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更新日:2019年3月31日

地域の特産品を作り続ける人たち

「雨だってね、土を耕してくれるんですよ」(PDF:207KB)

春野といえば

お茶と、和菓子のあおねり。

春野町を代表する特産品である。そして、両者に共通するのは、作り手の「水」へのこだわり。今回は、春野町の茶農家・栗﨑さんと、和菓子店・本多屋の西岡さんのもとを訪ね、同時に話を伺った。ちなみに2人は、偶然にも家業を継ぐ4代目。代々、春野町の特産品を作り続けてきた老舗の環境に育った。

茶農家の栗﨑さんは、茶の製造・加工・販売までを手掛け、各種品評会でも高い評価を得ている、春野きっての茶のスペシャリストだ。「お茶は作るところから飲む過程まで、水とは切っても切れない関係にある」と栗﨑さんは語るが、何といっても、春野茶の深みを生み出しているのは「川霧」の存在だという。

川霧は、気温や川の水温などが関係して発生する霧で、早朝にしか見られない。霧が深くなるときは雲海のような景色が見られるそうだ。そして、この霧の水分が茶に適度な水分を与えるとともに、朝日を和らげ、茶葉を保護する。これが春野茶の旨味を生み出す要因の一つになっている。

特産品のコラボレーション

春野は、川霧に加え、寒暖の差や降雨量など、良質な茶を作り出すのに適した環境にある。豊富な雨は、ゆっくりと地表を這い、染み込むごとに土をほぐし、土壌を整える。栗﨑さんは「畑を耕すのは人だけじゃない。雨だって、土を耕してくれるんですよ」と話してくれた。茶にストレスを与えず、極力、肥料を減らす努力を続けているという栗﨑さん。自然の力をできる限り活用した農業を目指しているのだと力説した。

話の途中、栗﨑さんの奥さんが、お茶を淹れてくれた。西岡さんが用意してくれたあおねりと、緑茶入り羊かんがそのお供だ。実は、この緑茶洋かんは、栗﨑さんと本多屋さんが共同で作ったもの。お茶の深い緑色が特徴的だ。その味は、甘さ控えめで渋味も絶妙。当然のごとく栗﨑さん自慢のお茶にもよく合う。

「手作りだから、1日20本が限界ですね」と西岡さん。売り切れ御免の看板商品だが、大量生産はできないという。菓子作りに携わる西岡さんも、もちろん水には相当なこだわりがある。「うちが、菓子作りに使うのは沢水。この水でないと、この味はでない」と語ってくれた。

話題は、春野に伝わる伝統銘菓「あおねり」のことに。あおねりの特徴は、何といってもその色。薄黄緑色の生地は、春野の山々の青さに由来する。大正時代に生まれ、100年近く続くこの菓子は、その色合いと味を今に受け継ぎ、この地を代表する銘菓となった。そして、西岡さんが作るあおねりは、羊かん同様、水の質や量には細心の注意が払われ、丁寧に作られている。

コミュニケーションツールとして

栗﨑さんの奥さんが淹れてくれたお茶は、普段私たちが飲んでいるものよりも、ずっと味に深みがあった。それでいて後味もすっきりとしている。奥さんの話では、お湯の温度や時間なども、お茶の味を大きく左右するそうだ。栗﨑さん夫妻は、お茶の淹れ方教室なども積極的に行い、緑茶の普及に努めている。

「お茶はコミュニケーションツール」というのが、栗﨑さん夫妻の持論。この日も、お茶を囲みながら、いつの間にか西岡さんを含めた3人で、春野のこれからのこと、お互いの仕事のこだわりから、世間話に至るまで、さまざまなことについて話が弾んだ。

自然の恵みが凝縮された春野茶とあおねり。それぞれの味はもちろんだが、できれば多くの人と話をしながら、その時間も楽しんでほしいというのが作り手の願いだ。ぜひ、味わう機会があれば、こうした思いも感じながら、堪能することをおすすめしたい。

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