール」というもの。実は、明確なコンセプトよりも先に、湧き水マップの作成という手段がほぼ決まっていました。

その提言を生かしながら、もう一歩進んだ事業にさせてほしい。それが、コンセプト案を持って区協議会に臨んだ天竜区役所からの回答です。さらなる話し合いが重ねられ、当初の提言は「⑴情報発信の強化」「⑵新しい視点からの切り口で」「⑶水をキーワードにした天竜区らしい暮らしのピーアール」へと変化していきました。この結論を得るまでに、区役所内でも、区協議会の委員の中でも賛否が分かれました。
中には「普通の田舎の暮らしを伝えても、天竜区に来る人は増えない」という手厳しい意見も。それでも、私たちは、これまでとは異なるやり方で、天竜区のプロモーションに挑戦する必要性を感じていました。そして、できれば、住民の期待を越える成果を生み出したい。何とか都会に住む人たちに私たちなりのメッセージを届けたい。そんな思いでした。
私たちの考えが徐々に理解され、その結果、両者の意見を融合させて「水とともにある暮らしを探してみよう。それをまとめたマップづくりをしよう」ということになりました。
キーワードが「水」の、天竜区の暮らしをまとめたマップ?
おそらく誰もどんなものができるかは分かっていませんでした。しかし、区協議会の皆さんも私たちも、どこかワクワクした気持ちでした。これがてんりゅうプラスの始まりです。

天竜区協議会委員インタビュー

思ってもみないかたちで生かされた「水」という提案。

てんりゅう暮らしの見本帖を見る区協議会委員私たち天竜区協議会は、人口減少やこれに伴う地域課題について、いくつかのグループに分かれて、討論をしてきました。
その一つのテーマが「新たな資源の発掘」。これは、主に観光分野における天竜区の方向性を話し合うものでした。

結論として、天竜区の自然の恵み「水資源」に着目し、情報発信を強化することで、区内への誘客を促進するつもりだったのです。
区役所から「今回のプロモーションを、ライフスタイルの提案に結びつけたい」と聞き、最初は、正直どんなものになるのか分かりませんでした。
我々の提案がどこに向かっていくのか、と。しかも、その題材は、特別な活動をしている人たちではなく、ごく普通の人の日常。
これまで私たちがそれほど重要とも考えていないことでした。

出来上がった「てんりゅう暮らしの見本帖」は、天竜区の暮らしに、さまざまなかたちで水が深く関わっていることを改めて発見させてくれました。そして、私たちが提案した「水」というキーワードは思ってもみないかたちで、天竜区の新たなPR資源として活用されたのです。この見本帖は、浜松市内の他の区協議会からの評判も上々。区のPRとして、モデル的な事業になり得るとのありがたい声も聞いています。

紙×ウェブ

てんりゅう暮らしの見本帖」の場合

天竜区をピーアールするためのマップを「てんりゅう暮らしの見本帖」と名付け、作成に取りかかりました。最初は一枚のマップづくりを想定していましたが、リアリティのある天竜区の暮らしぶりを伝えるためには、この紙面だけでは情報量に限りがあると感じるようになりました。

このため、マップは、あくまでも暮らしを紹介するための導入(入口)と割り切り、情報量よりもイメージや風合い、デザインなどを重視。本当に伝えたい内容(インタビュー)は、大きい情報量が扱えるウェブへと、役割を分散させました。紙媒体であるマップづくりは、紙質やイメージなどを決めるため、企業や行政が作ったパンフレットなど100種類ほどを集めて並べ、よい部分や悪い部分、どのようにしたらターゲットに近づけるかを何度も検討。手触り感を出すため、一般的によく使用されている紙よりもあえて薄いものを選び、真っ白ではなく生成りに近い素材に。また、全体のデザインは、手書きのイラストを中心とすることで、事務的な雰囲気を排除し、田舎らしさを強調したものとしています。

市ホームページを使用したウェブのインタビューは、マップの雰囲気も意識しながら、PDF版も作成。写真や文章もボリュームを出すことで、雑誌を読む感覚で楽しんでほしいと考えました。また、ウェブの特性として、アクセス数などを解析することにより、発信後のリアクションが紙媒体に比べて検証しやすく、その後の事業展開に生かすことが可能となりました。

平成27年3月に発行した「てんりゅう暮らしの見本帖」は、発行部数5千部に対し、関連ページのアクセス数は、およそ9カ月で延べ1万件。マップ以外にも、広報紙などの紙媒体による誘導を続けたことも閲覧件数の増加につながりました。

暮らしのインタビューに協力した人の声

これまでとは一風違うな、と感じるね。

インタビューに協力してくれた人「天竜区のプロモーションマップを作りたいので、滝を見守っている姿や暮らしぶりを取材させてほしい」といわれて、何だか、これまでとは違うなって感じました。これまでのマップといえば、主要道や名所が乗っているような観光マップが多かったと思うけれど、それとは違う視点だというのが面白いなと思いましたね。

