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特集

2012年2月5日号 表紙へ

安全・安心でおいしい水を届け続ける 浜松の水道

浜松市の水道は、平成23年2月に給水開始から80年を迎えました。
この水道の歴史を振り返るとともに、その歴史的価値が注目される旧水道施設をご紹介します。
1887年(明治20年) ●日本初の近代水道が横浜に完成
1917年(大正6年) ●浜松市でも水道建設を企画
1931年(昭和6年) ●住吉浄水場と常光水源地が完成
住吉浄水場で行われた通水式
住吉浄水場で行われた通水式
●給水を開始する
1945年(昭和20年) ●戦争により水道施設にも大きな被害
1970年(昭和45年) ●大原浄水場完成
1982年(昭和57年) ●上下水道部住吉新庁舎完成
2005年(平成17年) ●合併により給水区域を細江、引佐、三ヶ日、浜北、天竜に拡大
2011年(平成23年) ●東日本大震災の被災地に給水車派遣
宮城県石巻市での応急給水活動
宮城県石巻市での応急給水活動
2012年(平成24年) ●旧水道施設が国登録有形文化財に
近代水道って?
近代水道とは、ろ過してきれいにした水に圧力をかけ、水道管で蛇口まで送る仕組み。基本的には、現在の水道も同じ仕組みです。
美人になりましょ水道の水で
これは、給水開始当時に給水希望者を募るために配ったビラに書かれたキャッチフレーズ。3万枚が配られ、衛生的な水道をPRしました。
給水量の推移
産業の発展、ライフスタイルの変化などに伴い、給水人口の46倍に対し、給水量は91倍に増加しました。
  昭和6年 平成22年
給水人口 16,699人 761,185人
1日平均給水量 2,490m3 227,491m3
利き水の結果は?
おいしいと思う水を答えていただきました。
水の種類 人数 割合
水道水 461人 54.9%
ミネラルウォーターA 211人 25.1%
ミネラルウォーターB 167人 19.9%
はままつ天竜の恵
※平成22年度の上下水道フェスタでのアンケート結果
水道で国際貢献
国際協力機構(JICA)を通じて、南米パラグアイの配水網管理技術強化プロジェクトに、職員1人を派遣。また、現地職員の視察を受け入れるなど、パラグアイの水道技術向上に貢献しています。
80年を記念して
市制100周年、水道給水80年を記念して、浜松の水道水をペットボトルに詰めた「はままつ天竜の恵」を作製し、イベントなどでたくさんの皆さんに配りました。


80年の歴史を誇る浜松の水道

浜松の水道は、大正末期から昭和初期にかけての井戸水不足や水質の悪化、消火用水の確保などの問題を解決するため、昭和6年2月、曳馬村高林(現中区住吉五丁目)で産声を上げました。
 
工事費用は、220万円余り(当時、教員の初任給は50円)。水源の確保や財政難など多くの問題を乗り越え、企画からかなりの年月を掛けて実現した、当時の一大事業でした。
 
浜松市が市制100周年を迎えた昨年、実は浜松の水道も給水80年の記念すべき年を迎えたのです。

浜松の発展を支えた水道

その後、水道施設は、戦争によって大きな被害を受けましたが、当時の水道部のやらまいか精神で復旧。戦後は、発展するまちとともに、順調に給水人口も増えていきました。
 
確実な給水は、道路や電力網の整備などと並んで、工業の発展にも欠かせない条件。何度か行われた大規模な水道施設の拡張は、「ものづくりのまち」浜松の発展を支えてきました。

安全・安心でおいしい浜松の水

浜松の水道水は、国の厳しい基準を満たす安全な水。また、可能な範囲で塩素の量を減らすなど、おいしく飲んでいただくため日々努力しています。市販のミネラルウォーターと比較する利き水の結果、なんと過半数の人が、水道水がおいしいと回答しました。
 
天竜川が育む豊かな恵を丁寧に浄水処理する安全でおいしい浜松の水。いつも何気なく飲んでいる水道水、この機会にあらためて飲んでみてください。

これからも安全・安心でおいしい水を届け続けます

記憶に新しい東日本大震災。市では、いち早く給水車を送り、支援を行いました。そして、この災害の教訓を生かすため、市内の重要な水道施設の耐震化を積極的に進めています。また、多くの皆さんが心配された放射能汚染についても、定期的に検査を行い、常に安全性を確認しています。
 
このように、今後も水道事業を適正に運営し、皆さんに安全・安心な水を届け続けます。
大切につないできた水道。皆さんに大事に飲んでもらえたらうれしいですね。
水道80年の歴史を振り返るため、水道部OBの3人にお話を聞きました。

