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第1章 合併まで 

1 政令指定都市の構想

(1)環浜名湖政令指定都市構想
政令指定都市を目指して
 全国レベルで市町村合併を促進するための「市町村の合併の特例に関する法律」が、平成7年、平成11年に相次いで改正され、少子高齢化や市民ニーズの多様化などによる市町村の責任の増大に対応した地方分権の進展、国・地方の置かれた厳しい財政状況の改善の必要性を背景として、全国の多くの市町村で合併の検討が進められました。この合併は、明治と昭和の大合併と並ぶ「平成の大合併」と呼ばれるものです。
 こうした中、浜松市は市町村合併により、県並みの権限と大きな財源のもと、市民サービス向上と地域の発展が望める政令指定都市の実現を目指して、平成14年7月17日に「環浜名湖政令指定都市構想」を提唱しました。

環浜名湖政令指定都市構想研究会
 平成14年10月7日に、浜名湖を取り巻く14市町村(浜松市、浜北市、湖西市、天竜市、舞阪町、新居町、雄踏町、細江町、引佐町、三ヶ日町、春野町、佐久間町、水窪町及び龍山村の4市9町1村)で、環浜名湖政令指定都市構想研究会を発足させました。(磐南地域5市町村(磐田市、福田町、竜洋町、豊田町、豊岡村)を代表して、磐田市と竜洋町がオブザーバー参加)
 この研究会は、合併及び政令指定都市移行の是非についての判断材料を住民に提供することを最大の役割としたため、会議を公開で開催しました。また、都市ビジョン、行政サービス水準、財政シミュレーションなどについての検討や、区割り案、区の行政サービス、区長への事務委任など、政令指定都市に関する事項についての研究も行い、その成果を平成15年3月に報告書として取りまとめました。
 その結果、大都市にふさわしい中枢性の検証、大都市運営方針(ビジョン)の策定、静岡県からの事務移譲、行財政能力の向上、行政区画と区役所運営方針の確定など、取り組むべき課題が多いことが判明したため、浜松市では平成15年度から平成17年度まで、先行政令指定都市に関する事例研究をはじめとした基礎資料の収集、調査研究を実施しました。
研究会報告書環浜名湖政令指定都市構想研究会

経済界の動き
 平成14年11月に、浜松商工会議所において「政令指定都市推進協議会」が設置され、平成15年7月に、「政令指定都市推進」の提言書が浜松市に提出されました。
 平成15年2月に、静岡経済同友会浜松協議会において「政令都市・浜名湖市構想」が発表されました。
 平成15年3月に、浜松商工会議所青年部において「浜名湖ダイヤモンドクラスター都市構想」が発表されました。


(2)新「浜松市」の誕生に至る経緯
合併協議会設置準備会
 環浜名湖政令指定都市構想研究会の活動成果を踏まえ、平成15年6月10日、13市町村(前記研究会から湖西市が離脱)で、「合併協議会設置準備会」を設置し、4回にわたる会議を重ね、法定合併協議会の設置に向けた準備を行いました。

天竜川・浜名湖地域合併協議会
合併協定調印式 平成16年12月10日 平成15年9月29日、12市町村(浜松市、浜北市、天竜市、舞阪町、雄踏町、細江町、引佐町、三ヶ日町、春野町、佐久間町、水窪町及び龍山村の3市8町1村)からなる「天竜川・浜名湖地域合併協議会」(合併協議会)が設置されました。
 合併協議会は、平成15年10月6日の第1回の会議の後、合計19回の会議を重ねました。


(3)合併協議会における政令指定都市移行に関する協議
 合併協議会においては、合併に向けての重要事項について協議するとともに、政令指定都市移行に関する基本的事項についても協議を行いました。

行政区画(区割り)などの検討
 住民生活に最も関連の大きい行政区画(区割り)について、区割りの考え方、具体的な区割り案、区役所位置の協議を行い、その成果を、合併協定書に明記しました。特に区割りに関しては、合併協議会としてパブリックコメントを実施しました。

政令指定都市の組織・区長権限などの検討
 「小さな市役所、大きな区役所」の基本的考え方などとともに、政令指定都市移行時の主要な組織について検討しました。また、区協議会(地方自治法の規定による「区地域協議会」)の設置、本庁と区役所の役割分担や区長の権限などについても協議しました。

政令指定都市移行時期の確認
 合併協議会において、今回の合併が『平成19年4月の政令指定都市移行を目指しての合併』であることが確認されました。


(4)都市ビジョン
 環浜名湖政令指定都市構想研究会により、目指すべき都市ビジョンとして「環境と共生するクラスター型政令指定都市」が提示され、その後、合併協議会において、この都市ビジョンが正式に確認されました。
 この都市ビジョンは、本地域が持つ特色から生まれたものです。本地域は産業活動が活発な都市部と優れた自然環境に恵まれた地域を有しており、それぞれの地域がお互いを支え合い持続的発展を続ける「環境と共生する都市」を目指すとともに、地理的条件や産業構造、文化や伝統が異なる旧12市町村をブドウの粒に例え、各市町村がブドウの1粒1粒として存在感を持ちブドウの房のように市全体が豊かな都市になるという「クラスター型都市」を目指すというものです。
 この都市ビジョンの実現に向けて都市内分権を推進することとし、都市内分権を支える三本柱として地域自治組織の設置、組織内分権の推進、一市多制度の導入を位置付けました。

[都市内分権を支える三本柱]
地域自治組織
 行政サービスの維持・向上、市民意見の反映、市民協働の推進のために、合併時には、旧市町村単位に地方自治法に基づく地域自治区を、政令指定都市移行時には、行政区単位に区協議会を設置する。
組織内分権
 行政サービスの維持・向上を図るために、区役所・地域自治センターなどにできるだけ多くの権限を持たせ、行政組織内部の分権を推進する。
一市多制度
 元気で個性ある地域を実現するために、特定の地域に固有な制度や行政サービスの差異を残すという一市多制度を活用する。


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