天竜区の一番の課題は人口減少。多くの人に天竜区を知ってもらい、できれば住んでほしいと思うのは、私たち住民も行政の皆さんも同じ気持ちです。じゃあ、よそのまちに住む人が、田舎暮らしを考える時に、本当に知りたいことって、その地の名物でも、観光スポットでもなくそのまちの生活そのものだと思うんですよね。

「てんりゅう暮らしの見本帖」のインタビューは、天竜区のいいところも、なかなか大変になってきたところもどちらも住民の声を通してリアルに伝えられている。登場する人たちは、普通に暮らしている人たちばかりですしね。田舎暮らしを考える人にとって、これは何らかの参考になるんじゃないかなと思います。

 

リアクション×モチベーション

ベクトルは、間違っていない。だからもう少しこの道を行こう。

森の中の一本道を進む人てんりゅう暮らしの見本帖は、市内外の公共施設などのほか、インターネットで見つけた東京・名古屋・大阪などのコミュニティカフェおよそ100カ所に送付しました。これらのカフェにコネクションはありませんでしたが、私たちが本当に届けたいターゲットに近い人たちが訪れる可能性が高く、興味を持ってもらえると仮定したためです。ちょっとおしゃれな場所に不釣合いにならないものにするためにも、マップのデザインや手触り感は重要だったのです。もちろん、すぐに捨てられてしまうかもしれないという不安もありました。

発送から数日後、そのうち10カ所ほどから、配架に協力してもらえる旨の連絡がありました。中にはブログなどで紹介してくれた方や、私たちへの応援メッセージを送ってくれた方も。「わら半紙みたいな風合いが懐かしい」という感想をもらった時は、素材選びまでこだわり、丁寧に話し合いをしたことが報われたと感じました。また、地元以外のテレビ局や新聞社などからも、見本帖のインタビューに登場した人を取材したいという依頼がありました。それ以外には、一般の方たちから「インタビューをぜひブックレットにしてほしい」「友人に配りたいので、30部ほしい」「ここに出てくるおばあちゃんに会いたい」などのリアクション、庁内からも「天竜区はこういう方向でプロモーションを続けたほうがいい」「ぜひ一緒に事業をやりましょう」といった声が届きました。

こうした外部からの声で、私たち「てんりゅうプラス」のモチベーションは支えられ、高まっていきます。しかしながら、てんりゅうプラスの成果や効果が、現在のところ、移住者や移住相談の増加などに直接結び付いたと胸を張っていえる状況にまでは達してません。まだまだ、ゴールはずっと先にあります。

手作り×デザイン

なければ、自分たちで作ればよいという発想が、この暮らしそのもの。

手作りしたインタビューバックパネル平成26年度に「てんりゅう暮らしの見本帖」の作成が終わり、平成27年度からは「てんりゅうプラス」は、ゼロ予算事業として継続することとなりました。「お金がなければ、知恵を絞るしかない」「必要なものがなければ自分たちで作ればいい」。見本帖のインタビューを通して、私たちはそう感じていました。これこそが天竜区の暮らしと生き方である。教えてくれたのは、もちろん住民の皆さんたちです。

平成27年度になって私たちが取り組んできたことは「てんりゅうプラスの認知度拡大」、「てんりゅう暮らしの見本帖のピーアール」、「新たなコンテンツの模索」。そのすべてに共通するのは「手作り」であることです。まず、製作したのがバックパネル。マスコミなどが取材に訪れた際に活用するためです。現在、多くの企業や自治体で使用されていますが、「アレがあったらそれっぽい」という話になり、真似してみることにしました。
何せ、この事業には、お金がありません。こういう時は、諦めずに手作りするしかないのです。

また、ノベルティグッズは、廃品や廃材を再利用。不要となり倉庫に眠っていた別事業の団扇やポケットティッシュを使って、てんりゅうプラスのピーアールと、てんりゅう暮らしの見本帖に誘導するためのグッズを作りました。そして、新たなコンテンツとして立ち上げたのが、ユーチューブを使ったピーアールムービー。こちらは撮影はもちろん、企画、構成、音楽、編集まですべて自前です。

てんりゅうプラスのコンテンツが手作りであることには、低コストであること以外にも大きな理由とメリットがあります。それは、デザインに一貫性を保つことができるということ。もう一つは、プロジェクトのコンセプトを具現化できること。そしてなんといっても、私たち自身が楽しいという点です。

てんりゅうプラスの視線の先

私たちは、天竜区のアイデンティティを作り出すことに焦り過ぎていました。そこで、人々の暮らしに着目し、独自性を見出すことで、他のまちと差別化しようと考えたのです。例えば、それは大阪が”笑いのまち”と呼ばれ、神戸が”お洒落”というイメージを持ち、あるいは、京都の人々の暮らしぶりが”はんなり”という言葉で語られるように。

