特集
森林の新しい使い方あります私たちの生活に欠かせない水を蓄えたり、酸素をつくりだしたりするだけでなく、家や学校などの建物の材料、彩り豊かな風景などさまざまな形でその恩恵を与えてくれる森林。森林は守るべき地域の宝です。今回の特集では、森林を持続可能なものとするための、価値ある森林づくりと新しい森林の使い方を紹介します。
市域の7割を占める森林市内の森林面積はおよそ10万3000ha。これは全国の市町村の中で第2位の面積を誇る浜松市のおよそ70%に当たる広さです。また、北遠地域を中心に広がる市内の森林のうち、およそ76%は人工林。本市の天竜地域は、三重県の尾鷲や奈良県の吉野と並んで日本三大人工美林に称される日本有数の木材産地です。しかし、近年、世界中で天然林の違法伐採が行われ、安価な輸入木材などの影響により、地域の林業が衰退し、森林が荒廃の危機に直面しています。それは浜松でも例外ではありません。荒れてしまった森林は、私たちの暮らしを安全で快適にしてくれる多くの役割を果たせなくなってしまいます。
まちの暮らしを支える森林森林が荒れることによって困るのは、林業に関わる人や山間部に住む人たちだけではありません。森林は都市部に住む人たちの暮らしをさまざまな形で支えています。たとえば、水。森林に降った雨が、森林の保水力や浄化力により生活に欠かせない水資源になります。そして、川に流れ込む水の量を調節することで洪水などの災害を防いでくれます。この他にも、生物多様性の保全や地球温暖化の防止など地球規模での大切な役割も果たしています。 森林を守るために私たちができることこうした多くの恵みをもたらしてくれる森林の荒廃を防ぐためには、木を使うことが必要です。木を育てる人、製品にする人、使う人。この3者が結びつき、バランスの取れた需要と供給が保たれ、「育てて、伐って、使って、植える」という循環があることで持続可能な森林になります。市では、森林管理に対する意識向上や環境ブランドの確立、また木質資源の新たな活用として、FSC森林認証の取得を進めたり、木質ペレットの生産・使用を促進したりしています。 価値ある森林を創りだすためのFSC森林認証森林を守るための国際認証
認証を得た森林から生産された木材にはFSCの文字やロゴマークが付けられます。このマークがあることによって、消費者はFSC認証林から生産された製品を選んで使用することができ、これが持続可能な森林づくりの支援につながります。 ※FSC/Forest Stewardship Council(R)(森林管理協議会) 浜松市産のFSC材日本最大のFSCの森平成22年3月、天竜区と北区引佐地域にある1万8400haの森林が、FSC認証林として認められました。その後、取得面積は3万6494haに拡大し、市町村別取得面積で日本一になりました(平成23年10月24日現在)。FSC認証林は、日本の森林のおよそ1・5%しかありません。世界基準で管理され、環境に配慮された貴重な森林が浜松市にはあるのです。FSC材を使うメリット浜松市産のFSC材を使うメリットは、森林を守ることだけではありません。どこで、どのように育ったのかが分かることにより、「生産者の顔」が見え、安心して使うことができます。また、木材は湿気を吸収したり放出したりする機能を持っています。さらに、車で数十分の所で育った木を使うことと、はるか遠くから運んでくる外国の木材を使うことでは、輸送にかかるエネルギーは比べるまでもありません。 地元でできたものを地元で消費する地産地消のメリットは、木材でも同じです。浜松市産の優れた木材を使って、環境にも地域にもやさしい暮らしをしてみませんか。
新しい森林の使い方、木質ペレット再生可能なクリーンエネルギー市が進めている新しい取り組みが木質ペレットの生産と使用の促進です。木質ペレットとは、木材を圧縮成型した小型の燃料。森林づくりや木材加工の過程で発生する間伐材や木くずなど、これまであまり利用されていなかった資源が原料になります。そのため、「育てて、伐って、使って、植える」という循環を守ることでいつまでも使うことができる、再生可能な新たなエネルギーです。また、燃焼する時に発生する二酸化炭素は、原料の木が成長する時に吸収する二酸化炭素の量と同じであるため、大気中の二酸化炭素の量を増加させません。化石燃料に比べて環境にやさしいクリーンなエネルギーです。 新しい循環が生まれています今年6月には天竜区龍山町の工場で木質ペレットの生産が始まり、新しい森林の循環が生まれました。浜松の森林の間伐材や木くずを使った木質ペレットを、地元に住む私たちが使うことで浜松の森林が育っていきます。地域で作られた木質ペレットを使って、皆さんも新しい森林の使い方を始めてみませんか。 ![]() 木質ペレットの特長
薪などに比べて発熱量が大きい ●再生可能なエネルギー 原料が再生可能な間伐材や木くず ●取り扱いが簡単 薪ストーブに比べて火がつきやすい ●環境にやさしいエネルギー 石油ストーブに比べて余計な二酸化炭素を排出しない こんな所で使われています ●ペレットストーブ 木質ペレットを燃焼した熱で室内を暖めます。点火や温度調整を自動でしてくれるものが多く、薪ストーブより手軽に使えます。 春野地域自治センターに設置しているペレットストーブ ●冷暖房用・農業用などのボイラー 企業などでは建物内の空調に、農家ではビニールハウス内の温度調整に使用されています。 天竜区役所に設置している冷暖房機
地元で作った木質ペレットを、森林と環境のために使ってほしい
木質ペレットの原料になる間伐材や端材は、材料としての使い道があまりなく、森林に残されるか、捨てられてしまっていることが多いのです。それを少しでも減らして、資源を使い切り、付加価値のあるものにすることで森林の循環を助けるものになります。また、木質ペレットは化石燃料に比べて環境にやさしいエネルギーです。地元のものを使うことが環境への配慮にもつながるということは、とても良いことだと思います。 木質ペレットは、寒冷地では普及が進んでいますが、浜松ではまだまだ進んでいません。ストーブだけでなく、冷暖房や発電などいろいろな使い方ができますし、石油に比べて環境にやさしく、薪に比べて、使いやすいものです。家庭でも企業でも、どんどん木質ペレットを使ってもらい普及が進んでほしいですね。
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浜松市産のFSC材