――私たちが、水道部に入った昭和30年代、車はほとんどなく、配管工事では、重い資材を大八車に積んで運んでいました。六間道路の急坂を押して上ったことを印象深く覚えていますよ。
――多くの地域で断水した昭和49年の七夕豪雨では、水道管の復旧に、水道部全体が一丸となって、炊き出しをして深夜まで復旧に努めました。当時は、「水道一家」という言葉があったほど、団結力が強かったんですよ。
――今では、民間の業者が水道工事をすることが多いのですが、当時は全て水道部職員が行っていました。水道があって当たり前の現在とは違い、初めて蛇口から出る水を見たときの皆さんの笑顔を見るのがうれしかったですね。
(左)斉藤勲さん (中)竹村清住さん (右)中山信雄さん
(左)斉藤勲さん (中)竹村清住さん (右)中山信雄さん

当時の技術やこだわりの建築を今に伝えます

機能的かつ魅力的!!かつての水道施設が文化財に

国の文化審議会は、旧住吉浄水場ポンプ室など水道施設7件を登録有形文化財(建造物)として登録するよう答申を行いました。
これにより、水道施設としては県内初となる登録有形文化財が誕生します。
5・8.旧住吉浄水場ポンプ室(文)
5・8.旧住吉浄水場ポンプ室(文)
現在の上下水道部庁舎が、かつての浄水場の跡地に建っていることをご存じでしょうか。
昭和初期に建設し、昭和40年代まで活躍した、この旧住吉浄水場を中心とした旧水道施設が、国の登録有形文化財として登録されることになりました。
 
中区住吉五丁目の上下水道部の敷地を歩くと、今でも当時のままの姿を残したモダンな建築が目を引きます。建物全体のデザインはもちろんのこと、細部に目をこらすと彫刻やステンドグラスを多用するなど、建築家や職人のこだわりに驚かされます。また、取水から配水まで一連の施設がほぼ完璧に残っているのは非常に珍しい事例です。
 
登録有形文化財への登録制度の目的は、古き良き建造物を活用しながら残していくこと。市では今後、この貴重な資産の活用法を皆さんとともに探りながら、大切に保存していきたいと考えています。
1.旧常光水源地ポンプ室(文)
1.旧常光水源地ポンプ室(文)
2.旧住吉浄水場着水井(文)
2.旧住吉浄水場着水井(文)
3.旧住吉浄水場ろ過池
3.旧住吉浄水場ろ過池
4.旧住吉浄水場接合井(文)
4.旧住吉浄水場接合井(文)
6.旧住吉浄水場配水池(文)
6.旧住吉浄水場配水池(文)
7.旧住吉浄水場直送ポンプ井(文)
7.旧住吉浄水場直送ポンプ井(文)
旧住吉浄水場正門(文)
旧住吉浄水場正門(文)
 
※(文)は文化財登録された建造物
※3.旧住吉浄水場ろ過池は一部のみ現存
※6.旧住吉浄水場配水池は、現役の施設として利用

【7つの文化財を巡る水の旅】

1.天竜川の水は旧常光水源地ポンプ室から旧住吉浄水場へ
2.水はおよそ8kmの旅の末、旧住吉浄水場着水井へ到着
3.緩速ろ過池で浄化
4.きれいになった水は接合井で調整
5.旧住吉浄水場ポンプ室のポンプで配水池へ
6.水はより高い位置にある配水池に集められる
7.低い地区には直送ポンプ井から自然流下で各家庭へ配水
8.高い地区にはポンプで加圧し配水
私たちが感じた感動を皆さんと共有したい
坂田卓也さん
社)静岡県建築士会まちづくり委員会
建築士 坂田卓也さん
今回、文化財となる施設には、2つの見どころがあります。1つは、昭和初期の分離派と言われた自由でモダンな建築デザイン。放物線アーチを描く窓や照明器具などのデザインが特徴的です。
もう1つは、当時の最新の設備がそのまま残っていること。この時代の設備が、これだけの規模で残っている例は非常に珍しく、一連の施設からは、産業が発展し、人口が急増した当時のまちの勢いが伝わってきます。
初めてポンプ室に入ったとき、まるで時が止まったままの空間にいるような不思議な感動を覚えました。ぜひ皆さんにも感じてほしいと思います。
旧住吉浄水場ポンプ室内部 懐かしのスイッチ ポンプ室の扉

桜の季節、文化財になった旧水道施設を公開します 旧住吉浄水場文化財ツアー

〜水道給水開始80余年・旧浄水場の桜とともに〜〈主催 浜松市上下水道部・市民部文化財課 協力 (社)静岡県建築士会〉
日時:4月7日(土)・8日(日)午前9時30分〜午後3時(9時30分から30分間隔でツアーを開始しますので、開始時刻の10分前までにお越しください。所要時間40分)
場所:上下水道部住吉庁舎(中区住吉五丁目)
申込:はがき、電話、ファクス、Eメールに希望日、希望時間(午前または午後)、住所、氏名、参加人数、電話番号を書いて上下水道総務課(〒430-0906中区住吉五丁目13-1 TEL474-7011 FAX474-0247 Eメールsuidow-s@city.hamamatsu.shizuoka.jp)へ【3月26日(月)締め切り】
※駐車場に限りがありますので、なるべく公共交通機関をご利用ください。
旧住吉浄水場文化財ツアー
●今回の特集に対するご意見、ご要望は上下水道総務課(TEL 474-7011)までお寄せください。

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