――ライフスタイルをブランド化したい。

しかし、それは私たちにとって、いささか背伸びをし過ぎたところがあったのかもしれません。そもそも私たち天竜区の暮らしは、百年単位ともいわれる森林の中にあり、千年近い文化や伝統とともに存在しています。それ以前に、数万年という長い歳月の中で生み出された山並みや川の流れに私たちの営みは由来しているのです。それは、とても地味で土着的なもの。だから、焦ってはいけない。辛抱強くあり続けることも、私たちの誇りなのだと、天竜川や天竜美林は静かに私たちに語りかけます。

もちろん、私たちがこれほど焦るのには、まったく原因がないわけではありません。人口減少に起因するさまざまな問題が、私たちの前に大きく立ちはだかっているからです。日本は成熟社会を迎え、物質的な充足や経済から、精神的な豊かさや生活の質の向上を重視する時代となったといわれます。スローライフやふるさと回帰が注目されて久しいものの、残念ながらその受け皿となりうる私たちのまちが、人々の目を惹き付けるに至っていない。だからこそ、私たちは独自性を強調し、選ばれるまちになる方法を模索してきました。都市間競争に勝ち抜かなくてはならない、と。

しかし、そこで自己矛盾が起こります。競争社会の反動として田舎暮らしのニーズが高まっているにも関わらず、田舎は田舎で都市部からの人の取り合い。そういった状況に陥ってしまっているように思えるのです。これでは、何だか時代が逆戻り。空しいだけです。

2015年、春。天竜区役所では、このまちに住む人々の暮らしを紹介するため「てんりゅう暮らしの見本帖」を作りました。これに収められた人々の暮らしや営みは、決して特別なものではありません。おそらく、その暮らしぶりは、全国の他の農山村地域と大きく違うことがないのだと理解しています。翻れば、これが「日本のごくありふれた田舎の日常」なのではないかと思うようにすらなりました。そして、私たちは気づき始めます。天竜区が向かうべき方向は、個性の主張や差別化ではなく、調和や共存であり、日本人としての普遍性の追求なのではないかと。日本人が心の中で共有し、憧憬するふるさとの原風景に、特定の地名はないはずです。

天竜区役所は「てんりゅう暮らしの見本帖」を作るにあたって名付けた「てんりゅうプラス」(=天ぷら)というプロモーションプロジェクトネームを継承し、今年に入ってから少しずつ種まきを始めています。しかしそれは、単なる話題づくりのためでもなく、他地域との差別化を目指したものでもありません。区役所をまちのシンボル(あるいはまちそのもの)、職員をメッセンジャーであると自覚し、このまちの人々の生き方や気質を体現することに挑戦しようという試みです。

私たちはこのプロジェクトに予算を持っていません。しかし、だからといって、そのことが大きな問題だとも考えていません。「てんりゅう暮らしの見本帖」を作る過程で、私たちは住民の皆さんから多くのことを学んだからです。「お金がなければ知恵を使うしかないじゃんね」とお母さんたちは私たちに「始末して暮らすことの大切さ」を教えてくれました。また、お父さんたちはいいました。「自分がやらなきゃしょんないよ」「見よう見まねでやるだけだ」と。必要なものがなければ自分たちが汗をかき、その手で作り出せばよいだけなのです。

天竜区の暮らしは、どちらかといえば素朴で表面的にはシンプルです。ある人にとってみれば不足すらしているように映るかもしれません。それでも、人々は寡黙に、実直に、時に辛抱強く生きています。その姿を通して「侘び寂び」という日本人の美意識を垣間見ることができるようにすら感じます。また、天竜川や天竜の山々など、自然と共存してきた長い歴史もまた、この気質に少なからず影響しているはずです。

いずれにしても、私たちはこうした天竜区の人々の有り様をさまざまな方法で体現していきたいのです。今はもちろん確信など持てませんが、日本人の多くの人が共感できる普遍性が(そのヒントの尻尾くらいは)見つけることができるかもしれません。当然、私たちも寡黙に、実直に、辛抱強くこのミッションをやり続けなければならないことはいうまでもありません。

数年にわたって、私たちは「天竜区に住んでもらう方法」に頭を悩ませてきました。しかし、これからは「天竜区に住んでもらう理由」(あるいは住み続ける理由)を作ることを目指します。最後に「天ぷら」は”てんりゅうプラス”の略称であり、加えて”天竜区民のプライド”にも関わる大切な取り組みです。天竜区役所は、どこまでこの気持ちを持って、突き進むことができるかは分かりません。しかし、方位磁石は30年後も、100年後も、変わらず「北」を指すはずです。その先には天竜区。そう信じてこの先を進みたいと考えています。

あなたが最後まで読んでいただいたことに心から感謝します。
(平成27年度作成)

テーマソングとメッセージ

天ぷらソング(歌詞)

天竜区
ここにいて

君がいれば
そのほかに何もいらないさ

田舎ってどう?
田舎ってどう思う?

森林に向け、僕は歌う
このまちへの愛情

なんだかんだいって、どう思う?
僕は歌う
このまちへの愛

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浜松市役所天竜区区振興課

〒431-3392 浜松市天竜区二俣町二俣481

電話番号:053-922-0011

ファクス番号:053-922-0049

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