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更新日:2019年3月31日

二俣川の岸辺をきれいにする人たち

草を刈り終わった後の「やったぞ」って達成感が何よりも気持ちいい(PDF:214KB)

誰かの笑顔が力になる

二俣の町中を流れ、昔から地域の人々に親しまれてきた二俣川。

8月も終わりが近づいた日曜日の早朝、河原には草刈機の音が響いていた。この日は河原の美化活動が行われる日。すでに黙々と草を刈る人の姿がある。しばらくすると、河原には多くの人が集まってきて、おのおの道具を手にとって作業を開始した。

この活動をしていたのは、「二俣川の岸辺をきれいにする会」の皆さん。二俣川をみんなで遊べて、ゆったりとくつろげるような川にしたい。こうした思いを持った人たちが集まって、美化活動が始まった。活動を始めて今年で13年目。4~10月の年6回活動をしている。夏場の活動が多く、暑さとの戦いだが、毎回30人以上の人たちが集まってくる。「『やらなきゃだめだ!』っていう思いでやるんじゃなくて、こっちもね、楽しみながらやってるよ。遊びに来る人の笑顔が見たくってね。それから草を刈り終わった後『やったぞ!』っていう達成感が、何よりも気持ちいいからね。ここを浜松の自慢のスポットにしたいと思っているよ」今では岸辺にお弁当を食べにくる人も増えてきた。夏休みには親子でいっぱいになる。

「いい風景だなと思ったよ。うれしくってね。会のみんなに手紙で知らせたんだ」。活動がある月ごとに会員に手紙を出すという世話人代表の渥美さん。その手紙にはいつも、川で見かけたうれしい風景など、この活動の励みとなるような一言を添えているという。活動は無理なく、「都合が付くときだけ参加する」というスタンスを取っている。何よりも体を大切にしてほしいし、活動に参加できなくても、二俣川を愛するという思いを持っていてくれるだけでいいと渥美さんは言う。「川に遊びに来る人にもね、『今日一日だけ私たちと同じ会員になってください』と呼びかけているんですよ。会員と同じ気持ちになってこの川を愛してもらおうってね。そうするとね、川をきれいにして帰ってくれるんです。そしてまた遊びに来てもらえたらうれしいですね」

愛すべき二俣川

「作業をしている人は、それぞれの思いをもってやっていてね」と渥美さんは言う。会員は集まり次第、自分の持ち場へ散っていく。申し合わせをせずとも自分の役割が、染み付いているということらしい。草の刈り方にこだわりを持った人や、担当する場所に思い入れがある人もいる。しかし、二俣川を愛する思いだけはすべての会員が共有しているという。「すぐ近くのお寺のご住職が、9時頃になると一輪車で冷たいお茶やお菓子をいっぱい持ってきてくれてね。そうやっていろんな人の気持ちが集まって、人と人がふれあう二俣川の岸辺が実現してきてるのかなと思うね」

また、10月の活動後には、地元の中学生全員が集まって、青少年健全育成会の人たちと一緒に刈った後の草を集め、トラックで運びだすのだという。「草を刈ってもらうとなると中学生にはなかなか大変だからね。草を運ぶお手伝いをやってもらってるよ。そこには、活動に参加してもらうことで、地域全体で二俣川を後世に伝えていってほしいという思いがあるんだ」子どもたちはいつも、地域の人と一緒に仕事ができてよかったといってくれるそうだ。

「これはまあ冗談なんだけどね」と渥美さんは前置きして、最後にこんなことを話してくれた。「年6回の活動が13年間。単純に計算して78回、7回やった年もあったから80回はやってるかな。その中でね、たった1回だけなんだよ。雨で延期になったのは。だからね、『太陽も俺たちの仲間なんだな』なんて言ってますよ」

なるほど、渥美さんがいうとおり、この日も良く晴れた日だった。太陽も二俣川を愛し、この活動を支えてくれているということだろうか。人と人、人と川とをつなげてきた渥美さんの言葉には、冗談とはいえ説得力があるような気がした。

二俣川をきれいにする人、その人たちを支える人、そして二俣川で遊ぶ人。川を通して人と人がつながり、人と人のつながりがまたこの川を守っている。こうして巡り巡っていく人の思いは、決して留まることを知らないこの二俣川の流れそのものなのである。

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