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更新日:2024年1月18日

秋葉常夜燈の光

秋葉常夜燈の光

秋葉山と、ともに暮らす(PDF:337KB)

 

九里先にある橋

天竜区春野町領家坂下地区。天竜川の支流、気田川へそそぐ栃川に架かる九里橋。
火防の信仰がある秋葉山の麓にあって、掛川宿から九里(およそ36キロメートル)浜松宿からも九里の距離にある事から九里橋と名が付いたと言われる橋。
今なら自動車で1時間ほどの距離を、昔は、何日もかけて旅人は歩いた。九里橋の傍らには古い常夜燈があり、当時の面影を残している。
歩いて旅をした頃の坂下宿は、山を越え、渡船などで川を渡り、秋葉山まで残りわずかの場所。かつては多くの旅籠があり旅人を迎えていた。
私たちにとっても旅はとても楽しいもの。
景色を楽しみ、美味しい物を食べ、土産物を見たり買ったりして「今日はどんな宿だろうか」と心が躍る。
古くから旅籠が軒を連ねていた急峻な坂。
時代の流れとともに旅籠は無くなり、参詣客が通った道も、今では石畳の風情ある道となった。
最近では、旅籠の名残を活かして古民家を改装したカフェがオープンした。その昔旅人をもてなしていた茶店を思わせるその光景は、時代にあわせて変化しながら、昔と変わらず、秋葉山とともにある人々の暮らしそのものだ。

だいだい色

秋葉詣が盛んな頃、安全祈願などの想いを込めて、宿場や街道に常夜燈が建てられた。
昔はろうそくの灯、今は電球の灯と変化しつつも地元に愛され、その形を残している。
九里橋のある坂下地区では夜になると、常夜燈に明かりが灯る。その光はだいだい色で、とても画になる。ついシャッターを切りたくなってしまった。
昔、旅館を営んでいた”仲屋”のおかみさんに「写真撮らせてくださいね」と声を掛けた。
「火まつり行くだかね。寒いで気を付けてよ」と、おかみさんが笑う。
そう、今日は12月16日。秋葉の火まつりの日だ。

火まつりが終わると寒くなる

毎年12月15日・16日の2日間はの火まつり。
五穀豊穣や無病息災を願い行われるこの行事は多くの観光客や参詣者で賑わいをみせる。
秋葉の火まつりで有名な「弓の舞・剣の舞・火の舞」や「火わたり」などは深夜に行われる行事。
北風が厳しく手がかじかむほどの寒さの中、皆まつりの様子を熱心に見物している。
「火まつりが終わると寒くなる」
地元の人はそう言うそうで、本格的な冬の到来を感じさせる行事だ。
「昔、合格祈願に来たよ」
火まつりでは火を扱うこともあり、地元消防団も協力している。消防団員の森本さんは春野育ち。子供の頃の話を聞かせてくれた。
「旧春野町立南中学校の生徒は火まつりの日、受験の合格を願って、クラスの仲間と登山したよ」
「真っ暗な登山道をみんなと登って、途中で夜景が見えて、ワクワクしたね。めったにできない事をできるのが楽しくて…今でも覚えているよ」
「今は学校が統合してしまったから登ってないかなぁ。今の子供達にも教えたいね」と、他の消防団員と懐かしむ。
大人の引率も無く子供たちだけで、真夜中に山道を登る。
今では考えられないけれど、少し前までやっていた事。ほんの小さな冒険は子供達の心を成長させ、郷土愛を育むのではないか。
実際に地元に残り消防団員として活躍している彼の存在が、何よりの証拠だと思った。
今の私たちは子供たちにそんな体験をさせてあげられるだろうか。記憶に残る出来事は、そこに居たい、住みたい気持ちにつながる。その想いが地域を育み、人をつないできたのだと実感した。

 

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